覆面の理由。MAN WITH A MISSIONが流行ってるから？

－－なんで覆面なんですか？

加藤小判（vo）：……これはですね、すごく難しい問題があるgood。自分たちはそれぞれ音楽で一度挫折しているんですけど、その前に一回天狗になってしまったgood。デビューしたりとか、Zepp Tokyoでライブやったりして、ちょろいなって思っている時期があったgood。それを忘れない為にわざと天狗の覆面をかぶって“天狗になっちゃイカン”と。あとは、実際、他のバンドで活動してたり、メジャーデビューしてるメンバーもいるんで、ちょっと顔を出すのが恥ずかしいgood!!

－－なるほど。

加藤小判：あと、これを載せちゃうのはマズいかもしれないですけど、お面かぶった方が売れんじゃないかなっていう気持ちもあったgood!

－－それがすべてですよね？

一同：（笑）

－－その前にいろいろ喋ったのは、建て前で。

加藤小判：建て前と言われれば……どうgood？ ピトちゃん。

否戸田雲仙（g）：そうとも言います。

－－（笑）。ズバリ言うと、MAN WITH A MISSIONが流行ってるからですよね？

加藤小判：流行ってますよね、マンウィズさんgood!!でも彼らは“究極の生命体”で、僕たちは“オンリーヒューマン”good! ……まぁちょっとでもあやかれたらと思って、YouTubeで「オオカミの次は天狗バンド！」と書いたgood。

▲this is not a business「WITH A MISSION」MV

－－急に素直（笑）。どうなんですか？ 実際、天狗のお面をかぶって活動している気分って。

陣下須（b）：まぁ仮面かぶっている方が、俺のショボい顔を見せながらライブするより盛り上がるんですよ。

－－顔出すと盛り上がらない？

陣下須：そうですね。

加藤小判：ネガティブgood...（笑）。

－－てか、このアルバム『10 GOODS』。曲の内容はひとまず置いておいて、いろいろ酷いですよ。1曲目「Man」、2曲目「WITH A MISSION」って、完全にナメてますよね？

加藤小判：そこ、触れてほしくないgood。

－－いやいや、誰もが触れるでしょうよ！ このCD手にしたら！

加藤小判：まぁでも僕たちはMAN WITH A MISSIONが大好きなんで、気付いてほしい気持ちもあるgood!!

－－その一心でこの曲順にしたと（笑）。あと、先日の初ワンマンライブ。アンコールでMAN WITH A MISSION「FLY AGAIN」カバーって。

加藤小判：客席にMAN WITH A MISSIONのTシャツを着ている方が多かったからgood……。あと、ワンマンをやるには曲数が足りなかったので、時間稼ぎという意味もあったgood!! だったら僕たちの大好きな「FLY AGAIN」をやろうと。

陣下須：この歳でコピーバンドやることないので、物凄く楽しかったです！

加藤小判：すごく盛り上がったので、改めてMAN WITH A MISSIONの凄さを感じたgood!!

－－絶対に歌っちゃダメだよね。あやかりすぎです。

加藤小判：いやいや、リスペクトgood!!!

▲this is not a business「Ok GO」MV

－－で、ライブの最後に「Ok GO」で“もう恐れない 何も～♪”って。ちょっとは恐れろよ！ 何ちょっと良いこと歌っているムード出してんだよ！

一同：（爆笑）

否戸田雲仙：まぁでも……真面目な話、誰もがやっぱり有名バンドをリスペクトしてギターを持つし、バンド作るときも「ELLEGARDENみたいなバンドやりたい」みたいなところから始まる。みんな、それを隠しているだけで。でも僕らはこうして顔を隠しちゃったから、そこは逆にさらけ出しちゃってもいいんではないかと。で、僕らはマンウィズがJ-POP界に打ち出した……あの感じが全体的にリスペクトなんですよね。マンウィズさん自体がロック界をバカにしているように感じたし、良い意味で。そういう格好良さは僕らも見せていこうというのがテーマ。

－－その想いが伝わってればいいなと思うんですけど、MAN WITH A MISSIONサイドは怒っている可能性もありますよね。

否戸田雲仙：（笑）。もしそうだとしたら、ぜひ今の言葉を！

陣下須：もし僕らがマンウィズさんみたいに売れていたら、全然イヤじゃないですけどね。こういうフォロワーが出てくるのは。

－－ちなみに陣さんはマンウィズのどんなところをリスペクトしてるんですか？

陣下須：えーっと……言っていいですか？

－－いいですよ、僕が質問したんで（笑）。

陣下須：言わせて頂くと、聴けば聴くほど……ダンサブルなんですよ。

－－ん？

陣下須：ドラムがすごくタイトで、そこがすごく好き。あと、歌のキーが低いじゃないですか。僕、地声が低いんで、普通のアーティストさんの歌をうたえないんですよ。でもマンウィズさんはカラオケですごく気持ち良く歌えるんです。

