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<コラム>SixTONES 映像作品『YOUNG OLD』が映す、煌びやかに進化し続ける6人の“エンターテインメント”

Text:岡本貴之
SixTONESが、10月29日にライブ映像作品『YOUNG OLD』をリリースする。この作品は、今年2025年1月から4月にかけて、5thアルバム『GOLD』を引っさげて行われたSixTONES初の5大ドームツアーから、1月27日に行われた東京・東京ドーム公演の最終日の模様を映像化したもの。いつもながらのハイクオリティなライブパフォーマンスはもちろん、巨大な空間を最大限に生かしたステージセット、照明、特効などの演出による、空前絶後のエンターテインメント・ショーをまるごとパッケージした作品となっている。その内容、見どころを紹介したい。
オープニングで会場中から放たれる赤いレーザーライトの中、メンバーたちの姿が左右のビジョンに映し出されると、飛び交うライティングがブルーに変わり、カメラは客席の全景を映し出す。広い客席に散りばめられた、色とりどりのペンライトの光にうっとりする暇もなく、映像の中、ステージから激しく火花が噴射される中でセットがお目見え。セットというか、もはや城?と思いつつ目を凝らすと、次にカメラが正面から捉えたのは、黄金の大蛇を背にポーズをキメるジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹の6人。「What's up!? TOKYO!!」と叫んだジェシーの第一声を合図に、カメラが引きのアングルで正面からステージを映し出し、黄金に輝く巨大な建築物 “GOLD殿(ゴールデン)”が露わになった。その最上階で大蛇と共に客席を見渡しながらオープニング曲「Golden」を歌い出したサングラス姿のメンバーがひとりずつクローズアップされると、大蛇の鱗を背にしていることがわかる。もしも最初にこの場面から再生してしまったとしたら、「この壁、何?」と思ってしまうかもしれない。6人を乗せた大蛇はそのまま左右にスライドを開始。飛び交うレーザー光線、吹き上がる火花、燃え盛る炎、GOLD殿、そして大蛇。マツケンが6人揃っても敵わないであろう、“Golden”すぎ、豪華絢爛すぎなオープニングは驚愕のひと言だ。映像では、蜃気楼のように揺らぐ画面の中で炎越しにメンバーが映し出される場面も。

「PUNK STAR」で立ち上がった6人は、階段を降りながらのフロウでオーディエンスを煽ると「Waves Crash」へ。ここでもあちこちから炎が立ち昇り、メンバーの周囲は源泉でも掘り当てたんじゃないかというほど、湯気が上がっている。ファーコートに身を包んだ彼らはとんでもなく熱かったに違いない。そんな熱さを感じさせながらも、サングラスを装着した6人のクールな佇まいは、大舞台を積み重ねてきた余裕すら感じさせる。
センターステージで歌われる「Dance All Night」がサビに差し掛かり、それぞれが歩を進める。すると、放射状に3本ずつ広がる花道が2つずつに分割され、アリーナ観客の頭上に橋を架けるように、巨大な六角形に可変する驚きの演出も。メンバーの姿を追いつつ、こうしたシーンも俯瞰で体感することができるのは映像作品ならではの面白さだ。ひと際賑やかな「こっから」では、間奏でジェシーが軽妙に客席に語り掛けながら「右向き、左向き、ムッキムキー!」とコールを集めたのを皮切りに、それぞれが個性豊かに煽り立てる。その後GOLD殿で繰り広げられたバンドによるセッションタイムは、さながら国宝建築を舞台にしたような荘厳な光景。そんな落ち着いた雰囲気で披露される、松村と森本による「Don’t Know Why」のハーモニーは格別の心地よさだ。かと思えば、Kroi提供の「Underline」では都会的なファンクチューンに乗せて6人で歌い踊り、和洋折衷なエンターテイメントショーを展開する。「Strawberry Breakfast -CITY ver.-」で花道に散らばりながら手を振るメンバーたち。髙地はスタンドに向かって「しっかり見えてますからね! たくさん手を振ってください。素敵な景色を見せてくれてありがとう!」と呼び掛ける。「BORDERLESS」ではメンバー間で笑い合うリラックスムード、楽しげな表情にほっこり。
