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<インタビュー>xikersが10人完全体で挑む、新たなサウンドの夜明け『Up All Night』

インタビューバナー

Text & Interview: 坂本ゆかり
Photos: 筒浦奨太

 ATEEZの弟グループとして2023年3月に『HOUSE OF TRICKY : Doorbell Ringing』で韓国デビューしたxikers(サイカース)。昨年8月には『Tsuki (Lunatic)』で日本デビューを果たした。約1年ぶりの日本での2ndシングル『Up All Night』では、昨夏の日本デビューに活動休止中で参加できなかったJUNGHOON(ジョンフン)が復帰し、ついに10人の完全体に! 韓国での『HOUSE OF TRICKY』シリーズとはカラーの異なる日本オリジナル曲で新たな魅力を見せてくれるxikersに、完全体10人としては初、グループとしては2度目となるインタビューを敢行した。

左から:
(上段)MINJAE、HUNTER、JUNGHOON
(中段)HYUNWOO、JINSIK、YUJUN、SEEUN
(下段)SUMIN、JUNMIN、YECHAN

──JUNGHOONさんは、今回が初の日本活動になりますね。

JUNGHOON(ジョンフン):はい。日本のファンの皆さんに初めてお会いできるので、xikersらしさ、そして僕らしさが出せるように、一生懸命準備してきました。

MINJAE(ミンジェ):日本活動の直前に、韓国で『HOUSE OF TRICKY : SPUR』の活動があったんです。久々のカムバックで忙しかったのですが、JUNGHOONはデビュー前から日本語の授業を頑張っていたし、元々実力もあるので、心配はなかったですね。自然に合流して溶け込んでいました。

──韓国アルバム『HOUSE OF TRICKY : SPUR』は、xikersにとって初の完全体カムバックとなりました。久々に10人揃っての活動はいかがでしたか?

JUNMIN(ジュンミン):改めて僕達のチームワーク、そしてメンバー間のシナジーがよく見えたんじゃないかな? roady(xikersのファンの名称)の皆さんにも喜んでもらえたと思います。

HUNTER(ハンター):そうそう。なんだかデビュー当時のことを思い出して、新鮮な気持ちになりました。


MINJAE、JUNMIN、JUNGHOON、HUNTER


──日本デビュー時は9人での活動でしたが、今回の日本での2ndシングル『Up All Night』では10人の完全体になりました。タイトル曲「Up All Night」は、これまでの楽曲とも一味違って、すごく新鮮ですね。

一同:ありがとうございます。

YECHAN(イェチャン):「Up All Night」は清涼感があるし、聴く人が力をもらえるポジティブさもあります。

MINJAE:そうだね。ジャンルでいうとシティポップになるのかな。ベースのラインが魅力的なシティポップにxikersの個性を足して、「こういう面もあるんだ」という新しい一面が見せられる曲になりました。

──歌詞の世界観は?

SUMIN(スミン):答えのない問いに不安定になったり、なんだかやれる気がしてみたり、自分と他人との違いに迷いながらも自分なりに前進して行けたらという“青春の揺らぎ”が詰め込まれています。

──ラップラインのMINJAEさん、SUMINさん、YECHANさんはラップ詞の作詞に参加されていますが、どういうことをイメージして、どうやって作っていったのでしょう。

YECHAN:まず僕たちが韓国語で歌詞を書いて、それを日本語に翻訳してもらうところから始まりました。

SUMIN:今回は、涼しげな曲調に合わせて、朝方に聴くことをイメージしました。希望に溢れたワードを心がけました。

YECHAN:明るい雰囲気の曲なので、僕はちょっとメロディカルな雰囲気の歌詞も使って、朝方のアンニュイな感じを表現してみました。

──MINJAEさんから「シティポップだ」というお言葉がありましたが、「Up All Night」には80年代のエレクトロサウンドのリバイバルが用いられていますよね。皆さんが生まれる前の時代ですが、この時代で興味のあることは?

SEEUN(セウン):80年代か……。1988年にソウルでオリンピックがあったので、それを見たかったな。

JINSIK(ジンシク):今、デジカメとかレトロ感性のカフェが流行っていますが、80年代に行ったら、リアルタイムですよね。それをちょっと経験してみたいな。

──80年代はまだデジタルカメラが普及していないかも……。

JINSIK:あーー、フィルムカメラの時代なんだ!

HUNTER:家族と一緒に車で出かけると、両親が「お父さんとお母さんが、デートの時に聴いていた曲だよ」と80年代のR&Bとか、ジャズを聴かせてくれてたのを思い出します。


SUMIN、JINSIK、SEEUN、YECHAN


──ご両親の青春時代ですね。「Up All Night」には“青春の揺らぎ”が詰め込まれているということですが、皆さんが青春に費やしたものとは?

