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スティーヴン・マルクマス&ザ・ジックス 『ウィグ・アウト・アット・ジャグバッグズ』 インタビュー

マルクマス
インタビュー

 言わずと知れた伝説的ローファイ・オルタナティヴ・ロックバンド、ぺイヴメントの中心人物スティーヴン・マルクマスが、バンド活動休止後にソロ・プロジェクトとしてスタートしたスティーヴン・マルクマス&ザ・ジックス。そんな彼らが約2年ぶりの新作となる『ウィグ・アウト・アット・ジャグバッグズ』を発表、リリースに伴いBillboard.comがスティーヴン・マルクマスを直撃インタビュー!中には「テイラー・スウィフトが書きそうな詞を書こうとした」なんていう迷言も登場…。でもぺイヴメント再結成の際に出演した2010年【SUMMER SONIC】大阪でのステージでは、MC中にテイラーの「You Belong With Me」のサビを歌い、会場に失笑の嵐を巻き起こしてたり、実は案外好き?何はともあれ、日本にまた来てね、と願いつつ、インタビューの方をどうぞ!

テイラー・スウィフトが書きそうな詞を書こうとしたんだ。
もしかしたら、ケイティ・ペリーと言った方がより近いかも。

「Lariat」
▲ 「Lariat」 Lyric Video

??ペイヴメントの再結成が最新作『ウィグ・アウト・アット・ジャグバッグズ』にもたらした変化は?

スティーヴン・マルクマス:ジックス的には、調子いいよ。サメだらけの海をスイスイ波に乗ってる感じだ。ぺイヴメント再結成の頃ぐらいから、こんな風に感じるようになった。ライヴ・バンドでやったらどんな風になるか、想像しながら、ProToolsと4トラックを使って浮かんだものを録音していく…。その作業を経て、他のメンバーに音源を送るんだ。

??今作に収録されているのはベルリンへ移り住んでからの2年間で書かれた曲が多いですが、もし周りの環境がソングライティングに影響を及ぼしたとしたら、それはどのような部分だと思いますか?

スティーヴン:“アメリカン・ストーリー”的な要素が特質的かも、一人でいることが多かったから。僕と僕の家族しかいなくて、個人的には孤独な時期でもあったよ、全然悪い意味じゃないんだけど。小さいながら“仲間的”な意識はあったね。自分の日常や親しい友人の仲間内で密に関りを持つのはいいことだと思うんだ。地元に住んでいたら、その関係性が終わって欲しいとは思わない。でもその場を一旦離れてしまうと、「さて、どうしよう?」って感じになるよね。
 もちろんクリエイティヴなことには取り組んだよ。ヨーロッパにいるのは、アメリカにいるのと結構似てるけど、メディアに侵された日常から離れることが出来たのは良かったね。特にアメリカはヒドイけど、まぁ他の国だと違うってわけじゃないし。ドイツに住んでると自分の政見に対して好意的に感じれる、でも僕が書いてるのはそういう曲じゃないからね。

「Cinnamon And Lesbians」
▲ 「Stick Figures in Love」 Live on KCRW

??現在はポートランドに帰ってきたそうですね。戻ってきてから一番慣れるのが大変だったのは?

スティーヴン:また“音量”に慣れることに少し時間がかかるよね。全体的にアメリカでは、空想上のストーリーであれ、自己発案できる。ドイツなんかに比べると、ここでは自分についてのストーリーが書けると思う。彼らには自分の居場所っていうものがあって、それがどうあるべきか理解してるし、それを尊重してる。

??収録曲「Lariat」の“we grew up listening to the music of the best decade ever”(俺たちは最高な時代の音楽を聴きながら育った)という詞が好きなのですが、スティーヴン自身が成長過程で接した曲はどのようなところが特別でしたか?

スティーヴン:テイラー・スウィフトが書きそうな詞を書こうとしたんだ。もしかしたら、ケイティ・ペリーと言った方がより近いかも。僕なりに幅広い視野で物事を考えてみたんだ。僕は70年代が好きなんだけど、ティーンの時は…その位の歳だと女の子が自分より少しだけ年上で、手に届かないのがいいんだよね。だから僕には70年代の女と70年代のロックって具合に。

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  2. Twitterは、シンプルなプログラミングが施された
    プラットフォームを文字が埋め尽くしてるだけ。
    それに価値があるなんて、信じられないね。
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Twitterは、シンプルなプログラミングが施された
プラットフォームを文字が埋め尽くしてるだけ。
それに価値があるなんて、信じられないね。

「Cinnamon And Lesbians」
▲ 「Cinnamon And Lesbians」 MV

??曲のタイトルも「Scattegories」や「Cinnamon and Lesbians」という具合にユーモアに溢れたものが多いですが、スティーヴンの創造プロセスにとってユーモアは欠かせないもの?

