2013/10/03
バッハを始めとする古楽を専門とするオーケストラ、合唱団からなる「バッハ・コレギウム・ジャパン」の第104回定期演奏会が、2013年9月23日に東京オペラシティ コンサートホールにて開催された。
オルガン前奏は、J.S.バッハ作曲「幻想曲とフーガ ト短調BWV542」。会場の空気が、一瞬にしてパイプオルガンの荘厳な音色に包まれる。続いて、4名のソリストとともに合唱団とオーケストラが入場し、音楽監督を務める鈴木雅明の指揮によるJ.S.バッハ作曲の「ミサ曲 ト長調 BWV236」。複雑に絡み合う旋律が、オーケストラと合唱団それぞれ、精巧に重なり合いながら美しい響きをもたらし、客席いっぱいに広がっていく。
休憩後の第二部では、まず鈴木雅明が登場し、バッハが手を加えたとされるドゥランテの2作品と、バッハが演奏したという記録が残っているサンクトゥスについて楽曲紹介をはさみ、3曲続けて演奏。最後は、再度 J.S.バッハが遺した「キリエ」と「グローリア」のみからなる4曲のミサ・ブレヴィスのうちの1つ、「ミサ曲 ト短調 BWV235」。外の喧騒を忘れさせてくれるような豊かな2時間は瞬く間に過ぎ、万雷の拍手とともに幕を閉じた。
聖書の教えが牧師の説教によって理性に理解されるばかりではなく、音楽によって“感性にも刻印されるように”という思いでバッハが生み出したと言われているカンタータ。300年という時を経て、忠実かつ、完成度の高い演奏によって、バッハの崇高な魂に触れることができる貴重な公演だった。
◎公演情報
【バッハ・コレギウム・ジャパン第104回定期演奏会
バッハ:教会カンタータシリーズ Vol.66~ルター派ミサ曲1~】
日時:2013年9月23日(月祝) 15時開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
出演:指揮:鈴木雅明
ソプラノ:ハナ・ブラシコヴァ
カウンターテナー:ロビン・ブレイズ
テノール:ゲルト・テュルク
バス:ペーター・コーイ
オルガン前奏:鈴木優人
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
曲目:
ミサ曲 ト長調 BWV236
キリエ ハ短調/クリステ・エレイソン ト短調 BWV242
サンクトゥス ト長調 BWV240
サンクトゥス BWV241 イ長調
ミサ曲 ト短調 BWV235
More info http://bachcollegiumjapan.org/
写真:(c) Marco Borggreve
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