2015/08/06 17:00
ロックンロールは普遍的で、色褪せない価値を伝えるものだが、だからこそ、若いロックンロール・バンドが若いリスナーと時代を共有することには特別な意味がある。ロックンロールが若者の表現であるという事実を、その都度リフレッシュしてくれるからだ。アイルランド出身のザ・ストライプスは現在もなおメンバー全員がティーンネイジャー(最年長のジョシュ・マクローリーがこの9月に20歳の誕生日を迎える)であり、同時に世界で最も勢いのあるバンドのひとつだ。
7/15に日本先行発売されたザ・ストライプスのセカンド・アルバム『リトル・ヴィクトリーズ』は、タイトルどおり、もはや凱歌として響いてしまう最高のロックンロール・アルバムである。Billboard JapanのHot Albumsでは初登場26位。CHART insightによれば、全国のAM/FMラジオ放送回数において「Get Into It」がベスト10に食い込んでいる(8/3付けで9位)。
音源に触れてまず驚かされるのは、彼らがこの2作目ですでに“若さ”を言い訳の道具にしていない、ということだ。ヴィンテージな音作りで勢いを丸出しにしていたEP『Blue Collar Jane』やデビュー・アルバム『Snapshot』と比較すると、バンドのグルーヴはぐっと自信に満ちて野太くなり、サウンドは現代的にブラッシュアップされてなお生々しい。グルーヴの“太さ”は楽曲の構造による部分も大きく、ブギーなR&Bのラヴ・ソング「I Need To Be Your Only」や、アイロニーを吐き出すスモーキーなブルース・ロック「Queen Of The Half Crown」といった楽曲群だけでも、ストライプスのロックンロールが表現の幅を格段に広げていることが分かる。
そして中盤のエピックな美曲「(I Wanna Be Your)Everyday」がたっぷりと余韻を残すと、次曲「Best Man」が性急で痛快無比なストライプスを呼び覚ます。この辺りの構成は、アナログLPで触れることにより味わいが一層増すだろう。メキメキと成長してウェイトを増した彼らが爆走を繰り広げるアルバム後半の爽快感は、思わず嬌声を発したくなるほどだ。アルバム本編は12曲目「Scumbag City」で幕を閉じるが、日本盤CDではカヴァー含め7曲ものボーナス・トラックが収録され、日本独自のデラックス盤にはライヴ映像を収めたDVDも同梱されている。
7月のプレミア・ギグは東京の一夜限りだったものの、11月には全国7公演がスケジュールされたジャパン・ツアーが控えている。期待の新星どころか、ザ・ストライプスを最高峰のロックンロール・バンドの座にまで押し上げる名盤『リトル・ヴィクトリーズ』を、どうかしっかりと聴き込んで、次回来日に備えて欲しい。
[text:小池宏和]
◎リリース情報『リトル・ヴィクトリーズ』
2015/7/15RELEASE
通常盤(CD):UICR-1117 2,200円(tax out)
日本独自企画デラックス盤(CD+DVD):UICR-1118 3,100円(tax out)
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