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小桃音まい 『BANG BANG 鼓笛サンバ』インタビュー
ももいろクローバーがブレイクする前から年間300本のライブを繰り広げ、インディーズアイドルシーンでは誰もが知る存在であった“まいにゃ”こと小桃音まい(ことねまい)。アイドルスキルは群を抜いていたものの、ぱすぽ☆、でんぱ組.inc、BiS等々、次々と同期や後輩がメジャーデビューしていく姿を見送り続けてきた彼女が、王道アイドルの筆頭 ハロプロの再評価と同調するように満を持してオーバーグラウンドへ。
「ブームが始まっても終わっても、変わらずアイドルをやっていくだけ」そう断言する彼女が、どんな想いをしてここまで走り続けてきたのか。大いに語ってもらった。
ヲタ苦渋の選択“アイドルになる為にアイドルを捨てる”
--メジャーデビューを直前に控えた今の心境を教えてください(このインタビューは、7/29に敢行)。
小桃音まい:インディーズで活動していて、レコーディングしたり、ジャケットやPV撮ったりっていうのは、これまでもあったんですけど、メジャーデビューが決まってから取材をたくさんしてもらえるようになってきて。インディーズ時代は、囲み取材をやっても囲まれてなくて(笑)。でもメジャーデビューを発表したときは本当に囲まれてて! 今日もこうやってたくさん取材してもらえて、「メジャーだぁ!」っていう風にやっと実感が湧いてきました。
--状況が明らかに変わってきたと。
小桃音まい:たくさんお仕事もらえてます。有り難いです!
--僕の小桃音まいライブ初見は、2011年前半。ももクロがブレイクし、その流れに続くべく、ぱすぽ☆、でんぱ組.inc、BiS等々、当時まだ地下アイドル感のあったグループが地上へ羽ばたこうとしていた時期なんですけど、当時の自己評価ってどんな感じだったんですか?
小桃音まい:正直、ぱすぽ☆さんだったり、でんぱ組.incさんだったり、BiSさんだったりとは、その当時はすごくたくさん同じイベントに出たりしていて、ずっと一緒のラインにいると思ってましたね。でもみんなメジャーに行って、共演する機会もだんだん減っていって……。私もメジャーデビューしたいとは言っていたんですけど、実際にこうなるまでの道は全然想像がついてなくて。
--ただ、間違いなくヲタの、オーディエンスのコントロールは最も上手いアイドルでしたよ、あの時点で。そこの自信はあったんじゃないですか?
小桃音まい:ライブは本当にたくさんやってて、年間300本やってきてて。なので、会場を盛り上げることに関しては……他のグループさんは歌やダンスのフォーメーションで見せたり、いろんな見せ方があると思うんですけど、ソロでもそれに負けないようにする為には、ファンの人の力を借りながら盛り上げるしかないと思っていたんで、そこにはすごく力を注ぎました。
--年間300本というのは目指していた数字? それとも気付いたら?
小桃音まい:気付いたら、です。兵庫県に住んでいたんですけど、この活動を始めて、上京してきて。バイトが禁止だったんで、出来ることと言ったらライブしかなかったんです。それで出させてもらえるライブに全部出ていたら、いつの間にか300本になって(笑)。レッスンとかも定期的には受けられなかったので、ライブ1本ずつがレッスンみたいなところもありました。
--朝は渋谷、昼は秋葉原、夜は池袋でライブみたいな動き方してましたよね。
小桃音まい:それが普通です。酷いときは、朝と昼は札幌、夜は東京とか。とにかく移動しまくってましたね。
--正直な話、ライブ300本やっても生活は苦しかったりした訳ですよね?