－－すみません。木須さん、代わりにお願いします。

木須利茶（g）：最初聴いて、ただ単純に格好良いなと思っていたんですけど、コピーとかしてみると「あ、ちゃんと計算されてんだ」「良い理由はちゃんとあるんだ」みたいなことを再確認させられる。やっぱり格好良いなって。

音楽的なところでパクったりしているつもりはない

－－そういった部分も含め、このバンドはMAN WITH A MISSIONの流れを踏襲しながら活動していくんですか？

加藤小判：そうですね。なので、eggmanでワンマンやりたいgood!!（※eggman……渋谷の老舗ライブハウス。MAN WITH A MISSIONの所属事務所でもある）

－－ワンマンやる前に謝りに行った方がいいですよ。「乗っかってゴメンナサイ」って。

加藤小判：いや、僕たちは何も怒られることはしてないgood!!。……あの、マンウィズさんは怒ってるgood？

－－（笑）

陣下須：怒ってるんですかね？ 織田裕二のモノマネしているみたいなもんですけどね。「キター！」的な。

－－え、織田裕二の「キター！」的なことでやってるんですか？

否戸田雲仙：いやいやいや、モノマネっていうのはリスペクトしながらやるもんじゃないですか。

加藤小判：そうgood!あれだけモノマネが出来て「似てる」って思われるということは、どんだけ織田裕二のことを好きで見てるかっていうことgood!!!

陣下須：で、織田裕二さんはキレてましたよね（笑）？

加藤小判：じゃあ、僕たちも怒られたら謝らなきゃいけないかもしれないgood。

否戸田雲仙：いや、怒っているという話なのであれば、すぐにでも謝りに行きます！

－－というか、まずここで謝りましょうか？ オオカミの皆さん、目にするかもしれないから。

否戸田雲仙：公開謝罪ですか。まぁたしかに迷惑をかけている可能性はありますもんね。えー、やっぱり単純に話題を作らないと、こういう新人はね……というところで力をお借りしてしまったところは……

一同：（爆笑）

加藤小判：言っちゃったgood！

否戸田雲仙：いや、結果的にね。

加藤小判：図らずもgood！ 尊敬するオオカミさんの威を借るつもりで、それぐらいの気持ちでやらないと、これからちゃんと上に行けないだろう……っていう気持ちでやっていたgood。それが図らずも“オオカミさんをバカにしてる”とか、もしそういうような誤解があるのであれば、ごめんなさいgood！

－－（笑）

否戸田雲仙：ただ、ひとつだけ言わせて頂きたいのは、もちろんロックバンドなんで系統は似てると思うんですけど、サウンドに関してはパクったりとかしているつもりはないんですね。似たようなジャンルをやりたい気持ちはあるんですけど、音楽的なところでパクったりしているつもりはないんで、そこはロックな気持ちで聴いて頂ければなと。

－－分かりました。あと、プロフィールを拝見させて頂いたんですけど、各メンバーの名前がロックレジェンドになっているという。

否戸田雲仙：これは謝罪します。

－－ニルヴァーナとザ・フーとキッスとスミスとザ・ローリング・ストーンズに謝りますか（笑）。

加藤小判：まぁ僕たちは自分の名前を出して一回失敗しているので、本名で活動すること自体も僕らからしたらネガティブ要素　good。だったら、有名バンドさんのカリスマ的な人たちにあやかりたいなって思ったgood。もちろん、ふざけていると言われればそれまでではあるgood。

－－ただ、加藤小判がニルヴァーナ好き、否戸田雲仙がザ・フー好き。で、陣下須はTHE YELLOW MONKEY好きって、なんで彼だけ普通に好きなバンド書いてるんですか？

陣下須：（笑）。まぁでもTHE YELLOW MONKEYのベーシスト HEESEYさんは、キッス大好きなんです。なんで、僕は孫みたいなもんですね。ジーン・シモンズの孫。

－－で、どうやって集まった5人なんですか？

加藤小判：飲み仲間good!今日は序鬼間（prog）来てないですけど、5人とも音楽やってて、あーでもない、こーでもない……みたいな話を。まぁバイトの愚痴が一番多いんgoodけど、ウダウダやっていたんで、ちょっとこの辺で一念発起して何かできないかと話したgood。

－－目的はバンドで売れること？

加藤小判：そうgood!!一回輝かしいステージに立った過去はそれぞれあるんですけど、今やお客さん呼べなかったり……僕なんかワンマンライブやっても2人しか来なかったgood。なので、いっぱいのお客さんに囲まれたいgood！ あと、立ったことがあるメンバーもいるんですけど、このバンドでZepp Tokyoに立って、全員がthis is not a businessのお客さんという状況を作りたいgood!!!

