Billboard JAPAN


NEWS

2016/12/05

METAFIVE、グルーヴィーな新曲も完璧なパフォーマンス! 冬ツアー東京公演のライヴレポートが到着

 METAFIVEが12月3日、東京 ZEPP DiverCityにてツアー【WINTER LIVE 2016】の東京公演を開催。当日のライヴレポートが届いた。

 今年1月に発表したファースト・アルバム『META』が好評を博し、夏はフェスでのプレイも大喝采を浴びたMETAFIVE。11月30日より【WINTER LIVE 2016】と題したツアーを敢行しており、これまでに広島、大阪のライヴハウスで公演を行ってきた。その一環で彼らがこの日の夜にライヴを行ったのは、東京・お台場にある〈ZEPP DiverCity〉である。

 17時に開場されると、会場のフロアはあっという間に人で埋めつくされた。観客たちはみな、ステージに視線を向け、今や遅しと6人が登場するのを待っているようだ。そして18時を過ぎた頃、客電が落ちると同時に、オープニングSEが鳴り、中村勇吾がVJを始めた。スクリーンにメンバー一人ひとりの名前が映し出されるたびに、大きな歓声が上がる。それと並行して、メンバーが順にステージ上に登場。全員そろったところで、LEO今井が「グッド・イヴニング」と客席に向けて挨拶し、ついにライヴが始まった。

 まず彼らが披露したのは、「Submarine」。11月頭にリリースしたばかりのEP『METAHALF』に収録されている一曲で、ライヴで聴くのは初めてだったが、6人の息ががっちりと合った演奏で、すでに板についている印象だ。魚の群れが水中を漂うような中村のVJも、この楽曲にぴったりである。続いて、LEO今井が朗々と歌い上げる「Maisie's Avenue」を挟み、プレイされたのは新曲の「Chemical」。エッジの効いたベース音と疾走感のあるビートに、グイグイと乗せられてしまう。やはり、このバンドの“攻め”の姿勢は健在だ。

 ここで一度、「東京に帰ってきました」という高橋のMCが入った後、演奏されたのはまたしても新曲「Musical Chairs」。先日、朝の情報番組『スッキリ!!』(日本テレビ)で同曲の生ライヴが披露され、METAFIVEの存在をお茶の間に知らしめることになったが、この日、楽曲の艶っぽく洗練された雰囲気が、高速道路のジャンクション、武道館、東京ドーム、工場……といった東京の風景を俯瞰したVJの映像によって引き立っていた。それでいながら、終盤の高橋とLEOによる「Eyoi yoi yoi」というコーラスワークは、祭囃子を思わせ、オーディエンスのプリミティヴな快楽に訴求するように見えたのだ。

 それから「Split Spirit」「Albore」「Whiteout」と『META』の収録曲が続いたが、同アルバム発売直後のライヴと比して、バンド・アンサンブルが強固で、明らかにレベルアップしている。とりわけ、「Split Spirit」に関しては、静かに始まる曲でありながら、各人が紡ぐ一音一音とビートが絡まり合い、やがて大きなうねりになっていくさまは圧巻だった。

 その後、スケッチ・ショウのカバー曲である「Turn Turn」の演奏が終わると、新曲「Peach Pie」へ。小山田圭吾のソリッドなギター・リフと砂原良徳が弾く太いベースラインが攻撃的なグルーヴを生み出し、間奏ではゴンドウトモヒコがアヴァンギャルドにユーフォニウムを吹いたのだった。

 ここでまた、MCタイムとなる。テイ・トウワがDJブースから拡声器で「ゴンちゃんを思い切り抱きしめたい人?」と客席に問うと、いくつか声が上がったが、高橋が「男の人が多いね……」と苦笑。続けてテイが「LEO君を抱きしめたい人?」と聞くと、黄色い声が客席から多く上がり、その反応を見てテイは「LEO君の勝ちだね」とつぶやいた。こうした“笑い”も、METAFIVEの特徴のひとつだろう。このMCがあったせいか、その後の新曲「Egochin」はどこかユーモラスに聴こえたのだった。

 そして、そもそもはテイの曲だった「RADIO」を安定したクオリティでプレイし終えた後、再び高橋のMCヘ。ここまで観客を十分ロックしていたようにも思えたが、「次の曲でもっと盛り上がるかな」と高橋が言って始まった「Don't Move」は、間違いなくこの日のハイライトだった。『META』のリリースに先行してYouTube上にアップされたアグレッシヴな同曲のMVを耳にして、METAFIVEがキャリアのある音楽家たちが寄り集まっただけの“企画モノ”ではないことを思い知った観客の多くは、やはりこの曲を待っていたのではないか。フロアではみなビートに合わせて身体を揺らしながら、ヒートアップしていく。それに対して、ステージ上の面々は以前よりも強度を増した演奏を展開し、さらにオーディエンスを鼓舞していった。

