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<対談>宮市亮(横浜F・マリノス)x中島颯太(FANTASTICS)、サッカーと音楽が生む熱狂

6月、再び世界が熱狂する祭典【FIFAワールドカップ2026】が幕を開ける。このグローバルイベントを前に、ビルボードは各国・地域を代表する音楽アーティストとサッカー選手のコラボレーションによるスペシャル企画を始動。サッカーと音楽という二つの巨大カルチャーが交差し、共鳴する瞬間を世界へ発信する。
18歳で名門アーセナルと契約し、ヨーロッパ各地のクラブで経験を積んだのち、現在は横浜F・マリノスでプレーする宮市亮は、度重なるけがを乗り越え、ファンの声援に支えられながらピッチに戻り続けるその姿が多くの人々の心を打ってきた。
一方、FANTASTICSの中島颯太は、小学生時代から宮市の活躍をテレビで見てきた一人。かつてはサッカー選手を志していたが、ある出来事をきっかけにその夢を断念。その後もフットサルで実力を発揮し、豊富な知識を生かして現在はサッカー番組のMCとしても活躍している。
異なるフィールドで輝く二人だが、大舞台で観る者を魅了する点は共通している。初対面ながらすぐに意気投合した彼らに、スポーツにおける音楽の役割についても話を聞いた。(Text & Interview:Mariko Ikitake/Photo:辰巳隆二)
ボランチとトップ下の経験がパフォーマンスで生きている(中島)
中島颯太:アーティスト仲間でサッカーをしている方が多くて、この前もBE:FIRSTのJUNONくんと柿谷曜一朗さんの3人でサッカーをしました。宮市さんが海外でプレーされている頃から試合をよく見ていたので、今日は本当に信じられないです。宮市さんがサッカーを始めたきっかけは何だったんですか?
宮市亮:ありがとうございます。ずっと野球をやっていた父は僕を野球選手にさせたかったんですけど、僕が住んでいた地域ではサッカーが盛んで。野球選手になるための足腰を鍛えるために小学生からサッカーを始めましたが、いつの間にかサッカー選手になってました。高校2年生のときにU-17の日本代表に選ばれて。【ワールドカップ】で同世代のネイマールとか(グラニト・)ジャカを見て、同じ舞台でプレーしたいっていう意識が芽生えました。
中島:僕も選手になることを目指して、小学生から本気でサッカーをしていましたが、中学3年生のときに、長時間、紫外線を目に当ててはいけないというドクターストップがかかってしまって。サッカーを諦めて、フットサルを始めました。シュライカー大阪というFリーグのU-15とU-18にも所属していました。今は、パフォーマンス中に立ち位置や歌詞にも気にかけながら、盛り上がってないエリアがあったら「盛り上げたほうがいいかな?」とか、いろいろ考えてます。ボランチとトップ下の経験がここで生きてます(笑)。サッカーができなくなったとき、EXILEさんの音楽に支えられました。2歳からピアノをやっていたり、歌うことが好きだったので、音楽の道に進もうと決めました。
宮市:僕はドリカム(DREAMS COME TRUE)の「何度でも」に助けられました。けがが多くて、リハビリは本当に淡々とした作業をやることになるので、気持ちが乗らないことが多いんです。「何度でも」の〈10001回目は何か変わるかもしれない〉っていうフレーズで何度踏ん張れたことか。こうして復帰できて、ゴールを決めたときやチームが勝利したときには、リハビリをやり抜いてよかったって思います。大けがをして何度か辞めようと思ったけど、プロサッカー選手として今もサッカーをやれている喜びでいっぱいです。
中島:僕もLDHに入って、アーティスト活動できていることが幸せです。LDHにもサッカー経験者やサッカー好きな方が多くて、FANTASTICSの瀬口黎弥と後輩の砂田将宏の3人でLDH ESPERANZAというサッカーチームを立ち上げました。実はラモス瑠偉さんもLDH所属で。ラモスさんがオーナー、EXILE AKIRAさんが監督兼オーナーで、所属アーティストもどんどん参加してくださり、今ではチームに20人以上います。僕は学生時代からEXILEさんが好きで目標にしていましたが、宮市さんが目指していたサッカー選手はどなたですか?
宮市:やっぱりクリスティアーノ・ロナウド。マンチェスター・ユナイテッド時代のロナウドは、もうわけがわかんなかったです。なにもないところでまたいで、「何回またぐんだよ!」って。でも、そういう姿がカッコよかったし、ユニフォームの着こなしからスパイクまで全部まねしてました。それくらい、ロナウドは僕のロールモデルでした。僕の青春はEXILEドンピシャです。俺ら、よくカラオケに行くんですけど、EXILEの曲も歌います。
中島:ええ! いつか聴きたいです。1日のスケジュールはどんな感じですか?
宮市:朝10時からチーム練習があるので、1時間半前ぐらいに練習場に着いて準備をして、10時から大体12時まで練習します。長くて2時間。そのあと昼食を食べて、筋トレをしたり、マッサージを受けたりして、練習場を出るのが15時ぐらい。家に帰ってからゆっくりします。今、ピラティスにはまっていて、たまにピラティスのトレーニングに行くくらい、自由な時間は結構あるんです。
中島:柿谷さんもおっしゃってました。「めっちゃ暇やで」って(笑)。
宮市:練習時間でめちゃくちゃ強度の高いトレーニングをするので、力を出し切っちゃってほかに何もできないんです。
中島:移動中は何をしていることが多いですか?
宮市:音楽を聴いたり、本を読んだり、映画を見たり。みんなそれぞれ自由に過ごしています。僕は野球とかサッカーも見ます。今年のアーセナルは気になりますね。調子もいいので、このまま優勝してほしいです。
中島:僕は(デジレ・)ドゥエ選手とヌーノ・メンデス選手が好きで、パリ・サンジェルマンFCの試合をよく見てます。宮市選手は18歳でアーセナルと契約されました。最近の若い選手の海外での活躍をどう見られていますか?
宮市:今、若くしてヨーロッパに行く選手が増えましたけど、焦らずに自分のペースでやってほしいです。人と比較してしまうときがあると思いますが、自分の成長に目を向けることが大事です。当時は自分を若いと思ってなくて。僕と同世代の世界で活躍してる選手が周りにいっぱいいたので、焦ってました。もし15年前の自分に会えるなら「なにをそんなに焦ってるんだ。おまえは若いぞ」って言ってあげたい。
中島:(当時の)アーセナルのベンゲル監督に見つけられた練習では、もう“やってやろう”っていう意気込みで臨まれたんですか?
宮市:それこそ『ウイイレ』(ウイニングイレブン)の世界でした。僕が練習参加したのが、2010年の南アフリカの【ワールドカップ】が終わった直後のアーセナルで、(ロビン・)ファン・ペルシとか(ニクラス・)ベントナー、アレクサンドル・ソングがいて。テレビで見ていた選手が目の前にいて、「俺はここに飛び込むんだ」って実感が湧いて、すごく楽しかったですね。練習参加した期間がすごく調子よくて。自分で言うのもなんですけど、イケイケでした。

