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<インタビュー>THE RAMPAGE結成10周年を経て「憧れ」のビルボードライブへ――RIKUによる新たな挑戦

Interview & Text:黒田隆憲
Photo:Yukitaka Amemiya
昨年結成10周年を迎えたTHE RAMPAGEのヴォーカル・RIKUが、いよいよビルボードライブのステージに立つ。「憧れ続けた夢のステージ、全身全霊で挑みます。僕の全てを詰め込みます」と本人がコメントしているように、フルバンド編成で臨む今回の公演はその歩みの集大成にして、新たな挑戦の幕開けとなるだろう。歌への強い矜持を胸に、RIKUは今どんな景色を見据えているのだろうか。
ビルボードライブへの“想い”と音楽への“誇り”
――今回のビルボードライブ公演が決まった時の心境をお聞かせください。
RIKU:飛び跳ねるくらい嬉しかったです。先輩方では三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんやGENERATIONSの数原龍友さんなどもこのステージに立たれていますが、僕にとってビルボードは「歌手として絶対に立ちたい場所」でしたし、それくらい歌に人生をかけてやってきた自負があります。「歌では他の誰にも絶対に負けない」という気持ちを常に持ってきたんです。ようやくその想いを解き放てる日が来たと思うと本当に感無量ですね。

――今回の公演はフルバンド編成で臨むと伺いました。
RIKU:はい。完全にフルバンドで、データも打ち込みも一切なし。嘘も逃げもない、“本来の音楽のライブ”をやります。ある意味では「RIKUというバンド」を組んだようなものですね。これまでとはまた違う、新しい姿を楽しんでいただけると思います。
――しかも追加公演が決まりましたね。
RIKU:そうなんです! 先日マネージャーから連絡をいただいたのですが「もちろんやらせてください!」と即答しました。ありがたいことに、チケットを取れない方がたくさんいるのは分かっていました。だからこそ「もっとこういう機会を増やさなければ」と考えていた矢先だったので、追加公演が決まったときは本当にうれしかったですね。感謝の気持ちを持って全力で挑みたいと思います。
青春そのもの、湘南乃風との再会から生まれた新曲
――THE RAMPAGEとしては、10月に湘南乃風をフィーチャーした新曲「自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat. 湘南乃風」がリリースされました。
RIKU:きっかけは、横浜アリーナで開催されたイベント【DayDay. SUPER LIVE 2024】に出演したときでした。その時に湘南乃風さんと一緒に「純恋歌」を歌わせていただいたんです。僕らの世代にとって、湘南乃風さんはまさに青春そのもの。カラオケでも必ず歌っていたし、メンバー全員でステージに立ってタオルを振り回したあの時間は、本当に夢のようでした。
そのとき「いつか一緒にやりたいです」とお話ししたことを、湘南乃風さんも覚えていてくださっていて。1年越しにこちらからオファーさせていただいた際に快諾していただき、若旦那さんの全面的なプロデュースとご協力のもと、この楽曲が完成しました。
――若旦那さんのプロデュースはどのように感じましたか。
RIKU:正直、今までの僕らのレコーディング方法とはまったく違いましたね。どちらかというと海外のスタイルに近くて、その瞬間のバイブスを大切にして、いいテイクを探していく感覚でした。ヒップホップやレゲエの要素に加えてR&B的なニュアンスもあって、「もっとアフタービートで」とずっと言われ続けたんです。最初は「これ、遅れすぎじゃないかな」と不安になるくらいレイドバックした歌い方でしたが、最終的に作品としてしっかりまとまった。自分の中のR&Bのセオリーをいい意味で壊してくれる、貴重な経験になりました。