スティーヴン:でもちょっとトゲがあるようなユーモアだよね。僕が好きなバンドには、大体“可笑しい”要素がある。たとえば、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Sister Ray」はダークに聞こえるけど、女装家が集まって薬をやって、乱交してる曲だからね。ちょっと聴き手を馬鹿にしてる感があるけど、僕がやってるものそれと大体同じさ。それ以上ふざけると音楽に対して世俗的に聴こえちゃって、そうなるとロックンロール的にNGだ。怒り、弾圧、反逆なんかを網羅した幅広い色彩で曲を書かなきゃいけないって思われがちだけど、僕にはそれが出来ない。そういう様式はもう過去のものだと願いたいけど(笑)。最終的には、どれだけ独創的になれるか、自分たちらしさを貫けるか、なんだよね。

??では現在の音楽業界についてはどのように考えていますか?ストリーミング・サービスが存在感を増すようになり、ファンがあなたの音楽をそういったプラットフォームで聴いている。将来は明るいと思いますか?

スティーヴン:業界についてはよくわからないけど、とりあえずまだ存続してるよね!マタドールもベガーズと一緒にまだ頑張ってる。でも印税のチェックはしばらくみてないな―悪い暗示かもね。アルバムのプロモーションはやってくれてるけど。どちらかと言うと、僕もYouTube派で、曲を聴く為に使うし、新しいものはYouTubeから吸収してる。Twitter やFacebookなんかより断然いい。Twitterは、シンプルなプログラミングが施されたプラットフォームを文字が埋め尽くしてるだけ。それに価値があるなんて、信じられないね。そんなのシリコン・ヴァレーが、食パンと同じようなベーシックなものに、僕らを進化させようと試みてるのと一緒だよ。

「Cinnamon And Lesbians」
▲ 「Ice Skater」 / Magik Markers MV

??では最近の新人バンドでお気に入りはいますか?

スティーヴン:マジック・マーカーズっていうバンドは知ってる?ドラッグ・シティと契約してるノイズウェーヴ・バンドなんだけど。奴らのことは好きだね。マタドール所属のカート・ヴァイルも最高。キャス・マックームスってシンガーソングライターもいいね。それとぺイヴメントっぽいバンドってみんなが口にするパーケット・コーツやジョアンナ・グルーサムなんかも好きだな。

??もう少しで、ツアーも始まりますね。楽しみにしていますか?

スティーヴン:うん。結局のところツアーに見立てた観光だから。リーズは僕のヴァケーション・リストにいつも入ってる。だから今回も訪れる。イギリスならではの建造物とか沢山見るものがあるんだ。後は、マンチェスターでもライブをする。ロンドンには、ロンドン塔、テート・ミュージアムがあって、コヴェント・ガーデンもいいよね。ヴェジタリアン・レストランもたくさんある。演劇も見るかも。案外イギリスでも人気あるんだよね!ブロードウェーが、未だに有益なビジネス・モデルだ、っていうのは僕には信じられない。ある意味凄いよね。

Q&A by Nick Williams / 2014年1月24日 Billboard.com掲載

スティーヴン・マルクマス&ザ・ジックス「ウィグ・アウト・アット・ジャグバッグズ」

ウィグ・アウト・アット・ジャグバッグズ

2014/01/08 RELEASE
PCD-93784 ¥ 2,530(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Planetary Motion
  2. 02.The Janitor Revealed
  3. 03.Lariat
  4. 04.Houston Hades
  5. 05.Shibboleth
  6. 06.J Smoov
  7. 07.Rumble at the Rainbo
  8. 08.Chartjunk
  9. 09.Independence Street
  10. 10.Scattegories
  11. 11.Cinnamon and Lesbians
  12. 12.Surreal Teenagers
  13. 13.Pick Up the Spare (日本盤のみのボーナス・トラック)

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