 その勢いを保ったまま、疾走感のある「Gravetrippin」、ラスト・ソングの「Disaster Baby」を披露。彼らがすっかり固い信頼関係で結ばれたライヴ・バンドになっていることを証明した。

 この後、6人は舞台から一度立ち去るが、観客のアンコールを受けて、再び登場。もともと高橋がシーナ&ロケッツのために書いた「Radio Junk」のカバーから始まり、それに続いてプレイされたのが「Luv U Tokio」だ。東京の風景を切り取ったMVが背後に流れるなか、同曲が演奏される様子を見ながら、METAFIVEは改めて東京のバンドであることを実感した。国内のほかの都市もめぐるツアー中だからこそ、東京公演でのこの曲が象徴的に感じたのかもしれないが、今、目の前で鳴っている音楽はやはり、世界中のどんな場所にも見当たらず、東京のハイセンスな音楽家たちにしか生み出せないものだろう。そして、高橋が「この曲で終わります」と言い、彼らは浮遊感のある「Threads」で締めくくろうとしたーー。

 しかし、ここでライヴは終わらなかった。「Threads」の演奏後、メンバーの姿がステージから消えても、ほとんどの観客がフロアにとどまり、アンコールが鳴り止まない。すると、6人は再々登場し、「メンバーみんなが儀式だって言うんで、この曲をやります」と高橋。そして、奏でられたのが、METAFIVEが結成時よりプレイしてるYMOのカバー曲「CUE」である。オーディエンスはそのメロディを口ずさみながら、大いに満足している様子だった。

 かくして東京でのライヴは大団円を迎えたわけだが、この夜のパフォーマンスを見る限り、METAFIVEは“守り”に入るどころか、まだまだ“攻め”の姿勢で突き進んでいくことを予感させる。12月5・6日の札幌公演でも、彼らのライヴはきっとさらに“進化”しているはずだ。(文・中矢俊一郎)

Photo by 三浦憲治


◎リリース情報
『METAHALF』
Available now
WPCL-12456 / 1,800円(tax out) 
<収録曲>
1. Musical Chairs
2. Chemical
3. Egochin
4. Peach Pie
5. Submarine


◎ツアー情報
METAFIVE 【WINTER LIVE 2016】
11月30日(水)広島 クラブクアトロ
12月01日(木)大阪 なんばHatch
12月03日(土)東京 ZEPP DiverCity
12月05日(月)札幌 ペニーレーン24
12月06日(火)札幌 ペニーレーン24

METAFIVE その他の画像・最新情報へ

関連商品

ZOUNDTRACKS
TOWA TEI「ZOUNDTRACKS」

2023/09/06

[CD]

¥3,520(税込)

TOUCH
TOWA TEI「TOUCH」

2023/09/06

[CD]

¥3,520(税込)

ARBEIT
TOWA TEI「ARBEIT」

2019/11/06

[CD]

¥3,300(税込)

VLP
LEO今井「VLP」

2018/07/11

[CD]

¥3,300(税込)

EMO
TOWA TEI「EMO」

2017/03/22

[CD]

¥2,970(税込)

METAHALF
METAFIVE「METAHALF」

2016/11/09

[CD]

¥1,980(税込)

METALIVE
METAFIVE「METALIVE」

2016/08/17

[Blu-ray Disc]

¥7,150(税込)

META
METAFIVE「META」

2016/01/13

[CD]

¥3,080(税込)

CUTE
TOWA TEI「CUTE」

2015/07/29

[CD]

¥3,056(税込)

TAXI
LEO今井「TAXI」

2008/07/09

[CD]

¥1,026(税込)

TAXI
LEO今井「TAXI」

2008/07/09

[CD]

¥1,026(税込)

FIX NEON
LEO今井「FIX NEON」

2008/02/27

[CD]

¥2,619(税込)

FIX NEON
LEO今井「FIX NEON」

2008/02/27

[CD]

¥2,619(税込)

Metro
LEO今井「Metro」

2008/01/30

[CD]

¥1,047(税込)

Metro
LEO今井「Metro」

2008/01/30

[CD]

¥1,047(税込)

Blue Technique
LEO今井「Blue Technique」

2007/11/21

[CD]

¥1,047(税込)

Blue Technique
LEO今井「Blue Technique」

2007/11/21

[CD]

¥1,047(税込)

CITY FOLK 0.5
LEO今井「CITY FOLK 0.5」

2007/05/02

[CD]

