2013/03/01
2月28日、東京・渋谷Bunkamura オーチャードホールにてデビュー10周年を迎えるシンガーソングライター安藤裕子と、日本を代表する女性指揮者の西本智実、日本フィルハーモニー交響楽団のスペシャルコラボレーション公演が開催された。
通常の公演と異なり、クラシックコンサートのルールで進行される本公演は、開演を知らせるベルが鳴らされ、ステージに登場したのは日本フィルのオーケストラのメンバー。続いて指揮者の西本智実が現れると大きな拍手で出迎えられた。丁寧なお辞儀の後にサラリとスタートした一曲目はオーケストラのみの演奏で「ビゼー:アルルの女より『ファランドール』」。誰でもどこかで耳にしたことのあるメロディーに、安心感と生で感じるオーケストラの演奏に程よい緊張感が走る。
一旦、西本智実がステージを去り、本日もう一人の主役である安藤裕子を招いて登場。観客からまた大きな拍手で迎えられる。主役である指揮者と歌い手は目で合図をし、いよいよ共演が開始。まずは「ニラカイナリィリヒ」、「私は雨の日の夕暮れみたいだ」、「Green Bird Finger.」と3曲続けて披露。普段のバンドサウンドで聴くライブでは体感できないスペシャルな音楽が一気に会場中に広がる。全身を使って彼女の歌声がオーケストラの演奏と共鳴し、すべての時間がハイライトのような多幸感を生み出す。
MCで安藤は「普段とは違う響きは一生に一度の体験、嬉しいです。」と語り、クラシックコンサートのマナーに戸惑っていることや、西本が作曲出身であることから作曲方法についてなどMCを一通り話し終えると2人は「どうやってMC締めたらいいんですかね?」と会場は和ませた。
本公演は安藤の生み出した楽曲と歴史を積み重ねたクラシック楽曲との共演でもあり、ラヴェルやドビュッシーといった名曲たちも披露された。また、休憩を挟んでの2曲はピアノと歌声だけでのシンプルに聴かせるなど、メリハリのついた構成で進行していく。最後に「デビューして10年、いい思い出になりました」と語り、「歩く」を披露し、本編は終了。盛大なアンコールが鳴り響く中、これまたクラシックコンサートになれない安藤の様子が微笑ましい。アンコールは「聖者の行進」で本日一番のクライマックス感溢れる演奏で大喝采を浴びた。
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