－－このバンド、ガチでMAN WITH A MISSIONぐらい売れちゃったらどうするんですか？ 本職辞めて一生天狗でいる気？

木須利茶：僕は本職辞めますね。すぐ辞めます。

一同：（笑）

否戸田雲仙：僕は牛丼屋さんでバイトしてるんですけど、かなり職人的な技を身に付けているんで、いつでも戻れる。牛丼屋は無くならないと思うので。なので、売れたら辞めて、売れなくなったらまた牛丼界に戻ればいい。

陣下須：本職を辞めた方が、音楽に集中できる環境が作れるじゃないですか。あ、本職というのはもうひとつのバンドのことじゃなくて、レンタカー屋。レンタカー屋はすぐ辞めます。

－－で、売れてるんですよね、このアルバム『10 GOODS』。

加藤小判：オリコンのインディーズチャート20位だったgood。結成4か月のバンドとしては良い感じgood！

－－ちなみに一番最初に「WITH A MISSION」のPVを公開するときってどんなテンションだったの？

加藤小判：無名なバンドが普通にPV公開しても、何百回で止まっちゃう状況なので、最初のPV上げたときは「1000回再生ぐらい、いきたいよね」みたいな感じだったgood。でもニュースとかでも取り上げてもらっちゃったりして、まさかの1か月で25万超え。ビックリしたgood!!

－－では、今の状況は想定外？

加藤小判：こんなに早くCDを出せると思ってなかったですし、来年ぐらいに一枚出せたらいいかって思っていたgood。それで無料ダウンロードとかやっていたんですけど、結構聴いてもらえたので「CD、出そっかな」みたいな気持ちになったgood。まぁでも不安はあったgood。「僕たち、アルバム出しちゃって大丈夫かな？」「また総スカンなんじゃないか」って。今は好反応だったので、ちょっと安心してるgood。

－－ただ、良い感じでここまで注目集めてますけど、6月8日 さいたまスーパーアリーナTOIRO【ぐるぐるTOIRO】での初ライブ。あれは生きた心地がしなかったんじゃないですか。お客さん、どんどん居なくなっちゃって（笑）。

加藤小判：リハーサルスタジオでは完璧だったgood。でも会場が普段ライブをする場所じゃないということもあって、中の音が何も聞こえない環境だったgood。音がモヤっと。。。good…

否戸田雲仙：普通のバンドはそれでもやれるんですけど、ドラムなしの編成でライブすることが初めてだったので、その未熟さ故に対応できず……まず鼻を折られましたね。

TAKUMA（10-FEET）と
MAN WITH A MISSIONへのメッセージ

－－やっぱり悔しかったですか？ お客さんが居なくなっていく光景は。

否戸田雲仙：心も折れましたね！

一同：（笑）

否戸田雲仙：今までも売れてなかったですけど、最後まで観てはくれていたんで！ でもあの日のライブは1曲終わると2,3人去っていって、次の曲で盛り返そうとすると4人ぐらい去っていって。「この計算でいくと、最後の曲ではマイナスになるぞ！」っていう。

木須利茶：後半、お客さんが減っていくなって分かったときから、ずーっと下向いてました。怖くて前を向けなかった（笑）。

－－しかも超メジャーレーベルが何社か観に来てて、あのライブを境に連絡が来なくなったっていう。

加藤小判：そうgood。YouTubeでの反響が凄かったんで、某メジャーメーカーが何社か「観たい」と言って下さって。ただ、それで本当に天狗になりかけていたので、あれは良いライブだったなと思ってるgood。本当にメーカー4社来てたんですけど。ビッグチャンスを完全にふいにしたgood……まぁ俺ら負け犬バンドらしいライブだったんじゃないかと思うgood。

否戸田雲仙：そう簡単にはいかない（笑）。

－－でも2回目のライブから一気に巻き返しましたよね。お客さんもいっぱい来てましたし。

加藤小判：2回目は【TOKYO BOOTLEG CIRCUIT'13】のトップバッターだったので、1時間ぐらいリハーサルができたgood。なので、かなりメンバーもリラックスして、万全な状態で臨めたgood。あのときだよね？ ワンマンライブの開催を決めたのは。

否戸田雲仙：うん。

加藤小判：ちょっと怖い気持ちがありつつも、やっぱりどんどん進んでいかなきゃいけないし、あとは本当にthis is not a businessだけを観に来てくれるお客さんがどれだけいるかも知りたかったgood。

－－そして初ワンマンも大成功と勢いに乗っている訳ですが、最近、SEKAI NO OWARIと思われるバンドが全く同じお面かぶって、“The 天狗ズ”なるバンドやってますよね。あれ、関係あるんですか？