楽しむことが何よりも大事で、自分の成長につながる(宮市)

──夢を追う側から憧れられる“側”となった今、おふたりが意識されていることはなんでしょうか?
宮市:楽しむことが何よりも大事だと思っています。それが自分の成長につながるし、自分も先輩たちが楽しそうにサッカーをしている姿を見てきたので、僕は競技に対して楽しんでいる大人でありたいと思っています。うまくなりたいっていう気持ちもまだまだあるし、昔と変わらない気持ちを持ってやっています。スタジアムに来てくれる方がいなければ成り立たない職業でもあるので、熱い試合を見せることも重要です。カッコいいって思ってもらえる姿をピッチ上で見せることが大事だと思いますし、それが求められなくなったら辞め時かもしれません。
中島:僕は太陽みたいなアーティストになりたいと思っています。ネガティブをポジティブに変えるパワーを届けることが僕には合っていると思うので、付いてきてくださる方がいる限り、歌い続けます。
──歌手やアーティストの方は作品を見てくださる方、聴いてくれる方がいて成り立つ職業でもあります。宮市選手はサポーターとどういった関係性を築かれていますか?
宮市:僕らはチームにファン・サポーターがいて、その方々が毎試合、ホームでもアウェーでも、海外やいろんなところに来てくださります。その方たちのためにも本当にいいプレーをしないといけない、いい結果を届けたいっていう気持ちでいつもプレーしています。厳しい言葉をいただくときもありますが、批判あってこそのプロサッカーだと思っています。尊敬する先輩から「飛行機も向かい風がないと飛ばない。だから批判は飛んでいくために必要なこと」と言われたことがあって、すごく心に刺さりました。批判されている時こそ、「ここから上昇するぞ」っていう気持ちでいます。


──そういった熱い気持ちのぶつかり合いと感動があるから、世界中でサッカーに夢中になる方がいるのかもしれませんね。
中島:結果がわからないですからね。どれだけ強いチームも負けるときもあるし、一つのプレーに心打たれてサッカーを始める人もいる。僕はサッカーを見ていてすごくワクワクしますし、人生を懸けるスポーツ選手の皆さんをカッコいいなって思います。
──音楽もたくさんの人の背中を押したり感動させたりする、欠かせないエンターテインメントですよね。
中島:何十年も前の楽曲を聴いて僕もパワーをもらうことがあります。音楽の素晴らしさも大事だと思いますが、音楽には正解もないですし、歌がうまいことが正解でもありません。誰かに届ける気持ちが重要だと、歌い続ける意味が見つかりました。僕だけに届けられるものがあると思います。
──トレーニング中や試合前に音楽をかけると思いますが、スポーツにも音楽は欠かせないものでしょうか?
宮市:必要ですね。実際、僕はリハビリの時にすごく助けられました。マリノスのジムでは選手がそれぞれ音楽をかけるんですけど、「今日のDJ誰? 全然、気分上がんないんだけど!」っていう会話はしょっちゅうしてます。それに試合前、特に海外のロッカールームは、めまいがするぐらい爆音で音楽がかかってます。そこで士気が高まるというか。あのチャンピオンズ・リーグの歌を作った人はすごいと思います。あの一音で気合いが入りますから。
中島:ですよね。いつ聴いても自然と気分が高まります。

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