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ケイティ・ペリー インタビュー ~最新作『プリズム』リリース記念~
計8枚のシングルで米ビルボード・シングル・チャートを制し、69週間トップ10にランクインし続けた唯一のアーティストとして“ミス・ビルボード”というネーミングが相応しいポップ界のプリンセス、ケイティ・ペリー。だが彼女の人生は波乱に満ちたもので、2001年にデビュー作をリリースしたものの、『ワン・オブ・ザ・ボーイズ』で2007年にブレイクするまで何度も挫折を味わい、2010年に結婚したラッセル・ブランドとは1年余りで離婚、その後離婚はブランドからメールで告げられたと明かし、話題となった。いくつもの試練を乗り越え、世界的アーティストとなったケイティが、米ビルボード誌の2012年度“ウーマン・オブ・ザ・イヤー”に選出された。その際に行われたインタビューで彼女が語った女性アーティストとしての自覚と葛藤を、来月10月23日にリリースされる最新作『プリズム』にあわせてお届けする。
私が目指しているのは人を勇気づけること、
そして人に何かを感じさせること
??米ビルボードが選出する2012年度の“ウーマン・オブ・ザ・イヤー”に選ばれたと聞いた時、どのように感じましたか?
ケイティ・ペリー:私とって今年(2012年)はもう終りで、他の人にバトンタッチをする時だと思っていたけれど、年末までバトンを握っていられそうね(笑)。とってもラブリーなほめ言葉だわ。過去に受賞したアーティストのビヨンセやテイラー・スウィフトに仲間入りができるなんて。
??このような賞を受賞すると、“ロール・モデル”としての責任感も芽生えると思いますが、いかがですか?
ケイティ:“ロール・モデル”という言葉を“インスピレーション”に変えたいわ。“ロール・モデル”というと、他の人が手が届かないような理想化された人みたいだから。幼い頃からアーティストになることを夢見ていた私にとって、ロール・モデルになろうなんて考えてなかった。でもインスピレーションにはなりたいとは思っていた。だから私はインスピレーションでありたい―仕事に対する頑張りと苦境を乗り越える力を踏まえて。
それは誰かのクリエイティヴィティ、もっと素直になることや誇りを持つことをインスパイアすることかもしれない。私が目指しているのは人を勇気づけること、そして人に何かを感じさせることなの。それを貫き通すのは、辛いことかもしれない。時に、その試練を乗り越える唯一の方法には、多くの涙が犠牲になるかもしれない。
??ではあなたがインスパイアされる女性アーティストは?
ケイティ:パティ・グリフィスとジョナサ・ブルックは大好きよ。最近ジョナサ・ブルックの『10セント・ウィングス』を最初から最後まで聴いたけれど、初めて聴いた時と同じインスピレーションを再び感じた。後は、最近ボニー・レイットにハマってるわ。彼女の「I Can't Make You Love Me」をハマー・ミュージアムやAMFARで行われたチャリティー・イベントでカヴァーしたの。何週間かアジアに行った時に彼女のアルバムを聴いたわ。その時に3時間ぐらいかけて火山をハイキングする機会があって、朝3時に登り始めて、朝6時に頂上に着くまでずっとボニーの曲を聴いていたの。
幼い頃、エディット・ピアフの楽曲もよく聴いたわ。私の母はフランス語が話せるの。ピアフ、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドの楽曲は何故か聴くことが許されていた…マドンナよりは害がないだろうって。で本当はビリーはヘロインについて歌っていたし、エディットも理解できない言語だったけれど、多分同じようなことを歌っていたと思うけど(笑)。
最近のアーティストでは、Siaやジェシー・ウェアがとても好き。ジェシーはイギリス人なんだけど、素晴らしいゴスペル調の歌声を持っているの。私の友人のザ・ライクのZ・バーグは、JJAMZっていうサイド・プロジェクトをやっているんだけど、彼女はとってもフランクで、センスも最高。それにフィオナ・アップルとアラニス・モリセットはずっと好きよ。彼女たちは私にとってヒーローなの。
▲ 「Last Friday Night (T.G.I.F.)」
??彼女たちのことをヒーローと呼ぶのはどうして?
ケイティ:フィオナはちょっとクレイジーで、それを隠そうとしないから。誰でもちょっとはクレイジーな面は持っていて、彼女がそれを代弁してくれる。それってシンガーソングライター特有よね。彼らが成功するのは、みんなが共感できて、言葉に表したいことについて歌っているから。アラニスがずっと私が好きなアーティストの一人なのは、『ジャグド・リトル・ピル』が女性アーティストによって作られた作品として完璧だから。誰もが共感できる曲が必ず1曲入っていると思うの。私はアルバムすべての曲に共感できるし、それは今になっても変わらないわ。
リリース情報
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Original Text: Gail Mitchell
森の中で子供を育てながら、
裸足でギターを弾いていたかも
??シンガーソングライターとして大切にしていることは?