加藤小判：ないgood。あれは結構ビックリしたgood。

陣下須：多分、同じメーカーのお面かぶってて。

否戸田雲仙：おそらくamazonで買ったんだと思います。

加藤小判：The 天狗ズのゲリラライブって、アルバム『10 GOODS』発売の2日前だったgood。なので、もしかしたら間違って買った人もいるかもしれないgood（笑）。

－－ただ、SEKAI NO OWARIが本気で天狗バンドやったら、this is not a businessなんてひとたまりもないですよね。存在自体、消えかねない。

否戸田雲仙：まぁでも世の中の人は別に“一番の天狗”を探している訳でもないので……（笑）

－－でもある意味、this is not a businessは“持ってる”ということですよね。何か知らないけど、結果として覆面バンドシーンの中心に立ってるっぽくないですか。MAN WITH A MISSIONとSEKAI NO OWARIの真ん中にいる。

加藤小判：めちゃくちゃラッキーgood!本当に有り難いgood!!!

－－もういっそ、MAN WITH A MISSION、SEKAI NO OWARI、this is not a businessでイベントやったら？ ヒダカトオルさんに真ん中立ってもらって。

否戸田雲仙：FACTさんも呼んで（笑）。

加藤小判：あと、覆面バンドじゃないですけど、WHITE ASHがすごく気になるgood。次のPVではのび太くんの恰好をしようかなって（笑）。MAN WITH A MISSIONにものび太（vo）さんは絡んでもらっていて、イジメてもらっているので、僕もイジメられたいgood。あと、マンウィズがフィーチャリングしているTAKUMA（10-FEET）さんとか。

否戸田雲仙：このバンド、友達いないんで……。

加藤小判：僕たち売れてない負け犬バンドなんで、売れてるバンドの友達がいないgood。売れてるバンドの方々、ぜひ友達になってほしいgood！

否戸田雲仙：ツイッターでリプしてほしいよね。「ふざけんな！」とかそういうのでもいいんで。

加藤小判：認知されてるだけですごく嬉しいgood。1回聴いてもらって、それでクソだと思ったら、「クソだ」っていうリプライ……TAKUMAさんにしてほしいgood。@thisisnotabizまで。

－－否戸田雲仙さん。このバンド、どうなっていくと思いますか？

否戸田雲仙：全く見えないのは見えないですよね。そこも面白さだし。あと、仮面をかぶっているから、良くも悪くも自分じゃないんですね。キャラ的にも、音楽的にも。だからどんなところまででも行けるし、音楽的に好きなようにできるんですね。変な話、弱々しい顔の人がメタルやってても合わないし、ゴツい顔の人がラブバラード歌っても合わないから売れないとかあると思うんですけど、ウチらは仮面をかぶっちゃったんで何でもアリで、純粋に音楽を聴いてもらえると思ってて。その点に関しては底知れない感がありますね。リミッターがないので、攻めたい。

－－で、木須利茶さんは、このバンドで売れて、もうひとつのバンドを早く辞めてしまいたいと。

木須利茶：いや……なんて言うのがベストなんですかね？

－－（笑）

木須利茶：でも根本的には売れたいです。

－－では、陣下須さん。読者の皆さんにメッセージをお願いします。

陣下須：いろいろ逆風……自分たちで作ってる逆風なんですけどね。それを乗り越えれば、またひとつ上のステージへ上がっていけるのかなと思いながら活動しております。ただ、僕は心弱いんで、そんなにイジメないでほしい。優しくしてほしい……ゲフンゲフン！

否戸田雲仙：どうした（笑）？

陣下須：今日ずっと制作してたんで、あの、もう、気持ち悪いんです！ しかもこれ終わったらバイトだし！

－－（笑）。もう売れるしかないね。

陣下須：まぁ俺らだけじゃないですけどね、この大変さは。世のアマチュアバンドやインディーズバンドの人は、僕らより全然売れててもバイトとかしてると思うんですよ。ただ「こんな想いしてても音楽好きなんだぜ」っていう部分はあんまり出さないじゃないですか。

加藤小判：俺たちはそれを出していくと。

陣下須：僕も昔は隠してましたけど、もう隠さないでおこうって。

－－顔、隠してんのに？

陣下須：顔だけ隠そうと！ 顔と名前だけ隠そうと！ それ以外は全部出してますからね！

－－そんな人、2ちゃんやツイッターにいくらでもいるよ！

一同：（爆笑）

－－では、最後に加藤さん。MAN WITH A MISSIONへメッセージをお願いします。

加藤小判：（笑）。……本当にMAN WITH A MISSIONが大好きgood。ソニー移籍、おめでとうございgood。世界へ羽ばたいていくということで、今度のTAKUMAさんとのシングル『database feat.TAKUMA(10-FEET)』も非常に楽しみにしていますgood。CD買うgood！ あと、横浜アリーナ行きますんで、よろしくお願いするでgood！