小桃音まい:確実に裕福ではなかったです(笑)。バイト禁止でしたし。でもバイトしながらだと集中できないし、バイトに時間取られてライブできないとか、大きいイベントに出演するチャンスを逃したりとか、それはよくないことだと思うので。そういう意味では、バイトしながらアイドルやってる娘より恵まれている部分はあったと思うんですけど、これ一本しかないからこれで成功するしかない。だからより真剣になれたのかもしれない。
--ただ、小桃音まいは2009年からアイドル活動をスタートしていたにも関わらず、同期や後輩アイドルがどんどん先にメジャーデビューを決めて、ある意味、見送り続けてきた訳じゃないですか。そこに悔しさはあったんじゃないですか。
小桃音まい:うーん……悔しさ半分。嬉しいのも半分。たくさん共演していたので「このグループさんはすごく頑張ってる」とか「すごく素晴らしいステージ」って思っていたアイドルがメジャーデビューして売れたりすると、やっぱり頑張っている人は認められてこうなるんだなって思うし、それがすごく嬉しくて。もちろん悔しくもありましたけど、それは「自分ももっと頑張ろう」っていう想いに繋がっていたので。
--メジャーデビューしていくアイドルってグループばかりで、ソロは厳しい状況でしたよね。そこで「このまま一人でやってて大丈夫なのかな?」的な葛藤はなかったんですか?
小桃音まい:ソロだと出してもらえないイベントとかあったりして。これからブレイクするアイドル特集とかでも「良いんですけど、ソロはちょっと……」って言われることがたくさんあったので、そのときは「ソロじゃない方がよかったのかな」って思ったりもしたけど、だからってユニットを組みたいとは思わなかったですね。1人でもできるって信じて活動していたので。
--あと、小桃音まいは体ひとつで王道アイドルを一貫してきて。でも、例えば、BiSみたいなアイドルの常識をぶち破って目立つグループが評価され、大手からメジャーデビューしたりする。その現実にはどんなことを感じていました?
小桃音まい:うーん……それはそれで面白いし、アイドルもどんどん変わってきてると思うから。私、元々オタクだったんですよ。で、その当時は「オタクがアイドルって何なの?」「いつかアイドルと共演したときに嫌がられるし、もう現場には行かないでください」って言われて。
--要するにお客さんとしてアイドル現場に行ってはいけないと。
小桃音まい:そうなんです(笑)。我慢できるんならアイドルとして活動させてあげるよって言われて。だからオタクを辞めてアイドルになったんですけど、今はアイドル現場に行ってる娘もいっぱいいるし、オタクですって公表している娘もいっぱいいて、どんどん時代が変わってきてるんで、それに合わせてどんどん面白いものを作っていって売れるんだったら、それは正解だと思う。でも私が好きなのはやっぱり王道。王道のアイドルを観て育ってきて「これが一番だ」って思うから、これで成功したいんです。
--故に“アイドルになる為にアイドルを捨てる”選択もした訳ですからね。
小桃音まい:今はレーベルメイトになったんですけど、THE ポッシボーさんも元々大好きで。ハロプロが好きだったんで、ハロプロ研修生の頃からずっと注目していて、研修生のライブとかにも行ってて。で、ポッシボーさんのイベントを観る為に兵庫県から上京してきて、握手会に並んで握手してっていうのを普通にしてたんですよ。なので、アイドルデビューして共演したときは「え!?」ってポッシボーさんは思ったんじゃないかと……。
--そっか。ポッシボーからしたら「あの娘、ウチのヲタじゃん!」ってなる訳ですよね(笑)。
小桃音まい:それでもオタクを辞めてデビューしてるので、最初は自分から積極的に話し掛けることもできなかったですし、昔はそうやって線引きが必要だったんですよね。一人前になるまでは隠さなきゃいけなかった。
リリース情報
BANG BANG 鼓笛サンバ
- 2013/08/14
- 初回限定盤A[VIZL-562(CD+DVD)]
- 定価:¥1,800(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
ハロプロ愛~メジャーデビューを全アイドルヲタ祝福
--でも格好良いですよね。最近はアイドルヲタを売りにしてデビューするアイドルもいますけど、小桃音まいはどんなに好きなアイドルと共演しても、その愛情を隠しながらライブしていた訳でしょ。「一人前になるまでは我慢だ」って。
小桃音まい:そうですね。
--そこも含め、王道を踏襲してるアイドルだと思うんですけど、そもそも小桃音まいは何故にアイドルになったのか、掘り下げさせて下さい。まずアイドルを好きになった、アイドルに目覚めたきっかけは何だったんですか?
