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【COUNTDOWN JAPAN 13/14】特集レポート
12月28日から12月31日まで千葉・幕張メッセにて年末最大級のカウントダウンイベント【COUNTDOWN JAPAN 13/14】が開催。11回目の開催となった今回、過去最大動員約16万人が来場し、大勢の音楽ファンが2013年最後お祭りを楽しんだ。その年末の音楽の祭典に今年もBillboard Japan 編集部が潜入。鉄板アーティストから注目アーティストのライブレポートをお届け。
13:00~
初日のGALAXY STAGEのトップバッターを務めたのは前田敦子。ロックフェス初登場、更に今回は藤井一彦(G/THE GROOVERS)、ウエノコウジ(B/the HIATUS)、白根賢一(Dr/GREAT3)/高野勲(Key)/廣野有紀(Cho)という豪華メンバーをバックにパフォーマンスと、注目度は抜群に高く早い時間からフロアは一杯に。彼女は衣装は光沢のある黒のミニワンピでステージに現れ、軽く挨拶すると、自信のシングル曲「君は僕だ」「タイムマシンなんかいらない」を続けて披露。観客に手拍子やジャンプを要求し盛り上げる。流石は国民的アイドルグループのエースを務めていただけあり、初体験のステージでも堂々とした様子。MCではちょっと不慣れな様子もあるが、そこもたまらなく愛おしく、フロアから「かわいいー」と歓声が飛ぶ。「実は去年このイベントにお客さんとして来ていたんです(笑)、カウントダウンはくるりさんを見ました。女王蜂さんも見ましたね。」と観客を驚かせ、「今回のお誘いをいただいた時は驚きました。出演できてとっても嬉しいです。」と喜びを語った。熟練の達人メンバーの技でギターアレンジがニクい「Flower」や、エモーショナルな新曲「セブンスコード」を披露。彼女の初ロックフェス出演は大成功に終わった。
14:15~
大歓声が挙がる。と思いきや突如SEが中断してしまうハプニングに見舞われてしまう。「登場シーンが一番カッコイイ…。」と、川上(Vo.)が呟き、「次が本番ね!初めて見る感じで!」と苦笑いしながら申したて、登場をやり直すという予期せぬ演出にオーディエンスは思わず湧き上がってしまっていた。演奏が始まれば、彼ら特有のリズムから放たれる「Rocknrolla!」、さらに今年リリースした「starrrrrrr」、新曲「Run Away」など、2013年を締めくくるべく、名曲、代表曲を次々と披露した。ラストのMCでは「やっぱり悔しい!昼じゃなく夜やりたい!」と本音を漏らした川上。自らを“有言実行派”と言った彼らなら、2014年は必ず日が落ちた頃のEARTH STAGEに戻ってきてくれることだろう。
15:10~
開演直前に到着したGALAXY STAGEの場外には予想を遥かに上回る長蛇の列。そこに、一度聴いたら忘れられなくなるほどの衝撃的なイントロでスタートする「Endless Sorrow」が鳴り響き、会場に飛び込んだ時にはすでにスカ・ダンスの嵐。今回のステージでは、自らが日ごろ主戦場としている “ライブハウス”に強いこだわりをみせた彼らは「ようこそライブハウスへ!」と言い放ち、会場に詰めかけたフェスならではである多種多様の音楽好きたちを、ジャンルを超えた、遊び心溢れる強烈なスカコアサウンドで激しく揺らし続けた。「またライブハウスで会おう!!」と、言葉を残した彼らは、GALAXY STAGEという巨大なハコで2013年のラスト・ライブを締めくくった。
18:00~
