2020/09/10
現地時間の2020年9月9日、クール&ザ・ギャングの創設メンバーだったロナルド・ベルが、米領バージン諸島の自宅で急逝した。享年68歳、死因は明かされていない。
ロナルド・ベルと兄のロバート・“クール”・ベルは、米ジャージー・シティの近所の友人だったデニス・“D.T.”・トーマス、ロバート・“スパイク”・ミッケンズ、チャールズ・スミス、ジョージ・ブラウン、リッキー・ウェストと共に1964年にバンドを結成し、ジャズ/ソウル/ファンクをブレンドした独特なサウンドを生み出した。1969年にクール&ザ・ギャングというグループ名に落ち着くまで、Jazziacs、The New Dimensions、The Soul Town Band、Kool & the Flamesなどの名前で活動していた。
1951年11月1日に生まれたロナルド・ベル(別名Khalis Bayyan)は、クール&ザ・ギャングのチーフ・コンポーザーでもあった。グループ唯一の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”No. 1ソングとなった「セレブレーション」を書いたほか、TOP10ヒット「ジャングル・ブギー」、「ハリウッド・スウィンギン」、「ゲット・ダウン・オン・イット」も手掛けた。同グループは、米ビルボードホット・R&B/ヒップホップ・ソングス・チャートで合計25曲のTOP10ヒットを記録している。
「セレブレーション」を書いたきっかけについて彼は、2018年の米ビルボードとのインタビューで、「“レディーズ・ナイト”の最後の方で、“Come on let’s all celebrate”と歌ってるので、“セレブレーション”は“レディーズ・ナイト”の最後から生まれてるんだけれど、実は読んでいた聖書にそれが書かれていたんだ。人を創りたもうた宇宙の創造主と天使たちが皆で(人を創造したことを)祝って(celebrating)いたということがね。そこから着想を得て“セレブレーション”を書いたんだよ」と明かしていた。
クール&ザ・ギャングは、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックで【グラミー賞】<年間最優秀アルバム賞>、5つの【アメリカン・ミュージック・アワード】、2014年に【BETソウル・トレイン・アワード】<生涯業績賞>を受賞している。アルバムが世界で7,000万枚売れ、アメリカレコード協会(RIAA)によりシングル17作がゴールドまたはプラチナ認定されている。ベル兄弟、ブラウン、そしてリード・シンガーのジェイムス・“J.T.”・テイラーが2018年に【ソングライターの殿堂】入りを果たした。
ロナルド・ベルは、グループ結成50周年を迎えた2019年の米ビルボードとのインタビューで、自身のような経歴を持てただけありがたいと笑いながら話していた。「こんなに長くなったことにもね。それに最も感謝しているよ、僕は。19歳だった頃から今もまだ人気があるってことに」と彼は語っていた。
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