JUNMIN:学生時代はデビューを目指して全力を尽くしたと思います。xikersとしてデビューできたので、青春の夢を叶えたと言えるのかな。

SEEUN:うん。xikersとしてデビューできて、普通の人には経験できない感情を受け止めることが多いので、僕らの青春は、“熱い青春”と言えるんじゃないかな。ステージの上でファンの皆さんの声援を浴びるのって、特別で熱い瞬間だから。

──まだまだ青春真っ只中だと思いますが、お仕事以外で青春を謳歌した思い出も教えてください。

JINSIK:3年くらい前にアメリカに行った時、メンバー全員でキャンプファイヤーをしたんです。海が見える場所でマシュマロを焼いたりして、すごくロマンチックで、「これが青春か~」と思いました。

SEEUN:まだデビュー前の練習生だったので、「デビューしよう!」と熱い話をしたよね。今年5月にアメリカの【102.7 KIIS FM Wango Tango 2025】というフェスに出演したのですが、その会場が3年前に僕らがキャンプファイヤーをした場所だったんです。だから、感慨深かったですね。

──それは、ステキな偶然でしたね。青春には悩みがつきものです。皆さんは悩みができたとき、どう解決しますか?

HYUNWOO(ヒョヌ):大小はわからないけれど、みんなそれぞれ抱えている悩みはあるよね。

SEEUN:メンバーに相談する時は、悩みの分野によって相談する人が変わるかも。

HUNTER:僕は、解決するために積極的にみんなに相談をして、自分の中で整理をしていくタイプ。メンバーや家族から助言をもらいます。

YUJUN(ユジュン):僕は逆に、あまり相談しないです。「悩みは時間が解決してくれる」と考えるタイプなので、時間が経つのを待ちます。


HYUNWOO、YUJUN


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──カップリングについても聞いていきましょう。「100%」は、どんな曲でしょう。

JINSIK:初めて聞いた時に、すごくはじけた明るい曲という印象を受けました。だからレコーディングの時もテンションを上げて歌うことを意識しました。

HYUNWOO:そうだね。僕はライブ会場を走り回りながら歌うことをイメージしながらレコーディングに臨みました。

JUNMIN:曲調がリズミカルで、はじける感じだよね。

MINJAE:そう、すごくポップな曲。歌詞も「一緒なら100%何でも可能だ」というポジティブなもので、僕はroadyと一緒なら何でも可能だと捉えています。

SUMIN:僕は100%以上を考えてるよ! ラップ詞を書くときに、100%の目標はすでに達成しているけど、それ以上の200%を目指すことを考えました。

──この曲は、ラップの構成が面白いですね。

MINJAE:そうですね。ラップのパートが独特です。他の曲との差別化をどうすべき悩んだ時に、ちょっと予想できないラップのパートを配置して楽しさを取り入れようと話し合いました。なので、メンバー同士のケミストリーを意識しながら聴いてみてください。

──歌詞を書く時は、メンバー間で相談などするのですか?

MINJAE:ラップラインの3人は普段からコミュニケーションを取っていて、歌詞や構成に関しても楽しくアイディアを出しながら進めていくタイプですね。

──では、「100%」はどのように?

MINJAE:1番、2番、3番それぞれのラップパートを、最初は3人で順番に配置したんです。でもレコーディングの直前に順番を変えてみました。それで完成度が高く、おもしろい作品になりました。

──もう1曲の「Period」はどうでしょう?

SEEUN:バラードのような穏やかな曲なのですが、歌詞は力をもらえる内容で、僕たちもとても気に入っています。

HUNTER:最初に聴いた時に、うまく歌えるかちょっと心配したんです。でも、練習生時代にバラード曲をたくさん練習したのを思い出したら、安心して歌うことができました。

YUJUN:個人的にすごく好きなジャンルだったので、僕は練習にも力が入りました。

JUNGHOON:最初に聴いた時に、歌い出しのパートがすごく気に入って、そこをすごく練習していたんです。そうしたら、その歌い出しのパートを僕がゲットできたんです! 自分の個性を加えてスタイリッシュに仕上げられたんじゃないかな。

──この曲もラップラインの3人がラップ詞を書いていますね。

YECHAN:静かな曲なので、きれいな歌詞を書こうと思いました。この曲にはちょっと仕掛けがあって、韓国曲「Break A Leg」で僕が「夕方でも靴紐を結んで走る」という歌詞を書いたのですが、それを「Period」でも引用していて、〈だから今日もいつも通り靴紐を結びGo〉という歌詞を書いてみました。

──そうなんですね。比べてみると面白いかもしれないですね。

YECHAN:そうですね。

SEEUN:今回収録された3曲は、全曲明るくてポジティブな雰囲気です。僕たちも力をもらっているし、聴いてくださる皆さんにも力を与えられる曲になったら嬉しいです。

──先日、【xikers 2025 WORLD TOUR [Road to XY : Enter the Gate] IN TOKYO】が行われました。ライブの感想を教えてください。

SEEUN:日本では2回目の単独公演ですが、JUNGHOONにとっては初めての日本公演です。roadyも喜んでくれたし、僕たちも楽しかったです。

YUJUN:今回はJUNGHOONも一緒だったので、より楽しいライブになりました。

YECHAN:前回の【xikers WORLD TOUR TRICKY HOUSE : FIRST ENCOUNTER IN JAPAN】よりもさらに、観客とコミュニケーションを取ることを意識していました。

JUNMIN:うん。今回は上手くコミュニケーションが取れたと思います。日本語も上手くなったしね(笑)。

HYUNWOO:日本語、頑張ったよね。僕も普段から日本語の勉強を頑張っていますが、けっこうアドリブでトークできたのが楽しかったです。

JINSIK:セットリストは激しい曲が多かったのですが、たくさん準備もして鍛えてきたので、完成度が高いパフォーマンスを見せられたと思います。

YECHAN:とても成長したツアーになりました。次回はもっといいステージで、もっといい曲を披露しますね!