17歳の時に観客として初めてこのイベントに訪れたと話したきゃりーぱみゅぱみゅ。当時はアーティストデビューも決まっておらず、Perfumeや、中田ヤスタカのCAPCULEを見て「こんな大きい会場で歌ったら気持ちいいんだろうな。」と思っていたという。そして、2013年、誰の目にも明らかな怒濤のステップアップを果たした彼女は遂に最大動員数のEARTH STAGEに立った。現代のポップアイコンとして絶大な人気を獲得し、今年の夏フェスでも多くの観客を踊らせていたが、この日はその総決算と言わんばかりのパフォーマンスを披露。「インベーダーインベーダー」に始まり、「み」「みんなのうた」とフロアを演奏の一部として巻き込んで「にんじゃりばんばん」「つけまつける」とキラーチューンを次々と投下。憧れの舞台に立った彼女は自身の進化と、夢物語のような楽曲たちで会場をきゃりー色に染め上げた。
20:30~
昨年EARTH STAGEのカウントダウン・アクトを務めたくるりは、初日のトリとして登場。開演前には、しっかり本人たちが登場し「コンバット・ダンス」でサウンドチェックと少し得した気分に。そしてステージは「トレイン・ロック・フェスティバル」でスタート。オリジナルとはかなり違ったスウィング調のアレンジに、高田漣のペダル・スティールが良い仕事をしており、素晴しいの一言。職人芸だ。続いて「ブレーメン」「Morning Paper」を披露、バンドの緩やかな雰囲気と緊張感のあるセッションが観客の心をガシガシと掴んでいく。MCでは「今年デビュー15周年を迎えることができました!メンバーが減ったりしたけど。。。」と自虐っぽくも語るも、彼らのステージは揺るがない。巨大なホールは続く「Loveless」「虹」「街」といった素晴しい音楽で満たされる。音楽でタプタプ状態のホールに岸田が「リルレロ」で叫び大きな波を生み出したところで、「everybody feels the same」へ。美しい音楽の波は渦となってオーディエンスを巻き込む。幸せな目眩にクラクラしていると、「ばらの花」「Remember me」と嬉しい流れは「ワンダーフォーゲル」で絶頂点に到達。年末のお祭り騒ぎ1日目は最高のフィナーレとなった。今回はオリジナル・メンバーはもちろん、BOBOのドラムと高田漣ペダル・スティールが良過ぎた。このメンバーでアルバム作って!
14:00~
彼ら3人の作り出す音世界は何故あんなにも心地良いのだろうか。サウンド自体は3ピースならではで実にシンプル。しかし、彼らの一寸の狂いもない完璧なまでのアンサンブルで、怖ろしいほどに気持ちの良い空間を演出し、鮮烈の各ソロパートをより一層引き立てて輝かせる。そして、無駄のない軽快なステージ運びでアクトをびゅんびゅんと加速させ、そこに、程良いタイミングで折り込んでくる渡邊(Vo.Gt)の変則的で陽気なMCが会場を笑いで包みこむ。チャキチャキとキレ良く響くギター・リフ、爽快なコーラスワーク、正確無比に刻まれるベース音にドラム・ビート、何をとっても全てが絶妙。彼らの積み重ねてきたキャリア、そこから培った確かな演奏力が十二分に溢れだしていた素晴らしいアクトであった。
15:30~
今年も年末恒例の【COUNTDOWN JAPAN 13/14】にZAZEN BOYSが現れた。当然サウンドチェックは本人たちが登場し、入念に行われる(もちろん呑みながら)。開演時間になると「幕張!時には女とマグワリ!」と、おなじみとなった口上でスタート。「我々マキシマム・アンド・ザ・ホルマリン・ボーイズでございます!」と自己紹介し「Honnoji」へ突入。轟音とブレイクの応酬にオーディンスは大歓声で応える。曲間での“ベーン、ベェーン”と鳴るチューニング音に向井秀徳のライブを聴きにきた感が高まる。年々切れ味を増す「Usodarake」と、年々湿度を増す「感覚的にNG」を続けて披露。年輪を重ねるように積み重なった鍛錬が発揮され、観客を圧倒し、酔わせる。「Himitsu Girl's Top Secret」ではメンバーはもちろん、オーディエンスも鳩のように顎を突き出してリズムをとっている。その様子にバンドと観客が変態的なグルーヴで繋がっていることを確認し、ニヤけてしまう。超満員となったCOSMO STAGEでの凄まじいパフォーマンスは「Riff Man」で終了。