「こっから」from LIVE DVD/BD「YOUNG OLD」(2025.1.27 TOKYO DOME)
バンドの超絶なベースのタッピングソロで始まったのは、マキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン)による提供曲「恋のバタリアン」。ポップな映像演出の中、キャッチーなメロディ、時折オートチューンがかかるボーカル、デスボイスからヘドバン、ブラストビートに乗って走り回りシャウトするなど、カオス極まる一曲で見どころ満載だ。
MCコーナーでのやりとりもファンにはたまらない。初回盤には東京ドーム公演初日(1月24日)から愛知・バンテリンドーム ナゴヤで行われたツアーファイナル2日目(4月14日)までの各公演MCダイジェストが収録されており、各地でのトークが満喫できる。ボケまくるメンバーに対して冴えわたる田中のツッコミ集と言っても過言ではない。2月23日の大阪・京セラドーム大阪公演では、リアルタイムで放送中の地上波バラエティ番組を会場のビジョンで鑑賞して、冠番組の『Golden SixTONES』レギュラー化発表の瞬間を観客とともに見届けた場面も収録されている。
ライブ本編では、MCコーナーの後にアコースティックコーナーへと続き、「Curtain Call」「ここに帰ってきて」で柔らかな演奏とともに6人の優しい歌声が届けられる。立ち上がり躍動しながら歌われる「ONE by ONE」、「キカナイ」までのセクションは衣装も相まって舞台芸術的な演出で、激しさとはまた違う繊細でアーティスティックな姿を見つけることができるはず。ジェシーと京本によるシンフォニックなバラード「You are the only one」、髙地と田中による「PARTY ANIMAL」と、6人でのパフォーマンスの間に挟み込まれるユニット曲もまた、メンバーごとのパーソナリティを浮かび上がらせている。
ライブは終盤へ。エキゾチックな音像に乗せて、そびえ立つGOLD殿に鎮座する大蛇が真っ赤に染まり、東京ドームを異世界へと誘う。炎があちこちから激しく立ち昇ると、「ABARERO」のイントロと共に、アリーナに真っ赤な目を光らせた大蛇を船首にした大船が登場した。とにかく、デカい。映像で見てもとてつもなくデカくて迫力がすごい。大きく口を開き、煙を吐き出しながらアリーナを進む船、そこから身を乗り出した6人は、海賊団のごとく突き進みながら、「Special Order」で〈邪魔するヤツ bang bang bang/暴れ回れ get crazy〉と、扇動しながら、さらに「まだまだ暴れるぞ~!」(髙地)とドーム中を闊歩する。

高速BPMなキックが焦燥感を煽る「Bang Bang Bangin’」で興奮を掻き立てると、GOLD殿へと帰還した6人を迎えた盛大な火花を合図に、「SHOCK ME」へ。歌い出しと同時に、ステージからはものすごい爆発音とともに火柱が吹き上がった。火花が飛び散り、ステージライトが点滅して、混沌としたステージ上で、飛び跳ね、ステップを踏み、瞬間的に笑顔も見せながら激しく踊る6人。映像ではメンバーにフォーカスを当てているが、映像の視点が俯瞰に替わると、絶え間なく炎が吹き上がり目も眩むほどの状況下でのパフォーマンスであることがよくわかる。SixTONESが見せるダンス&歌の熱量×オーディエンスの熱気×特効の熱イコール、果たして東京ドームの室内計はこのとき何℃だったのだろうか。これ以上ない興奮のるつぼと化した曲の最後にも、天井高く特効が炸裂。曲はすかさず「WE ARE ONE」へと続いていく。壮大なサウンドスケープが広がり、客席が明るく照らされて、金色の吹雪が舞上がる中、まるで夢でも見ていたかのように、GOLD殿の奥に6人のシルエットが消えた。
