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バスティル 『バッド・ブラッド』インタビュー

バスティル 『バッド・ブラッド』インタビュー

 シンガー・ソングライター ダン・スミスのソロ・プロジェクトとしてスタートし、現在はベースのウィル・ファーカーソン、キーボードのカイル・シモンズ、ドラムスのクリス・“ウッディ”・ウッドの4人組バンドとしてサウス・ロンドンを拠点に活動するバスティル。2011年にリリースされた『Laura Palmer』EPで注目を浴び、今年2月にリリースされた4thシングル「Pompeii」が全英2位にランクイン、その翌月にリリースされたデビュー・アルバム『Bad Blood』では全英1位に輝く。ポップさと奇妙さが入り混じったその独特な音世界、メンバー全員がマルチ・インストゥルメンタリストということもあり、アルバムの世界観を超越した唯一無二のライブ・パフォーマンスで若手UKバンドの中で一際注目を浴びている。今年8月に【SUMMER SONIC】へ出演する為に初来日を果たした4人が、『Bad Blood』をはじめ、次回作の構想、デヴィッド・リンチなどについて和気あいあいと語ってくれた。

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様々な瞬間や経験を仲間と共有できる方が楽しい、と今は感じている

「Laura Palmer」
▲ 「Laura Palmer」 (Official Video)

−−バスティルは、ダンのソロ・プロジェクトとしてスタートしましたが、どのような経緯で現在の4人編成に?

ダン・スミス:僕は長い間ラップトップを使って一人で音楽を作ってきたから、もちろんその形が一番自然といえば自然だけど、作ったものをきちんとレコーディングやライブで表現するには、どうしても僕だけでは無理で、音楽性を広げる新たなステップとして、彼らに参加してもらうことにしたんだ。

クリス・“ウッディ”・ウッド:単に寂しかったんだよ(笑)。

ダン:(笑)。最初にウッディとウィルに出会って、一緒に演奏をし始めた。その後にカイルが加わったんだ。きちんとバンドとして活動を始めたのは、2010年かな。本当は映画評論家になりたくて、バンドをやる、まして音楽を作るなんて、まったく思ってもいなかったから、まだ不器用に手さぐりしてる感じだよ。

−−ダンはずっと一人で音楽を作ってきたこともあり、最初にバンドとして一緒に演奏した際に不安はありましたか?

ウッディ:もちろん!

ダン:恥ずかしいな~!ライブをやり始めて間もない頃は、僕はピアノの後ろに隠れてて、ウィルがステージの真ん中に立ってたんだ。

ウィル・ファーカーソン:そう。で、ダンがバックステージから歌うっていう(笑)。

ダン:それにまだバスティルっていうバンド名がなくて、メンバーが何人もいるのに「ハ~イ、僕らダン・スミスです!」ってMCするのがすごく恥ずかしかった。今考えたら、ちょっとマイク・スノウぽいのかなとも思うけど。でもダン・スミスは僕の名前だから、やっぱり変な感じだよね。色々あったけど、バンドで演奏して、様々な瞬間や経験を仲間と共有できる方が楽しい、と今は感じてるよ。

−−どちらかというと自宅やスタジオで作業する方が生にあう?それともライブをすることも徐々に魅力的になってきていますか?

ダン:そうだね。やっとライブをすることが楽しくなってきた。それにツアーをするのも、もちろん好きだし。ただ積極的に人の前に出たり、ステージに上がったりするのは本当はニガテなんだよ。

「Pompeii」
▲ 「Pompeii」 (Live From Isle Of Wight Festival)

−−ライブの映像を観る限り、フロントマンとしての貫禄があって、全然そんな風には感じられないですよ。

ウッディ:この4、5年間、ドラムキットの後ろから、彼がステージ上を縦横無尽にピョンピョン跳ね回るのを見ているけれど、確かにフロントマンとして貫禄がついてきていると思うね。

ダン:とにかく不器用だから、それを隠す為にステージ上では出来る限り、忙しく動いてるんだ(笑)。幸運なことに固定のファンも徐々に増えてきて、大きな会場で演奏できるようになったことも自信につながったと思う。初めてのライブでは、観客が微動たりともしなくて、死ぬほどナーバスだった。でもその頃から時間をかけて、今の姿に成長している。未だに自分らしく、自然体でいられる環境ではないけれど、徐々に慣れてはきている。

−−この数か月では、グラストンベリーなどイギリスの主要フェスはもちろんヨーロッパでも多くのフェスに出演していますが、バンドとして知名度が上がったな、と実感した瞬間はありましたか?