¥1,620(税込)

CITY FOLK 0.5
LEO今井「CITY FOLK 0.5」

2007/05/02

[CD]

¥1,620(税込)

WORKS ’95-’05
砂原良徳「WORKS ’95-’05」

2007/03/21

[CD]

¥3,850(税込)

JAZZ JERSEY
(オムニバス) 小山田圭吾「JAZZ JERSEY」

1992/11/26

[CD]

¥2,670(税込)

ZOUNDTRACKS
TOWA TEI「ZOUNDTRACKS」

2023/09/06

[CD]

¥3,520(税込)

TOUCH
TOWA TEI「TOUCH」

2023/09/06

[CD]

¥3,520(税込)

ARBEIT
TOWA TEI「ARBEIT」

2019/11/06

[CD]

¥3,300(税込)

VLP
LEO今井「VLP」

2018/07/11

[CD]

¥3,300(税込)

EMO
TOWA TEI「EMO」

2017/03/22

[CD]

¥2,970(税込)

METAHALF
METAFIVE「METAHALF」

2016/11/09

[CD]

¥1,980(税込)

METALIVE
METAFIVE「METALIVE」

2016/08/17

[Blu-ray Disc]

¥7,150(税込)

META
METAFIVE「META」

2016/01/13

[CD]

¥3,080(税込)

CUTE
TOWA TEI「CUTE」

2015/07/29

[CD]

¥3,056(税込)

TECHNO RECITAL
高橋幸宏&METAFIVE「TECHNO RECITAL」

2014/07/23

[CD]

¥3,300(税込)

TECHNO RECITAL
高橋幸宏&METAFIVE「TECHNO RECITAL」

2014/07/23

[CD]

¥3,300(税込)

94-14 REMIX
TOWA TEI「94-14 REMIX」

2014/07/23

[CD]

¥2,860(税込)

SYNCHRONIZE
LEO今井「SYNCHRONIZE」

2009/01/28

[CD]

¥1,026(税込)

SYNCHRONIZE
LEO今井「SYNCHRONIZE」

2009/01/28

[CD]

¥1,026(税込)

オカーレンス・オブ・スロープ
スティーヴ・ジャンセン 小山田圭吾 高木正勝 徳澤青弦 楢村海香 菊池幹代 藤堂昌彦「オカーレンス・オブ・スロープ」

2008/11/21

[DVD]

¥4,715(税込)

TAXI
LEO今井「TAXI」

2008/07/09

[CD]

¥1,026(税込)

TAXI
LEO今井「TAXI」

2008/07/09

[CD]

¥1,026(税込)

FIX NEON
LEO今井「FIX NEON」

2008/02/27

[CD]

¥2,619(税込)

FIX NEON
LEO今井「FIX NEON」

2008/02/27

[CD]

¥2,619(税込)

Metro
LEO今井「Metro」

2008/01/30

[CD]

¥1,047(税込)

Metro
LEO今井「Metro」

2008/01/30

[CD]

¥1,047(税込)

Blue Technique
LEO今井「Blue Technique」

2007/11/21

[CD]

¥1,047(税込)

Blue Technique
LEO今井「Blue Technique」

2007/11/21

[CD]

¥1,047(税込)

CITY FOLK 0.5
LEO今井「CITY FOLK 0.5」

2007/05/02

[CD]

¥1,620(税込)

CITY FOLK 0.5
LEO今井「CITY FOLK 0.5」

2007/05/02

[CD]

¥1,620(税込)

WORKS ’95-’05
砂原良徳「WORKS ’95-’05」

2007/03/21

[CD]

¥3,850(税込)

CROSSOVER
砂原良徳「CROSSOVER」

1995/09/01

[CD]

¥2,990(税込)

JAZZ JERSEY
(オムニバス) 小山田圭吾「JAZZ JERSEY」

1992/11/26

[CD]

¥2,670(税込)

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    櫻坂46、躍進した2024年の集大成を魅せたグループ4周年ライブでZOZOマリン史上最大となる72,000人を動員

  2. 2

    【米ビルボード・アルバム・チャート】ATEEZ『GOLDEN HOUR : Part.2』首位、リンキン・パーク/JINがTOP5デビュー

  3. 3

    【深ヨミ】アンジュルム『初恋、花冷え/悠々閑々 gonna be alright!!』の販売動向を過去作と比較

  4. 4

    JO1、ワールドツアー開催を発表「ここから世界に羽ばたいていきます」

  5. 5

    和楽器バンド、活休前最後のツアーが開幕 10年分の感謝をこめた渾身のステージ

HOT IMAGES

注目の画像