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安室奈美恵 【Space OF Hip-Pop ~namie amuro tour 2005~】
2005.12.4(SUN)at 東京国際フォーラム ホールA|セットリスト
“Queen of Hip-Pop”カラーでもある濃いピンクに照らされたステージを見つめながら大好きな安室ちゃんの登場を心待ちにして賑わうファンたち。会場中の明かりが一端消えると、そのファンたちはすさまじい歓声を上げながらオールスタンディング状態となり、いきなり大興奮モード。そして最初に聴こえてきたナンバーは『Queen of Hip-Pop』。例のカラー、黒とピンクを基調としたセクシーな衣装で、オープニングから7人のダンサーたちと共に国内最高峰クラスの鮮やかでクールなダンスを魅せつけながら歌い上げていく安室奈美恵。その最中、オーディエンスの歓声は終始消えることなし。すごい熱狂ぶりである。続いて曲が『WANT ME,WANT ME』へ移行されると、その熱はステージ、客席共に更に激しいものに。ちなみに安室ちゃん、大人の色気、全開。
「こんにちは!安室奈美恵です!」と笑顔を振りまきながら手を振る彼女。そのあまりの可愛さに誰もが満面の笑み。突然「ピンクパンサーに会いたい?」と彼女が言いだすと、ステージ2Fにピンクパンサーが現れる。そして安室が彼のもとに向かい、そこに聴こえてくるのはもちろんこの曲、『WoWa』。女性ダンサーの手にはピンクのボンボン。安室奈美恵の絶対的に揺るがないイメージ“クール&キュート”、それをステージをフルに使って体現していく。曲はノンストップで『I Wanna Show You My Love』へ。アルバム『Queen of Hip-Pop』同様、今回のツアーは完全にリミッター振り切りモードのようだ。安室が今表現したい音楽を全身を使って心から楽しみながらファンを魅了していく、実に有意義な時間。
次の瞬間、暗闇の中、スクリーンに映し出されるピンクパンサーとナミエパンサーの映像。そして聴こえてきたイントロは『GIRL TALK』。よりクールでセクシーになった衣装に身をまとい、時に丸テーブルの上に座り男を足蹴にしたり、時に悩ましい動きで男を魅了したりしながら、女の子パワー120%のステージ、ショーを作り上げていく安室。続いてはうって変わって危険なムードがステージ上に流れ出し、研ぎ澄まされた歌声と動きで感情表現、『the SPEED STAR』で彼女は激しく弾けてみせる。超攻撃的。続いて、車の上から挑発的な視線を客席に送りながら、その拳を振り上げて彼女が歌い出したのは『My Darling』。会場中のテンションを更に高いところへと引き上げていく。そんな“強い女”モードで攻め上げたあとは、この曲『Ups&Downs duet Nao'ymt』で優しくスウィートな空気をその歌声と表情で生んでいく彼女。
「次の曲はニューシングルから」と言って安室は映画『シン・シティ』のイメージソングにもなった『Violet Sauce』を歌い始める。程よい緊張感を生み出すサウンドに包まれながらもダンサーたちの中心で抜群の存在感を放ち、自由自在に踊り、歌う彼女。そんな2005年の安室奈美恵ニュースタイルをオープニングから畳み掛けてきたわけだが、ここに来て『SWEET 19 BLUES』『a walk in the park』『NEVEREND』のピアノソロが披露され、『NEVEREND』に関しては予定調和なしの大合唱まで巻き起こった。粋な演出によって生まれた感動的な場面。そんな素敵なピアノソロを披露してくれた彼が『ALL FOR YOU』のイントロを奏で出すと、安室は今夜最初のバラードナンバーをその想いを溢れさせながら歌い上げていく。そして曲は彼女の艶やかなブルーの衣装にピッタリのナンバー『Don't wanna cry』へ。当然のごとく、自然と安室と共にこの曲を手拍子しながら口ずさみだすオーディエンス。心地良い一体感。笑顔で客席にマイクを向ける安室の想いに全力で誰もが応えていく。なんてピースフルな光景なんだろう。
続いて安室が披露したナンバーは『ALARM』。そのサビのフレーズ通り“無我夢中で”“上がるテンション”。そしてここで予想外のナンバー『Body feels EXIT』を彼女が歌い始めると、まるでワールドカップの日本代表の試合を行っているスタジアムのような興奮と熱気、叫びが会場に生まれ、バンド陣の演奏にもダンサー陣、安室のダンスにも自然と熱が入る。もちろんその歌声も熱い。(この曲がリリースされた)10代当時の何十倍も激しくエキサイティングなものへと進化した『Body feels EXIT』にみんな大喜びであった。そんな激しく熱い流れは止まることを知らず、曲は『shine more』『SO CRAZY』へと畳み掛けられていく。これまでもすさまじい運動量を要するステージを作り続けてきた安室奈美恵ではあるが、僕の知る限り、今回の彼女のステージは史上最高と言ってもいいほどの激しさがある。休むことなく曲は『Love2000』。熱唱!熱演!すべてを吐き出すかのような爆発的なライブパフォーマンス。うなるギターと共にバンド陣による自己紹介とオーディエンス煽りへ。
