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<インタビュー>BILLY BOO、新曲「ラブソング」が「絶対いいと思ってもらえる」自信作である理由――“今”の4人だから届けられる新境地

Interview & Text:高橋梓
2025年4月にメジャーデビューを果たした4人組バンド、BILLY BOO。KAZUKI UJIIE(Vo.)、KEI(Gt.)、MITSU(Ba.)、RIKIYA(Dr.)からなるBILLY BOOは、R&BやHIPHOP、ソウル、ファンクなどをルーツに持ちつつ、独自のミクスチャー・サウンドが特徴の楽曲を発信し続けている。着実にファンを増やしている彼らだが、とりわけ「ラプソディ」はTVアニメ『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)のエンディング・テーマに起用され、Billboard JAPANの新人チャート“Heatseekers Songs”にて2連覇を達成(2025年4月23日、30日公開チャート)。全国57のラジオ局でパワープレイにも選出され、大きな話題になった。そんなBILLY BOOが10月29日に新曲「ラブソング」をデジタル・リリースする。同曲についてはもちろん、彼ら自身についてもじっくり話を聞いた。
今の音楽は、
バンドみんなにとって理想形
――Billboard JAPANのインタビューにご登場いただくのは初めてなので、まずは皆さんが音楽を始めたきっかけから教えてください。
KAZUKI UJIIE:母親がバンドのボーカルをやっていて、姉も歌がすごく上手かったこともあって、小学校の頃からしょっちゅう家族でカラオケに行っていたんですね。でも僕はスポーツでプロを目指していて、歌でプロになりたいとは思っていませんでした。そんな中、怪我でスポーツの道を挫折してしまって。ちょうどそのタイミングでUVERworldに出会って、ライブ映像を観た時に「こういう音楽をやってみたい」と衝撃を受けました。それが、中学生の頃ですね。友人たちからも「歌をやってみれば?」と背中を押してもらった矢先に、ベースのMITSUから「ボーカルをやってくれない?」と声を掛けてもらって。そこからバンドで歌い出したのが始まりでした。
MITSU:僕は中学3年生の時に映画の『BECK』を見たのがきっかけです。向井理さんが演じているベースの平(義行)……というよりも向井理さんに憧れていたタイミングで、友だちに「学園祭でバンドしようよ」と誘ってもらいました。そのバンドは女性ボーカルだったのですが、僕は『BECK』のように男性ボーカルに憧れていたので、学園祭が終わったタイミングでKAZUKIに「一緒にやろうよ」と声をかけました。
KEI:僕は3歳くらいからクラシックピアノを習っていたのですが、中学2年生くらいで突然エレキギターを始めたくなりました。僕も小学生の頃からUVERworldを聴いていたので、最初に彼らの曲をコピーしてみたりして。その後、高校から地元の友だちとバンドを組んで、ライブハウスでライブをするようになった時にKAZUKI、MITSUと出会いました。
RIKIYA:僕が音楽を始めたのは高校生の頃ですね。きっかけは「人より目立ちたかったから」(笑)。勉強もスポーツも秀でているものがなかったので、何かでかっこいい姿を見せたかった、というアバウトな理由でした。僕もUVERworldが好きで知っていたのですが、初めてライブ映像を観た時に驚いて。僕が聴いていた(UVERworldの)曲はバラードだったので、「すごい熱量のライブだな」と思ったんです。特に「自分もこうなりたい」と思ったのがドラム。そこからドラムを始めました。

――皆さんはBILLY BOOの前身のバンドでも一緒にやっていらっしゃって、一度休止を経て再集結されていますね。
