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ゴールデンボンバー 『僕クエスト』インタビュー
噂のエアーバンド 遂に登場!
シングル『女々しくて』のスマッシュヒット以降、音楽界に衝撃的な革命を起こし続けているビジュアル系エアーバンド(=ボーカル以外が演奏しない) ゴールデンボンバーが、遂に初登場! その歴史から現在までを語ってもらいました。彼らが今、どうしてこれほどの人気を集めているのか。これを読めば、その魅力の一端を感じられるのではないかと!
樽美酒 研二の顔が白くなった理由
--近年の活躍や人気は、本当に目覚しいモノがありますね!
鬼龍院 翔(Vo-karu):そうなんですかね? 最近オンエアされているハウス食品「メガシャキ」のCMで、僕の歌が使われているんですけど、僕自身がまだ一回も観れてないので、やっぱり嘘だったんじゃないかって……(笑)。
歌広場 淳(Be-su):やっぱりライブが終わった後、デルモのお姉さまたちが「メンバー様だわ! キャー☆」って来るようにならないと、人気なんて無いようなモノだと思うんです。でも僕らはそんな経験無いし、今後もその兆しは皆無ですから。
鬼龍院:その昔、まだライブの動員が全然少なかった頃に、「ホールクラスをワンマンで埋められるようになったら、各地のイベンターさんから女の子を紹介してもらえる」ってマネージャーさんから言われていたんですよ。で、こうしてホールライブを幾つか経験して分かったんですけど、そんなの絶対に無い! 完璧に嘘だったんですよ!
--騙されたんですね(笑)。ゴールデンボンバーは究極のエアーバンドとして活躍していますが、翔さんと喜矢武さんとでバンドを組み始めた当初は、パンクバンドだったそうですね?
鬼龍院:もう5~6年以上前になりますけど、僕と喜矢武さん+ベース担当の3人でバンドを組むことになったんです。ただ、ビジュアル系バンドをやろうって言い出すと、その彼は「俺たちがビジュアル系をやっちゃいけん」って。……じゃあパンクって名乗ろうか、みたいな(笑)。 僕は昔からビジュアル系に興味があったので、曲調は今とまったく変わらないです。ただ、そのもうひとりがなぜか「ビジュアル系は絶対にダメだ! 今やったら終わる!」って言うので、らしいことができなかったんです。
喜矢武 豊(Gita-):そこまで言ってたっけ?(笑)
--結成直後に一度、ゴールデンボンバーは解散しているんですよね? その後、喜矢武さんの説得により再結成したそうですが、以前との違いは?
鬼龍院:元々は僕とそのベースを中心に曲を持ち寄っていたんですけど、再結成の時には「もう曲を作れる人間とはやらねえぞ」と。やっぱり曲の好みが違う人とは、上手くやっていくことは不可能だと思ったので、曲作りはひとりでやってます。
--エアーバンドのスタイルもその当初から?
鬼龍院:結成当初は普通でしたよ。これはもう喜矢武さんのおかげで、彼、本当にクソみたいな間違いばっかりするんですよ。
(一同爆笑)
喜矢武:僕はね、そこを気付いて欲しかったんですよ。「僕らは、このままじゃダメだ……」と思っていたからこそ、わざと下手に演ってたんです。……キツかったですね、あの日々は(遠い目)。
--ただ、ニコニコ生放送でスタートした「月刊ゴールデンボンバー」では、喜矢武さんより“いまさら練習してもプロに追いつけない”なる名言が飛び出していました。
喜矢武:あくまで演技ですよね。そのキャラでいかないと、バンドイメージとズレてしまう。心苦しいですよね。全てはバンドのためなのに……。
歌広場:僕も本当はメチャメチャベース巧いんですよ、シド・ヴィシャスくらい。
樽美酒 研二(Doramu):僕もジョン・ペトルーシくらい。
鬼龍院:それギタリストじゃん(笑)。
--歌広場さんが加入する時、ゴールデンボンバーは既にエアーバンドに?
歌広場:そうですね。僕はそれまでバンドに属していたことはなかったですし、楽器に触れたこともステージに立ったこともなかったですから。そのステージは本当に衝撃の連続でしたね、「この人たちフザけてんのかな?」って(笑)。
--一方、樽美酒さん加入時には、バンドは人気が出始めていた時期だったと思います。彼を迎え入れた一番の理由は?
鬼龍院:僕、羽賀研二さんが好きだったんですよ。で、彼は同じ名前だったので、「こんな偶然ってあるんだ」と。それが決め手です。この人は生まれ変わりなんじゃないかって……。
--羽賀さんまだ生きてますよ!?(笑) 加入にはプレッシャーもあったのでは?
