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<座談会インタビュー>みんなが主人公になれる――木村ミサP×FRUITS ZIPPER×CANDY TUNE、それぞれの個性を認め合う『KAWAII LAB.』の理念【MONTHLY FEATURE】

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Interview & Text:Takuto Ueda
Photo:Shintaro Oki(fort)

 Billboard JAPANが注目するアーティスト・作品をマンスリーでピックアップするシリーズ“MONTHLY FEATURE”。今月は、『KAWAII LAB.』所属のアイドルグループ、FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌と真中まな、CANDY TUNEの福山梨乃と南なつ、そして『KAWAII LAB.』の総合プロデューサーを務める木村ミサの座談会インタビューをお届けする。

 『KAWAII LAB.』は、きゃりーぱみゅぱみゅや新しい学校のリーダーズなどを擁するアソビシステムが、日本のアイドル文化を世界に向けて発信するために発足したプロジェクト。2022年4月にデビューしたFRUITS ZIPPERは、TikTokで大きなバズを巻き起こした「わたしの一番かわいいところ」がきっかけでブレイクを果たし、今では単独でさいたまスーパーアリーナ公演を成功させるほどの人気を集めている。

 そんなFRUITS ZIPPERに続く新たなグループとして、2023年にはCANDY TUNE、2024年にはSWEET STEADYとCUTIE STREETがデビューし、いずれも精力的に活動中。なかでもCANDY TUNEは、2024年4月にリリースした「倍倍FIGHT!」が今、大きな話題に。SNSではユーザーの“踊ってみた動画”が急増し、マイナビティーンズラボによる『2025年上半期10代女子が選ぶトレンドランキング』では、“倍倍FIGHT!ダンス”が『コト部門』の1位に輝くなど、中毒性の高い楽曲とキャッチ―な振り付けがティーンの心を掴んでいる。

 『KAWAII LAB.』の総合プロデューサーで、自身もアイドルやモデルとしての経験を持つ木村ミサを交え、それぞれのグループの個性や強み、お互いに対する印象やリスペクトなど、語ってもらった。

「今ならできるかも」と思った

――まずは『KAWAII LAB.』が生まれた経緯から教えていただけますか?

木村:私がもともとアソビシステムでアイドルをやっていたんですけど、それ以前からずっとアイドルに関わる仕事はしたいと思っていて。そのときは自分が(アイドルを)やる選択をしたけど、どちらかと言うとグループを俯瞰で見て、「メンバーがこうやったらかわいいんじゃないか」みたいなことを考えているタイプの人間でした。

――グループに加入した理由も、ほかのメンバーから「アイドルに詳しいメンバーがいてほしい」と誘われたからでしたよね?

木村:はい。そこが解散したあともアイドル関係のお仕事は続けたいと思って、アソビシステムにも残っていたんですけど、何回か社長から「一緒にアイドルを作らない?」というお話はいただいていて。環境とか、いろんなものが整わないとできないなと思って、最初はお断りしていたんですけど、コロナ禍ぐらいのときに、本気でアイドルをやりたいというお話と真剣なビジョンを聞いて、すごくうれしかったのと同時に「今ならできるかも」と思ったんです。

――何故そのときならできると思ったのでしょう?

木村:それこそ環境ですね。例えば、当たり前のことですけど、ちゃんとしたレッスンを受けられるようにしたり。私がアイドルをやっていた頃は、活動するのがなかなか大変だったので、そういう部分を整えられるならというお話をして、事務所も「そうしよう」って応えてくれたのが『KAWAII LAB.』プロジェクトの始まりでした。




――「アイドル時代にもっとこういうことができていたら」という無念も原動力としてあったわけですね。

木村:もちろんありましたし、逆にアソビシステムだからこそ、大きなフェスに出たり、海外遠征をしたり、アイドルじゃなかなかできないこともできると思っていたので、そういう自分がやりたいことも鑑みて、今やるべきだなと思いました。

――『KAWAII LAB.』のメンバーはどのように集められているのでしょう? もともと芸能関連のお仕事をされていた方も多いですよね。

木村:そうですね。それこそFRUITS ZIPPERとCANDY TUNEの2組は特にそうで、オーディションもやってはいたんですけど、最終的には私たちと縁があって、面談とかをして選んだメンバーが多いです。“選んだ”というより“やりたいと言ってもらった”という感覚のほうが近いんですけど。

――メンバーの皆さんはお誘いを受けた当時、どんな心境でしたか?