――レコーディング中で特に印象に残っているエピソードはありますか。
RIKU:もともとガイドはHAN-KUNさんが入れてくださっていたんですけど、「このフェイクは真似しなくていいから、自由にやってみて」と言われて。1回だけトラックを聴かせてもらって、その場の感覚で歌ったら「OK!」と。その一発で決まったんです。普通なら何度も録り直して整えるところを、あえて最初のラフなテイクを採用する。そのギリギリのバランス感覚を信じてもらえたのが印象的でしたね。
僕自身、欲を出すと逆にいいものが出ない性格なので(笑)、最近は「これでいける」と思ったら一度ディレクターに聴いてもらって、その判断に委ねるようにしています。結局聴くのはファンの皆様(お客様)なので、第三者の耳を信じることが大事。その意味でも今回のセッションは、自分の考えを確信に変えてくれる経験になりました。
“根っこ”として支えながら、“声”で新しい夢を咲かせたい。
――グループの中でのRIKUさん自身の役割、特にヴォーカリストとしての立ち位置はどう捉えていますか。
RIKU:グループを「木」に喩えた場合、自分自身は地中にしっかり根を張る「根っこ」だと思っています。どれだけ強い風や波、台風のような状況が来ても、根が大地を掴んでいれば木は倒れない。そういう存在でありたいし、「僕がそこにいればTHE RAMPAGEは倒れない」と思えるように支えていきたいんです。
華やかに枝葉を伸ばし、花を咲かせるのはほかのメンバーの役割。歌があるからこそパフォーマーが踊れるし、16人それぞれのバランスを見ていると、僕はやっぱり「根っこ」だなと感じます。グループを支える見えない存在であることを意識しながら立ち回っているつもりですね。
――今後、さらに挑戦してみたいことはありますか?
RIKU:声優ですね。アニメの声優はどうしても挑戦してみたいです。特に僕はディズニーが大好きで、ずっとマネージャーにも「いつかディズニー作品に関わりたい」「主題歌を歌いたい」と言い続けてきました。もしプリンセス作品に登場する王子の声を担当できて、さらにTHE RAMPAGEで主題歌を歌えたら……本当に夢のようだと思います。
普段から練習も兼ねて、ディズニー映画を流しながら王子のセリフを真似したり、好きなアニメキャラクターのセリフを覚えて声を当てたりしているんです。いわば自宅でひとりオーディションごっこをしているような感じですね(笑)。歌や芝居で培ってきた経験を活かしつつ、“声”という新しい表現の領域でも挑戦してみたいと思っています。

――歌い続ける中で、特に大切にしていることは?
RIKU:一番は「嫌いにならないこと」。好きなものを好きでい続けるのって、実はすごく難しいんです。趣味のレベルなら純粋に楽しめるけれど、仕事になるとそこには必ず他者からの評価が伴う。そうなると「好きでい続ける」こと自体が難しくなってしまう。だから僕は「無理に好きでいよう」とはせず、「嫌いにならない努力」で十分なんじゃないかと考えるようになりました。それが結果的に心のバランスを保ち、歌い続ける秘訣になっている気がします。
そうすると逆に、ふとした瞬間に「やっぱり楽しいな」と思えるんです。たとえば16人で肩を組みながら、汗だくになって声を張り上げているとき。「ああ、この瞬間が最高だ」と自然に思える。そして、その景色の中でファンの皆さんが笑顔を見せてくれたら、もっと楽しくなる。だからこそ「嫌いにならないこと」。これが僕にとって一番のセルフケアです。
――なるほど。
RIKU:もうひとつは、プライベートの時間をどう過ごすかですね。僕の場合はサウナやサッカー、格闘技、そして何より食事です。ご飯が本当に好きで、それがリフレッシュにつながっています。大事なのは「自分が何をしたら気分が晴れるのか」を知っておくこと。人によっては一日中寝ることかもしれないし、ジャンクフードを思い切り食べることかもしれない。買い物や旅行、ドライブだっていい。自分をリセットできる方法を知っておくことは、歌を続けていくうえで欠かせないことだと思います。「自分を知る」「自分を嫌いにならないようにする」。この二つは、僕にとって歌と向き合うための大切な基盤ですね。
――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
RIKU:ビルボードライブ会員の皆さま、そして今回のライブに応募してくださった大切な皆さま。本当にありがとうございます。普段から音楽を愛し、多くの音楽に触れている方々が集まる場所だと思いますので、きっと耳も肥えていらっしゃるはずです。そんな皆さまの前に立てることは、僕にとって大きな挑戦であり、同時にとても光栄な機会です。まだまだ若輩者ですが、必ず新しい衝撃をお届けできるよう、誠心誠意準備をしています。音楽を通して、皆さまの心に残る時間を一緒に作りたい。その一心で臨みますので、どうぞ楽しみにしていてください。よろしくお願いします。

リリース情報
シングル「自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat. 湘南乃風」
- 2025/10/15 RELEASE
公演情報
【RIKUのMUSIC TIMES Billboard Live Tour】
2025年11月25日(火)
大阪・ビルボードライブ大阪
1st stage open 16:30 start 17:30
2nd stage open 19:30 start 20:30
公演詳細>>
2025年12月1日(月)、11日(木)
東京・ビルボードライブ東京
1st stage open 16:30 start 17:30
2nd stage open 19:30 start 20:30
12/1(月)公演詳細>>
12/11(木)追加公演詳細>>
関連リンク
自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat.湘南乃風
2025/10/15 RELEASE
RZCD-67390
Disc01
- 01.自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat.湘南乃風
- 02.“BOOM”
- 03.自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat.湘南乃風 (LIVE)
- 04.自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat.湘南乃風 (INSTRUMENTAL)
- 05.“BOOM” (INSTRUMENTAL)
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