KAZUKI:そうですね。前身のバンドの時は仙台という街を拠点にしていて、ライブをやってもお客さんが3~4人という状態でした。そういったバンドの状況に納得がいっていなかったですし、多分、各々のビジョンが強すぎてぶつかることばかりだったんです。でも、今はそういう状況は乗り越えていて。僕が曲を作っているのですが、チームで決めた「いいものだけを作ろう」という軸からは外れたものは作らないと決めて制作をしています。もともと僕らはUVERworldさんが好きなので、ミクスチャーをやりたかったんですね。「UVERworldっぽい曲」を作っているわけではないですが、今は目指しているバンド像に近づけている気はしています。ベースのMITSUも「こういう音楽がやりたかった」と言ってくれていて、意図せずやりたい音楽がやれるようになってきている感覚があります。
MITSU:そうね。もともと僕らはやりたい音楽がバラバラだったこともあって、ぶつかり合いが多かったんです。仲が良かったはずなのに、悪くなってしまった時もあって。
KAZUKI:赤裸々すぎるって!(笑)
MITSU:(笑)。でも、もう今は大丈夫。大人になってぶつかる前に話し合いができるようになりましたし、今の音楽はみんなにとって理想形だと思います。
KEI:ライブも良くなっているよね。BILLY BOOになってから、以前は取り入れていなかった同期を使うようになって、ライブの表現の幅が広がったんです。それに、休止をしていた時期に各々いろんなインプットをしていて。たとえばRIKIYAのドラムもだいぶ変わりました。アイデアを盛り込みながらやりたいことをやって、かつ方向性は統一するということができるようになりました。
RIKIYA:活動休止中は時間がたくさんあったので、必要な時に必要なものを出せる準備をしておこうと思っていました。そのおかげで今、だいぶ選択肢を持てていると思います。個人的には、人間的にも成長したと思いますし、今もなお成長中だな、と。いい未来が見えていますし、以前よりもパワーアップできていると思います。
――そんな皆さんは4月にメジャーデビューを果たしました。環境や周りの変化はあったと思うのですが、ご自身たちで変化は感じていますか。
KAZUKI:僕らはBILLY BOOを始めた時からコンセプトだけはぶれないようにやってきました。なので、メジャーデビューをしたことで何かが変わった……というのは、僕はあまり感じていないかもしれません。むしろ「思うように進めているな」「外していないな」というか。「一目惚れmidnight」「Fake Lover」は“ヒップホップのテイストを持ったかっこいいバンド”という匂い付けで出そうと考えていて、「ラプソディ」はJ-POPの中にブラックミュージックの香りがあって……と、僕らの中では繋がっているんですよね。なので、変わらず自信は持ち続けています。
ラプソディ / BILLY BOO
――「外していない」とのことですが、逆に言うと「外さないようにしなきゃ」というプレッシャーがあったりも?
KAZUKI:昔はありましたが、最近はどうしたらBILLY BOOの色が出せるのかわかってきました。聴いたら絶対に「いい」と思ってもらえるメロディーみたいなものが僕の中でできてきましたし、プレッシャーはありません。むしろ、「今は埋もれていたとしても、曲が届く瞬間が絶対来る」という自信があります。
KEI:僕も、自分の変化は私生活含めてあまり感じていないかも。ただ、ライブにおいての変化は感じていて。「ラプソディ」をライブでできるようになったことで、よりパフォーマンスしやすくなりました。僕らはお客さんの手が上がるライブを作りたいと思っているのですが、多くの人に「ラプソディ」を知っていただいたことで実現できるようになりました。
KAZUKI:たしかに、お客さんの一体感が増した気がする。「ラプソディ」ができる前は、手が上がらないライブが多かったんです。もどかしい時期もありましたが、今は「ラプソディ」をやったらみんな手が上がっています。
――その「ラプソディ」はラジオのパワープレイに選出されて、“Heatseekers Songs”で1位も獲得されました。その広がりを皆さんはどう見ていたのでしょうか。
KAZUKI:正直「なんで!?」と思っていました(笑)。というのも、たとえばTikTokでバズって広がったわけでもないじゃないですか。BILLY BOOは「SNSをもっと頑張らなきゃ」という課題を抱えている状態だったので、目指しているランキングに入ったのが不思議で。もちろんラジオのおかげは大きいと思いますが、ビビってたよね?
