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アレステッド・ディヴェロップメント ~20周年記念アルバムを解説~
ヒップホップ・レジェンド、アレステッド・ディヴェロップメントが20周年を記念して、ファンの為に無料DLアルバム『Standing At The Crossroads』を制作!「ピープル・エブリディ」「Mr.ウェンドル」「ミラクルズ」など次々とビッグ・ ヒットを放ち、グラミー賞では2部門を獲得。そのルーツに根ざしたスピリチュアルでメッセージ性の高いリリック、生楽器を中心にしたオーガニック・サウン ド、ハイブリッドな音楽性は、従来のヒップホップのイメージを一新。そんな彼らが放つ最新作をフロントマンのスピーチが解説してくれた。
この曲をアルバムに入れるか最初は迷ったが、収録してよかったと思っている。過去20年間は、つらいこともあったがたくさんの素晴らしいこともあった。20周年というのは一度しかないから、このアルバムはそれを祝福するにはもってこいの機会だ。次の20年間へ向けての準備も出来ている。
いつでも様々なジャンルを自分たちの音楽に取り入れようという努力をしている。この曲では、ヒップホップの生まれ故郷であるブロンクス、ベック、古いファンキーなグルーヴやブルースのレコードをサンプリングした。僕と1 Loveは、ほとんどフリースタイルで歌っていて、この曲は作るのが特に楽しかったね。楽しいライムとともにヒップホップのエッセンスを蘇らせ、アルバムの自然なイントロとなる曲を作りたかったんだ。
僕達の人生についての真実味溢れるアンセム。歌詞には、誠実さと人間の弱さを綴った歌詞には、今まで語ったことのない僕たちの面が見えていると思う。この曲をシングルに選んだのは偶然の出来事で、友人のダレンが僕のスタジオで撮影していた時にこの曲をバックで流していたら「このシングルはグラミー受賞確実だね!」って言われたからなんだ。実現したらいいけどね(笑)。
この曲は中東のゴルフコースで行われたライブからインスピレーションを受けた曲なんだ。ツアーの移動中には、よくドキュメンタリーを観ていて、その多くが陰謀だったり、真実を知ると怖くなるようなものばかりだから、曲のタイトルを"Be Scared"にした。でもタイトルとは裏腹に、観客が単純に踊って、楽しめるグル―ヴィーな曲にしたくて作った曲なんだ。
この曲の素晴らしいコーラスは、ターシャによって書かれたもの。ダイアモンドや高い服がなければ自分に価値を見いだせなくなってしまった現在の社会の価値観について歌っている。当たり前に思えるかもしれないが、実際そうではないんだ。何故かと言うと、このせいで肉体的に自分を殺してしまう人もいるし、さらには精神的に病んでしまう人もいるからだ。そうゆうことを周知させるために書いた曲がこれなんだ。
注意して欲しいのが、鏡に映る自分の姿と言うのは、社会による"美"の定義で変わってくる。これは自尊心についても言えること。この曲は普通の人々の為のアンセムなんだ。普段の生活だけでも精一杯で、自尊心が低いことを補うために近所のショッピング・モールへ行くような人々のついて。
音楽やTVなどメディアの中での黒人女性の悪いイメージは、僕たちを麻痺させている。彼らは彼女たちをモラルが無いというが、僕にも2人の娘がいる。女性のパワーが、服を脱ぐことだと世間が教える中で、実際はその反対なんだと彼女たちに教えるのは難しい事でもある。でもこれは重要なことだから、伝えていかなければならないことなんだと感じるね。
この曲を作った発端は、Rasが、このアビゲイル・ウォッシュバーンの曲に合わせて、即興でライムしていたのを隠れて録音していたこと。とても詞的な曲だと思った。この曲をもし僕が書いていたらな、と思うことは多くて、この曲はそのいい例だね。
"ラガ"は、インドの音楽スタイルで、クーランガッタは、僕達がよく訪れるオーストラリアのビーチタウンの名前。この曲は、JJ・ブギーが主体となって作ってくれて、僕のラップはまるでディアンジェロのようにセクシーでしょ(笑)。でももう僕は16年間も妻と一緒で、これまでやってくれたのも彼女のおかげだから、その想いをこの曲に詰めたんだ。
これは "No Wedding No Womb"というシングル・ペアレントを援助する活動団体の為に作った曲。曲にするには難しいトピックだった。僕の妹と2人の友人がヴォーカルで参加してくれてて、即興性があり、いい経験だったね。この曲は確か完璧に仕上げる為に10回ぐらいミキシングしたんだ。
現代のアメリカにおいてのスローガンは、金がすべてだというけれど、僕は金がすべてを破壊すると思うんだ。これは僕たちが有名になった時にも経験したこと。この曲で演奏してくれたエリック・ドジィエーも素晴らしいね。もしツアーにもっとメンバーを連れていけるのであれば、彼にも来てほしんだ。でも今でも10人もいるから…。
実をいうとこの曲は「Poor Little Music Boy」以来の最悪な歌詞だ。何について書いていたのか自分でもわからない。ただツアーをすると色々な人に会って、観客を楽しませるのが好きということはわかってる。自分の生涯の相手に出会い、家族になるという曲なのかな。
人生には色々あり、様々な試練にぶち当たる。友人をなくしたり、希望が無いと感じる時もある。もし信念があれば上手くいくのかというのも疑い深い。でもターシャの歌声は素晴らしいし、この曲にピッタリで、アルバムのフィナーレを飾るのに最適だ。この作品で取り上げた様々な問題も悲観する事は無い、だって神はいるのだから。ピース。
今回の日本ツアーから僕たちの新たな一歩が始まると感じている。アメリカからとってもスペシャルなゲストも参加するから、絶対見逃さないでね!
来日情報
Arrested Development
BILLBOARD LIVE TOUR 2013
2013/4/17(水) @ ビルボードライブ大阪
2013/4/19(金) ~ 4/21(日) @ ビルボードライブ東京
INFO: Billboard Live
関連リンク
ベスト・オブ・アレステッド・ディヴェロップメント
2012/12/05 RELEASE
TOCP-54402 ¥ 1,572(税込)
Disc01
- 01.ピープル・エヴリデイ (Metamorphosis Radio Edit)
- 02.ミスター・ウェンドル
- 03.革命の雨が降る
- 04.テネシー
- 05.アフリカズ・インサイド・ミー (Zingalamaduni Mix)
- 06.レヴォリューション
- 07.ギヴ・ア・マン・ア・フィッシュ
- 08.イーズ・マイ・マインド
- 09.フィッシィン・4・レリジョン
- 10.ナチュラル
- 11.プライド
- 12.シェル
- 13.ママズ・オールウェイズ・オン・ステージ
- 14.イーズ・マイ・マインド (Another Perspective Mix)
- 15.ミスター・ウェンドル (Perfecto Mix)
- 16.ピープル・エヴリデイ (ライヴ)
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