16:45~
名だたるロック・バンドが前後を固めるEARTH STAGEの4番手に、ド派手な衣装を身に纏い、堂々と登場したジャパン・ヒップ・ホップの伝道師、KREVA。序盤から手慣れた様子でオーディエンスとコミュニケーションを交わし空気を作ってしまうあたりは流石。王道ヒップ・ホップにレゲエ・サウンドを絶妙にブレンドした「OH YEAH」でその空気を上手に暖めていき、中盤には、メロディアスなヴォーカルを中心に、シャープなラップで引き締める、ソロ10周年の節目に魅せる、さらなる進化を体現した新曲「トランキライザー」を初披露し、早くもファンを昇天させてしまう。さらに加速していく会場のヴォルテージとガンガン流れ込んでくる客足を宥めるように「あんまり飛ばしすぎても疲れちゃうから。ゆっくり暑くなれる2曲、続けて行きましょう!」と、「アグレッシブ」「音色」を投下し、会場も沸点ギリギリで堪えているといった模様。しかし、わがままなカリスマはまだ満足しない。「俺が欲しいのは熱唱!!」と、全オーディエンスの感性を刺激するように語りかけ、フリとコールの熱血指導する彼に触発された大人見の客たちまでを巻き込み、全員参加の「BESHI」、「Na Na Na」で大熱唱を轟かせ、見事、会場を一つにまとめ上げてみせた。ラストに会場ヴォルテージを120%まで持っていくあたりは、さすがカリスマ。まさにお手本のような完璧なステージ展開。
18:05~
EARTH STAGEではマキホル、GALAXY STAGEではスペアザと人気バンドが並んだ18:00近辺のラインナップ。「ここまですれ違った客たちはほとんどハラペコ君たちじゃなかったか?」「この時間帯にASTRO ARENAに足を運ぶ人はいるのか?」なんて不安は必要なかった。アリーナには【COUNTDOWN JAPAN 13/14】のTシャツは少なく、“自分”の好きな服を着たファンが多数集まっていた。今年は「じゃらん」や「野菜生活」などCM曲で一気に知名度を集めた奇妙礼太郎は、この日11人のトラベルスイング楽団を従えて登場。10月にリリースした『仁義なき恋愛』からの収録曲はもちろん、唯一無二の歌声を持つ男はひたすらハッピーに、“ちょっとくよくよした男の歌”を歌う。「特に言うことねえわ、本当の愛を知ってるかい?どうでも良いけど、トイレ行きたい(笑)」と自由なMCを挟みながら、自由な音楽の時間はあっという間に終了。今年一年良いことも悪いこともあったけど、いろいろを吹き飛ばしてくれる幸せなステージだった。
20:30~
2日目のEARTH STAGEのトリを飾るのはRIP SLYMEの5人。広いステージの中央に鎮座する金色に輝く卓にDJ FUMIYAが現れ開演。PES、RYO-Z、SU、ILMARIが続々と姿を見せて最新アルバムのタイトルを冠した「GOLDEN TIME」へ。先程までこのステージで熱演していたザ・クロマニョンズのストレートなノリだけ残して広大なフロアは飛ぶ、揺れるのディスコ状態に。そして、今年の人気ドラマ『リーガルハイ』の主題歌に起用された「SLY」を披露したかと思えば、前曲と同じく堺雅人主演のドラマ主題歌「Scar」に。「堺雅人トリビュート!」のシャウトにオーディエンスも熱狂。“堺雅人の人気に乗っかりました!”という選曲が遊び心でしかない所が彼ららしくで楽しい。『GOLDEN TIME』からの収録曲できっちり踊らせてから、Sunset to Sunriseで、2014年の日が昇ると「黄昏サラウンド」を配置してくるあたりも流石。後半も「FUNKASTIC」「熱帯夜」とキラーチューンで畳み掛けてクライマックスへ突入。「JOINT」でタオル大回転で締めくくり、アンコールでは「みんなでひとつになってくれますかー?」と「One」でステージの5人は全力のオーディエンスとひとつに。遊び心とニクいテクニックに魅了された一夜となった。
