2020/02/19
ロバート・グラスパー、ディアンジェロ、アデルなど、現代のジャズ、ブラック・ミュージック~ポップ・シーンの最重要アーティスト達と数々の共演を果たし、音楽の新たな可能性を切り拓き続けるドラマー、クリス・デイヴがクリス・デイヴ&ドラムヘッズとして、来日公演を行っている。
昨年はロバート・グラスパーの【SUMMER SONIC2019】出演(東京のみ)時などでの来日はあったが、単独公演としては2018年5月以来ということで、1年半ぶり。今回はダニエル・クローフォード(Keyboards)、サディーアス・トリベット(Bass)、エリカ・バドゥも絶賛するパーカッショニスト、フランク・モカ、更にゴスペルなどをバックグラウンドに持つR&Bシンガー、アーロン・カンパーをボーカルに迎えた5人編成だ。
ダニエルとサーディアスのセッションにのせ、大歓声の中、登場するクリスとメンバー。フロアに立ちにこやかな笑顔で「コンバンハ!」と呼びかけ、「いかしたメンバーたちを紹介するよ!」とメンバーを一人ずつ紹介するクリス。アーロンはこの日、日本のクラシカルな火消し半纏を身にまとっていた。緩やかなセッションからパフォーマンスがスタート。メロディにのせリズムを刻むのではなく、クリスの生み出すリズムにのせ、変容しながら生み出されていくメロディ。変則的かつタイトなビートに合わせ、絡まるベースライン。自由に音色を奏でる鍵盤の音色。その輪郭を浮かび上がらせるように叩き込まれる打楽器のリズム。両サイドに設置されたスパイラル・シンバルを打ち鳴らしながら、全身を使ってビートを刻むクリスの姿は、見惚れてしまうほど優美で、力強く、テクニカル。時折パンっと叩く手を止め、不意にメンバーを指すクリス。指名されたメンバーが奏で始めると、そこから新たに生み出される音に合わせて、新しいグルーヴが生み出されていく。何と実験的で、感覚的で、本能的なステージ。それでいてステージの空気は終始フレンドリーで、時折笑顔や軽口を交わしながら進められる様子はとても無邪気で、まるで彼らのスタジオセッションに立ち会っているような親密さを感じさせた。
進化し、深化し続ける世界最高峰のドラマー・ビートメイカー、クリス・デイヴ。本日19日より明日20日まで2日間にわたりビルボードライブ東京でもその深化の一端を垣間見ることが出来る。
◎公演情報
【クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ】
<ビルボードライブ大阪>
2020年2月18日(火)※終了
<ビルボードライブ東京>
2020年2月19日(水)・20日(木)
1st ステージ 開場 17:30 開演 18:30
2nd ステージ 開場 20:30 開演 21:30
http://www.billboard-live.com/
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