小桃音まい:モーニング娘。4期メンバーの加入をテレビで観て「なんだ、この可愛い娘は!」って、加護(亜依)ちゃんに一目惚れして、それから出演してるテレビを全部録画するようになって、駄菓子屋さんにあるカードを買い占めるようになって、友達とファンクラブに入ろうってことになって、ファンクラブに入ったら会報が届いて、ライブがあるぞってなって、ライブに行くようになって、初めて行ったハロプロの夏のコンサートに物凄く感動して、普通に生活している世界とは全然違う世界で、同じものを好きな人が何万人も集まって、ハッピ着ている人がいれば、缶バッジを全身に付けている人もいて、写真のトレードしてる人もいて、曲流して踊っている人もいて、サイリウムが凄くキレイで、爆音で好きな曲が聴けて、掛け声がなんでか揃っていて、憧れの人が目の前にいて、本当に夢の世界に来たような気分で、そのときに初めて「ステージに立つってどんな気分なのかな?」っていう風に思ったんです。
--ガチのハロヲタであることは、目頭が熱くなるぐらいよく分かりました。
小桃音まい:なので、そこからアイドルを目指すのではなく、オタクの道を進んでいくことになり(笑)、遠征で東京までライブを観に来るようになったり、ハロショ(※ハロー!プロジェクトオフィシャルショップ)に通って写真を何千枚も集めるようになったりして。それで東京に来ているうちに地下アイドルというものを知り、事務所に所属していなくても、持ち歌がなくてもライブできることが分かったんです。で、カラオケ音源だけ持ってライブをしに行ったのが、デビューのきっかけ。秋葉原のメイドカフェみたいなお店の一角にあるステージで歌って、一回で終わるつもりだったんですけど、あまりにも楽しくて月イチでライブするようになって。自分が東京でアイドルのライブを観て、そのついでに自分もライブをするっていう。そしたら今のマネージャーがイベントをやってて、逆に出演依頼をしてくれて「どこにも所属してないんだったら、ウチに所属してみませんか?」って。
--そこからデビューして最初のライブって憶えてますか?
小桃音まい:事務所に所属してからの1stライブは歌わなかったです。
--では、何をしたんですか?
小桃音まい:司会をしてました。最初のお仕事は「持ち歌がないからとりあえず司会でもしてれば?」っていう感じで。「本日、ガールズテクノポップスタジアムにお越し頂き、ありがとうございます。司会を務めます、小桃音まいです。よろしくお願いします。では、諸注意です」みたいな。
--それが後の下北FMやイベントの司会業へと繋がっていく訳ですね。
小桃音まい:そうなんです。最初は司会をやるつもりじゃなかったんですけど、1ヶ月ぐらいは司会しかできなくて。で、初めて歌ったのは、秋葉原にあった石丸電気の7階。コスロボ(コスメティックロボット)さんのオープニングアクトみたいな感じで1曲だけ歌わせてもらいました。そこは自分がイベントを観に通っていた場所だったので、そこで初披露できるのがすごく嬉しくて、本番前と本番後は泣いてました。感動しましたね。あと、もっともっと歌えるようになりたいと思いました。
--そのときは民族大移動(※観客も一緒になって右に左に大移動するパフォーマンス。)とかもない訳ですよね?