13:00~
3日目のトップバッターは今年の流行語大賞「じぇじぇじぇ!!!!」を叫ぶオーディエンスに呼ばれるようにグループ魂が登場。これまで何度も本イベントに出演してきた彼らだが、この日ほどウェルカムな空気はあっただろうか?一足先にステージに現れた港カヲルは「こんばんは、“夜の進撃の巨人”・港カヲルです!」と自己紹介すると、テキストにするのは難しい変態MCで会場を沸かせる。異様な空気をどうにかしようと、メンバーがステージに姿を見せ演奏スタート。フロアは待ってましたと手拍子の嵐が巻き起こり、ちゃんと(?)ロックフェスらしい雰囲気に。今夏の【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】では、ある意味一番ロックで、パンクだった彼らのパフォーマンス。この日も絶好調で、キワドい時事ネタをおりまぜながら爆笑ロックを叩き付ける。「君にジュースを買ってあげる?」の”ペニスジャパン!ペニスジャパン!!”のコール・アンド・レスポンスに口角は上がりっぱなし。
15:10~
2013年、最も躍進を果たしたといえるであろう新進気鋭のロック・バンドが超満員のGALAXY STAGEに登場。大歓声を裂くように、「1.2. step to you」を投下、さらに「ワールド」「ウォーリー・ヒーロー」次々と披露し、幕張の大地を揺らすかの如く、凄まじい勢いでステージを展開させていく。念願であった【COUNTDOWN JAPAN】のステージに立った彼らは「夢が叶った瞬間をこんなたくさんの人と向かえられて幸せです!」と語り、2月26日にリリースするニュー・シングル「結晶星」を披露し、オーディエンスにスペシャルな時間をプレゼント。締めくくりは、キャッチーなサウンドと独創的なリリックが強引にも、しかし絶妙混ざり合う、新感覚エモーショナル・ロック「盛者必衰の理、お断り」、絶対的鉄板ソング「ないものねだり」という必殺ナンバーで初登場のアクトにピリオドを打ち、長い【COUNTDOWN JAPAN】の歴史にその名を深く刻みつけた。
17:20~
彼らを迎え入れるためのクラップがGALAXY STAGEに響き渡る。そして、そのクラップは登場と同時に熱狂に変わり、真っ赤な無数のレーザーが会場に飛び交う。ロック・テイスト全開の「Boohoo」、ダンサブルなハードロック・チューンの新曲など、攻撃的なナンバーでのスタートにオーディエンスは度肝を抜かれた。「ついこの間シングルを出したんですけど、次はその曲をやりたいと思います。」と内澤は、4年前に既に完成していたがずっと封印していたという「Missing」を披露。内澤の透き通るように繊細な歌声に乗せて、目を避けたくなるほど真っ直ぐなリリックがダイレクトに心に突き刺さる極上のバラード・ロックで全オーディエンスの涙腺を刺激する。そして、ドラマ主題歌として多くの人々の心を揺さぶった大ヒットナンバー「Voice」を投下し、感動的なラストを演出してみせた。
18:05~