ダン:そんな風に思えるには、まだまだだよ!ワイト島フェスティバルでは、メイン・ステージで演奏したんだけど、とにかく観客の多さに圧倒された。グラストンベリーもそうだね。僕の一番好きなフェスで、ずっと演奏してみたいと思っていたんだ。

ウッディ:ある意味ターニング・ポイントとなったのは、去年レディング・フェスティヴァルに出演した時かな。小さいステージではあったけれど…。ビール瓶を投げつけられるかと思っていたけど、観客はノリノリで、歌詞を一緒に歌ってくれているというより、叫んでくれていると言った方が正しいかな(笑)。

ダン:そう、メンバー全員で目を合わせて、「何が起きてるんだ!?」って思わず笑っちゃったのを憶えているよ。あんなに大きな反響があったのは、あの時が初めてだったから。

「Pompeii」
▲ Bastille @ T in the Park

−−ちょうどダンの誕生日だった今年のティー・イン・ザ・パークでは、観客に「Happy Birthday」を歌ってもらっていましたよね。

カイル・シモンズ:アハハ。あれこそダンの一番のお気に入りの瞬間だよね。

ダン:すごく恥ずかしかったんだよ!気遣ってくれて嬉しかったけど…。

一同:大笑い。

ダン:それに歌ってる時は、何も考えずにパフォーマンスに集中できるけど、曲の合間になると我に返って、どれぐらいの観客がいるかに気づいて、茫然としちゃう。話すことがあればいいんだけど、無い場合は、3万人を前にマイクを持ったまま、本当にどうしていいかわからなくなるんだ…。

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どれぐらい成長したか比較してみたい

「Of the Night」
▲ 「Of the Night」

−−フェス以外では、先日ミューズの前座としてエミレーツ・スタジアムで6万人の観客を前に演奏していましたよね。

ダン:この話はウッディにしてもらおう。ウッディはミューズの熱狂的なファンなんだ。

ウィル:そう、ハートマークが付いたマット・ベラミーの人形を自作してるぐらい。それをマットにサインしてもらおうとしてたから、ウッディを彼に会わせないようにしたんだ(笑)。

ウッディ:ちょっと待って!あいつ嘘ばっかりつくんだ。これまでにも、メンバーが住んでる場所を知ってるとか、メンバーの子供のヴードゥー・ドールを持ってるとか適当なことばっかり言って…。とりあえず、僕が熱狂的なミューズ・ファンだっていう話は抜きで、あれほど大きなスタジアム・ショーは初めてだったからとにかく圧倒された。

ダン:ステージの半分ぐらいしか使えなかったんだけど、それでも僕らにとっては巨大で、今まで演奏してきたステージでは最大級だった。

カイル:他のメンバーも遠かったから、寂しかったよ。それに観客からも遠かったよね。

ウィル:俺なんか自分が立ってたところからウッディのドラムキットまで辿り着いたら、座りこんだよ。だって30分歩いたぐらい遠かったもん。

一同:大笑い。

ダン:大きな会場で演奏する方が緊張するかよく訊かれるけど、小さい親密な会場の方が全然怖いよね。でも、あんなチャンスを与えられるなんて想像してもいなかったから、とても光栄だった。

インタビュー写真
Photo: (C)SUMMER SONIC 2013 All Rights Reserved.

−−デビュー・アルバム『Bad Blood』がリリースされてから約半年経ちますが、自分たちの手から離れて、アルバムとの距離感にどのような変化がありましたか?特にダンは、共同プロデューサーでもありますし。

ダン:いい質問だね。ずっとツアーを行っているから、個々の曲との距離は明らかに縮まっている。だから制作している時とはまた違う意味で、アルバムとの関係性が変化してきている。

ウィル:俺は完成した時からずっと聴いてないから、ツアーが落ち着いたら、また聴き返してみたいと思ってる。ここ5か月間で、自分たちがアルバムを制作していた時からどれぐらい成長したか比較してみたいから。

「Bad Blood」
▲ 「Bad Blood」 (Official Video)

−−ではアルバムに収録されている曲をライブで演奏する為にアレンジするプロセスで困難だったのは?

