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FM802 ROCK FESTIVAL 2013【RADIO CRAZY】特集レポート
毎年、年末に開催される関西のロックフェスティバルーー「冬フェス」ーーとして定着してきた感のある【RADIO CRAZY】。2009年の初開催から今年で5年。年々、規模は拡大しているようだが、そこには自制があると感じられる。闇雲に集客を望むのではない姿勢。「ロック大忘年会」「お祭り」といった打ち出しをしてはいても、根底には「いい音楽をなんとかして届けたい」という思いがあるようだ。
主催を手がけるのは大阪の音楽専門ラジオ局・FM802。バンド、ミュージシャンと常日頃から幅広く親睦を深めていることがこの2日間に結実している。
ラインナップもさることながら、随所に仕掛けられた遊びも楽しい。
【RADIO CRAZY】ならではのリラックスエリア
会場に入ってまず目に入るのが、こたつの一群=「こたつカフェ」である。休憩スペースにひと工夫を、ということから始まったことのようだが、間違いなくこのフェスを印象づけるアイコンとなっているようだ。
このエリアの傍らには、同じくこたつを使ったサテライトスタジオがもうけられていて、出番を控えた、あるいは終えたバンドたちを迎えてのトークショーが数回おこなわれる。
バックステージには中継ブースがあり、FM802の生番組がここから放送されていたり、番組収録がおこなわれていたり。ラジオとの連繋も密に計られている。
ほかにも、会場の真ん中の広場では、これも出演者が参加しての「餅つき大会」が開かれたり、物販ブースなどが集まる建屋では「音波神社」と銘打たれた鳥居があり、正面には「書き納めレイジー」と書かれた巨大な半紙。毎年、出演バンドが手がけるのが恒例で、今年はOKAMOTO'Sが書いていた。
そのまわりでは若い観客たちが、自分たちも筆を持って、思い思いの言葉を綴る書き納めに挑戦したり、「おみくじ」を引いてみたり。夏フェスとはまた違う、年の瀬の季節感をともなったお祭りを楽しんでいた。
Part1.プロライターによる印象に残ったアクト≪1日目≫
ライブ会場は、メインとなる「L-STAGE」と「R-STAGE」のふたつと、これからの活躍が期待される新星バンドたちが中心となる「M-STAGE」と「LIVE HOUSE Antenna」の4つだ。
ここからは、筆者が観ることのできたライブアクトの中から、印象に残ったものをいくつか挙げたい。
10-FEET / THE STARBEMS / 四星球 / クリープハイプ12/28 11:00~
快晴の日和に恵まれた初日。L-STAGEのスタートは、FM802の朝の顔、DJ大抜卓人がキックオフを告げる映像につづいて壮大なシンフォニーが流れる中、トップバッター、10-FEETが登場。
ラウドな音に、ボーカル・TAKUMAが多彩な声音を巧みに乗せて、会場を湧かせる。
「どんな一年やった? 納得いく一年やったか?」夏フェス《京都大作戦》を自ら主催してきただけあって、観客との一体感を創り出そうとする気合いと手腕はピカイチだ。12/28 11:50~
つづいて、物販会場の一隅に設けられたM-STAGEのTHE STARBEMS。BEAT CRUSADERS散開後、ヒダカトオルが新たに結成したバンドだ。ギターを持たず、ハンドマイクで歌うヒダカの姿が新鮮に映るが、ライブハウスで鍛えてきた名うての巧者たちの演奏は見事。音響面で少々ハンディのあるステージだが、ものともしない音を叩き出してくる。
終盤、「2013年の最後は、大好きな先輩の曲を……。『秀樹』って奴がいたんだけど、そいつは俺たちを残して地獄、行っちゃった。……どうせ俺たちゃ地獄行きだよ。天国行ける奴、いるか?」と、5月に急逝したbloodthirsty butchersの吉村秀樹に、ヒダカらしい追悼の言葉を捧げて「ギタリストを殺さないで」をプレイ。バンド文化を継承していく姿に胸が熱くなった。12/28 17:15~
同じMステージに、夕方5時すぎに登場したのが四星球(スーシンチュウ)。白ブリーフ一丁に法被(ボーカル・北島康雄は法被すら脱ぎ捨てていた)というお馴染みの姿で、詰めかけた観客と妙な一体感を醸し出していた。笑いと泣き、しょうもなさと切なさの共存する名曲「オモローネバーノウズ」を披露して、最後には客席に向かってそば玉を投げながら退場。初めて彼らを観た人たちにも強烈なインパクトと「意外にええ曲やるんやん」という印象を残していった。
12/28 18:30~
