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<インタビュー>結成10周年を超え、夢の紅白初出場へ――M!LK「イイじゃん」「好きすぎて滅!」で果たした飛躍、リーダー吉田仁人が語る

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Interview & Text:Takuto Ueda

 Billboard JAPANが注目するアーティスト・作品をマンスリーでピックアップするシリーズ“MONTHLY FEATURE”。今月は、2024年11月から結成10周年イヤーを掲げて活動してきたダンス&ボーカルグループ、M!LKのインタビューをお届けする。

 「何色にも染まることの出来る存在に」という意味を込めて名付けられたM!LKは、佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人組。2015年3月に「コーヒーが飲めません」でCDデビュー、そして2021年11月にビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たした。それぞれが音楽のみならずドラマ、映画、バラエティなど幅広く活動し、個人アカウント含めてSNS総フォロワー数は約530万人にものぼる。

 2025年3月にはメジャー2ndアルバム『M!Ⅹ』をリリース。リード曲として収録された「イイじゃん」が大きなバズを巻き起こした。予想を裏切る曲展開、中毒性のある振り付けが話題となり、多くのユーザーやインフルエンサーがダンス動画を投稿した。10月に配信した「好きすぎて滅!」はさらなるバイラルヒットを記録し、Billboard JAPANの総合ソングチャート“JAPAN Hot 100”では6週連続チャートイン、12月3日で自己最高となる10位をマークしている。

 節目のアニバーサリーを迎え、グループとして大きな飛躍を果たした2025年について、グループの歴史と現在地について、リーダーの吉田仁人に語ってもらった。

「支えられているな」というのが伝わってきた

――まずは『NHK紅白歌合戦』の初出場決定、おめでとうございます。

吉田:ありがとうございます。

――みなさんはどんなシチュエーションでその知らせを聞いたのでしょう?

吉田:日頃お世話になっている事務所のお偉い方から「ビデオメッセージが届いたので見てください」みたいな感じで朝に集合がかかりまして、会議室でそれを見て知りました。

――当時どんな心境でした?

吉田:ほかのメンバーが無邪気に喜んでいるなかで、僕はちょっと飲み込めない感じというか、即座に「やったー」とリアクションできなかったので、ちょっと反省が残りますね…。サプライズを用意していただいたのに申し訳ないなって気持ちがあります。

――エンタメ的なリアクションができなかったと。

吉田:そうですね。びっくりしちゃって。リアルすぎるリアクションでした。




【祝】「NHK紅白歌合戦」M!LK初出場決定の瞬間!


――11月3日=“イイみるくの日”には、グループのSNSアカウントで「#みるく行くぞ紅白」を付けたポストで発信していましたね。このときはまだ出場決定の発表前でしたが、やはり紅白への意欲は大きかった?

吉田:当日はありがたいことにいろんな番組やイベントに出演させてもらった日でもあり、その日をみんなで盛り上げたい気持ちでした。あのハッシュタグでみ!るきーず(M!LKのファン)のみなさんが盛り上がってくれているのを見て「支えられているな」というのが伝わってきたというか、あらためて一致団結する大事なポイントにはなったんじゃないかなと思います。

――もともと目標のひとつとして紅白出場は掲げていましたよね。今年は飛躍の1年だったかと思いますが、少なからず近づけている実感もあったのでは?

吉田:メンバー全員、結成当初から口々に「いつか出たい」と言っていたし、「この調子でいけばもしかしたら…」みたいな、なんとも確証のない可能性みたいなものをモチベーションに頑張ってきたところはありましたね。

――あくまで吉田さんの個人的な感覚でいいのですが、芸能に携わる人間として『NHK紅白歌合戦』に出ることには、どんな意義や意味があると考えていますか?

吉田:歴史ある番組だし、今年はNHKの“放送100年”というのもあって、それだけの伝統の重みは感じますね。視聴者のみなさんに納得していただけるような方々が揃っている番組だし、そこに選んでいただけることのありがたさもあります。グループとしての認知がだんだんと広がっているのを形にしていただいたというか。

――自分たちの歩みや努力を認めてもらえた感じ?

吉田:そうですね。もちろん一度だけじゃなく来年、再来年と年を跨いでも、そういったアーティストであり続けなきゃいけないなという想いもあります。もっと気を引き締めて頑張っていこうって。

――M!LKは2024年11月に結成10周年を迎え、2025年を10周年イヤーと位置付けて駆け抜けてきたかと思います。10年前、結成当初のM!LKはどんなグループだったか、そして10年を経て今、どんなグループになったか、吉田さんの視点ではどんなふうに見えていますか?