KEI:うん(笑)。でも嬉しかった。
BILLY BOOの新曲「ラプソディ」が、
— BILLY BOO (@BILLYBOO_offici) April 30, 2025
Billboard JAPAN(@Billboard_JAPAN )
“JAPAN Heatseekers Songs”
2週連続で1位を獲得しました🥇
先週に引き続きのライクインありがとうございます💐https://t.co/laxK01dN8D
🎧Streaming & Downloadhttps://t.co/uuqIsczT5M
🎥Music Video… pic.twitter.com/RRVZFF6orY
――「ラプソディ」の広がりを受けて、制作する曲に「ラプソディ」の要素を入れる、というようなことを考えたりも?
KAZUKI:Billboardにチャートインできたのはキャリアとしてすごく嬉しかったです。ただ、だからといって「次の曲も『ラプソディ』に寄せてみよう」という動きはしなかったですね。曲ごとにコンセプトを立ててやっていて、何かを狙って作るのではなく“BILLY BOOとしてやるべきこと”をやっているんですよね。「ラプソディ」も、もともとはバラードだったんです。そこにヒップホップを落とし込んでいった結果、いろんなリスナーさんが反応してくれたんだと思います。と、僕は思っていますが、楽器隊のみんなはどう?
KEI:僕ら楽器隊は、ライブで演奏することが決まってからどう弾いていくかを考えるので、制作の段階で「演奏を前作に寄せよう」と意識することはないですね。強いていうなら、「ライブで盛り上げるための曲」として作った時は、ライブを意識して作ることはあります。
MITSU:たしかに。演奏方法はリハで考えることが多いです。自分で考えてきて、リハで合わせてみて、ディスカッションして、ライブでやってみるという流れ。
RIKIYA:僕はみんなとのディスカッションの前に、曲の起点、ルーツとなるアーティストの音を聴き込んだりはしています。最終的にロックと融合はするのですが、ジャンルの基礎を1回理解した上で自分たちの曲に取り組むと、より曲が活きるなと思うんですよね。
リリース情報
公演情報
【BILLY BOO "WIGGLY tour 2025-2026"】
2025年11月8日(土) 石川・金沢GOLD CREEK
w/ chef’s、Maverick Mom
2025年11月21日(金) 愛知・ell.SIZE
w/ 13.3g、クボタカイ
2025年12月12日(金) 香川・高松TOONICE
w/ 帝国喫茶、Apes
2025年12月13日(土) 大阪・Live House Pangea
w/ 606号室、窓際ぼっち倶楽部
2026年1月24日(土) 福岡・LIVE HOUSE Queblick
w/ クレナズム、osage
2026年1月25日(日) 広島・Cave-Be
w/ シズクノメ、osage
2026年2月7日(土) 東京・Spotify O-Crest
w/ Klang Ruler、雨のパレード
関連リンク
863回のトライを経て生まれた曲
――それもKAZUKIさんがおっしゃった、曲ごとに「軸を持ってやっている」という部分につながるのですね。そして10月29日には「ラブソング」をリリースされました。これまでの楽曲とは色が少し違うと感じたのですが、こういった楽曲にアプローチしようとしたのはなぜだったのでしょうか。
KAZUKI:この曲は僕がソロで活動していた時の曲で、すごく好評だったし、僕としても大事な曲でした。ただ、BILLY BOOっぽくはないんですよね。それを早い段階でリリースしてしまうと、「BILLY BOOってどんなバンドなの?」となってしまいそうで、ブランディング的にも避けようということになっていました。でも「Shake it!!」までである程度BILLY BOOのイメージができたと感じたので、バンドアレンジをしてリリースすることにしました。
――ちなみに、いつ頃作った曲なのですか?
KAZUKI:2023年の7月にできた曲です。ソロの頃から、ワンマンライブやイベントでずっとやっていました。
KEI:演奏は僕らがやらせてもらっていたので、やっとリリースできるという気持ちです。
――皆さんにとっては、もうお馴染みの曲ではあるのですね。同曲は、スタッフの方からも“メロディーが強力な自信作”とお伺いしているのですが、トップラインを作る時はどういう流れで作っていったのでしょうか。
KAZUKI:ソロをやっている時に、全然いい曲が作れなくて。チームからも「いい曲ではない」と言われることが多かったんです。それで、とにかく曲を作りまくっていて。863曲目にできた曲です。
――863!?
