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GARNET CROW 『THE ONE ~ALL SINGLES BEST~』特集
GARNET CROWより動画コメント
GARNET CROWの夢「その人の思い出とずっと寄り添っていてほしい」
モーニング娘。「LOVEマシーン」が大ヒットし、坂本龍一「energy flow」が癒しブームの火付け役となり、NHK教育テレビで生まれた「だんご3兄弟」が年間セールス1位を獲得した1999年。GARNET CROWは、ビーイング所属の音楽クリエイター4人(中村由利、AZUKI七、岡本仁志、古井弘人)によって結成された。憂いのある声とメロディー、聴き手のイマジネーションによって完結する歌詞、常に実験的であるサウンドプロダクション、どんな楽曲であってもポップスへと昇華できるバランス等、4人のリレーによって生まれる音楽は、デビュー当時から他のバンドやユニットのそれとは一線を画していた。
その最大の理由は、楽曲至上主義。極端なメディア露出を好まず、ツイッター等のSNSも利用せず、パーソナルな要素では勝負しない。人気タレントになろうともしない。タイアップが決まれば“この曲がテーマソングになる意味”“劇中で流れる理由”を追求し、ヒット曲によってGARNET CROWのイメージが固まれば「タブーを無くす。今まではあり得ないこともやる」と前進し、ヒットメイカーになることよりも、音楽本来の価値を見出していく。
中村由利の言葉を借りれば、音室(音質)育ちで在り続けること。それがGARNET CROWを唯一無二の音楽ユニットとして確立させ、音楽を取り巻く状況が変わろうともシーンの第一線に立たせ続けた。
「第一は楽曲ですよね。良い楽曲が出来るからこそ、それがプロモーションに繋がったりとか、たくさんの人に聴いてもらいたいと思えてライブに繋がったりとか、次の作品にも繋がったりする。だから楽曲ありきでないと、いくら自分たちが前に出て行こうと成立しない。要は「あ、良い曲だな」って思ってもらえるかどうかが、GARNET CROWの評価の分かれ目だと思っているので、そこを崩しちゃうと全部が崩壊する。なので、楽曲のクオリティだけは絶対に落とさない」(『Nostalgia』インタビューより)
では、何故にGARNET CROWは音室(音質)育ちで在り続けたのか。恵まれたビジュアルもある。ライブに行けば、4人それぞれのキャラクターにタレント性だって感じる。でもGARNET CROWの夢は、自分たちが有名になることではなかった。
「GARNETサウンドを作りたいんです。これは最終目標なんですけど、ジャンルとして“GARNET CROW”という音楽を確立したい。ビートルズと言えばリバプールサウンドみたいな感じで。で、GARNET CROWの曲じゃなくても「これはGARNETサウンドだね」ってなるような状況にしたいんです。それはずっと変わらずにある夢ですね。(中略)iPodで言えば、常に再生回数が上位に入っているような曲になってほしいと思って、いつも制作してるんです。使い捨てにされたくないから。大事にされたいし、その人の思い出とずっと寄り添っていてほしい」(『Over Drive』インタビューより)
5月24日 東京国際フォーラム ホールA、6月8日と9日 グランキューブ大阪 メインホール(大阪国際会議場)にてラストライブ【GARNET CROW livescope ~THE FINAL~】を開催するGARNET CROWだが、GARNET CROWが生み出してきた楽曲の物語はまだまだ続くのだろう。解散すらも糧にして、4人の夢を叶えるべく。それぐらい強い想いが此処にはある。
Writer:平賀哲雄
Music Video
関連リンク
THE ONE ~ALL SINGLES BEST~
2013/05/22 RELEASE
GZCA-5253/5 ¥ 3,960(税込)
Disc01
- 01.Mysterious Eyes
- 02.君の家に着くまでずっと走ってゆく
- 03.二人のロケット
- 04.千以上の言葉を並べても...
- 05.夏の幻
- 06.flying
- 07.Last love song
- 08.call my name
- 09.Timeless Sleep
- 10.夢みたあとで
- 11.スパイラル
- 12.クリスタル・ゲージ
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