Dear Speech.

お元気ですか？

グリーンルームフェスティバルで共演してから数年が経ちましたね。素晴らしいショー、素晴らしいチーム、そしてArrested DevelopmentとG-Loveのクールなコラボレーション。
アーティストラインナップも素晴らしく、一生忘れられない経験です。
あなたのボジティブな精神はいつも僕のインスピレーションとなり、良い影響を与えてくれています。

スピーチさんは真のポジティブ精神の持ち主だと思います。
あなたの音楽は僕の人生におけるBGMです。あなたのアルバム "3 Years 5 Months and 2 Days in the Life of..."は自分の中高時代を思い出したりもします。

短い時間しかお話することができませんでしたが、楽しい時間をすごせました。
またお会いできる日を楽しみにしています。是非ジャムセッションしましょう！

スピーチさんにとって、今迄の成功やキャリア、インスピレーションとなった出会いなどを含め人生における最初のサウンドトラックは何ですか？

―Blaise

Arrested Development - People Everyday (HD)

Dear Blaise,

　優しい言葉をありがとう！
　昨日ちょうど『3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life of...』を聴いて、懐かしんでいたところ（笑）。日本でGラヴと一緒にやったライブのことは憶えてるよ。素晴らしい体験だった。君の“ホーム”こと日本を訪れるのは大好きなんだ。いつだって心温まる経験ができるし、日本のみんなにはとても励まされるよ。

　実は、いまのアメリカ文化に欠けていると思っているものがあるんだ…日本ではごく当たり前のようだけど、それはハードワークと優れたものに対するリスペクトだと思ってる。君は日本に住んでるから、僕が言ってることがあまりよく理解できないかもしれないけど、どうだろう？君のグループの曲を聴いて、いくつかビデオを観させてもらったけど、ヴィジュアル面においての美学がすごく気にいったよ。とても温かくて、惹きつけられるね。そしてそれは音楽からも感じるよ。アルバムとシングルのアートワークの雰囲気も最高だし。君たちの音楽とクリエイティヴィティに出会えて、すごく嬉しい。この会話楽しいね。:-)君たちのこれまでの成功を祝福するよ。

　君は夢のような人生を歩んでいるようだね！僕の人生におけるサウンドトラックは、アレステッド・ディヴェロップメントの「Pride」。僕たちの2ndアルバム『Zingalamaduni』に収録されているんだけど、人種差別や憎しみに終止符を打つことについての曲なんだ。近年アメリカでは、警官による無防備で若い黒人たちの死亡事件が勃発していて、この悲惨な状況をとてももどかしく感じている。何年も前に書いた曲だけれど、今の状況にピッタリハマっていると思うんだ。君たちの音楽も心を癒す音楽に聴こえるよ。

―Speech

MONKEY MAJIK / Around The World

スピーチさん、お返事ありがとうございます。

　確かに、日々人々が互いのハードワークを尊敬し合う姿を見かけます。特に僕の住む地域や仕事仲間の中で。
　自分だけではなくコミュニティの一員として一日一日、高いゴールを目指していますね。結果が100パーセントでなくとも常に100パーセントの努力で。

　僕たちの音楽を気に入ってもらえて嬉しいです。楽曲制作、デザイン、撮影全てにおいて楽しめるだけ楽しんで制作に挑んでいます。 僕らはいつも外国人から見る日本を映像で表現する傾向がありますね、すごく楽しんでいます。
兄のメイナードと僕はカナダ出身で他二人のメンバー(DICKとTAX)は日本人。彼らは洋楽や外国の文化をリスペクトしているし(彼らのほうが良く知ってるなんてことも多々あります 笑)
兄と僕も日本の文化をとても尊敬しています。 お互いの文化に情熱を注げることは素晴らしいし、それが音楽で表現できていれば嬉しいですね。

　僕たちは本当にうまく一緒に仕事が出来ているし、他の皆さんがより素晴らしいことに向けて、より大きなスケー ルで物事に挑んでいる姿を見ることができるのは最高だと思っています。

　あなたの楽曲「Pride」には強いメッセージが込められていますね。 僕らが未だ目にする憎しみと関連性があると同感します。 あなたの楽曲にはとても影響力があると思います。特に他のミュージシャン達に。そしてさらに多くの人たちが信じるものの為に立ち向かっていくことでしょう。

　これ、本当に楽しかったです！話ができてエンジョイしました。
日本でまたお会いできる日を楽しみにしています！

Take care Speech!
神のご加護を。

―Blaise

Arrested Development - Tennessee

Dear Blaise,

　返事が遅くなってゴメン。大盛況だったUKツアーから戻ってきてそのままオハイ
オ州に行って高校生たちの前でソロ・パフォーマンスをやって、さらにヒップホップの起源について講義したんだ。

　その後、かの有名な【SXSW】に行ったよ。【SXSW】は、巨大な音楽見本市で、「サンプリングがどのように音楽業界を救ったのか？」という僕自身が選んだトピックのパネル・ディスカッションに登壇する予定だったんだけど、開催1週間前に、登壇者が大勢いるのではなく僕だけで、それも丸1時間1人で話さなきゃいけないことが発覚したんだ。それって、もはや講義だよね（笑）。

　他に登壇者はいないし、モデレーターもいない。観客からの質疑応答は10分間だったから、満席の会場を前に50分もレクチャーしなければならなかった。このトピックにはすごく関心があるけれど、公の場で話したことはなかったから、大きな挑戦だった。 でも、とりあえずうまくいったから良かったよ。しかも、同じ“スピーチ”をアフリカ、ヨーロッパやアメリカの他の州でもやってくれってオファーを受けたんだ。僕ってすごく恵まれてるね（笑）。

　そうか、君はカナダ出身でなんだね。カナダは大好きだよ！文化に惹かれるし、（ちょっと身近な）オーストラリアって感じがするね。君と同じように、僕もアメリカ以外の国に行くと、その国の人達の方が僕よりアメリカや自国のことを知っているのに驚かさせられるよ（笑）。

　バンド内で異文化コミュニケーションを図っているのは素晴らしいと思う。アレステッド・ディベロップメントのバンド・メンバーは全員北米出身だけど、様々な国を訪れることでその国の持つ個性が味わえるのは素晴らしいよ！

　最後に実は僕は世界中で見つけた音楽を流す「Musical Safari」(MusicalSafari.com)という1時間番組をやっているんだ。毎週金曜日にInter FMでも流れているから、時間がある時に聴いてくれたら嬉しいな。

　4月上旬に日本に行くから、その時に是非会いたいね。
それまで、創造し続け、よく笑い、元気でね！

―Speech

MONKEY MAJIK / 「Alive」 MUSIC VIDEO