ダン:ウッディが一番苦労したと思うよ。

ウッディ:たとえば「Bad Blood」は、ヒップホップのビートがベースになってるから、まるでタコみたいにドラムを叩かないといけないんだ!キットの半分は、ドラム・パッドをヒップホップのビートにプログラミングして演奏するけど、アコースティックの部分もあって、タンバリンも叩かなきゃいけないし…。でもチャレンジは好きだから頑張ってる(笑)。

ウィル:この前ウッディがそのパートを演奏しているのを見てたら、俺のパートはなんて簡単なんだと思いながら、自分が演奏するのを忘れてた(笑)。

カイル:アルバムは、ライブで演奏する前に全て曲づくりを行って、プロデュースされたものなんだ。だから通常のバンドのアルバムのようにスタジオでジャムって作られた作品とはまた違う。ウッディはドラム・パートをすべて担当しているけど、他にもシークエンスだったり、色々な要素をシンセサイザーやキーボードを使ってすべて生で演奏しなければならない。だから僕の“シンセ・ステーション”には、ストリングスや聖歌隊の歌声とか、とにかく色々なサウンドを作るプログラミングが施されてる。

ダン:特に「These Streets」でのカイルの手さばきは凄いよ。左手ではオフビートなパターンを演奏しつつ、右手ではアルペジオを弾いてる。間違えないように、超集中してるよね。

カイル:そう、あの曲のコーラスが、終わるまでまったく動けないんだ…。終わると「ふぅー。今日の大仕事が終わった!」って感じでやっと気が抜ける(笑)。

ダン:それにライブを重ねるごとに、色々な要素も足していて、特にヴォーカルを生で再現する部分ではカイルが大きく貢献している。キーボードをヴォコーダーのように利用して、彼の歌声を30種類の異なる声に変換すると聖歌隊がいるように聴こえる。そういうのは、やっててすごく楽しいよね。

ウィル:うん、楽しい。演奏する前に、みんなで集まって家中を紙だらけにして何をどうするかプランを練って、いざライブで実際やってみようと思ったら、頭で考えていたようには上手くいかなくて…ちょっとしたゲームみたいでもある。

ダン:4人だけで、ストリングスや聖歌隊の要素も含めつつ、どれだけスケール感のあるライブが見せられるか、というのにはこだわった。だからウィルがピアノを演奏したり、曲ごとに4人で臨機応変に楽器を演奏しないといけないんだ。

「Bad Blood」
▲ 「Flaws」 (Acoustic)

ウィル:その反対に、楽曲をアコースティックで演奏するのは、チャレンジだったよね。だって俺たちは元々ギターレス・バンドだし。超悪夢だよ!

カイル:結果、プロセスすべてが悪夢だったってことだね!

ダン:じゃあ、次のアルバムは、ドラム、ベースとギターでシンプルなものにしようか(笑)。

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ヒップホップ・トラックを彷彿とさせる曲も何曲か入れたい

「Overjoyed」
▲ 「Overjoyed」 (Official Video)

−−アルバムには「Pompeii」のようなポップなシンガロング・ナンバーもあれば、「Overjoyed」のようなアンビエントなエレクトロニカよりの曲もあって、とても個性豊かな内容に仕上がっていますよね。このように作品に多様性を持たせることにはこだわりましたか?

ダン:うん。どの曲も個体として考えていて、アルバムというフォーマットとして繋げた時に対立するのでは、という懸念はあった。でも実際そんなことはなかったと思う。エレクトロニックでディープなベースラインやグリッチーなビートの曲もあるし、普通のライブ・バンドが作ったような曲もある。それがバスティル、そしてこの作品の目的だったんだ。ジャンルなんて関係ないし、何を言われようとあまり気にしてない。自分たちが誇れるような曲を書いて、面白いと思える方法でプロデュースすることが一番重要なんだ。これは次のアルバムで、より重視される部分だと思う。

ウッディ:僕がもう1本腕を生やさないとダメなぐらい演奏するのが難解な曲が1曲あるんだ(苦笑)。でもバンドの為だったら、何でもするよ…。

−−(笑)。でもそこからは、前衛的で、実験的なことをしようという精神も見受けられますよね。次回作では、どのような部分を具体的に探究したいですか?

ダン:『Bad Blood』に収録されている楽曲は、多くの場合、曲が仕上がる前にプロダクション面を進めた。曲づくりと音のプロダクションを同時に進めると、より実験する幅が広がるよね。次回作では、ヴォーカルのプロダクションをもっと追究したいと思ってる。今作では、あまりヴォーカルをいじらないことにこだわったけれど、もうそこまで気にしてない。後は、エレクトロニックな部分をもっと探究したいし、これまで使用してなかったギターも取り入れてみたいと思っている。ヘヴィーなギター・サウンドだったり、もっとエレクトロニックな曲もあって、よりバンドの個性、そして好みを反映する。

やはり聴き手より作り手の僕らの方が、どのような影響が作品に投影されているかを理解している。僕はヒップホップも大好きなんだけど、その部分は今までの僕らのサウンドからはあまり見受けられないと思う。だからラップをせずに、ヒップホップ・トラックを彷彿とさせる曲も何曲か入れたいと思っている。その路線で2001年的なフィーリングのトラックを1曲作りかけてたけど、結局は全然違う方向に進んじゃったよ(笑)。

「Locked Out of Heaven (Mash-up) 」
▲ 「Locked Out of Heaven (Mash-up) 」 (BBC Radio 1 Live Lounge)

−−ではバスティルのメンバーにとって、いい“ポップ・ソング”の定義とは?