今年CMタイアップ曲で一気に知名度を上げ、リリースしたアルバム『吹き零れる程のI、哀、愛』もヒットを飛ばし一躍人気バンドにのし上がってきたクリープハイプ。昨年のCOSMO STAGEから今年は最大動員数のEARTH STAGEに登場と、その人気は衰え知らず。開演前にサラリと登場し、サウンドチェックながらしっかり本気の演奏は大勢のファンを喜ばせた。開演時間、尾崎世界観が「行ける?」とボソリつぶやくと、オーディエンスが大歓声で応え、「イノチミジカシコイセヨオトメ」でステージはスタート。疾走感あるロックサウンドに尾崎のハイトーンヴォーカルが乗っかり、フロアを揺らす。オーディエンスもバンドのプレイと同期するように熱気は沸点に達する。「去年は年連続同じとこ(COSMO STAGE)で“なんか腹立つな”と思って(笑)でも、今年は一番デカいとこです。みんながここまで連れてきてくれました。ありがとうございます!」と語り、恩返しとばかりに人気曲を立て続けに披露し、“デカいとこ”を思い切りアゲきって終了。この人気っぷりを見たら、来年はカウントダウン・アクトも期待しちゃう。
20:00~
3日目となる12月30日の20:00前くらいは、【COUNTDOWN JAPAN】初出演となったBUMP OF CHICKENがEART STAGEのトリを飾るということで、観客は大移動する時間帯。この日すれ違う人みんなが“バンプのTシャツ着てんじゃね?”と思えるほどだったので、もちろん動線は大混雑している。そんなタイミングのMOON STAGEのトリを飾ったのは忘れらんねえよ。サウンドチェック中に「じゃあ、“天体観測”やりまーす!」とボケたり、「今回前田敦子さん出たんですよね?すっげぇ可愛かったらしいんですが、僕、大島優子推しなんで、“ヘビーローテーション”やりまーす!」と今度はバンドでプレイ。オーディエンスと思い切り大合唱して、開演前から開演中の熱気。その熱気に誘われるように続々と観客が集まりいよいよ本編スタート。「僕らチェンジザワールド」で純度100%の真っ直ぐなロックンロールがかき鳴らされる。「イベントにお誘い頂いた時、すっげぇ嬉しくて。でもタイムテーブル見たら、バンプ、サンボ、グドモが(笑)4千人くらい友達連れてこなきゃ!ってなりまししたね。でも、学生時代とかに聴いてたバンドとステージは違えど、同じ空間で演奏できるって、こんな光栄なことないよ。ロックンロールって凄い!」と語り、その喜びを爆発させるように「北極星」「CからはじまるABC」をパフォーマンス。バンド名を冠した人気曲「忘れらんねえよ」や「バンドワゴン」はオーディエンスに“彼らを聴きにきて間違いじゃなかった!”と思わせたはずだ。キャリアは短いものの、命を削るように熱演するバンドの姿は今後もロックファンの心を掴んでいくはずだ。
20:30~
升(Dr.)のドラム・ビートが打ち出され、増川(Gt.)のギター・フレーズが加わり、最後に藤原(Vo・Gt)が登場し会場が湧き挙がる。そこに、印象的なイントロが鳴り響くと、会場の高揚感が一気に膨れ上がり「Stage of the ground」がスタート。藤原の紡ぐ、力強い歌声と歌詞のバックで奏でられる軽やかに疾走するバンド・アンサンブルが気持ち良い。流れそのままに「虹を待つ人」の煌びやかなダンス・ナンバーを彩るように、鮮やかに発光する巨大バルーンが宙を舞い踊る。さらに「メーデー」、「花の名」といった、ファンにはたまらない歴代の名曲を次々と投下していく。「今日はいい日だねー!」と話し、3月12日にリリースする最新アルバム『RAY』から、タイトルと同名曲である「ray」を披露するスペシャルな演出にオーディエンスは歓喜。ポップで爽やかなキラーチューンを全身全霊のバンド・サウンドをもって全オーディエンスの心にしっかりと届け切った。「最後まで残ってくれてありがとうございました。今日は良い日だー!感謝を込めて、あと2曲やらせてください!」と言葉を残し、「ガラスのブルース」「supernova」で壮大なシンガロングを会場中に轟かせた。余韻に浸る間もなく、アンコールで再登場した彼らは、藤原の「オーイェー、アハーンって言えんのか!」という問いに、オーディエンスは全力の大歓声で応え、「天体観測」を大合唱し、初のCOUNTDOWN JAPANでのステージを劇的な終演に導いた。