表が暗くなった頃、L-STAGEに現れたクリープハイプは、ボーカル&ギター・尾崎世界観の「去年、『来年はいちばんデカいところでやらせろ』って言ったら、ホントにいちばんデカいところまで連れてきてくれて、ありがとう。今度はウチらが連れていきます」という言葉からスタート。たしかにその言葉どおり、めざましい躍進を示した一年だった。前向きな言葉や曲が盲目的にもてはやされる風潮のいま、十代・二十代のヒリヒリとしたリアリティをポップソングに載せるという重要な仕事をしている彼ら。この日も「オレンジ」「ラブホテル」「HE IS MINE」「社会の窓」と強烈な楽曲群と、憎まれ口を叩いて去って行った。
12/29 11:00~
二日目も天気は良好。気温は高いとはいえないが、風も少なく、日中はそれほど寒くは感じない。【RADIO CRAZY】でライブがおこなわれるのは、いずれも屋内のステージだが、移動するときは屋外に出る。なので天候と気温は、このフェスを心地よく過ごせるかどうかの大事な要素でもあるのだ。
この日、午前11時からR-STAGEのオープニングを飾ったのは、地元大阪出身のKANA-BOON。のっけから、会場の建屋のいちばん後ろまでギュウギュウに人の詰まった状態で始まった。人気のほどが窺える。
12/29 12:55~
昼すぎにM-STAGEに出演したのはSAKANAMON。結成から5年、メジャーデビューからは1年というスリーピースバンドだが、ギターのカッティングも歯切れが良く、ドラムスも達者。バンド全体のリズム感がいい。
新境地を感じさせる新曲「TOWER」もよかったが、洒落っ気を感じさせたのは、フジファブリックの「若者のすべて」を織り交ぜたとき。「俺たち、こんなにフジファブリックが好きなのに丸かぶりするなんて……。802ひどい(笑)」と嘆くボーカル&ギターの藤森元生。ちょうど同じ時間帯にR-STAGEで演奏しているフジファブリックへのリスペクトを込めたカバーだったのだ。こんな風に出演者たちが交差する瞬間を垣間見ることができるのもフェスの醍醐味だろう。
12/29 14:05~
おそらく今フェスのベストアクトだったのではないかと思えるのが、午後2時すぎにR-STAGEにやってきたサンボマスターだった。フェス仕様のセットリストで序盤から畳みかけつつ、「PTAの集まりか? こんなもんじゃねえだろ」と煽るギター&ボーカル・山口隆。
爆笑、かつ、圧巻だったのは3曲目の「未練は残さず踊るつもりだ」。打ち込みのブレイクビーツを走らせながら「未練は残さず?」「未練は残さず!」というコール&レスポンスを繰り返す。曲が終わって、「もう未練はないね?」と山口がベース・近藤洋一に問えば、あまり納得の行っていない様子の近藤。「近ちゃんが未練があるって!」。
12/29 16:25~
ユニークな顔合わせといえば、M-STAGEのサンフジンズもそうだった。「カイ・ギョーイ」と名乗る奥田民生、「ケン・シューイ」こと伊藤大地(SAKE ROCK)、「ジューイ・ラモーン」岸田繁(くるり)の3人が白衣姿で演奏するバンドだ。まだリリースはなく、こういったフェスでしか観ることのできない存在。9月におこなわれた《京都音楽博覧会2013》以来のお目見えである。今回は新たに「サンフジンズのテーマ2(ローマ数字表記)」がレパートリーに加わっていた。奥田民生は「トリを引き受けるから、サンフジンズを出してくれ」と話したと言う。2014年にはひょっとするとCDデビューもありえるかもしれない。
12/29 18:45~
そしてこれも豪華なコラボレートとなったのが、R-STAGEの東京スカパラダイスオーケストラ。ふらりと現れた茂木欣一がひとりでドラムを叩き始め、徐々にメンバーが増え、最後にホーン隊が揃うという粋なオープニングから、アッパーなナンバーを続けざまに繰り出した序盤を経て、このフェスのテーマ曲ともいえる「BAT MANのテーマ」の改題曲「CRAZY MANのテーマ」をカバーしてみせると、ジングルが鳴り響き、ステージには「ON AIR」のライトが点灯、茂木にスポットライトが当てられた。茂木が以前担当していたラジオ番組「JUSTA RADIO」を模したコーナーの始まりだ。
ヴィジョンには、紅白のストライプと青地の“くいだおれ太郎”カラーがあしらわれた「大阪スカパラダイスオーケストラ」のロゴが映し出されている。ラジオDJになりきった茂木が、The WhoとLed Zeppelinの曲をやると宣言、みずから「My Generation」を歌い始めたが、2コーラスめから[Champagne]の川上洋平が登場。突然の共演に場内は沸き返る。歌い終えた川上に、DJ茂木がインタビューを試みる。「来年の[Champagne]のスケジュールを訊かせてくれるかな?」