KAZUKI:はい。それくらい毎日作って、録音して。自分でもめちゃくちゃ頑張っていたと思います。当時はTikTokメインでやっていたので、「バズらなきゃ」というプレッシャーがすごかったんですね。その頃はかわいらしくて、リスナーさんが踊りたくなる曲がバズると思っていたので、「ラブソング」のような王道の曲は軽視されてしまうんじゃないかと作るのを拒んでいたんです。でもマネージャーが「もっと頑張れ」と喝を入れてくれて。そこで、(事務所の)先輩であるback numberさんやFUNKY MONKEY BΛBY'Sさんの曲を1日9時間くらい聴き込み始めました。どうしたらグッと来るトップラインができるんだろう……と考えて出てきたのが、「ラブソング」のサビの部分です。
ラブソング / BILLY BOO
――プロに向かって大変失礼なのですが、863曲も作り続けてアイデアが枯渇しないのがすごいなと思ってしまいました。
KAZUKI:当時は枯れていましたよ(笑)。作れたのはチームのおかげですね。僕を諦めさせない、魅力があるチームなんですよ。「もういいや」で辞めてしまう人もいますが、僕は事務所を信じていましたし、スタッフや事務所の社長が「よくない」と言っていたのを覆したいという反骨精神で作っていました。でも、ずっとアイデアは枯れていて、死ぬほど病んでいました(笑)。
KEI:当時は基本ずっと辛そうでしたね。
――産みの苦しみ、というやつですね……。バンドバージョンにしたとのことですが、編曲にはCarlos K.さんのお名前がありますね。
KAZUKI:そうですね。J-POPに完全に寄せるのも良くないなと思って、僕らのイメージとしてある“ブラックミュージック感”を根本に置きたかったんです。じゃあアレンジャーさんは誰がいいかな?となったときに、僕が即答で「Carlosさんにお願いしたい」と言って。そもそも僕、Carlosさんのトラックが好きなんですよね。「Carlos K.の音楽」というものがあると思っているのですが、「ラブソング」とCarlosさんの相性がすごくいいんじゃないかな、と。ソロの時はアコギが入っていたけど、今回はエレキになっていたり、ドラムもフィルが入ったり、ベースもラインが動いていたり。ちゃんと“バンドの曲”になったのはCarlosさんのおかげだと思っています。
――KEIさん、MITSUさん、RIKIYAさんは「ラブソング」を聴いた時にどう感じましたか。
KEI:ソロの時に初めて聴いて、めちゃくちゃいい曲だと思いました。それまでKAZUKIは本当にいろんな曲を作っていたんですよ。TikTokでのバズを狙った曲だったり、ヒップホップっぽい曲だったり。そんな中、今では珍しいくらいJ-POP的なメロディーの「ラブソング」が生まれて、本当にいい曲だなと思いました。今回アレンジが変わりましたが、相変わらず素敵な曲ですし、バンドがやるバラードとしてすごくいい形になったと思います。
MITSU:とにかくキャッチーですよね。僕は音楽をメロディー先行で聴いちゃうタイプなのですが、聴いてきたKAZUKIのソロの曲でもいちばんキャッチーだと感じました。しかも、今回アレンジされたことでより綺麗になったというか。曲の切なさにもっと深みが増したのかなと思いました。
RIKIYA:僕はデモを聴いた段階で「めちゃくちゃ好き!」と思って、褒めちぎった記憶があります。制作においては、理解したくても理解してあげられないことがたくさんあると思うんです。その上で、「ラブソング」に関してはKAZUKIが悩んで研究して、J-POPの中でたくさんの人に聴いてもらえるラインはどこだろうと考え抜いた結果の曲なんだなと感じました。
KAZUKI:褒めてくれたっけ? RIKIYAはいつも褒めてくれるから(笑)。
RIKIYA:褒めた、褒めた! たしかに毎回褒めてるけど、嘘はない!
