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「多くの人は、まだ本当の私を知らない」―人気海外ドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』出演のルーシー・へイルが語る
大人気米ティーンTVドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』のアリア・モンゴメリー役でブレイクを果たしたルーシー・へイル。そんな彼女は元々ミュージシャン志望で、レコード契約を得る為に、16歳の頃に単身でLAへ。様々なオーディションを経て、2010年から放映されている『プリティ・リトル・ライアーズ』のメイン・キャストに抜擢。この新感覚ミステリー・ドラマに全米のティーンが熱狂、つい先日放映が始まったシーズン5に続き、早くもシーズン6、7の制作が発表されるなどロングラン・ヒットを記録している。
現在24歳、全米のティーンが憧れる女優となった彼女が、遂にアーティストとして本格的にデビュー。テネシー州メンフィス出身の彼女が心から愛するカントリー・ミュージックを軸に制作されたデビュー・アルバム『Road Between』が、2014年6月にリリースされ、米ビルボード・カントリー・アルバム・チャートで4位、アルバム・チャートでは14位に初登場。念願のアーティストとしての第一歩を踏み出したルーシーが語るカントリー・ミュージックの魅力、そしてこれからのキャリア。
多くの人は、まだ本当の私=ルーシーのことを知らないと思う
??近年のカントリー・ミュージック・シーンには、様々なアーティストがいますが、中でもルーシーがミュージシャンとして特質的なのは?
ルーシー・へイル:私はこれまでずっとカントリー・ミュージックを歌ってきたから、アルバムを制作するとなった時に、その選択肢しかなかった。それしかやりたくなかった―それが私にとって一番ナチュラルなの。このアルバムは、私のことを知ってもらうのに最適なアルバムだと思う。多くの人は、まだ本当の私=ルーシーのことを知らないと思うから。これまで私が演じてきた役としてしか知らない。アルバムを聴いてもらえれば、私がどんな女の子かよく理解できるんじゃないかしら。すごくリアルに。女性にとって難しいの…自分が本当に感じていることを表すのはタブーに近いのよね。悲しい姿を見せてはいけない、しっかりした自分を演じなければならない。アルバムには、私の欠点、怒り、悲しみが表れていて、自分が感じていることを表現しても大丈夫なんだ、ということが聞けるのは他の女の子たちにとってもクールなことだと思うわ。
??このアルバムでは、カントリー・ミュージックの古典的なテーマが探究されていますよね―失恋、嘘、軽率な関係、喪失。これらのアイディアには、共感する部分もあるんですよね。
ルーシー:ミュージシャンがアルバムを作る時、曲に共感したいともちろん思うわよね。自分が共感できないような曲はアルバムに入れたくなかった。収録曲の提案をしていた時に、いい曲はたくさんあったけれど、私が経験したことがないことについてのものは、しっくりこなかった。でも最終的に、幸運にも私の物語を綴った音楽に仕上がった。
私がカントリー・ミュージックが好きなのは、その物語、そして曲が呼び起こすノスタルジア。「From the Back Seat」はいい例よね。曲を聴くと、ミュージック・ビデオが自然と浮かんでくるぐらい、視覚的で。詳細が少し異なる部分もあるけれど。私の両親は幼い頃に離婚したけれど、曲を聴いたら、まるで母の生い立ちのようだった。彼女はチアリーダーで、高校生の時に恋に落ち、彼女の両親もよく車で旅行していた。ほぼ母についての物語ね。
??悲しみに暮れた曲も収録されていますが、ルーシー・へイルにもダークな面はあるのですか?
ルーシー:あるわ。大体は、かなりハッピーだと思うし、元気で社交的だとも言われてきた。でもそういう人に限って、ダークな面があると思うの。だから、心に闇を持つことやそういう瞬間に共感できると聞くと、みんなとても驚くみたい。アルバムに「Nervous Girls」という曲が収録されているけれど、「大丈夫じゃないって言うのは、大丈夫なこと。」って示してるいい例ね。私は女優としてLAで育った。いつでもしっかりしていないといけないし、その外面を崩すことは許されないことなの。でも曲作りのプロセスで、自分が慣れ親しんでいない感情を掘り下げることはすごくクールだった。もっとダークでドラマチックな面を。
??そういった感情をヴォーカルで表現するのは難しかったですか?
ルーシー:最初の頃は挑戦でもあったわ。自分をさらけ出し、脆弱な面を見せるのは、とても怖いこと。でも、1回パフォーマンスをする度に、曲を一曲書く度に、前進して行ってる。それが困難なことではなかったと言えば、嘘になる。いつでも笑顔で、オン状態の自分に慣れていたから。
??このアルバムの多くの曲には、ウィスキータウンのマイク・デイリーが携わっていますが、この関係性はどのように発展していったのですか?
ルーシー:マイクに出会ったのは数年前で、彼と仕事をしていた人と付き合っていたの。色々クレイジーな繋がりがあってビックリしたわ。それにウィスキータウンは大好き。実はアルバムの為に未発表のウィスキータウンの楽曲をレコーディングするはずだったんだけど、次のアルバムに持ち越しかしら。彼は、私と私の声を自分の手のひらのように知り尽くしているの。
▲ 『プリティ・リトル・ライアーズ <フォース・シーズン>』 トレーラー
??『プリティ・リトル・ライアーズ』に出演したことが、歌手としての自分にもたらしたものはありますか?
ルーシー:元々音楽をやっていたから、TVドラマに出演するなんてまったく思っていなかった。でもこんな風になって、とても幸運だと思う。何か影響があったとすれば、仕事に対しての強いモラルと図太い神経ね。地に足の着いた姿勢を持ち、批評に対してオープンになることができなければ、このアルバムは作れなかったと思う。いい、悪い、様々な批評を受けるから。出演することによって、自分、そして自分の“声”を見つけ、これから起こるすべてのことを受け入れる覚悟を培う手助けをしてくれたと思うわ。
??今振り返ってみて、16歳の頃にアルバムを制作する準備は出来ていたと思いますか?
ルーシー:元々LAに引っ越したのは音楽の為だった。引っ越して、レコード契約して、17歳の頃にはツアーもしてるって思ってた。でも実際そんな風にはならなかった。時間を得ることができたのには感謝してる。あの頃だったら、題材にする経験もなかった。まるでロボットのように指示されるがままに動いてたと思う。ロードやテイラー・スウィフトのように稀なケースもあるけど―彼女たちの場合は、若くても、既に強い自我を持っていたけれど、私はそうではなかった。24歳になった今だからでこそ、ルーシーが誰なのかというのがやっとわかったの。
??『プリティ・リトル・ライアーズ』は、後どれぐらい続くのですか?番組が終わったら、どんなことをしていると思いますか?
ルーシー:それは、私たちも答えが知りたいわ(笑)。でもまだ勢いがあるわよね。どうかしら?私は、ただ波に乗り、どこへたどり着くか見ているのみよ。多分あと何シーズンかはあると思うわ。現状の予定としては、時間ができたらツアーをするわ。今私にとって音楽が、一番の優先事項。番組が終わったら、しばらく音楽に専念すると思うけど、演技をするのも楽しいから、女優業を完璧に捨てるわけではないわ。
Q&A by Mike Ayers / 2014年5月28日 Billboard.com掲載