「3月に武道館やります」と答える川上に「そのとき、俺にも1曲叩かせてくれるかな?」と声を掛けて送り出すと、ふたたびジングルをはさんで、曲はDeep Purpleの「Burn」。
加藤隆志のギターが唸りを上げる中、この曲ではなんと沖祐市がスタンドマイクでボーカルを取っている。だが間奏で沖が、ショルキーを提げて再び中央に飛び出していくと、新たなボーカリストが現れた。9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎である。高音を効かせた歌声で熱唱した菅原に、「卓郎くん、先に来年の予定を訊いていいかな?」と、ここでもDJ茂木から質問が浴びせられる。「2月に武道館やります」という答えにニヤリとして、「もしよかったら、遊びに行ってもいいかな」と返す茂木。もはやネタの域に達しているかのようなやりとりに、場内から笑いが洩れる。もともとスカパラの楽曲が好きだという菅原をフィーチャーして演奏したのは「めくれたオレンジ」。
この怒濤の共演攻勢はまだ終わらなかった。つづく「Diamond In Your Heart」ではレコーディングにも参加していたthe HIATUSの細美武士がステージに。息の合った客演を果たすと、オーラス曲「Down Beat Stomp」では3人のゲストボーカル全員が集結。フェスならではの光景を見せていた。
二日間、この会場に通ってみて印象的だったのは、とにかく若い人たちが楽しそうにしている姿である。ああ、いま、ロックフェスというのは、楽しく発散する場所になっているんだなとつくづく感じた。
そこへゆくと、ライブハウスがまだ少しこわい場所だった時代の人間である私などは、「(狂騒だけじゃなく)祭には、神様も必要じゃない?」などと思ってしまう。そんな風にいうとおおげさだけど、なにか、日常を超越したすごい存在。そういうものを観たい、聴きたいという衝動があるのも事実だ。
でもまあ大丈夫。ロックンロールの神様が宿っていると思えるようなライブを、《RADIO CRAZY》でもいくつか観ることができた。まだまだ全然大丈夫。今年の暮れを、また楽しみに待とう。
TEXT:大内幹男
Part2. アマチュア編集者が駆け巡った2日目≪前編≫
ライブレポート初心者、ビルボードジャパンのアマチュア編集者がひたすら自分の趣味嗜好で駆け巡った、【RADIO CRAZY】2日目をレポート。
KANA-BOON / SPYAIR / [Champagne] / フジファブリック / THE BAWDIES / SOIL&"PIMP"SESSIONS12/29 11:00~
1組目は、2013年9月にメジャーデビューを果たした大阪出身のロックバンドKANA-BOONから!朝11:00開演のトップバッターにして、開場は満員御礼。高揚したステージの中、「1.2.step to you」からスタート。途中では、今日初めての声だしとして「レディオクレイジー!」とコール&レスポンスをする一面も。そしてFM802の9月のヘビーローテーションとなった「盛者必衰の理、お断り」で会場のテンションはヒートアップ、ラストの「ないものねだり」まで駆け抜けた。
12/29 12:00~
そのままRステージでは、12:00にSPYAIRが登場。CMソングにもなっている「OVERLOAD」から始まり、ボーカルIKEの独特な歌声、走り抜けるようなバンドの勢いにオーディエンスは虜に。
12/29 12:20~
Lステージの2組目は[Champagne]。最新アルバム『Me No Do Karate.』の1~2曲目を飾る「Rise」~「Stimulator」のはじまりに、一気に[Champagne]のリズムに巻き込まれる。この日はベースの磯部寛之が誕生日ということで「おめでとー!」コールも。
「Waitress Waitress」や「Kick&Spin」で踊りまくったオーディエンスも、12月にリリースした最新シングル「Run Away」の美しいインストが奏でられると、ステージで歌うボーカル川上洋平の姿に引き込まれて行く。ラストの「Starrrrrrr」では、他のメンバーが退場した後にひとりアカペラで歌うシーンもあった。
12/29 12:20~
フジファブリックはなんと「夜明けのBEAT」からスタート!"バクバク鳴ってる鼓動 旅の始まりの合図さ これから待ってる世界 僕の胸は踊らされる"という歌詞にあわせて、踊りながら観客の渦へと消えて行く人々があちらこちらに…。「銀河」や「STAR」など、懐かしく心を揺さぶる楽曲から今のフジファブリックの曲まで、いつだってフジファブリックらしい爽やかなライブであった。
12/29 13:30~