――いい関係性ですね(笑)。KAZUKIさんはこの曲ならではの歌唱法などはおこなっているのでしょうか。
KAZUKI:もともとウィスパー気味というか、息を多めに歌う癖があったのですが、それを少し直しました。ちゃんと歌詞が伝わるように、というか。ソロの時のデモを聴くとすごいんですよ。息が9割、みたいな(笑)。それを指摘されたので、意見を取り入れてこだわって歌ってみました。ただ、もう3年近くも歌い続けていますから。急に全部は直らなくて。僕なりの全力を尽くしました。

――そんな「ラブソング」、皆さんからみたいちばんの魅力はどこにあると思いますか。
KEI:僕は歌詞かなぁ。ちょっと気弱な男の子が主人公なんですが、共感できる方はいっぱいいると思います。なのでぜひ歌詞を見ながら聴いてみてほしいです。ちなみに、僕もめちゃくちゃ共感できます。
RIKIYA:歌詞もすごくいいですし、裏で鳴ってる楽器の演奏も聞きどころのひとつだと思います。裏ではヒップホップ調のビートにバラード系のメロディーラインが走っているという。コテコテのミドルバラードではないところに、こういうラブソングが合わさっているという部分はぜひ意識して聴いてみてほしいですね。
MITSU:僕は、J-POPとしてのメロディーですね。RIKIYAも言っていたように、楽曲のアレンジ自体はブラックミュージックをルーツに感じるようなリズムなんですね。そこにJ-POPのメロディーが融合しているのは強いと思います。本当にメロディーが良くない限り、こういう融合ってできないと思うんですよね。
KAZUKI:僕は大衆性、かな。僕のおじいちゃん、おばあちゃん世代が聴いてもいい曲と思ってもらえると思うんです。「若い方に届けばいいよね」というムードがある中でこういう曲を作るって、今の時代に反していることをやっていて。でも、僕が「ラブソング」をラジオで聴いたら、絶対にShazamすると思うんですよ。そういう意味では、僕らくらいの世代にもちゃんと届くのかな、と。実際、「バンド好きに刺さってほしい」「ヒップホップ好きに刺さってほしい」と思って作っていなくて、100人中90人くらいに「いいね」と思ってほしくて作りました。それに、そう思ってもらえる自信もあります。そんな“大衆性”はいちばんの魅力かなと思いますね。
――たしかに、今の音楽は細分化されていて、好きなものだけを取りにいける仕組みもあって。そう考えると“大衆性”はヒット曲につながるポイントになりそうですね。
KAZUKI:そうなんです。僕は昔J-POPしか聴いていなかったのですが、当時聴いていた曲って、今でもカラオケで歌われているんですよね。わかりやすいメロディーの曲を作ることで、30年後もカラオケでみんなが歌ってくれていたら嬉しいです。
――そして、現在開催中のツアー【BILLY BOO "WIGGLY tour 2025-2026"】で初披露されたとか。
KAZUKI:明らかに反応が良かったです。やっぱり、“メロディーが強力な自信作”なので(笑)。
RIKIYA:まだツアーも序盤なので(※取材は10月下旬、楽曲リリース前に実施)、初めて聴いた方ばかりだと思います。なので、動かずにじっくり聴いてくれている方もいましたが、ツアーが進むにつれてノリよくなってくれそうな気がしています。
KAZUKI:そう、そう。現時点ではまだリリースされていないからね。ここからもっとお客さんと一緒に楽しめそうです。ただ、このツアーで思ったのが「この先BILLY BOOをお客さんにどう見せていこうかな?」という部分。サーキットイベントだと“ロック好き”が集まるのですが、「ラブソング」のような大衆性が出れば出るほど、普段ライブハウスに来ない方も来てくださるようになると思うんです。僕らとしてはロックで派手な音楽を見せたいけど、お客さんはそれを求めていなかったり。そこのバランスを今後模索していかなくちゃいけないなと感じました。

――その塩梅はたしかに難しいですよね。サーキットイベントというワードが出ましたが、皆さん色んな種類のステージに立たれますよね。ステージごとに気持ちの違いはあるのでしょうか。
