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<インタビュー>HANA どんなところにも花は咲く――1stアルバム『HANA』で刻む、“枯れることの無い”私たちのこれまで/これから

Interview & Text:高橋梓
Photo:森好弘
2月25日、HANAが待望の1stアルバム『HANA』をリリースした。デビューから約9か月間、彼女たちが培ってきたものを詰め込んだ同作品は、プロデューサーであるちゃんみなも「1人1人が満遍なく咲いていて、華々しいHANAにとって何世紀も残る歴史の一枚目、枯れることの無い記念すべきアルバムです」と太鼓判を押しているほどの出来栄えだ。そんな同作に彼女たちはどう向き合ってきたのだろうか。HANAのメンバー全員に集まってもらい、話を聞いた。
“HANAの集大成”
――1stアルバムのリリース、おめでとうございます。HANAの皆さんは、2025年の年末も大活躍でした。【第67回 日本レコード大賞】では最優秀新人賞を受賞し、『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出場されました。振り返ってみていかがですか。
JISOO:私は音楽を始めてから、あんまり年末が好きではなかったんです。「何もできていないのにもう1年経ってしまったんだ」という感じがすごくあって……。でも、2025年の年末は素敵な機会がたくさんありましたし、大好きなみんなと過ごせたし、とても温かい年末になりました。
KOHARU:「年末の影響力ってすごい!」と思いました。昨年の1年を通してたくさんの方にHANAを知っていただきましたが、『日本レコード大賞』と『紅白歌合戦』に出演させていただいたことで、より多くの方が私たちを見つけてくれたと感じています。たとえば、昨年末を経てHANAのSNSアカウントのフォロワーさんがすごく増えたり、そういったところでも影響力の大きさを感じました。より多くの人に私たちの音楽を届けるという意味では、あの大きな舞台に立てたことはひとつのきっかけになったと思います。
――そんな年末を経て、待望のアルバム『HANA』のリリースを迎えられます。「夢を信じ、走り続け、積み重ねてきた時間が結晶した一枚」という紹介文がありますが、ご本人たちとしてはどんな意味を持つ作品だと受け止めていらっしゃいますか。
MAHINA:HANAの集大成ですね。デビューから今まで、私たちはものすごく頑張ってきました。一人ひとり向き合ってきたものがたくさんあるのですが、それがこのアルバムに詰め込まれています。それに、私たちだけの努力ではなくて、たくさんの方に支えていただいたので、感謝の気持ちも詰まっている一枚になりました。
――ちなみに、自分たちのグループ名を背負ったセルフタイトル・アルバムをリリースすることに対しては、どういう感情が強いですか?
YURI:「嬉しい」が強いです。
一同:そう、そう!
YURI:HANAとして活動し始めて1年しか経っていない状態でのアルバムなので、すごくフレッシュなアルバムになっていると思います。これからさまざまな経験を積んで、もっといろんな色が出せるようになった時に『HANA』を聴き返すことで、「こういう感じだったよね~」と思い出すこともできるのかな、と。なので、プレッシャーなどはなくて、嬉しさが強いです。

――これまでの活動がちゃんと詰まっている、“フォトアルバム”のような意味合いもありそうです。そして、ちゃんみなさんのコメントにも「集大成」「枯れることのない記念すべきアルバム」という言葉がありますね。素敵な言葉だなと思っていたのですが、同作の制作期間中にちゃんみなさんからもらった言葉で印象的なものはありますか。
NAOKO:ちゃんみなさんのコメントにもある「すべての曲に、物語がある」という言葉は、本当にその通りだなと思いました。私たちは1曲1曲みんなで練習をして、レコーディングをしてリリースしていますが、その過程の中にいろんな思い出があるんです。以前、ちゃんみなさんから「その時に感じた嬉しさや悲しさ、怒り、悔しさ、というような感情を忘れないようにね。それが人間だから」という言葉をいただいたことがあって。たとえば、ネガティブな感情って目を逸らしがちですし、特に忙しい時はスルーしてしまうことが多いですよね。それで後から「あの時、何を感じていたっけ?」と忘れてしまう。そうならないように「人間としての感情はちゃんと覚えていて」と言ってもらって。だからHANAの音楽って、人の感情に直球で届くんだなと感じました。
CHIKA:言われたねぇ。
NAOKO:自分の感情に蓋をしてしまいがちなときこそ、思ったことをちゃんと思い出して、しっかり受け止める。そうすることで言葉にも、音楽にも、歌声にも、説得力が出るんだなと感じました。
――前回インタビューをさせていただいた時に、NAOKOさんが「心がざわざわすることが苦手だったけど、HANAになってからはそれも『楽しい』と思えるようになった」とおっしゃっていたことに通じますね。
NAOKO:そうなんです。ネガティブなことがあった時に、その衝撃をいかに和らげられるか、逆に武器にできるか……ということを考えていたこともありましたが、しっかり受け止めたほうが経験や知識になるんだなと気づいて。そういう経験が、人としていちばん成長できるんだろうなと感じています。