吉田:当時、テレビ番組の企画で期間限定ユニットをやっていて。その企画ではリリースする課題曲に参加するためのオーディションが毎回あって、4曲目ぐらいのときに今のM!LKの前身グループになったんですね。その後、メンバーの変化を経て、急にレッスン場で動画を回されて「君たちはこれからはM!LKというグループ名で活動していきます」みたいな。

――M!LK誕生の瞬間ですね。

吉田:正直、変な名前じゃないですか。でも、それまでの前身グループもわりとトンチキな名前だったんですよ。だから、「ああ、今回はM!LKって名前になるんだね」ぐらいに思っていたら「あれ、なんかめっちゃリリースするな」って。メンバーによるかもしれないけど、そこまでの段階を踏んできた身としては「ここから一蓮托生で頑張っていくぞ」みたいな感じではなく、「あれ、これマジでやっていくグループじゃん」って感じだったんです。それからはレッスンだったりレコーディングだったり、夏休みはほぼ全日程リリースイベントをやったり、流れに揉まれていったというか。ひたすら次にやることをこなしながら進んでいましたね。

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やりたいことを言葉にするようになってきた

――しばらくは企画やレッスンの延長という意識だった?

吉田:平たく言うとそうなりますね。当時、勇斗は17歳とかだったのかな。ほかのメンバーなんて15歳とか、もっと下もいたりして、まともに部活もしたことがないような子たちもいたし。もちろん徐々に自覚は生まれていきましたけど、ちゃんと変わったのは5年目ぐらいのときですかね。体制の変化もあったし、いつまでも同じ形でやり続けることはできないんだってことも感じて、活動できることのありがたみとか、「チームプレイとは」みたいなこととか、人生で学ぶべきことをこのグループで教えてもらったような感覚はあります。

――シンプルに大人になったとも言えるのかもしれませんね。

吉田:そのあたりが環境も感情も一番大きく変化した時期だったんじゃないかなと思います。今のグループを見ていて、本当に心からメンバーのことを尊敬するというか。次にリリースする楽曲のことだったり、ライブの演出のことだったり、メンバーから「こういうふうにしたい」という意見がどんどん出てくるんです。スタッフのみなさんもそれに全力で付き合ってくれている。「大変だな」と思うときもありますけど、グループとしての熱量を常々感じていますね。

――良いバイブスに満ちているんですね。どこかでターニングポイントがあったりしたのでしょうか?

吉田:どうだろう…。ここ2、3年はどんどんメンバーがやりたいことを言葉にするようになっていきましたね。メジャーデビュー以降かな。例えば「ツアーのタイトルは何がいいと思いますか?」とか、そういうことを考える会議があるんですけど、そこで自分の意見が採用された成功体験というか、自分たちで考えたほうが思い入れもより深まるという実感があったからじゃないかなと、個人的には思いますね。

――なるほど。提案の打率が上がったというか。

吉田:そうですね。だんだんと打率が上がっていったのかもしれないですね。僕たちの意見をすごく大事にしてもらっています。

――吉田さんはリーダーとしてグループ全体のことを考えることが多い立場だと思いますが、そのあたりの在り方にも変化はありましたか?

吉田:もちろん僕も含めて、メンバーの成熟度によって役割は変わってきたとは思うんですけど、やっぱり最初は一歩引いて、周りを見ながらみんなの意見をまとめることを大事にしてきした。それぞれペースもあるし、何か悩んでいることがありそうだったら「ご飯行こうよ」みたいな。ある意味、スタッフサイドの動き方というか。でも最近は、良い意味で背負わないというか。リーダーではあるけど、プレーヤーとしての芸事の上達だったり、そういったインプットの時間が増えたかもしれないですね。メンバーの連絡をまとめてスタッフさんに送ってあげたりもしていたけど、今はそれぞれやり取りするようになったし、自分がパフォーマンスする側の人間として今後どういうことをしていきたいか、みたいなことをこの2、3年は考えるようになりました。

――先ほどの話につながりますね。各メンバーが人間として成熟してきた。

吉田:だから、そんなに親みたいなことをしなくてもよくなったというか(笑)。そのタイミングでソロも始めたり、心のキャパも増えましたね。

――2025年のM!LKにとって、上半期の大きなトピックとなったのが「イイじゃん」のバイラルヒット。あの曲の第一印象はどんなものでしたか?