13:30にはTHE BAWDIESが登場!「JUST BE COOL」や「ROCK ME BABAY」など軽快なロックチューンは、THE BAWDIES初心者でもついノリノリになれること間違いなし。「IT'S TOO LATE」では"アアア アーアーア♪"と手を振りながら誰しもが踊り狂う。
ボーカルROYの"HOT DOGを召し上がれ!"というセリフとともにはじまる「HOT DOG」~「A NEW DAY IS COMIN'」の流れには、THE BAWDIESの真骨頂とも言うべき、昔懐かしい洋楽ロックを彷彿とさせる瞬間を垣間みる。RADIO CRAZYのステージで、現代のロックバンドとは一味違う、唯一無二の姿を魅せつけられた。
12/29 15:15~
2013年は10周年のアニバーサリーイヤーとして様々なアーティストとコラボ、ベスト盤もリリースする等精力的に活動してきたSOIL&"PIMP"SESSIONS。前日にはストレイテナーの「From Noon Till Dawn」でダブゾンビ(トランペット)と元晴(サックス)がシークレットゲストとして登場しており、ここで心を鷲掴みにされた人も少なくないはず。
SOIL独自の“デスジャズ”とよばれる爆音のジャズがステージに唸ると、そのリズムに合わせるかのように観客が少しずつ高揚していくのを感じる。その盛り上がりに答えるかのように、社長(アジテーター)がメガホンを持ち観客を煽ると、また観客が飛び、叫び、その盛り上がりはさらに加速し、興奮は最高潮へと達する。そう、彼らのステージはメンバーだけでなく、観客があってこそ全てが完成するのだ。観客、そしてロックと競演することによって新たに生まれる、この真冬のステージに響くデスジャズに、会場全体がただひたすら音楽を楽しむ瞬間を共有していた。
Part2. アマチュア編集者が駆け巡った2日目≪後編≫
BOOM BOOM SATELLITES / RADWIMPS / サカナクション / 東京スカパラダイスオーケストラ / 奥田民生
12/29 16:00~
16:00からは復活したBOOM BOOM SATELLITES。1年前に脳腫瘍と診断され、休養していたとは思えない程、アグレッシブなステージング。代表曲「KICK IT OUT」では痺れるエレクトロニック・ロックサウンドに会場全体が揺れていた。
12/29 17:20~
続いてL-STAGE、17:20にはRADWIMPSが登場。一筋のスポットライトの中、突如口ずさむように奏でられる「ふたりごと」に、ボーカル野田洋次郎が歌う一言、二言が心に染み渡りくぎづけになってしまう。打って変わって、「君と羊と青」や「DADA」が披露されると爆発したかのように盛りあがり、途中すし詰め状態になった観客を気遣うシーンも。
また、先日左手中指を骨折したと発表されていた野田洋次郎だが、当初ボーカルのみの予定だったところを"きっとRADWIMPSを観るのが最初で最後の人もいると思います。だから、指2本で弾く方法を編み出しました。"という発言とともに、なんと「トレモロ」でギターを演奏する一幕も!「おしゃかしゃま」の大合唱、「いいんですか」でのコール&レスポンスと、、、会場にいたすべての人の心がひとつになる温かな瞬間を感じた。そしてラストの「会心の一撃」では、またこの先に進んでいく明日を見据えるかのように、"未来"と叫び続けた。
12/29 18:40~
RADIO CRAZYも終盤に差し掛かった頃、Lステージにはサカナクションが登場。なんと冒頭1曲目の「ミュージック」では、メンバー全員が横一列に並べられたMac Bookの前に立ち、パソコンとともに演奏がスタート。真っ暗なステージでぽつりと光るリンゴマークを見つめたまま、音に吸い込まれていくかのように棒立ちになってしまう…。しかしサビにかかるにつれ、刻み込まれるリズムに気がつけば体が揺れていく。サカナクションのステージではお決まりのレーザービームが放たれると、そこは一気にダンスステージに生まれ変わったかのよう。「アルクアラウンド」や「アイデンティティ」など、観客は自由に踊り、叫び、エレクトロニックなサウンドに酔いしれていた。
12/29 18:45~
Rステージにはこの日の大目玉である、東京スカパラダイスオーケストラがオン・ステージ。この日の為に作られた「CRAZYMANのテーマ」を披露することや、超大物アーティストとのコラボも発表されており、期待に胸を膨らませたオーディエンスがみなソワソワしている。
