今ちょうどパトリックが書いた新曲を
トレイラーで聴いてたところなんだ

??ツアーの調子はどうですか？

ピート・ウェンツ：いいよ。ちょうど戻ってきたところなんだ。南アメリカに行って、【World Music Awards】に出演する為にモンテ・カルロで演奏した。夏はいくつかフェスに出演してから、パラモアとのジョイント・ツアーに出る。

??モンテ・カルロでギャンブルはしたのですか？

ピート：しようと思ったけど、できなかった。ジェームス・ボンドっぽい感じで行ったら、ちゃんとした格好をしてないと入れないようなところだったから。

??ジェームス・ボンドは、どんなゲームをすると思いますか？

ピート：彼はルーレット・プレーヤーだね。俺はギャンブルに関して全然詳しくないんだ。ここ何日間は、ヴァーモント州の両親の家で過ごしてて、トランプで“戦争”というゲームを息子と一緒に学んだよ。まぁ、マスターするのにあまり難しいゲームじゃないけど。

??息子さんは何歳になりましたか？

ピート：5歳半、クレイジーだよね。

??彼のプレイぶりはどうでしたか？

ピート：彼は2のことを“用無し”と呼ぶんだ。それにエースを独り占めする。俺の子供らしいけどね(笑)。

??新曲作りは行っているのですか？

ピート：曲は書いてるよ。今ちょうどパトリック(・スタンプ)が書いた新曲をトレイラーで聴いてたところなんだ。曲作りは行ってて、9月の南アフリカ公演でアルバムのツアーが終わるんだ。現代のネット時代が素晴らしいのは…この間なんて、とある変わったフランス人のプロデューサーとふざけて色々やったんだ。それが単に可能だったという理由だけでね。自分達らしいものであれば、どんな作品をリリースしても構わないって感じてる。シングルでもEPでもいい、自分が好きなようにやればいいんだ。

??特にFOBのように多くのファンがいると、自由も効きますよね。アルバムが主な収入源ではないので、楽しんで作ってるというような感覚？

ピート：“キュレート”するという感覚に近いかな。ある“ヴァイヴ”をキュレートする。「このEPは、こんな感じ。」という具合に。一つの物語になるビデオを12本を作ることもできたし、これが5年前だったら、こんなアイディアを誰にも投げることは出来なかったと思う。でも今は様々なアイディアを色々な形で実現できるようになった。多分「すっごく長いアルバムを出そう。」以外はね。

??そういったアイディアは、誰に投げるのですか？

ピート：アイディアを投げるのは、「これに投資してくれない？」ってオファーする相手ぐらいだね。大体は「これはきちんと実現できるのか？」と問われ、「OK、じゃあ何とかしてみる。」と言われるね。

??では、その新たなアイディアや曲はいつぐらいに日の目を見そうでしょうか？

ピート：年末前には出ると思ってるよ。でも具体的な日程やどんなものになるかは決まってない。自分が大切に思える曲をリリースするのみだと思うよ。

??でも曲があるのであれば、アイディアは必要なのでしょうか？今の時代だと、火曜日に完成したものを木曜日には発信できる。

ピート：それって最高だよね。子供の頃、そんなことが可能だったらすごく興奮しただろうね。

??それにアーティストとしても自由になりますよね。作ったばかりの曲と1年前に作った曲をリリースするのでは、自分自身との関係性や新鮮味においても変わってくるので。

ピート：俺にとって、それが面白いのは、ロックスターは順応できないということ。ロック・バンドは、アルバムの間に時間をとって、どこかクールな場所に行って、次のアルバムについて考え、喧嘩して、それで3、4か月かけてレコーディングを行う。新たなモデルではそうはいかない、それを実践してるのは家でラップトップを使って音楽を作ってるキッズだから。

??(フォスター・ザ・ピープルの)マーク・フォスターと同じ話をしましたよ。彼らはモロッコに行ったみたいで。

ピート：それが自分の作品に影響を及ぼすのであれば、素晴らしいと思うよ。そうでなければ、バーバンクでやっても同じだと思う。その方が簡単だし、旨いラーメン屋もたくさんあるからね。

??じゃあ、ピートが訪れ、喧嘩して、アイディアを話し合って、レコーディングするのが好きな場所は？

ピート：(笑)。俺が思うに、これまで一番いいアイディアが生まれたのは…史上最強に平凡な答えになると思うけど、LAのオークランド(にあるアパート)だね。一番いいアイディアやクリエイティヴなものが生まれたのが、最もクリエイティヴじゃない場所っていう。

??それはなぜだと思う？

ピート：なんらかの緊張感が生まれ、色々な枠組みに捉われず考えることができる。無人島にいるみたいなんだ、まぁさほど天気は良くないし、駄目になった子役が多いけど。

??どんな子役がいい曲をインスパイアすると思う？

ピート：答えは、3つあるよ。すっごくふざけた回答をするとしたら、『レベルポイント』のマット・ディロン。変わった引合いだけど、映画自体はすごく良くて、同時に最悪。それとマコーレー・カルキン。『ホーム・アローン』、『リッチー・リッチ』、それ以前の『おじさんに気をつけろ』も最高だ。でも本当の答えは、友人でもあるセス・グリーン。俺たちのビデオにも何度が出演してくれてるけど、彼こそ真の子役という感じだよね。ダサイんだけど、成功した。奴はマジで、俺にとって真のインスピレーションだよ。だって成功したのにもかかわらずクールで、最高だから。

Q&A by Steve Baltin / 2014年6月2日 Billboard.com掲載