小桃音まい:ないです。初披露は「なのです☆」だったんですけど、最初は全然評判がよくなくて。「初披露がアニメのカバーってどうなの?」「しかもキャラソンだから、キャラの名前も思いっきり入ってるし」みたいな(笑)。それがすごく悔しくて。でも持ち歌がないので、その後も「なのです☆」を連続で歌ったりしていたら、ファンの人たちが逆に楽しむ方法を探してくれて。自分が振り付けで右に動いたり、左に動いたりしてたら、ファンの人が1人ついてきてくれるようになって、次のライブでは同じ動きをする人が5人に増えてて。
--歴史が動いた瞬間ですね。
小桃音まい:それが10人になり、100人になり、最終的にはみんなが動くようになって。なので「民族大移動を作ろう」っていう意図とかはなく、1回1回のライブの積み重ねで広がっていって、いつの間にか「この移動はまるで民族大移動のようだ」って言われるようになって、今や「「なのです☆」やります」って言うと大歓声を頂けるようになった。だから本当にこの曲と出逢えてよかったなって思います。
--それから約4年。メジャーデビューを決めるまでの日々は、自分の中でどんな期間だったなと思いますか?
小桃音まい:デビューして1,2年経ったぐらいから、ずっと「メジャーデビューしたいです」とは言っていたので、結構長い道程だったなっていう気持ちもあるんですけど、でもメジャーデビューしたら大変なこともたくさんあると思うんで、そこに負けないようにする為の試練期間というか。その間にいろんなことを勉強できたし、先にメジャーデビューしていく人たちを見てて「この人たちはここが良かったからメジャーに行ったんだな」とか学ぶところもあったので、良い準備期間になったんじゃないかなって思います。
--今年のコトネの日(5月10日。日本記念日協会に認定されている)。ビクターエンタテインメントからのメジャーデビューを発表。どんな気持ちになりました?
小桃音まい:これまでの4年間の活動を全部思い出して……いろんなこと思い出して、ファンの人たちに「ありがとう」っていう気持ちでいっぱいでしたね。
--しかもあの日は、インディーズ時代に共演してきたアイドルが一同に会し、それぞれのファンが小桃音まいのライブでひとつになったじゃないですか。小桃音まいのメジャーデビューをアイドルファン全員が祝福するという。たまらなかったんじゃないですか。
小桃音まい:凄く嬉しかったですね! 他のアイドルのファンの人たちも何故か応援してくれていて。「一番好きなのはこのグループだけど、まいにゃのことも応援してるよ」って言ってくれる人がすごくたくさんいてくれて、ライブ後の握手会でも、自分のお目当てのアイドルの握手会もある中で、こっちにも並んで「おめでとう」を言いに来てくれたりするのを見て、アイドルファンの人は本当にあったかいなって思いました。
--ツイッターで「小桃音まい、メジャーデビュー決定」ってツイートしたら凄い勢いで拡散されていったんですけど、そこには小桃音まいファン以外のアイドルファンもたくさんいました。
小桃音まい:私、自分のファンだけじゃなく、アイドルファン全般の人たちにフォローしてもらってて。ライブに来てくれる人の数とフォロワーの人数が全然違うんですよ(笑)。最近、1000人キャパぐらいのところでライブできるようになってきたんですけど、ツイッターのフォロワーはその10倍ぐらいいて。それはたくさんライブやってきたり、メジャーデビューしたいろんなアイドルさんたちと共演してきた結果だと思うので、それも4年間活動してきてよかったなって思うことのひとつですね。
--ただ、これからはいろんなアイドルさんたちとの、これまで以上にシビアな戦いが待ってると思うんです。そこで聞きたいんですけど、今のアイドルシーンには、どんな印象を持たれていますか?
小桃音まい:AKB48さんが流行った後にアイドル戦国時代になって、グループアイドルのブームが起こって、その後にロコドルブームがやってきたんですけど、私はどっちにも当てはまらなかったんで(笑)。兵庫県出身ではあるんですけど、活動しているのは東京だったんで。ただ、最近、だんだん「ソロもいいね」っていう風潮が出てきて、ユニットを卒業してソロになる人とかたくさん出てきて、ちょっとずつだけど、私にとっても良い流れになってきてるんじゃないかなって思います。
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BANG BANG 鼓笛サンバ
- 2013/08/14
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
ブームが始まっても終わっても、変わらずアイドルをやっていく
--今までは乗れる波がなかったと。
小桃音まい:全然乗れなかったです(笑)!