15:15~
最終日、EARTH STAGEのトップバッターは、エレファントカシマシ。これまで夏の【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】、冬の【COUNTDOWN JAPAN】と出演皆勤賞だったが、ヴォーカル宮本浩次の病により活動休止となり、1回ずつお休みとなってしまったが、昨年末に大復活を果たして帰ってきた。その2回の休みを取り返すように、「悲しみの果て」「デーデ」がぶつけられた。彼らの復活を待ち望んでいたオーディエンスは拳を天に突き上げ、大歓声で応える。宮本が「素晴しい1年になるよう気持ちを込めて歌います。」と語り披露したのは「風に吹かれて」。広大なEARTH STAGEにエレファントカシマシのロックが響き渡り、大晦日という特別な時間を際立たせる。そして彼らの代表曲「今宵の月のように」から、戦うすべての者への「俺たちの明日」とはじめましての観客にもセットリストは優しい。そして「新曲聴いて下さい・・・と言っても去年の新曲でした(笑)」とタイトル通りにズレてるフリからの「ズレてる方がいい」で心は震え、本当の最新曲「あなたへ」に涙がこぼれる。クライマックスは「ガストロンジャー」から「ファイティングマン」と最強ナンバーを立て続けにぶちかました。
18:15~
今年、瞬く間に躍進しMOON STAGEの舞台まで登り詰めたcinema staffは会場を埋め尽くしたオーディエンスの視線を一身に受け「演奏始めます。」と呟き「望郷」でスタート。曲途中のブレイクに「cinema staffです。よろしくお願いします。」と軽く自己紹介を挟み曲調は一気にテンポ・アップし会場の熱も徐々に高まっていく。続いての「奇跡」は、マシンガンのようにドラムビートが打ち出されたかと思えば、美しいハイトーン・ヴォイスと、ポップかつメロウに展開されていくバンド・サウンドが心地よく空間を漂い、オーディエンスに浸透していく。MCでは「またライブ来てくれるかなー?」の問いに、オーディエンスが「いいともー!」と返す、彼らの言う“日本的コール&レスポンス”で会場は和やかな雰囲気で後半に突入。「AMK HOLLIC」でセンセーショナルな激情のロック・ナンバーから、弾丸のように打ち出される衝撃的なイントロが会場を震わせる「great escape」を投下。荒ぶるように放たれる音の強襲でオーディエンスを圧倒した。ラストのMCでは「来年もバリバリやっていくんで応援お願いします!」と力強く発し「西南西の虹」で締めくくった。
20:15~
彼らはSEにこの日急逝が報じられた大滝詠一「君は天然色」を持ってきた。なんだよ、悲しい気持ちを乗り越えてやってきたのに泣きそうになってしまうじゃないか。偉大なアーティストに敬意を払いまくる彼ららしい演出だ。シンプルなステージセットは彼らを迎え入れ、輝きを増す。ロックンローラーは存在そのものが装飾品になるのだと改めて実感。序盤から全開でフロアを踊らせ、揺らし、バンドも2013年最後となったこの日を一番楽しんでやるといった雰囲気。「JOY JOY JOY」「SEXY BODY」と狂乱のパフォーマンスの芯でゆらぐグルーヴに、メンバー個々の演奏力がこの一年で更に進化して凄みが増したのが聴き取れる。充実しているギラギラ感にホレボレしているうちにあっという間にステージは終了。「来年も凄いから!」と語って去っていったが、気になって仕方がない。来年もOKAMOTO’Sに刮目せよ!