吉田:あのサビを聴いたときに訳が分からなくなっちゃって(笑)。「ん? 何これ?」と思いながら爆笑していました。こんなに変化のある曲は誰もやったことがないんじゃないかって。M!LKのCDデビュー曲が「コーヒーが飲めません」なので、変な曲には耐性があるはずなんですけど、今まで出してきた曲の中でも一番変だと思ったので「面白くね? イイじゃん」みたいな。




M!LK「コーヒーが飲めません」MV


――いわゆるトンチキソングって、M!LKにとっては飛び道具じゃないというか、むしろデビュー当初から掲げていた武器のひとつだと思うんです。

吉田:そうですね。なので、たしかに延長線上にあります。「これをM!LKが歌ったら、さらにステップアップできるな」ってわくわくしました。ただ、スベったときのリスクもエグいぞっていう(笑)。

――たしかに(笑)

吉田:僕は両方考えるタイプなので、イチかバチかみたいな曲だなと個人的には思っていましたけど、それをアルバムのリードに持ってくるのがM!LKらしい。メジャーデビュー以降、こういう曲はあまりなかったのでハマっちゃいましたね。

――ファンのみなさんの反響はいかがでしたか?

吉田:「M!LKっぽいね」って感想が多かったので「やっぱりそうなんだ」みたいな。気づいたらTikTokでバズっていたので、そこからはそのバズり方にみんなで驚いていく時間でしたね。もともと「この切り替わるのはどうだろう?」みたいな議論もあったんですよ。「Bパターンみたいなものはありますか?」と聞いたら「いや、これだけです」みたいな。本当に珠玉の一手だったなと思いますよね。

――バズの手応えを最初に実感したのはどんな瞬間でしたか?

吉田:僕らはSNSも常に力を入れていたので、有名なTikTokerさんが躍っていたときは、流行りの曲と感じていただけたと驚いていました。あと、共演するアーティストさんに「一緒に踊っていただけますか?」とお願いすることもあるんですけど、この曲は「知ってます」とか、逆に「一緒に踊ってもらえませんか?」と言っていただくことが多かったのでうれしかったです。

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“滅れる”ぐらいの熱量

――ちょっと生々しい言い方ですが、プロモーションの観点で考えたときにTikTokの攻略って、特にダンス&ボーカル系のグループにとって大事なことじゃないですか。M!LKもそのあたりは以前から意識していましたか?

吉田:もともとM!LKのメンバーは基本、面白いこと、楽しいことをしたいというテンションなんですよ。だから、バズを狙うぞっていうよりも「なんか普通に踊るだけじゃあれじゃない?」みたいな考えが常にあるというか。そういう意味では、TikTokという新しい遊び場をもらったような感じで僕は受け止めてましたね。




M!LK - イイじゃん(Official Music Video)


――昔からトンチキソングを歌っていたり、常に楽しいことを模索し続けたり、そういうグループのマインドが「イイじゃん」のバイラルヒットも引き寄せたんでしょうね。そして、10月27日に配信された楽曲「好きすぎて滅!」が今、ヒットチャートで好調な勢いを見せています。この曲の成り立ちについても教えてください。

吉田:「好きすぎて滅!」はただただ熱量の高いラブソングなんですけど、TikTokで自動音声の「○○すぎてしぬ」ってやつが流行っているじゃないですか。でも“しぬ”って言葉が強いから、そこを“滅”に変えるっていう。「今後そう言ってはいかがですか?」っていうM!LKからの提案というか。あと、スタンドマイクの前で男が横並びでアツく歌っているという、ちょっと懐かしい歌謡みたいな感じも気に入っています。

――ラテン風のちょっとエキゾチックな感じがありますね。

吉田:今回、振り付けは槙田紗子さんにしていただいたこともあって、“滅”のポーズだったり、そういった要素もちゃんと設けたりしたのが好評いただいたのかなって。

――槙田さんの振り付けは「チラチLOVE」に続く2曲目。

吉田:「チラチLOVE」もかなり良くて。それで今回どうしようか話し合ったときに「槙田さんじゃないか?」「やっぱそうだよね」みたいな感じでお願いさせていただきましたね。

――レコーディングはいかがでしたか?