--ただ、最近はハロプロ再燃で、王道の流れも出来つつありますし。
小桃音まい:自分では「小桃音まいは王道」って言われると「いやいやいや、とんでもないです!」と思うんです。アイドルオタクとしては(笑)。でもハロプロを観て育ってきたんで、ハロプロの遺伝子的なものがどこかにあって、だから王道って言ってもらえたりするのかなって。あと、今、ハロプロがまた熱いって言われるようになってきてて、すごく自分的には嬉しいし、王道って言われる人たちがもっともっと活躍できるようになってほしいし、そこに私も次こそは乗っかれたらいいなって思います。
--ちなみにまいにゃが今好きなアイドルってどんなアイドルなの? やっぱりハロプロ?
小桃音まい:最近はJuice=Juice(ジュースジュース)が大好き。つかぽん(大塚愛菜)脱退は残念なんですけど、これからメジャーデビューなんで熱いなって思うのと、これまで末っ子グループだったスマイレージがどんな風に大人になっていくのか。このふたつに特に注目してます。
--また、国内最大級のアイドルフェスティバル【TOKYO IDOL FESTIVAL 2013】が先日開催されました。言うならば、各アイドルにとって多くの新規ファンと出逢える勝負の場だと思うんですが、まいにゃは初日のステージが雷雨で中止。どんな気分になりました?
小桃音まい:いやぁ~もう泣きました! 悔しくて悔しくて! 去年初めてソロで出られたんですけど、今年はもっと良いステージを見せて、来年のメインを目指そうと思っていたんです。しかも夜の野外ステージっていう気持ちよさそうな枠を頂けたので、それまで握手会で「夜のライブに来て下さい」って旗を配ったりしていたんですけど……前の出番のアップアップガールズ(仮)さんがステージからちょうど捌けてくる頃ぐらいに「雨が。小桃音さん、雨が!」って(笑)。私、すごい雨女で!
--はい、存じてます。
小桃音まい:「やっぱり来てしまった」と思って。TIFの前にあった関西での野外ステージは雨が降らなかったんですよ。逆に不安になって「ここで降らなかった分、TIFは降るんじゃないか!」とドキドキしてたら、本当に降っちゃったんで。それでもライブは始めたんですけど、途中でスタッフさん出てきて曲が止まったんです。「Oh, my Sunny Day!」っていう晴れの歌をうたってるときに(笑)。「すみません、中止です」ってファンの方と一緒のタイミングで聞いて、頭、真っ白になっちゃって。それで「雨降らせてごめんなさい。雨が止んで復活するのを祈ってます」って言って捌けたんですけど、どんどん雨が強くなってきちゃって、もう悲しくて悲しくて。1年間で一番大きなアイドルフェスじゃないですか。なので、出れるかどうかの時期から「今年も出るぞ!」って意気込んできていたので、自分の雨女っぷりを呪いたいと思いました。安全面を考えたら仕方ないですし、降らせた自分が悪いと思って。
--「降らせた自分が悪い」って凄いですね(笑)。でも2日目にその中止になった分の振替公演が用意されました。あれはどういった経緯で実現に至ったんでしょうか?
小桃音まい:楽屋戻ってすぐに「明日やらせてもらおう」と思って。スタッフさんから「今日はもう中止です」って連絡が来て、とにかく悲しい気持ちになってしまったんですよ。その日しか来れない、遠征して来てくれている人とかもいて。「新潟から来たよ」とか「北海道から来たよ」とか「今日一日しか見れないけど、頑張ってね」とか言ってくれている人もいたので。でも今日は無理。だったらせめて明日!と思って、私にはツイッターで書いたりするしか出来ないので、「今日は雨で中止になっちゃったんですけど、明日やらせてほしいです」って書いたら、凄い拡散してもらえて、、、そのおかげかどうかも分からないのですが、何時間後かに「明日のステージ、検討します」ってマネージャーさんに連絡がきたんです。
--ただ、2日目も夕方にパラつきだしましたよね。あれには焦ったんじゃないですか(笑)?