20:35~
テクノ調のSEとともに姿を見せたRADWIMPSの面々。中央で軽く円陣を組み、スタートを告げるイントロが響いた途端、会場中から悲鳴にも似た歓声があがる。「ふたりごと」が始まると無数のピンライトが降り注ぎ神々しいほどに輝きを放つ。変則的に放たれるリリックと、繊細に紡がれていくバンド・アンサンブルを奏でる「DADA」には、一般オーディエンスもどっぷりと彼らの世界観に浸かっていってしまう。左手の薬指を骨折したと語った野田(Vo/Gt)だが「人差し指と小指だけで弾く方法考えたから!」とギターを担ぎ8年振りの舞台で「トレモロ」を披露しさらに躍動。曲前から大クラップ・ハンズが響き渡る中「今年あと数時間だけど、まだ好きだって伝えてない人は、好きだってことを伝えるチャンスだと思うよ!」と一言添えて「いいんですか」を会場中の大合唱まで導き、「おしゃかしゃま」での言葉遊びは圧巻の一言。曲終盤、遊び半分で桑原(Gt.)と武田(Ba.)を交互に指差しながらのソロ合戦に歓声が轟く。まさに音楽を楽しみまくっている姿はライブの申し子というべきか。そして、ラストは「会心の一年にしましょう!」と言い放ち「会心の一撃」で全オーディエンスをノック・アウトさせてしまう、神がかり的アクトは確かにCOUNTDOWN JAPANの歴史に新たなページを刻みつけたことだろう。
22:15~
「こんなバンド今までなかった!」と言う訳では無い。「最近、こんな音を鳴らしてくれるバンドがいなかった!」だ。飾らないスタイルと、同世代にはあまりにも親しみ易い歌詞、ちょっぴり凶暴なバンド・サウンドで2013年のアルバム・デビューから短期間でグイグイ人気を獲得してきた彼女たち。その歌声は多くの人がどこかで聴いたことがあるのではなかろうか?ステージに現れれると、大歓声で迎えられる。集まった観客の多くがフェスっぽく通りすがりに立ち寄ったのではなく、観にきたのだ。つい、こないだまで【TEENS ROCK】に出ていたバンドとは思えない堂々としたパフォーマンスに驚きながらも身体が動く。ギターがジャキーンと響いて、ベースがブリブリうねって、ドラムがバカスカ鳴る。そこにごまかしのテクニックは一切必要なく、ひたすら直線を突き進むだけで、充分なことをちゃんと理解しているようだ。だからこそ、観る者は動かされるのだろう、当然MOON STAGEは満員となり、コール&レスポンス有り、タオルまわし有りの充実したパフォーマンスとなった。
23:25~
サウンド・チェックから本番さながらのヴォルテージで暴れまわるオーディエンスたちの熱気が立ち込める、超満員のEARTH STAGE。SEに乗り登場したオオカミ集団= MAN WITH A MISSIONの登場にオーディエンスはお馴染みの “オオカミポーズ”で応えてみせる。オオカミの遠吠えがこだまする中、「DON'T LOSE YOURSELF」で、アクトがスタート。大地が波打ちながら「TAKE WHAT U WANT」に繋ぎ、轟音ミクスチャー・ロックの音の猛襲がオーディエンスに襲いかかり、火に油を注いだかのように、会場はさらにヒートアップ。序盤から尋常じゃないほど熱いアクトが展開されていく。「今年1年間、イッパイオ世話ニナリマシタケドモ、アトチョットダケ、オオカミタチト遊ンデクダサイ!」と発し、「Wake Myself」「distance」を投下。強烈なダンス・ビートが会場を巨大ダンス・ホールへと変貌。さらに、追い打ちをかけるように、「database feat.TAKUMA(10-FEET)」へ。TAKUMAを呼び込んでパフォーマンスは、熱を振りまくようにステージ脇まで駆け回りオーディエンスを大熱狂させた。そして、2013年のラスト・ナンバーとなった「FLY AGAIN」でサビに合わせて数万人の腕が右左に揺れる、壮大な光景を生みだした。曲が終わり暗転したステージに照明がてらされると、「ソロソロナンジャネエノ?」と歓喜の瞬間を迎えるためのカウントダウンがついにヴィジョンでスタート。自然とカウントされる大合唱が大きくなっていき、5…4…3…2…1…2014年の到来と同時に、大爆音とともに大量の銀テープが発射され鮮やかに宙を舞った。オーディエンスの興奮が冷めやらぬ中「人間ノ皆様、明ケマシテオメデトウゴザイマス!」と挨拶したかと思えば「ヤレンノカコノヤロー!」オーディエンスを煽り「Get Off of My Way」へ突入。そのままラストの「Emotions」まで一気に駆け抜けて2014年の新年を熱い、暑いアクトで締めくくった。