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──日本公演でのTMIがあったら教えてください。

JUNGHOON:僕がYUJUNにジャケットを渡すところがあるのですが、初日の公演で、ジャケットを渡したら、ボタンとチャックが全部閉まっていて……(笑)。

YUJUN:焦りました! 着替えて「ジャン!」と登場するはずなのに、全部閉まっていたので着られずにジャケットを投げて登場しました。

SEEUN:えっ、そうだったんだ。今、初めて知りました(笑)。


JUNGHOON


YUJUN


SEEUN

──今回日本で楽しんだことはありますか?

YECHAN:牛かつを食べに行きました! 5人で行ってトータル30人分は頼みましたね。美味しすぎて、食べ過ぎました(笑)。

HYUNWOO:そのときのメンバーは、僕とSUMINとYUJUNとHUNTERとYECHANです。

MINJAE:うわっ、食べるのが好きなメンバーばかりだね(笑)。

YUJUN:ちょうど混んでいない時間だったので、ヒレとかロースとかいろいろな部位やメニューをチャンスとばかりに頼んだら、店員さんもちょっと焦っていました(笑)。僕はヒレが美味しかったです。

HUNTER:僕は牛タンが一番好き!


YECHAN


HYUNWOO


MINJAE


HUNTER

──コンビニ生活は充実していましたか?

JINSIK:今日で日本にいるのが一週間になりますが、僕は一日一個、コンビニの納豆巻きを食べています。めっちゃ好きなんですよ(笑)。

HYUNWOO:JUNGHOONがまだ日本に慣れていないので、みんなでいろいろ楽しみを教えてあげているんです。僕はコンビニのクリームブリュレアイスをオススメしました。

JUNGHOON:美味しかったです!

SUMIN:僕は日本のコンビニで買えるプロテイン飲料が好きです。スッキリとした甘さで飲みやすいですよね。

JUNMIN:僕はコンビニの明太子バターパスタにハマりました。美味しすぎて、3日連続で食べました。

HYUNWOO:JUNMIN兄さんはぬいぐるみが欲しくてコンビニのくじに挑戦したのに、何も当たらなかったよね(笑)。

JUNMIN:はい(笑)。


JINSIK


SUMIN


JUNMIN

──去年の夏は、日本デビューのプロモーションで長く日本に滞在していましたが、去年の夏にどんなことをしたのか教えてください。

SEEUN:メンバー全員で、渋谷でショッピングをしました。あれ、楽しかったなぁ。僕は帽子とTシャツを買いました。

HYUNWOO:僕は、JINSIKとSUMINと一緒に撮影で東京タワーに登ったことが記憶に残っています。

SUMIN:天気がよくて、景色がすごくキレイだったよね。あんなに高いのに、床がガラス張りになっていて、下が見えて! 怖かったけど、みんなで楽しく遊びました(笑)。

JINSIK:東京タワーもすごく楽しかったし、この3人で『チームラボボーダレス』にも行ったんです。僕は美術館自体に行くのが初めてだったし、こんなに五感を満足させる展示があるんだと、どれもがとても新鮮で楽しかったです。不思議な感覚でした。

HYUNWOO:うん。香りやライティングの展示が体験できて不思議でした。説明がなくても楽しめるアートもあるんですね。


YUJUN:僕とSEEUN兄さんとJUNMIN兄さんは、同じ撮影で「サモエドカフェ」に行きました。サモエドが可愛かった~。もふもふしてました。

SEEUN:うん、めっちゃかわいかった!

JUNMIN:想像以上に大きくて、想像以上にかわいくて。最高でした!


──ほかに日本で行ってみたいところはありますか?

YUJUN:大阪のUSJに行ったことがあるのですが、また行きたいです。

HUNTER:僕は温泉に行ってみたい!

YECHAN:僕はお化け屋敷に行きたいです。今回、僕はHUNTERと同じ部屋に泊まっていて一緒にホラー映画を観たんです。そのノリで、恐怖体験をしてみたくなりました(笑)。怖いところありますか?

──富士急ハイランドとか、いっぱいありますよ!

YECHAN:お~、行ってみたい!

──早くも夏の様相ですが、今年はどんな夏を過ごしたいですか?

YECHAN:今年の夏は、JAPAN 2ND SINGLE『Up All Night』をリリースするので、また日本のファンの皆さんともいろんな楽しい思い出を作っていきたいと思います!

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