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“名盤”と“名言” 「レガシー・レコーディング・シリーズ」ジャズ編特集
不滅の名盤・偉大なる音楽遺産を未来へ繋いでいく「レガシー・レコーディング・シリーズ」。次世代高音質CD=Blu-spec CD2仕様で発売されている近作は、買い直し必至のシリーズとして、パッケージ・マニア諸兄から高い評価と広いセールスを集めている。
今秋からはいよいよジャズ編がスタート。9月と10月に各50タイトルが一気に発売され、秋の夜長にぴったりなマニア向けに留めておくには勿体無い名盤の数々が目白押しだ。
本シリーズのコピー「あなたの人生を変える1枚がここにあるかもしれない。」に相応しい名盤の数々をこちらではご紹介。名コピーには名言を、ということで、様々なジャンルの偉人達の名言をイントロに、時空を超えたシンクロニシティをお楽しみ下さい。
1.モダン・ジャズの隆盛
1950年代後半、曲のコード進行を無くし、音階に従ってアドリブをする、モード・ジャズが誕生する。これによってプレイヤーはコードの呪縛から解き放たれ、アドリブの自由度が高まり、バップ期と一線を画した叙情的な美しさを持つ名盤が多数生まれることとなった。
マイルス・デイビス
『マイルストーンズ+3』
1958年作。マイルス+コルトレーン+キャノンボール・アダレイが圧巻。モード・ジャズの始まりを告げる、その名の通り“マイルストーン”的作品。
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マイルス・デイビス
『1958 マイルス+2』
58年作。『カインド・オブ・ブルー』参加プレイヤーによる、スタンダード中心だからか、聞きやすさが先に立つ、美しく優しい楽曲が並んだ日本編集盤。
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マイルス・デイビス
『カインド・オブ・ブルー+1』
59年作。モード・ジャズ、モダン・ジャズ史上最高傑作。ウィントン・ケリーに代わり、ビル・エヴァンスが加わることで起きた最高のケミストリー。
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バド・パウエル
『ポートレイト・オブ・セロニアス+1』
61年作。晩年の作品ながら、モンクの曲調とパウエルの叙情的なプレイが楽しめる、ジャズ・ピアノ創始者たる両雄の長所が生きた奇跡のバランスが楽しめる。
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ソニー・ロリンズ
『橋』
62年作。『サキコロ』以降絶頂期を迎えた50年代末に突如活動を停止、約2年の「橋で練習」期間を経て復帰した1作目。雌伏期の弛まぬ自己研鑚の結果が明らかな名盤。
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ソニー・ロリンズ
『ナウズ・ザ・タイム』
64年作。ロリンズのRCA時代はもっと評価されるべき。コンパクトな楽曲に豪放磊落なテナーが入る本作も、スタンダード集だからこその聞き易さと力量を感じる良盤。
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2.ジャズ・ヴォーカルの愉しみ
インスト・ジャズが大きな変革期を迎えていた50年代から60年代に始まり、演奏者の存在感が増すにつれ、ヴォーカリストもまたそのパフォーマンスに一層の磨きをかけていった。それにより、多くのジャズ・ヴォーカルの名盤が生み出された。
ビリー・ホリデイ
『レディ・イン・サテン+4』
58年作。20世紀最も有名な歌手の一人として、晩年の名唱を収めた問答無用の大傑作。ここまでの説得力を歌が持てることを何度でも思い知らされる凄味の一枚。
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ヘレン・メリル
『ローマのナイト・クラブで』
60年作。デビュー5年目のヘレン“ニューヨークのためいき”とイタリアの当時新進プレイヤーだったニニ・ロッソ、ピエロ・ウミリアーニらとの豪華競演盤。
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アン・バートン
『ブルー・バートン』
68年作。オランダ出身、“ブルー”の名に相応しい情感溢れる歌声に国内でも熱烈なファン多数。デビュー後12年を経て、34歳にして初の今作で評価を確立。
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ニーナ・シモン
『ニーナとピアノ+4』
69年作。ほぼ全編ピアノ弾き語りの、シンプルだからこそ、脂の乗った36歳ニーナのヴォーカル・パフォーマンスに耽溺できる。これもまた“ソウル”の 名盤。
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エラ・フィッツジェラルド
『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』
73年作。糖尿病により目を悪くして引退を噂される中、見事復活を果たした、デビュー曲から(当時の)最新ヒット「ホワッツ・ゴーイング・オン」まで網羅する集大成的作品。
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カーメン・マクレエ
『カーメン・シングス・モンク』
88年作。サラ・ヴォーンに捧げた最終作の一作前の作品。54年デビュー以来、幅広い表現力からジャズ・ヴォーカル御三家の一人として君臨した、衰えぬヴォーカルを堪能。
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3.エレクトリック・ジャズの離合集散