クールな白いジャージ姿に着替えてダンサーと共に現れた安室が歌い始めた曲は『You're my sunshine』。もちろん“Yo!”はオーディエンスのみんなでジャンプしながら。この曲もやっぱり異様な盛り上がりを見せる。どこまでも響き渡るシャウト気味の彼女の歌声。そのまま曲は『Chase the Chance』へ!大ヒット曲を全力疾走で畳み掛けていく。その細く小さい体で会場中の人々を圧倒し、魅了してみせる爆発的なエネルギーはただただ「すごい」としか言いようがない。ほとばしる汗もそのままに曲は『Say the word』へ。依然、完璧なそのダンス、感情が溢れるままにその口元から放たれる歌声にあたたかい拍手が送られる。しかし彼女の戦闘モードは途切れることなく、絶妙なタイミングで(アルバム『Queen of Hip-Pop』の収録曲の中で異彩なインパクトを放っていた)『No』が披露される。自然と僕らの心も体も激しく踊り始める。更には「N.A.M.I.E」のコール&レスポンスで会場のテンションは最高潮へ。安室も完全燃焼の面持ちでステージを後にした。
スクリーンに流れ出すエンドロール。しかしオーディエンスのナミエコールは大きくなるばかり。そして今夜のライブはアンコールへ突入する。本編でとんでもない運動量をこなしたはずの安室は『Put'Em Up』を、まるでこれからもう一本ライブをこなしてしまいそうなほどのキレのある歌声とダンスで披露してみせる。そして続いて披露されたこのナンバーによって、今夜最大の感動がこの会場に、僕らの中に生まれる。『CAN YOU CEREBLATE?』をピアノとアコースティックギターというより彼女の想いが伝わってくる編成で聴かせてくれた。もちろん大合唱は巻き起こる。曲の後半に向けて徐々にコーラスが、音が重なっていき、最後は誰もがこの上なく幸せそうな表情でこの曲を堪能。誰もが忘れられない一生の思い出としてその胸に刻んでいた。
「アンコールありがとうございます!楽しめた?ニューシングルからもう一曲歌ってもいいですか?」と満面の笑みでみんなに訊ねる安室。もちろん誰もが「イェーイ!!」と大声で答えると、安室ちゃんからの最高のウィンターギフト『White Light』がファンのみんなへ贈られる。胸が、心があったかくなっていくのが分かる。“Silent Night,Holy Night,Merry X'mas♪”をみんなで歌うと、より幸せな空気が会場中に広がる。なんだやわらかくて心地良い歌声、音楽、空間なんだろう。安室の頭上には幻想的に舞い振る粉雪。それを見上げながら歌う彼女はとてもキレイだった。感動的。ただ最後はやっぱりみんなで踊って歌って帰ろうといった具合で、ダンサーそれぞれのソロパフォーマンス、安室の「また遊びに来てね~!」という言葉を経て『I Love You』へ。最後もキュートでクールな彼女の姿に心を弾ませながら僕らは、彼女と一緒にこの音楽を、この時間を純粋に楽しむ。そんなみんなの表情はやっぱり最高な笑顔。“Hip-Popな夜”を心より堪能している面持ちであった。
セットリスト
【Space OF Hip-Pop ~namie amuro tour 2005~】
2005.12.4(SUN)at 東京国際フォーラム ホールA
- 01.Queen of Hip-Pop
- 02.WANT ME,WANT ME
- 03.WoWa
- 04.I Wanna Show You My Love
- 05.GIRL TALK
- 06.the SPEED STAR
- 07.My Darling
- 08.Ups&Downs duet Nao'ymt
- 09.Violet Sauce
- 10.ALL FOR YOU
- 11.Don't wanna cry
- 12.ALARM
- 13.Body feels EXIT
- 14.shine more
- 15.SO CRAZY
- 16.Love2000
- 17.You're my sunshine
- 18.Chase the Chance
- 19.Say the word
- 20.No
- En-01.Put'Em Up
- En-02.CAN YOU CEREBLATE?
- En-03.White Light
- En-04.I Love You
Writer:平賀哲雄
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