白いスーツを身にまとったメンバー一同がステージに登場するや否や、25周年スペシャルソング第一弾の「閃光」にはじまり、「太陽にお願い」などスカパラオリジナルソングを立て続けに4曲聴かせ、会場をとことん盛り上げる。続いて、今回のイベントRADIO CRAZYのキャラクター“CRAZYMAN”のために制作された「CRAZYMANのテーマ」が披露されると、そのFunkyな楽曲にオーディエンスからもつい笑顔が溢れる。
ライブも中盤にさしかかった頃、ドラムの茂木欣一がひとりステージに残され、現れたテーブル&マイクに向かう。突然のことに会場がざわつく中、ラジオ風にMCをはじめると、9年間にわたり放送されたスカパラのラジオ番組『JUSTA RADIO』を復活させるというではないか!それにあわせて、東京スカパラダイスオーケストラは、“大阪スカパラダイスオーケストラ”に改名までしてしまうというその徹底ぶりに、会場は大爆笑。
茂木の若干わざとらしいMCの元、“最高に激しい曲”として1曲目に披露されたThe Whoの「My Generation」で突如現れたのは[Champagne]の川上洋平。スカパラのメンバーとお揃いの白いスーツに身を包み、続いてLed Zeppelinの「ROCK AND ROLL」をカヴァーする。MCでは、茂木が[Champagne]のライブでドラムを叩いていいかと言うと、答えにとまどい一瞬静かになるシーンも。笑
さらにDEEP PURPLEの「BURN」を紹介すると、青いスーツが似合う9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎がステージに!さらに菅原は普段からスカパラ好きを公言しているということで、今回は特別にスカパラのオリジナル曲「めくれたオレンジ」をコラボレーション。スカパラと一緒にステージに立てたことを、“ここに立っているのが夢のよう、桃源郷にいるかのようです。いや、言い過ぎましたかね…温泉ぐらいかな?すごく気持ちいいです!”と満面の笑みで語り、会場を沸かせていた。また、MCでは9mmのライブの予定を聴かれた菅原が「よかったら一曲叩きませんか?」と逆に茂木を誘うという、和気あいあいとした会話もあり、これも面白かった。
そして、ふとギターの音色が響くと…シークレットゲストthe HIATUSの細美武士が颯爽と登場!!ゲスト未発表ながらも、誰もが期待していた「Diamond In Your Heart」が鳴り響くと会場のボルテージは最高潮に。リズムに合わせてジャンプする観客、そして誰よりも楽しそうに笑顔でジャンプして歌う細美武士の姿をみると、この上ない贅沢で幸せな時間を感じた。
ラストにはゲスト3人がステージに呼び込まれ、スカパラの鉄板ソング「DOWN BEAT STOMP」を全員でセッション。それぞれにステップを踏み、腕を振れば振るほど、すさまじい熱気に包まれ、この日一番の超貴重な瞬間に立ち会えたことに幸福感が心を満たしていった。
12/29 21:00~
朝から飛ばしすぎた為か、終盤になると足はもうふらふらで限界に。。2013年の締めくくりは奥田民生。まずは「マシマロ」、原曲よりレゲェアレンジされたさらにゆるーい楽曲につい顔がにやけてしまう。そして「なんでもっと」の“体の力を抜いて 楽にやれとおそわった”という歌詞に、あんなに疲れていた体もふと力が抜けていた。奥田民生のギター、歌声、そして相変わらずマイペースなシャウトに身を委ねていると、不思議なほどに心の底からリラックスできる。そんななか「風は西から」を聴くと少しずつ明日へ突っ走る力がみなぎってくるのを感じた。
アンコールに登場すると、“思えばいつの間にか代表曲になったけど…”と呟き、やや苦笑いで「さすらい」を披露。民生自身にとっては仕事納め、そして年末の大忘年会ラストソングとあって、観客もみな好きずきにゆらゆら揺れ、なんだか晴れ晴れとした顔をしていた。
2013年、この一年間を乗り切る為に音楽は欠かせない存在であった。楽しい瞬間を分かち合うため、辛い時を必死に走り抜けるため、KANA-BOONの如く“きりないないからええよもう(盛者必衰の理、お断り)”と全てを投げたしたくなる瞬間もあった、、そんなたくさんの思い出を噛み締めながら、今この瞬間、ここに立ち会えたことに今年も生きていてよかったと痛感した。
さすらいもしないで このまま死なねーぞ!ありがとうRADIO CRAZY!!See You Next Year…
関連リンク
FM802 ROCK FESTIVAL 2013【RADIO CRAZY】
2013年12月28日(土)、29日(日)
OPEN=10:00 / START = 11:00
会場:インテックス大阪
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