アコースティック楽器を使用していたジャズに、60年代後半、ロックやファンクなどとの融合を目指し、エレクトリック楽器を取り入れる新しいスタイルが始まった。多くのジャズ・プレイヤーが離合集散を繰り広げた様々なチャレンジがパッケージされ、80年代にフュージョンとしてジャズとは区別して認知されることとなった。
マイルス・デイビス
『ビッチェズ・ブリュー+1』
69年作。衝撃と共に迎えられ、リリース時には評価が二分。その後エレクトリック・ジャズの代表作となり、今もこの迫力を超える作品は無い。
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マイルス・デイビス
『オン・ザ・コーナー』
72年作。ロックからファンクへ。時代と共に生きたマイルスの本領。多人数のプレイヤーによる予測不可能な音塊はヒップ・ホップ勃興以降にこそ高く評価された。
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ハービー・ハンコック
『ヘッド・ハンターズ』
73年作。マイルスはファンクでもロックでもマイルスなのだが、ハービーは、新主流派でもファンクでもその芯を射抜く才に秀でている。語りつくされた定番にしてやはり名盤。
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ウェイン・ショーター
『ネイティヴ・ダンサー』
74年作。ウェザー・リポートを率いる一方、ミルトン・ナシメントと共に作り出した極上のブラジリアン・ポップス。モダン・ジャズから遠く離れプレイヤーはより自由を目指す。
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ウェザー・リポート
『ヘヴィー・ウェザー』
77年作。マイルス学校を卒業したジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターにより結成、本作でジャコ・パストリアスが正式加入、バンドとして全盛期が始まる。
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ウェザー・リポート
『ミスター・ゴーン』
78年作。ヒット作直前のアルバムこそ名盤、のセオリーはここでも有効。ジャコとザヴィヌルによる様々な実験がスリリング、それでも残るポップ感は時代の成せる業か。
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ブレッカー・ブラザーズ
『ヘヴィ・メタル・ビ・バップ』
78年作。ザッパ・バンドを縁として、テリー・ボジオとブレッカー兄弟が組んだフュージョン+ロックの異色作。今聞けば70年代後半だからこその音像に納得。
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スパイロ・ジャイラ
『モーニング・ダンス』
79年作。スティーブ・ジョーダン、ウィル・リー、マイケル・ブレッカー、ジョン・トロペイなどが大挙参加、バンド出世作にしてフュージョン・ミュージックの代表作。
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ハービー・ハンコック
『フューチャー・ショック+1』
83年作。ビル・ラズウェルと組み、スクラッチを取り入れたことで有名。エレクトリック・マイルス前期と比較されるが別物。時代と並走するジャズはポピュラーにもなる好例。
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4.マイルス・デイビスのコロムビア・イヤーズ
<第一黄金クインテット(セクステット)時代>
マイルス・デイビス
『ラウンド・アバウト・ミッドナイト+4』
55、56年作。コロムビアに移籍後初の作品。無名だったコルトレーンを抜擢、ギル・エヴァンスの理知的なアレンジによるタイトル曲が抑制の効いたスタイルを生み出した。
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マイルス・デイビス
『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム+2』
61年作。高い評価を獲得したコルトレーンの演奏に顕著だが、55年とは隔世の感。モダン・ジャズが確立し、定番化しつつあったことがよく分かる聞きやすい名作。
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<ギル・エヴァンスとのコラボレーション期>
マイルス・デイビス
『マイルス・アヘッド+4』
57年作。マイルスのソロに、完璧主義者であるギルのオーケストラ・アレンジが寄り添う、モダン・ジャズのコンセプトをオーケストレーションに持ち込んだ演奏が斬新。
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マイルス・デイビス
『ポーギー&ベス+2』
58年作。ガーシュインのオペラを題材に、オーケストラによるジャズをストレートに表現、難しいアプローチのはずなのに、シンプルに聞こえる不思議な作品。
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マイルス・デイビス
『スケッチ・オブ・スペイン+3』
59、60年作。スペイン「アランフェス協奏曲」の歌パートをマイルスが表現し、オーケストラ・アレンジの緻密な完成度には圧巻の一言のみ。
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<第二黄金クインテット時代>
マイルス・デイビス
『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』
64年作。ハービー・ハンコックらと組みスタンダード・バラードを中心の演奏は、50年代後半の叙情性とは異なる静けさを湛え、新たな局面に入りつつあることを予感させる。
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マイルス・デイビス