アンコールでは、湘南乃風からの提供曲「Fiesta」でそれぞれがトロッコに乗り込んでアリーナを周遊。会場中がタオルをぐるぐる回す中、和をモチーフにしたトロッコに乗った京本が扇子、森本が番傘を広げたりと、自由極まりない開放的なムードでハッピーを振りまいた。「音色」で大合唱となりカラフルな紙吹雪が舞う、エンディングに相応しいシーンでしっとり終演……かと思いきや、「いい曲の後に、失礼致します」(森本)、「どうぞ」(田中)と掛け合って、森本が歌い出したのは「WHIP THAT」。東京ドームがジャンプで揺れて、興奮の余韻を大きく残した客席の全景で、本編映像は締めくくられた。
「THE BALLERS」from LIVE DVD/BD「YOUNG OLD」(2025.1.27 TOKYO DOME)
本編映像は約2時間20分、全31曲を収録している。初回盤には、文中でも触れた各会場でのMCのダイジェスト『SixTONES MC digeST from YOUNG OLD』を収録。また、メンバーによる『「YOUNG OLD」ビジュアルコメンタリー』も収録されている。こちらは1時間半弱に渡り、ライブ本編映像を観ながらメンバー全員が場面ごとのエピソードや、客観的に見た感想などを語り合っている。ステージセットや演出を見て口々に「セットの威圧感ヤバい!」「意味わかんないもんなあ」と、当の本人たちから見ても驚きのセットだったようだ。ステージ上の6人とはまた違う、和やかながら真剣に映像を見つめる、素に近い彼らの表情を見ながら一緒にライブを観ることができるのは、ファンにとっては至福のひとときだろう。コメントを受け、ついつい「今のところ、もう一回見よう」となって、なかなか先に進めないのも悩ましい映像だ。なお、初回盤にはライブ映像商品では初となる特典CDとして、ライブ音源を収めた『YOUNG OLD 2025.01.27 TOKYO DOME』が付属し、映像と同じ1月27日東京ドーム公演の模様を音源だけでも楽しむことができる。映像を観ながら聴くときとは、きっとニュアンスも違って聴こえるのではないだろうか。
豪華絢爛、ド派手なセット、演出を最大限に活かせるのは、それらを凌駕する歌、ダンスパフォーマンスが最上級だからこそ。現時点で極上のエンターテイメントショーも、次のライブではさらなる未知のチャレンジを見せてくれるはず。そんなSixTONESに思いを馳せながら、ライブ映像作品『YOUNG OLD』を思う存分楽しんでみては。
「YOUNG OLD」LIVE DVD / Blu-ray digeST
リリース情報
関連リンク
YOUNG OLD
2025/10/29 RELEASE
SEXJ-25/6
Disc01
- 01.Golden
- 02.PUNK STAR
- 03.Waves Crash
- 04.DON-DON-DON
- 05.Dance All Night
- 06.こっから
- 07.Don’t Know Why
- 08.Underline
- 09.Strawberry Breakfast -CITY ver.-
- 10.BORDERLESS
- 11.Cat Call
- 12.MIDAS
- 13.恋のバタリアン
- 14.Curtain Call
- 15.ここに帰ってきて
- 16.ONE by ONE
- 17.キカナイ
- 18.You are the only one
- 19.SPICY
- 20.THE BALLERS
- 21.GONG
- 22.PARTY ANIMAL
- 23.ABARERO
- 24.Special Order
- 25.Bang Bang Bangin’
- 26.SHOCK ME
- 27.WE ARE ONE
- 28.Fiesta <EC>
- 29.Good Luck! <EC>
- 30.音色 <EC>
- 31.WHIP THAT <EC>
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