――そんな言葉とともに完成した『HANA』ですが、過去曲に加えて、新曲である「Bloom」「ALL IN」が収録されています。
MOMOKA:はい。「Bloom」は誰もが一度は抱いたことのある感情を可愛らしく歌っていて。自分が知らないところで噂されていたり、第一印象だけで決めつけられたり、周りに作られていってしまう“自分じゃない自分”に対して、「私は私のまま、自分らしく生きる」と宣言しているような楽曲です。強く意味のあることを歌っているはずなのですが、テンポ感や楽曲の雰囲気も相まって、そこまで強く聴こえないんですよね。でも、ちゃんと核心を突いた“新しい強い曲”で、歌い方も、メンバーみんなが挑戦をしているのがポイントですね。私はいつもの強いラップではなく、優しい声色を使って、いつもとは違う感じで歌っています。ここまでの経験や歌の研究があったからこそできた曲だと思います。
――たしかに、歌詞の強さとサウンド感のギャップがいいなと感じました。この曲にはどう向き合ってきたのでしょうか。
CHIKA:私がいただいたのは〈Ah たまには泣きたくなるえーん〉というおちゃめなパート。曲の最初のほうの歌詞とは違う一面が出ていて、素直で人間らしい曲だなと感じました。なので、あまり作り込みすぎずにありのままの自分で歌うようにしました。
YURI:私は「Bloom」を歌うのが難しかったです。歌い方も声色も、すごく悩みました。
――サウンド感的には「My Body」寄りですよね。
YURI:そうなんです。「My Body」は大丈夫だったのですが、「Bloom」は歌ったことがないジャンルで、試行錯誤しました。ちゃんみなさんがディレクションしてくださって、自分でもいろいろ試した結果自分らしく歌えたので、今はパフォーマンスするのが楽しみです。
NAOKO:私も試行錯誤したかも。以前、スタッフさんに「ミキシングしているとわかるんだけど、声の音が細かいよね」と、歌い方を褒めていただいたことがあったんです。それはビブラートの振れ方のことだったのですが、ちゃんみなさんからも「それを活かしたほうがいいよ」と言っていただけたので「Bloom」でもチャレンジしてみました。でも、ビブラートに繊細さを出すのが想像以上に難しかったです。それと、「ROSE」のウィスパー気味の部分も褒めていただいたことがあったのですが、今回はもっと、ちゃんと声が聴こえるように歌いたくて。「Bloom」ならではの“ギャップ感”を出すために、違う歌い方ができるようにトレーニングをしました。
NON STOP / HANA
――試行錯誤された結果が詰まっているんですね。そして、もう1曲は「ALL IN」。
MOMOKA:「ALL IN」は、全員で作詞作曲に携わらせていただいているので、HANAらしさが詰まった楽曲です。「ここまで来るのに私たちは全部“bet”してきたけれど、これからも皆さんからもらった愛や願いもすべて背負って、それも“bet”して成長していくよ」という、HANAのこの先を描いた楽曲になっています。「Bloom」とは良い意味でまったく違うタイプの楽曲になりました。
――タイトルはスムーズに決まったのでしょうか。
一同:はい!
MOMOKA:実は「すべて賭ける」というテーマをちゃんみなさんからいただいていて、それに基づいて自分たちで「何を“bet”してきたか」をと話し合いをしながら作詞をしていきました。なので、タイトルはすぐに決まりましたね。
――なるほど。めちゃくちゃかっこいいヒップホップのトラックも、歌詞の内容に合っているというか。
MOMOKA:そうなんです。トラックの上に乗せるギターのリフも「登場曲っぽい感じにしよう」と話し合って決めて。他にも「ここはもっと伸ばしたいよね」「もうちょっとサビは短い方がいいかな?」「でも展開が足りないからここはCHIKAと私(MOMOKA)で被せてみよう」「最後はサビに落ち着こう」という会話をしながら作り上げていきました。
JISOO:歌詞もそれぞれが自分のパートを書いたのではなく、全員でアイデアを出しながら作っていきました。メロディは意外とサクッと決まったのですが、歌詞は時間がかかりましたね。伝えたい“感謝”と“愛”を、この曲にどう込めたら最適なのかと考えていました。歌詞なので普通の文章のように長くは書けないですし、リズムに合わせないといけないので……。なので、歌詞はこだわりが詰まっています。
MOMOKA:7人全員が納得できる歌詞でないと意味がないと思ったので、時間をかけました。意味が伝わりにくい歌詞にならないように「こういう言い回しはどう?」とか「ここはもうちょっとわかりやすくできそうだね」とたくさん話しました。
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『メダリスト』と私たち、
似ている部分が多いんです
――どの曲もHANAっぽさがあるので、ツアーが開幕してからのお楽しみですね。そして、アルバムより一足先、1月24日にデジタル・リリースされた「Cold Night」についても質問させてください。初めてのアニメタイアップ曲ですが、『メダリスト』第2期のオープニング主題歌になると聞いた時はどんな心境でしたか?
KOHARU:夢でした~!
JISOO:アニメが好きだから、すごく嬉しかったです。