樽美酒:ストレスで胃腸炎になってハゲ散らかしたし、手首もけっこうイッたんですよね。一回、ロープで輪っかを作って吊るしてみたんですけど、丁度マネージャーが尋ねてきて、「研二! 研二ぃ!」とひっぱたいてくれたおかげで、何とか目が覚めて……。
--以来、顔が白くなってしまったと。
樽美酒:そうそう、顔面蒼白になってね! 繋がった!(笑)
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
お客さんの笑顔が全てであり、正義
--また、ゴールデンボンバーは、様々なキャラクターが登場する笑撃のアクトや、幕間の映像や動画配信サイト等で見せる身体を張ったパフォーマンスが、大きな魅力となっています。
鬼龍院:元々、ワンマンの場繋ぎで動画を流していたんですね。どんな映像がお客さんにウケるのか、何度もやっていく内に分かってきて、一番上手くハマったのがガチュピンチャレンジシリーズだと思います。まず、格好がおかしい。そして身体を張っている。このふたつが大事なんですよ。
普通の格好で身体を張るのでも、変な格好をして普通のことをやるのでもない。変な格好で身体を張る。そしてあのリズム感。さらには、大人が怒りそうなパロディっていうのが大切なんです。見ている人が「コレ大丈夫?」って心配になるような感じですね。
--そうしたパフォーマンスや展開の裏には、楽曲をより伝えていきたい、広めていきたいという願望が潜んでいると感じるのですが?
喜矢武:音楽を聴かせたいとは思っていなかったですね。……音楽とは、いつの間にかできているモノだから。笑かしたいっていうのはもちろんありますけど、その場がたまたま音楽だっただけで、僕らに音楽はまったく関係ないです(笑)。
--では、ガチュピン&ムクーや、れいたの嫁、鉄腕アトヌなどのキャラクターは、どのようにして誕生していくのでしょうか?
鬼龍院:……それは音楽の場でああいうのをやることに対して、引っかかっているということでしょうか?
--ゴールデンボンバーは、“音楽をより楽しませる”精神が強いバンドだと思うんです。常に想像の先をいく面白い展開が用意されているから、聴き手はそのステージを、ライブを、音楽を、より楽しむことができる。そうした魅力があると思います。
鬼龍院:うん、確かに……、驚かせたいですね。
(長い沈黙)
歌広場:……今、こうして取材を受けていて気付いたんですけど、僕たち、本当に何も考えてないみたいです(笑)。ただ、お客さんが笑顔になってくれること、面白いと言ってくれることが全てであり、正義ですね、きっと。
--因みに、過去にはボツキャラもあると思うのですが、一番の衝撃作は?
樽美酒:以前、僕がたいやきくんみたいなキャラクターになって、喜矢武が吹いた火に焼かれるっていう展開を考えていたんですけど、ライブでやったらマジで燃えたんですよ!(笑) 一瞬目の前が炎に包まれましたし、襟足とか焦げてたし。お客さんからは「大丈夫!?」って心配されちゃうしで、恐怖しか与えられなかったんです。
喜矢武:テレビのハプニング映像みたいだった(笑)。
--本当に皆さん、肉体を酷使したチャレンジにトライしますよね。ガチュピンシリーズはいざ知らず、歌広場さんのヘッドバンギングも首を振りすぎてドクターストップがかかっているとか。
歌広場:そうなんですよ(苦笑)。ヘドバンをする人は歯を食いしばるので、鰐(がく)間接に異常をきたすことが多いらしいんです。ある時、病院で「歯医者にも行った方がいい」と言われ、行ったら「首を振りすぎて噛み合わせが悪くなってる」と。で、「ここを抜いたら良くなる」って言われて、左下の奥歯を一本抜いたんですよ。僕はヘドバンのために、奥歯を一本犠牲にしました(微笑)。
--えぇー!?
鬼龍院:プロポーション維持のために肋骨抜く人みたい(笑)。
歌広場:あと、ヘドバンをしている時が僕の輝いている時だと思うんですけど、ライブで「ヘドバンだぁ~!」ってやっている時って、お客さんもヘドバンしているから、輝いている僕をまったく見てもらえてないんです。それが心残りです。
--なるほど(笑)。では、鬼龍院さんが一番輝いているな~って思う時は?