ケイティ:自分だけのカラー。慣用句や古いことわざ、語呂合わせやユーモアは大好き。言葉が好きなのね。私は言葉の意味やその類語にとても興味があるの。その日一緒にいる人に言葉の意味やその言葉がその人にとってどのような意味を持っているのか訊いているわ。それが何度も繰り返して聞いたことのある言葉でも。常に言葉を“貯蓄”してる。色々なことを録音しているレコーダーがあるんだけど、信頼をおいている人に文字に起こしてもらっているの。その内容が結構面白いの―タイトルのリストや自分も感じてることだったりね。
詞についてプロデューサーや周りの人と対立したこともあるわ。重要じゃない、と思っている人もいるけど、私に言わせてみれば、そんなのクレイジーよ。完璧なポップ・ソングにはきちんとした方程式があるけど、私はそこに“ハート”も加えたい。詞は、Tシャツをはじめ、婚約指輪に彫られることだってある。重要なのよ。ビートの方が大事なんていう人には心がないと思う。『オズの魔法使い』のブリキ男みたいよね(笑)。
??もし25歳までに、成功を収めてなかったらどうしてたと思う?
ケイティ:音楽を捨てることはしなかったと思うわ。音楽は私の第6感なの。でも“ゲーム”に参加して、勝つということは諦めていたかもしれない。もしかしたら、森の中で子供を育てながら、裸足でギターを弾いていたかも。でもこれはまだ今からでも実現するのに遅くないわよね。人生のその部分に到達するのが楽しみだわ。
?? ではこの2年間を振り返って、最高だったこと、最悪だったことは?
ケイティ:最高だったのは、何度も心が折れそうになったけれど、長い間持っていた自分のヴィジョンを具現化できたこと。私のすべての曲に意味があるとは言わないわ。単に楽しい、バーでかかるような曲もあるから。でも「Firework」は、私にとって重要な曲。色々な曲を書いて、様々なことを経験してきたのは、こういう“秘宝”の為だから。
私の曲が人に与える影響も感じてる。自分が夢見たことを実現できるのは最高の気分…それが観客の頭上を浮くピンクの綿アメの雲であっても、MusiCaresのような団体に25万ドルを寄付することであっても。
最悪だったのは、そこまで辿り着くには自分が正気でいられるかの試練も多かったこと。一歩引いて、自分の周りにおいている人々の目的をいつでも把握していないといけない。自分の意図が混乱しないようにはすごく気を付けてる。だからこれまでずっと一緒にいてくれた人々に常に周りにいてもらってる。家族はもちろん、私の姉はタフだから、私の看守役になってる。彼女とベスト・フレンドのシャノンがいたから今年を乗り切れたんだと思う。ちょっと女性ホルモンが多すぎるんじゃないって、感じるかもしれないけど、私の周りは本当に女性が多いの。でもそれっていいことだと思うの。女性と強い友人関係を築ける女性や他の女性に怖気付かない女性は大好き。私は“シスターフッド”に信頼をおいているわ。
2012年11月 Billboard.com掲載
同インタビューでは、「もう既に次回作をどのようなアルバムにしたいかわかっているの。アートワーク、色彩、トーン…どんなツアーにしたいかも、頭の中にイメージがバッチリあるの。」と語っていた彼女だが、その約1年後には「ロアー~最強ガール宣言!」で、ロビン・シックの12週連続1位連覇を打ち破り、米ビルボードHot100に1位に輝き、見事なカムバックを果たした。そして満を持して10月23日にここ日本でリリースする最新作『プリズム』は、自分の内面を見つめなおし、自我を向上させるプロセスにインスパイアされた彼女の新たな新境地が感じられる渾身の1枚に。先日新気鋭ラッパーのジューシー・Jをフィーチャーしたアルバムからの最新シングル「Dark Horse」も高評価を得ており、9月30日には新たに「Walking On Air」も解禁されるとのこと。最強ガール、ケイティ・ペリーの快進撃はまだ始まったばかり!
"Roar" Music Video
リリース情報
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Original Text: Gail Mitchell
プリズム
2013/10/23 RELEASE
TYCI-69001 ¥ 2,075(税込)
Disc01
- 01.ロアー ~最強ガール宣言!
- 02.レジェンダリー・ラヴァーズ
- 03.バースデイ
- 04.ウォーキング・オン・エア
- 05.アンコンディショナリー
- 06.ダーク・ホース feat.ジューシー・J
- 07.ディス・イズ・ハウ・ウィ・ドゥ
- 08.インターナショナル・スマイル
- 09.ゴースト
- 10.ラヴ・ミー
- 11.ディス・モーメント
- 12.ダブル・レインボー
- 13.バイ・ザ・グレイス・オブ・ゴッド
- 14.スピリチュアル (ボーナス・トラック)
- 15.イット・テイクス・トゥー (ボーナス・トラック)
- 16.チューズ・ユア・バトルズ (ボーナス・トラック)
- 17.ロアー ~最強ガール宣言! (CAZZETTEリミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 18.ロアー ~最強ガール宣言! (インスト) (日本盤ボーナス・トラック)
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