――「Cold Night」は、『メダリスト』という作品の世界観に寄り添いながら歌うわけですよね。となると、これまでの楽曲と違うアプローチをしたり、意識するべきことがあったりもしそうです。
NAOKO:私たちの曲はすべての曲に主人公がいるのですが、「Cold Night」は特にわかりやすい主人公(『メダリスト』主人公の結束いのり)がいるので、意外と想像しやすかったです。私たちがアニメを見て感じたような感動や切なさを、「Cold Night」という一曲でどう描くかをすべて詰め込みました。しかも、歌詞には私たちが経験したようなことも入っているので、いつもとすごく違う部分があるというわけではありませんでしたね。
MOMOKA:HANAともストーリーが似ているので、感情移入しやすかったです。
KOHARU:『メダリスト』と私たち、似ている部分が多いんです。夢を追いかけている人なら誰しもが通りそうなストーリーというか、夢を追うことのリアルな部分がわかるというか。人間って、孤独と向き合いながらいろんな困難を乗り越えていきますよね。でも決してひとりじゃなくて、似たような人と一緒に戦って、進んでいって。そういう部分はHANAになる前/なった後の自分たちとすごく重なります。なので、いい化学反応を起こせたのかなと思います。
Cold Night / HANA
――『メダリスト』と『No No Girls』のどちらも観ると、より深く楽曲に入り込めそうですね。そして“Bonus Track”として、昨年の【HANA 1st FANMEETING『HANA with HONEYs』】で収録された「Tiger – HANA with HONEYs Ver.」も収録されます。HONEYsの皆さんの声援がとても良いですよね。このバージョンで見えた「Tiger」の新たな面もあるのではないでしょうか。
YURI:ライブだからこそのブレスの音や、生っぽさが出た気がします。HANAが大切にしている“生モノ”という部分を感じていただけたら嬉しいです。
――HANAの皆さんはライブでも高揚しすぎず、冷静にパフォーマンスをされている印象があったんです。でも、同曲を改めて音源で聴くとパッションがめちゃくちゃ伝わってきて。
一同:冷静じゃないです! めちゃくちゃ興奮しちゃってます!(笑)
CHIKA:冷静でいたいですけど、ステージに立ったら2秒で冷静さを忘れています(笑)。
デビュー2年目に向け、いま思うこと
――そのパッションも聴きどころのひとつですね。では、今の皆さんについても少し聞かせてください。2年目を迎えるHANAとして守っていきたいこと、逆に刷新していきたいことはありますか?
CHIKA:うーん……。私は今のままがいい気がしています。やりたいことをやって、守ることは守って、いつも本気になって。
一同:そうだねぇ。
JISOO:でも私、ひとつあるかも。ライブはパッションを持って、いつも本気でやっているのですが、これまでは“抜く”ところが一切なかったんです。この先は曲数も増えていきますし、お客さんの近くでノリノリになって楽しむ瞬間も作ってみたいです。
MOMOKA:それと、今はいろんな方に支えられてライブを作っていますが、自分たちでできることを増やしていきたいです。たとえば、もっとたくさんの曲を自分たちで作ったり、それに付随して振り付けをメンバーで作ったり。他にもライブの演出や企画、衣装など、それぞれの得意分野を活かしながら主体的にやっていけたら、より良い2年目になるのかなって。
KOHARU:私、照明やってみたい! 照明でもメッセージを伝えられるので、チャンスがあったら携わりたいですね。
MAHINA:私はライブのアナウンスやりたい! お客さんに優しく話しかけて、待ち時間を飽きさせない!

――はじめてインタビューをさせていただいた時、MAHINAさんは「【HANA 1st FANMEETING「HANA with HONEYs」】で影アナをやってみたい」とおっしゃっていましたね。
MAHINA:言ってましたね(笑)。ずっと言っているのですがまだ叶っていないので、次こそは!
MOMOKA:いいね。次こそ実現できるように頑張ろう! 私はMVの構成をやってみたいです。今はちゃんみなさんや監督さんがカット割りやストーリーをすごく細かくまとめて作ってくださっているのですが、私もチャレンジしてみたいです。自分たちで作った曲のMVなどで携われたらいいですよね。
――楽しみにしておきます! では最後にひとつ。今のHANAにキャッチコピーをつけるとしたら、どんな言葉をつけますか?
CHIKA:「どんなところにも花は咲く」ってよくない? 最初(プレデビュー曲)の「Drop」は、地下鉄のコンクリートの上で咲いていて、「Burning Flower」では燃えていて……。どんな状況でも花を咲かせるし、どんな人のもとにもHANAの音楽を届けるという意味を込めて、「どんなところにも花は咲く」で!
一同:めっちゃいいじゃん! これからも頑張っていきます!

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