ダン:いい“ポップ・ソング”とはジャンルを問わず存在することが出きると思うんだ。一度聴いても耳に残る曲であるとともに、その後も色々な要素や深みを発見できるような曲。数年後に聴いて、「あぁ!この詞はこういうことだったんだ。」ていう具合に。でもまず聴いたら、すぐにそうだ、とわかるような…即時性があるものじゃないかな。

−−アルバムの場合だとまた定義が異なると思いますか?

ダン:『Bad Blood』を書いていた時に、個々の曲を“シングル”にしようと思ってはいなかったけど、どの曲も印象に残るような、最大限にいい曲にしたかった。僕はサイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』が大好きなんだけど、小さい頃に両親の車の中で聴いていた時には、グレイテスト・ヒッツアルバムだと思っていた。僕でも知っているような有名な曲が沢山入っていたけど、お互いにまったく違うサウンドの曲も入っていたから。

インタビュー写真
Photo: (C)SUMMER SONIC 2013 All Rights Reserved.

−−それって『Bad Blood』についても言えることだと思いますよ。曲ごとのサウンドはまったく違うけれど、シングルに出来るような際立った曲ばかりで、現にアルバムから半分近くの曲をシングルとしてリリースしていますし。

ダン:ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ。

ウッディ:アルバムというフォーマットに関して言うと、いいアルバムを作るには相当な根気がいると思うんだ。だって僕らの世代でCDを買うという文化が過去のものとなってしまって、今はアルバムを買わなくてもiTunesで自分が好きな曲だけをダウンロードできるから。

ウィル:いい曲があるほど、いいアルバムになるんじゃないの?

カイル:それはどうかな~。

−−アルバムの曲の流れや作り手の意図も考慮しないとですしね。

ダン:確かにそうだよね。

ウッディ:僕はクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの大ファンで、最新作のリード・トラックは、即時性はなかったけど、いいなとは思っていた。それをアルバムの流れで聴いてみたら、こういうことだったのかって分かって、より好きになったよ。

ウィル:でも曲を書いている段階で、そういう曲順にしようと意図していた訳ではないんじゃない?

カイル:それはそうだけど、トラッキングを考える時に、ここにもっとダークな曲を入れた方がいいとか、考慮するよね。

ダン:話は戻るけど、最近色々なバンドと話してみてわかったけど、デビュー・アルバムは、グレイテスト・ヒッツに似ている部分もあるよね。曲を選ばなきゃいけないのは、難しいと思うんだ。自分が好きな曲を12曲とかに絞り込む…それがもっと多いバンドもいると思うけど。

「No Scrubs 」
▲ 「No Scrubs」 (Live at RTL2)

−−それにデビュー作は、多くの場合これまでの自分をショーケースするとともに、土台となるもので、バンドとしての真価が問われるのは2ndアルバムだというのは感じます。

カイル:そう、2ndアルバムのスナップショットだ。

ダン:その通りだよ。その為のステップだと思う。

ウィル:と言ってみたものの、自分達にプレッシャーを与えてるだけだぜ!

一同:大笑い。

ダン:でも作品へのアプローチの仕方を今までと変えるつもりはない。自由に、好きな曲を作るのみだよ。

−−後はある種のテーマやストーリー性を持たせることも、アルバムというフォーマットで創作をする時に重要となってきますよね。

ダン:うん。1stアルバムでは成長するというテーマがあって、曲の中のキャラクターが今までの人生を振り返ったり、将来のことを悩んだりしている。でもこれは書いていた時に、僕自身も気づかなかったことで、アルバムとして一つの作品になってから分かったことだった。だから、もっと強いストーリー性がある曲を書きたいとは思っているね。新曲もそろそろライブで演奏しようと思い始めてるところだよ。レコーディングまでには多くの曲をライブで披露しているはずだから、それも次回作に大きな影響を与えると思う。前作よりはアルバムとライブ間の思考錯誤の手間が省けるんじゃないかな。

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デヴィッド・リンチについては一生語れるよ!

