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2020/07/22

窪田ミナ、アルバム『Rain』をリリース

 作曲家/ピアニストの窪田ミナが、アルバム『Rain』をリリースした。

 窪田は、現在人気沸騰中のアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』をはじめ、NHKドラマ『ゲゲゲの女房』、映画『葛城事件』、アニメ『ARIA』といった数々の映画、ドラマ、アニメ等で音楽を彩ってきた。本作には、そんな映像音楽の分野で活躍する窪田の、持てる技術のすべてを注ぎ込んだ11のピアノ曲を収録。「日常の情景に寄り添うような音楽を聴き進めるうちに、いつの間にか幽遠な世界へと迷い込んでいく。繰り返すほどに味わい深さを増す」といった作品になっている。


◎沢田 穰治(音楽家) コメント
彼女の穏やかな音の波に包まれてしまう瞬間、印象的な絵画の音世界に誘われている自分に気づきます。
それは毎日起こる奇跡によって生かされそして永遠に受け継がれるであろう生命の畏敬。そしてそれぞれが命を終え土に戻っていく定めの中で生かされていることを。
彼女の音楽の深いところにあるその本質「ものの哀れ」にふと触れてしまいます。寂しさの感情からか、喜びの感情からか、わからない感情のまま彼女の音に身を委ねていると自然と涙がこぼれ落ちてきます。
しばらくは早起きして朝靄の残る時間『Rain』を聴く日々を過ごそうと思っています。

◎佐藤 順一(アニメーション監督) コメント
『Rain』に納められた曲たちを聞きながら、いつしか物語における雨というものについて考えていた。雨がドラマの中で印象的に使われる事が多いのは、悲しさにも憂鬱さにも、やさしさにも情熱にも、さまざまな感情に寄り添うことができるからだろう。
そういえばピアノもそうだ。窪田さんのピアノから生まれて、耳を通して見えてくる風景は実に多彩だし、穏やかな中にも生命力を感じさえする。今、目の前にあるとるにたらない普段の風景にまで光を添えてくれるようだ。確かに雨は、そして音楽もまた生命の源なのかもしれない…そんな事を思いながらもうしばらくこのメロディに浸っていたい。

◎鈴木 さえ子(音楽家) コメント
彼女の作るタペストリーのように複雑に楽器や和音が絡み合ったオーケストレーションの大ファンですが、88鍵(ベーゼンドルファー290だから97鍵?)のピアノの音色だけで作り上げる窪田ミナさんの音楽は、シンプルなピアノ曲こそ一番魅力が発揮されると、今回のアルバム『Rain』を聴いて感じた。
なぜって、たった10本の指で、雨の雫の響き、霞む空気やツンと冷たい香り、水たまりにひろがる波紋、そんな景色が映像で見えてくるから凄い。
『マクロスΔ』で初めて共作した時に、リレー式で仕上げた作業場で、「こんな感じ?」とさらりと完璧なミナワールドをシンプルなピアノの一筆書きで弾き、あーだこーだと長時間悩んで作る私はその迷いのなさに驚いた。まさにアンテナにストンと落ちる感じ。
多分彼女は自然界と対話ができる選ばれた音楽家なのだと思う。羨ましい。

◎石川 慶(映画監督) コメント
雨の日の朝、電車の窓から外を見ると、いろんな風景が見えるじゃないですか。初々しい若いカップルから、少し気だるそうにあくびしてるサラリーマン、水たまりで遊んでる子どもたち、高架下に見える色とりどりの雨傘。
窪田さんの音楽って、そういうあたりまえの風景に潜んでいる美しさ、哀しさ、可笑しさみたいなものをすくい上げてくれる魅力があるんですよね。
そして、電車を降りるときには、清々しい『Sky』がそっと顔を出している、そんなアルバムです。

◎ラスマス・フェイバー(音楽家) コメント
窪田ミナさんとは、もう結構長い間知り合いで、何度か一緒に曲を作らせてもらったこともあるし、僕のプラチナジャズのライブにも参加してくれたことがあるんだ。アルバムを聴くと、作曲家として、そして人柄も素敵なことが即座にわかる。とても美しいピアノ・アルバムだよ。また一緒に曲作りしたくなったよ!

◎山本 むつみ(脚本家) コメント
ミナさんの音楽は、感情の奥深い所に染みこんでくる。
抑えていた思いが大きくうねって溢れ出すのが伝わってきたり、静けさの中にキラキラ輝く喜びが弾けているようだったり、包み込むように優しい曲調の中に、ふと不穏な気配を感じることもある。
劇中音楽を作っていただいた朝ドラ『ゲゲゲの女房』では、視聴者の方々が、多くのシーンを劇伴と共に記憶し、愛してくださっている。それは、ミナさんの音楽が、時として台詞よりも雄弁に、シーンの意味と登場人物の感情を物語ってくれるからだ。
ミナさんの音楽は、ドラマを連れてくる。
11曲で構成されたアルバム『Rain』は、一曲一曲が別々の世界のようでもあり、全体が一つながりのドラマのようにも思える。雨音、物思い、喜びの記憶、小さな後悔、とめどなく流れる時間、失われることのない希望……。彩り豊かな様々な感情を伴ったシーンが、音楽の中から立ち上がってくるようだ。
幾度も幾度も繰り返し聞いて、ピアノが語りかける物語に耳を傾けていたい。

◎リリース情報
アルバム『Rain』
発売中
STPR017/3,000円(tax out)

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