鬼龍院:以前、仕事でJAYSOUNDに行ったことがあるんですけど、カラオケの選曲履歴にゴールデンボンバーを見つけた時に、「輝いてるな……」って思いました、「誰かが歌ってくれたんだ!」って。900ページくらいある履歴をずーっと見てたんですけど(笑)、作詞作曲をして、配信やCDでのリリースとなり、歌われている。これは輝いていますよね。この瞬間に死にたいです(笑)。
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
10年昔の自分を主人公に、学生の悩みを描く
--ゴールデンボンバーは昨年11月のシングル『また君に番号を聞けなかった』でオリコン4位、今年1月のアルバム『ゴールデン・アワー ~下半期ベスト2010~』では3位と、ヒットを記録しました。その手応えは?
喜矢武:先ほど言った通り、音楽のことはまったく分からないので、僕らがやったことと言えば、写真を撮ったことくらい。手応えはゼロですね。……手応えを感じる時ですか? 僕はライブが終わって、家に帰って、エロサイトを見ている時ですね。ライブ後は達成感がありますから、そこまでガマンしてやってきて、最後に放出する。俺は今、女を抱いている……という妄想を(笑)。
歌広場:僕はアイドルが大好きなんですけど、彼女たちのブログにこっそりコメントしているんです。で、その次のエントリが、僕のコメントに影響を受けたであろう内容になっていると、「あ~、俺のコメント見てくれたんだ!」って手応えを感じますね。
--歌広場さんはアイドル好きを公言されていますが、今イチオシのアイドルは?
歌広場:一番なんて選べないです! 先日3万枚のセールスを記録したぱすぽ☆さん、『ニーハイ・エゴイスト』が本当に良い曲なアフィリア・サーガ・イーストさん、ん~……地下アイドルでは東京メトロちゃん(現:メトロポリちゃんV)ですし……。それでもあえて一番をというのであれば、やっぱりももいろクローバーZさんです!
樽美酒:手応え……。僕はスカルプDをずっと使っていて、もう3セット目くらいになるんですけど、なかなか結果が出なくて悩んでいたんです。それでも諦めずにずっと使っていたら……、この前、後輩が「研二さん、髪、増えてないですか?」って。
鬼龍院:それは確かな手応えだ(笑)。
--そして、6月1日にニューシングル『僕クエスト』をリリースしましたが、こちらはテレビ東京系アニメ「遊☆戯☆王ZEXAL」エンディングテーマとなっています。
鬼龍院:10年昔の自分を主人公にして、学生の悩みみたいなところを描こうとした作品でございます。僕は頭に浮かんできたキレイなメロディを、良いタイミングで披露すべくとってあるんですよ。今回はゴールデンタイムにオンエアされる「遊☆戯☆王ZEXAL」エンディングテーマという、とてもいいタイミングだったので、取っておきのメロディをあてがいたいとトライした楽曲です。……ただ、お客さんの評価がそうでもないんですよ。「無難だね……」って感じで(笑)。
--いやいやいや(笑)。また、『僕クエスト』はPVも衝撃の映像になっていますね。
歌広場:PVはクソなんで、絶対に観ない方がいいです!(笑)
喜矢武:3人目の立ちバックのカットが抜きどころですね。ひとりふたりと出てきて、最後は4Pになるんですけど、その集団立ちバックが……。
--喜矢武さんはどのポジションに?
歌広場:喜矢武さんはディスプレイの前です(笑)。確かな手応えを感じているハズです。
--また、同作の[初回限定盤C]には、『よいこのための金爆入門メドレー』なる楽曲が収録されています。こちら代表曲のメドレーとなりますが、歌詞が一部変更されていますよね。
鬼龍院:やっぱり「遊☆戯☆王ZEXAL」は僕らより全然年下の子たちも観るので、彼らから「ホテルって何?」とか聞かれちゃうと、お母さんも気まずいじゃないですか。そういう気まずさを与えてしまうと、「うちにはゴールデンボンバーは必要ないわね!」ってなっちゃいますけど、「これなら子供にも全然聴かせられるわ♪」ってなれば、僕らのCDを購入してくれる層が一気に広がる! 僕らが嵐に一歩近づける。そう考えていけば、ウンコチンチンなんて言ってられないですよね。
--元々の歌詞にも入ってないですよ(笑)。
歌広場:小学校の給食の時間って、放送部員が好きな音楽をかけたりするじゃないですか。そこで是非、この『よいこのための金爆入門メドレー』を流して欲しいですね。
--では、最後に『僕クエスト』の聴き所をお願いします!
樽美酒:※音声でお楽しみ下さい※
鬼龍院:まあ、音的なことに関しては特にないんですけど、今回は色々な特典が付いているじゃないですか。通常盤はパソコンで再生できるCDextra仕様になっているんですけど、全てのバージョンにおいて、Cookieを使用しているパソコンで再生するとは絶対にウィルスにかかる仕様にしているので、是非チャレンジしてみて下さい。Windowsは100%かかるんで(笑)。
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
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