『フォア&モア』
64年作。前作と同日録音されたことに驚愕の一枚。18歳のドラマー、トニー・ウィリアムスとマイルスのハードな演奏が旧式のモダン・ジャズに別れを告げる。
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マイルス・デイビス
『マイルス・イン・ベルリン+1』
64年作。ウェイン・ショーターが加入して第二期黄金クインテットが本格始動。ここでもトニー・ウィリアムスがM1「マイルストーンズ」からシャープに疾走して圧倒。
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マイルス・デイビス
『E.S.P.』
65年作。マイルス/ショーター/ハンコックがそれぞれの創造性を生かし、コルトレーンとは異なるジャズの地平を目指す、黄金クインテット4部作の幕開けとなった。
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マイルス・デイビス
『マイルス・スマイルズ』
66年作。ウェイン・ショーターがいよいよ開花、彼の提供する楽曲に様々なアプローチが加わり、マイルスが吹かなくてもマイルスを感じる黄金クインテットが始まる。
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マイルス・デイビス
『ソーサラー+2』
67年作。黄金クインテットは、2曲目にマイルスが登場しないアルバムを遂にリリース。それでもなお完璧な統一感(ラスト曲を除く)に沈黙、ロン・カーターのプレイに震撼。
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マイルス・デイビス
『ネフェルティティ+4』
67年作。4部作の掉尾を飾るクインテット代表作にして、アコースティック・ジャズの最終地点。1曲目にはアドリブすら無く、マイルスが見据えた世界の果てが姿を現す。
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<エレクトリック・マイルス前期>
マイルス・デイビス
『イン・ア・サイレント・ウェイ』
69年作。8ビートとエレクトリックを導入して一年、70年代重要プレイヤーが大挙参加してジャズの未来を追い求めた、『カインド・オブ・ブルー』と並ぶ、静かなる傑作。
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マイルス・デイビス
『ジャック・ジョンソン』
70年作。「ジミのように」は弾いていないが、ジョン・マクラフリンのギターがあってこその、ロックよりもロックを目指した、マイルスの軌跡。
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マイルス・デイビス
『ゲット・アップ・ウィズ・イット』
71~74年の音源を収めた、ファンク、カリプソ、インド、ブルースなどなど、70年代前半の激動のマイルスを俯瞰できる作品。オルガンでもマイルスなのは実に不思議な感覚。
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マイルス・デイビス
『アガルタ』
75年作。大阪公演昼の部、全てがベスト・コンディションで残された、エレクトリック期の奇跡の名盤。暴れ回るファンクをクールに抑え込むバランス感覚がマイルスの本領。
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マイルス・デイビス
『パンゲア』
同年、大阪公演夜の部。この後5年間もの沈黙期にマイルスが突入することも納得の熱演と名演が凝縮。昼よりも夜、でも大人なら昼の良さも分かる、それがこの2作品。
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<エレクトリック・マイルス後期>
マイルス・デイビス
『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』
81年作。長い沈黙を破ってリリースされた復帰作は、硬軟織り交ぜたエレクトリック・サウンドを展開。マーカス・ミラーに支えられ、マイルスというジャンルの最終章が始まる。
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マイルス・デイビス
『ユア・アンダー・アレスト』
85年コロムビア最終作。マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパーの楽曲を取り上げ、“迎合”ではなく“対峙”する、カバーの名手として面目躍如のプレイが冴える。
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INFORMATION
「レガシー・レコーディング・シリーズ ソニー・ジャズ名盤100選」
2013年9月11日 50タイトル発売
2013年10月9日 50タイトル発売
各1,980円 ※2枚組2,730円 (tax in.)
[Blue-spec CD2]
◆Columbia、RCAという2大老舗名門ジャズ・レーベルを中心にEpic、Arista等のレーベルも含め、ソニー・ミュージックのジャズの歴史を彩る名盤100枚を厳選。
◆より一層原音に忠実な次世代高品質CD 『Blu-spec CD2』を採用。
『マイルス・デイビス 名盤コレクションボックス』
2013年10月9日発売
48,720円(tax in.)
[Blue-spec CD2]
◆「レガシー・レコーディング・シリーズ ソニー・ジャズ名盤100選」でリリースするコロンビア時代のマイルス・デイビスの名盤24タイトルをBOX化!特典としてマイルス・デイビスのモノクロ写真を使用したポストカード7枚セットを封入。
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