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セルジオ・メンデス インタビュー
2014年5月に約1年ぶりの来日公演を控えるブラジル音楽界の正真正銘のレジェンド、セルジオ・メンデス。60年代にボサ・ノヴァ・ブームの旗手となり、代表曲「マシュ・ケ・ナダ」はもちろん、「イパネマの娘」やビートルズのカバーなど、ポップなブラジリアン・ミュージックで世界を魅了し続けてきた。ここ日本でも劇場公開され、アカデミー賞主題歌賞にノミネートされた『ブルー 初めての空へ』(原題『Rio』)に続く、全米にて5月公開の『Rio 2』でも音楽監督を手掛けた。ジャネール・モネイ、ブルーノ・マーズも参加し、話題となっている映画サウンドトック、そしてブラジルで開催されるワールドカップの為にカルリーニョス・ブラウンと共に新曲「ワン・ネイション」を書き上げたセルジオの最新インタビューをお届け!
ワールドカップで演奏できたら素晴らしいだろうね。私の夢さ。
??『Rio 2』が完成したと言うことで、新作に取り掛かっているのですか?
セルジオ・メンデス:そうだ。すべてオリジナル楽曲で、新曲なんだ―ゲストが参加したブラジル音楽だ。ゲストの一人であるジョン・レジェンドと1曲書いた。他には、カルリーニョス・ブラウン、セウ・ジョルジ、ミルトン・ナシメント、マリア・カントゥが参加している。パーカッション、素晴らしいシンガー、とてもコンテンポラリーで、“ブラジリアン・マジック”に溢れている。
??カルリーニョス・ブラウンは、『ブルー 初めての空へ』(原題『Rio』)、『Rio 2』にも参加していて、後者に参加しているミルトンの劇中の歌声はユニークで素晴らしいですよね。
セルジオ:ミルトンが歌いだすと、鳥肌がたつね。彼は、私の為に新曲を書いてくれたんだ。2人でスタジオに入って、彼が歌い出した途端、魔法のようだった。
??『Rio 2』に、前作に比べ多くのブラジルのアーティストが参加することになったのは?
セルジオ:『ブルー 初めての空へ』は、リオデジャネイロの音楽の基づいたものだった。今回私が提案したのは、実際ブラジルに行くこと。そこでミルトンとウアクチというグループの出身地であるベロオリゾンテへ行ったんだ。ブラジル音楽の豊かさを表現したかったので、アマゾンを下り、様々な質感や楽器を取り入れる方法を見つけたかった。そこでリオ発祥のカーニヴァル・ミュージックだけではなく、ウアクチ、ミルトン、バルバトゥキスやカルリーニョス・ブラウンを起用することを提案できたんだ。
??映画が進むにつれ、とてもブラジルらしくなっていきますよね。
セルジオ:そう、最後のパーティー・シーンに向けて。
??このように音楽の幅を広げて行くにあたって、監督はもちろん、アーティストとの信頼関係が必要だったのでは?
セルジオ:カルロス・サルダーニャは、素晴らしい若手監督で、彼がすべてのインスピレーションの源となっている。彼自身ブラジル出身なので、アイディアを提案したり、アプローチを模索していた時に力になってくれた。どんな時もストーリーにインスパイアされていたんだ。
▲ Janelle Monae & Sergio Mendes Interview
??あなたをはじめ、カルリーニョス・ブラウンなどを作詞を手掛けた人物は何人かいますが、作曲家ジョン・パウエルが多くの曲をプロデュースしていますね。スコアを手掛ける以外の彼の役割はどんなものだったのでしょう?
セルジオ:ジョンはとても重要なコラボレーターだ。彼はイギリス出身だが、私が知るどのイギリス人よりブラジル音楽への造詣が深い。彼はサウンドとオーケストレーションを担当している。ウアクチが演奏するPVCパイプは、映画にまったく新しいテクスチャーを吹き込んでくれた。ジョンはそれを吸収し、作品へ取り入れていったんだ。
??『Rio 2』、ニュー・アルバムの制作、ツアーと忙しい1年になりそうですが、アメリカ・ツアーは行われるのでしょうか?
セルジオ:秋か夏の終りぐらいにできたらいいね。5月に日本に行って、7月には音楽フェスに出演する為にヨーロッパにヘ行くんだ。
??ワールドカップ開催時にパフォーマンスはしないのですか?
セルジオ:もし誘われたらね(笑)。「イパネマの娘」、「マシュ・ケ・ナダ」と「ワン・ネイション」を演奏できたら素晴らしいだろうね。私の夢さ。
??「イパネマの娘」が、これだけの時を経ても、リリース時と同じぐらい象徴的なのは素晴らしいですよね。それ以降ブラジルからあの曲を超える曲は出てきていないですし。
セルジオ:昨晩シアトルでも演奏したけれど、観客から素晴らしい反応をもらったよ。デビューしたぐらいの1962年から演奏してきた曲だ。1962年に初めてアメリカに演奏をしてきて、カーネギー・ホールのステージにアントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、ルイズ・ボンファ、スタン・ゲッツと立ったことを思い出すね。あの頃と同じ空気を今でも感じる。それは、私の親友で師でもあるアントニオ・カルロス・ジョビンのパワーのおかげだと思うね。
Q&A by Phil Gallo / 2014年4月9日 Billboard.com掲載
リリース情報
ザ・ベスト・オブ・セルジオ・メンデス
- セルジオ・メンデス
- 2013/07/24 RELEASE
- ユニバーサルミュージック クラシック
- [UCCU-1389/90 定価:¥3,086(tax in.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
来日公演情報
【SERGIO MENDES
BILLBOARD LIVE JAPAN TOUR 2014】
ビルボードライブ東京:2014/5/15(木)~5/17(土)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2014/5/19(月)~5/20(火)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
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