吉田:いつもの曲よりちょっとだけキーが高いので、練習のときは「はて、どうしようか」って感じだったんですけど、歌っていて気持ちいいですね。僕は歌割りを最初に見るときが一番楽しみなんですけど、「好きすぎて滅!」は「うわ、美味しいところいただいちゃったな」みたいな。なので、めちゃめちゃ練習しましたね。「好きすぎて」っていう爆発的な熱量とかテンション感を出せるようにと考えながら歌いました。

――それってもう少し具体的に言語化するとしたら?

吉田:いつもは「これぐらいのテンション感ならフルでも歌えるだろう」みたいなことを考えながらレコーディングするんですけど、「好きすぎて滅!」はパートごとに“滅れる”ぐらいの熱量というか。「これ、フルで歌ったら消し飛ぶんじゃないか」と思うぐらいの入魂具合でしたね。ゼーハーしながら歌ってましたもん。それからはもう練習あるのみでしたけど、不安になるぐらいの熱を込めて歌っていた記憶があります。

――壁を乗り越えたからこそ得られたものはありそうですね。

吉田:自分の歌声のレンジは広がったのかなと思います。意外と練習あるのみだなってことにも気づけたり。曲ごとに自分自身も成長できている感じがします。




M!LK - 好きすぎて滅!(Official Music Video)


――【M!LK ARENA TOUR 2025-2026「SMILE POP!」】はどんなツアーにしたいですか?

吉田:今回は初めて見る方も「ああ、M!LKってこんな感じなんだ」と分かるような、最新曲も含めて僕たちのいろいろな面を全体的に押さえられた内容になっています。たぶんエントリーにはもってこいな感じ。その反面、ずっと応援してくれている方々に「それやるんだ」と思ってもらえる曲もあるので、全員が楽しめて、なおかつ【SMILE POP!】というタイトルどおり、幸せが弾ける感じが出せるんじゃないかなって。ステージも衣装もかなり華やかで、非日常を作り出せる気がします。追加公演も決まったので、ここでM!LKのライブをたくさんの方に知っていただきたいです。

――では、2026年の展望については?

吉田:結構やりたいことが見えてきているというか。新しい挑戦もしたいし、これまでの感謝を伝える場所も作りたいし、グループとしてかなり充実した感じが伝わるんじゃないかと思うので、どこかのタイミングで会いに来てほしいなと思います。レコ大の<優秀作品賞>もいただいて、流行語大賞にもノミネートしていただいて、箔がついた感じがする一方で、ハードルもかなり上がっていると思うし、それを乗り越えていけるような熱量とかパフォーマンス力を身につけられるよう頑張っていくので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。2025年がピークだったと言われないよう、ステップアップを続けていきたいなと思います。

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M!LK「テルネロファイター」

2017/05/10

[CD]

¥1,100(税込)

テルネロファイター
M!LK「テルネロファイター」

2017/05/10

[CD]

¥1,100(税込)

テルネロファイター
M!LK「テルネロファイター」

2017/05/10

[CD]

¥1,100(税込)

疾走ペンデュラム
M!LK「疾走ペンデュラム」

2017/01/11

[CD]

¥1,100(税込)

疾走ペンデュラム
M!LK「疾走ペンデュラム」

2017/01/11

[CD]

¥1,100(税込)

疾走ペンデュラム
M!LK「疾走ペンデュラム」

2017/01/11

[CD]

¥1,100(税込)

夏味ランデブー
M!LK「夏味ランデブー」

2016/08/10

[CD]

¥1,100(税込)

夏味ランデブー
M!LK「夏味ランデブー」

2016/08/10

[CD]

¥1,100(税込)

夏味ランデブー
M!LK「夏味ランデブー」

2016/08/10

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¥1,100(税込)

新学期アラカルト
M!LK「新学期アラカルト」

2016/03/30

[CD]

¥1,100(税込)

新学期アラカルト
M!LK「新学期アラカルト」

2016/03/30

[CD]

¥1,100(税込)

新学期アラカルト
M!LK「新学期アラカルト」

2016/03/30

[CD]

¥1,100(税込)

反抗期アバンチュール
M!LK「反抗期アバンチュール」

2015/08/19

[CD]

¥1,100(税込)

反抗期アバンチュール
M!LK「反抗期アバンチュール」

2015/08/19

[CD]

¥1,100(税込)

反抗期アバンチュール
M!LK「反抗期アバンチュール」

2015/08/19

[CD]

¥1,528(税込)

コーヒーが飲めません
M!LK「コーヒーが飲めません」

2015/03/25

[CD]

¥1,100(税込)