「Other People's Heartache」
▲ 「Other People's Heartache」 (Trailer)

−−様々な映画のセリフをマッシュアップしたミックステープ・シリーズ『Other People's Heartache』だったり、ダンはかなりのシネフィルですが、中でもアートワークだったり、ヴィジュアル面においてデヴィッド・リンチの影響を多く受けていますよね。彼の作品のどのような部分に惹かれますか?

ダン:初めて観た作品が『マルホランド・ドライブ』だったんだけど、とにかく衝撃を受けて、まったく訳がわからなかったけど、誰かとその話がしたかったんだ。

ウィル:俺はダンに言われて観に行ったんだけど、観た後に「全然訳がわかんない!最初から全部説明して!」ってダンに思わず電話したよ。ほんと鬼才だよね。

ダン:多くのクリエイティヴで、興味をかき立てられるようなアーティストがそうであるように、彼の作品は賛否両論だ。彼のことを崇拝する人もいれば、作品をくだらないと言う人もいる。彼の美学や哲学…ノスタルジックであるとともに現代社会を反映していたり、人物の描写がとても巧妙で、風変わりだけど面白いキャラクターと設定を考えつく…本当に興味深いアーティストだと思う。『ツイン・ピークス』は、最高傑作。アイディアとしては、あれが多分彼の最も一般受けしたもので、商業的に成功した作品だ。それに『マルホランド・ドライブ』が難解だと思っていたら、後に公開された『インランド・エンパイア』と比べたら、トム・クルーズの映画みたいだった(笑)。デヴィッド・リンチについては一生語れるよ!

インタビュー写真
Photo: (C)SUMMER SONIC 2013 All Rights Reserved.

−−最近ではアルバムも何枚かリリースしていますが、彼の音楽も聴きますか?

ダン:うん。1stアルバムは買って何回か聴いたよ。でも決してリラックスしながら聴けるようなものではないよね(笑)。ちゃんと聴いて、理解するには、かなりの忍耐がいる。実は最新作に入ってる曲のリミックスをしたんだ!

−−スゴイじゃないですか!

ウィル:で、その結果、もっといいこともあったんだよね。

ダン:そう、この前LAに行った時に実際に会うことが出きたんだ。超アメイジングだった!

「Requiem for Blue Jeans」
▲ 「Requiem for Blue Jeans」

−−先ほどのミューズの話では、ウッディのことをからかっていたけれど、今度はダンの番ですね~。

ダン:アハハ。僕が持ってるTシャツは、ほとんど彼の作品や顔がプリントされたものだから着る服が無くってマジで焦ったよ!服装のことを考えたのは、あれが最初で最後(笑)。すごくいい人だったよ。

ウィル:ダンはちゃっかりデヴィッドと一緒に写真を撮ってもらったんだけど、二人とも同じ髪型してるんだ。あれはいい写真だよね。

ダン:その写真、今あるから見せてあげるよ。

ウッディ:ダンのiPhoneのスクリーンセイバーなんだ。朝起きたら一番最初に見るもの!

ダン:本当に大好きだから、直接会うのをちょっと躊躇してたんだ。でも素晴らしい人だった。寛大で、ユーモアのセンスもあって。

−−わぁ!すごく羨ましいです。写真で着ているアミーバ・レコーズのTシャツは、まさか現地調達したんですか?

ダン:いや、これはインストアをやったから、その時に貰ったんだ。でもこのTシャツが無かったら、買に行かなきゃいけないとこだった(笑)。

"Things We Lost in the Fire" Music Video

バスティル「バッド・ブラッド」

バッド・ブラッド

2013/07/03 RELEASE
TOCP-71589 ¥ 2,670(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ポンペイ
  2. 02.シングス・ウィー・ロスト・イン・ファイヤー
  3. 03.バッド・ブラッド
  4. 04.オーヴァージョイド
  5. 05.ディーズ・ストリーツ
  6. 06.ウェイト・オブ・リヴィング・パートⅡ
  7. 07.イカロス
  8. 08.オブリヴィオン
  9. 09.フローズ
  10. 10.ダニエル・イン・ザ・デン
  11. 11.ローラ・パーマー
  12. 12.ゲット・ホーム
  13. 13.ウェイト・オブ・リヴィング・パートⅠ
  14. 14.ザ・サイレンス (日本盤ボーナス・トラック)
  15. 15.ラフター・ラインズ (日本盤ボーナス・トラック)
  16. 16.ポエット (日本盤ボーナス・トラック)
  17. 17.ホウント (デモ) (日本盤ボーナス・トラック)
  18. 18.スリープソング (日本盤ボーナス・トラック)
  19. 19.ダーバン・スカイズ (日本盤ボーナス・トラック)

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