小桃音まい:そうなんです! あれは「もうダメだ」って思いました。もう明日は振り替えてもらえないと思って!
--TIFは2日間で終わりですからね(笑)。
小桃音まい:「最悪だ!」と思って。しかも私が握手会に移動している最中に降ってきて。ただ、並んでくれていたファンの人は「また降ってきたよ!」って、ちょっと楽しそうにしてて(笑)。その姿見てたら「雨、止ませよう! 雨止ませて絶対やろう」って思えてきて。
--「雨、止ませよう!」も凄いですね(笑)。でも実際に止ませました。
小桃音まい:無事にライブできて本当によかったです。ただ、1日目でライブできなかった分、2日目に3本とも野外でライブすることになって、最後がもうヘトヘトの状態だったんですよ。2本目の野外ライブ終わった後に、ちょっと倒れそうになったぐらいで。でも最後の振替ライブは「一番良いステージになったね」ってスタッフさんにも言ってもらえて。たくさん人が集まってくれて、その中でライブが出来て本当に幸せだなって思いました。その綺麗な景色を見て、後ろの方まで光っているサイリウムを見ながら。
--そんなドラマティックなTIFも経て、8月14日『BANG BANG 鼓笛サンバ』でメジャーデビューします。まいにゃが今までやってきたことを集約したようなシングルですけど、自分ではどんな印象を持たれていますか?
小桃音まい:すごく自分っぽい曲が出来たなって思いますね。みんなと一緒に掛け合いで声を出してもらえるところもあれば、一緒に民族大移動ができるところもあれば、一緒に旗を振れるところもあって、私の出来ること全部詰め込みました!っていう感じで、本当にライブで盛り上がるし、楽しい曲になったんで、メジャーデビューのタイミングでこの曲に出逢えてすごく良かったと思います。
--この曲をきっかけに民族の輪が広がっていくといいですよね。
小桃音まい:今まであんまり興味を持ってもらえなかった人からも、メジャーデビューがきっかけで「今までもなんとなく知ってたけど、最近になってライブを観るようになったよ」って言ってもらえたり、今回のTIFで「初めてちゃんと観たよ」って言ってくれる人もたくさんいて。小桃音ファンのことを小桃音民族、略して“こと民”って呼んでるんですけど、もっともっとこと民を増やして、民族大移動でアリーナとかドームを一周したいなって思います。
--その規模になったら本物の民族ですもんね(笑)。そんな夢を語って頂いた後にシビアな話になっちゃうんですけど、最近「アイドルムーヴメントがそろそろ終わるんじゃないか?」的な声を耳にすることが増えてきました。
小桃音まい:そうなんですか!? 私の中ではハロプロ復活でここからが面白いところなんですけど!
--(笑)。でもいずれは終わるのがブームじゃないですか。その中で生き残っていけるのかどうかって、今活動している全アイドルにとっての重要課題だと思うんですけど、生き残っていく自信はありますか?
小桃音まい:生き残っていく自信……生き残っていくというよりも、そもそも辞める気がないので。私はこれしかないんで、これを続けるしかない。ブームが始まっても終わっても、変わらずアイドルをやっていくだけですね。
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BANG BANG 鼓笛サンバ
- 2013/08/14
- 初回限定盤A[VIZL-562(CD+DVD)]
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
BANG BANG 鼓笛サンバ
2013/08/14 RELEASE
VICL-36809 ¥ 1,047(税込)
Disc01
- 01.BANG BANG 鼓笛サンバ
- 02.ピンクのヒミツ
- 03.BANG BANG 鼓笛サンバ (Instrumental)
- 04.ピンクのヒミツ (Instrumental)
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