KAZUKI:ステージ、というよりもリハーサルができるかできないかで変わる気がしています。サーキットイベントだとリハができないんですよ。僕らって、異次元に機材が多くて、しかも省こうとしないんです(笑)。リハ込みの30分で準備をしなくちゃいけない。初めての場所、初めてのPAさん、という状況でも機材を減らさないんです。
KEI:サーキットイベントは入れ替わり立ち替わりでバタバタするので、僕もリハの有無で気持ちが左右されがち。機材の調子もそうだし、そうそうあることじゃないと思いつつも「イヤモニが聞こえなくなったらどうしよう」とかも考えてしまいます。なので、リハはとても大切ですね。
RIKIYA:機材はねぇ、しょうがないんですよ。サーキットイベントだと、1回の出演でどれだけお客さんを掴めるかに本気になっているので、機材を減らさないのが最善策という。いちばんいいものを届けたいんですよね。
KAZUKI:そう、そう。
MITSU:僕がいちばん機材が少ないということもあってか、僕は不安や気持ちの変化はないかもしれません。緊張もしないですね。
KEI:MITSUらしい(笑)。
――では、皆さんにとってのライブの楽しみとは?
KAZUKI:お客さんと楽しむということは大前提の上で、「楽しく歌を歌える」ということが楽しみですね。完璧な状態でライブをすることで、お客さんに思いを届けられるとも思いますから。コンディションの整え方を最近わかってきたこともあって、のびのび歌う楽しみはありますね。
KEI:自分たちの体感と、お客さんのテンション感が一致しているとやっぱりめちゃくちゃ楽しいですね。あと個人的にはKAZUKIの声。僕はKAZUKIの声を(モニターで)大きめに返してもらっているのですが、調子いいと感じた時はぶち上がります。
RIKIYA:僕も、リスナーさんが楽曲を聴いているのを目で見て確かめられることが楽しみです。曲を一緒に楽しむたびに、表現できる喜びを感じています。
MITSU:僕は基本的にライブ自体が楽しいです。ライブをしないならバンドをやっている意味がないと思っているので、ライブの日自体が楽しみで。ライブの日のために生きている感じです。
――“THEバンドマン”らしい回答をありがとうございます。では最後に、BILLY BOOの目指すゴールと現在地を教えてください。
KAZUKI:僕は反骨精神が強めなので、「もっと広がってくれ」という気持ちが今は強いです。ゴールで言うと、「ドームやアリーナ規模でライブをすること」とこの事務所に入ってからずっと言っていて、スタッフたちも信じてくれています。
KEI:前回のツアーでできなかったソールドアウトも出ているので、少しずつ進めている感じがしています。
KAZUKI:そうだね。あとは、「BILLY BOOを聴いていないなんてセンスがない!」と思ってもらえる状態になりたい。そうなるためにも、健康的な状態でバンドを続けて、チームと協力し合って、いい楽曲を届け続けます!

リリース情報
公演情報
【BILLY BOO "WIGGLY tour 2025-2026"】
2025年11月8日(土) 石川・金沢GOLD CREEK
w/ chef’s、Maverick Mom
2025年11月21日(金) 愛知・ell.SIZE
w/ 13.3g、クボタカイ
2025年12月12日(金) 香川・高松TOONICE
w/ 帝国喫茶、Apes
2025年12月13日(土) 大阪・Live House Pangea
w/ 606号室、窓際ぼっち倶楽部
2026年1月24日(土) 福岡・LIVE HOUSE Queblick
w/ クレナズム、osage
2026年1月25日(日) 広島・Cave-Be
w/ シズクノメ、osage
2026年2月7日(土) 東京・Spotify O-Crest
w/ Klang Ruler、雨のパレード
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