真中:FRUITS ZIPPERは全員がミサさんと知り合いだったわけじゃなくて、それぞれが別の方の紹介で誘ってもらったので、ほかのグループとは成り立ちがちょっと違うかもしれないです。お互いが知り合いだったわけでもなくて、全員が最初からアイドルを目指していたわけでもないし、そういう意味ではちょっと特殊ですよね。

――真中さんはダンサーを目指していたとおっしゃっていましたよね。

真中:「アソビシステムでアイドルをやるんだけど興味ないかな?」と誘っていただいて、お話を聞きに行って、ミサさんがいろいろ説明してくださって。当時はどんなことになるのかも全く分からなかったし、ミサさんのお話に対する直感みたいなもので入ったところはあります。

鎮西:私はもともとアイドルではない形でアソビシステムに所属することが決まっていたんですけど、事前に社風とかを知っておいたほうがいいなと思ってホームページを見たんです。そこにアイドルのオーディションのお知らせが載っていて、締切が翌日だったので、ギリギリだったんですけど担当の方に「私、実はアイドルやってみたくて」とお話ししたら、数日後にミサさんたちとお会いすることになって。




――どんなお話をされたのですか?

鎮西:そのときに聞いていたのは、生歌を大事にしたいということ。あとは、誰かをセンターにするのではなく、それぞれが輝けるようなグループにしたいって。私自身、アイドルにすごく詳しいというわけではなかったけど、あまりそういうグループって思い浮かばないし、新しいことができるかもしれないと思いました。「アイドルやりたい」とは言ったものの、自分の中ではまだ迷っていて。でも、そのお話を聞いたときに「ここだったら自分のやりたいことができるな」って、ワクワクを感じたのが大きかったですね。

――“生歌”には強いこだわりがあった?

木村:整えたかった環境のひとつとして、ボイトレとダンスレッスンは絶対にちゃんとやりたかったんです。私もアイドルがすごく好きなんですけど、歌やダンスを一生懸命やっていたグループに惹かれることが多かったので。

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“みんなが主人公になれる”というコンセプト

――そして、FRUITS ZIPPERから1年後となる2023年3月、CANDY TUNEがデビューしました。もともと2組目、3組目とグループを増やしていく構想があったのでしょうか?

木村:特に期間を決めていたわけではないんですけど、最初のビジョンとして、いくつかグループを作ってアイドル業界を盛り上げたいという話はしていました。なので、心の準備はしていたんですけど、正直こんなにすぐ作れるとは思っていなくて。でも、『KAWAII LAB.』ではそれぞれの個性を生かしたい、それぞれに合った楽曲を作りたいと思っていたし、FRUITS ZIPPERとはまた違った子たちが集まったので、全く違うグループになるんだろうなって、楽しみな気持ちが最初からありました。




――CANDY TUNEのお二人は、木村さんが『KAWAII LAB.』で掲げているコンセプトや、FRUITS ZIPPERの皆さんの活躍をどんなふうに見ていましたか?

:CANDY TUNEはメンバーにもよるんですけど、まさしくFRUITS ZIPPERさんのライブや曲に憧れて、「私たちもこういうことがやりたい」と思って入ってきた子が多いのかなと思います。

福山:(南は)ライブを見たその日に直談判しに行ったんです。

:そうなんですよ。もともとアイドルのマネージャーをやっていたんですけど、FRUITS ZIPPERさんと同じ現場になったとき、自分は仕事が終わった状態だったのでライブを見て帰ろうと思って、ステージを見に行ったらめちゃくちゃ感動して。そのときのグループは解散が決まっていて、「次どうしようかな」と考えていたところだったので、その日にアソビシステムの方を探して、「一緒に仕事したいです」と言いました。それこそマネージャーでもいいと思っていたんですけど、「ちょうどグループを作る予定で、メンバーを探してるんだよね」みたいに言ってくださって。なので、運がよかったなと思います。

――福山さんは別のグループでアイドル活動されていたんですよね?

福山:FRUITS ZIPPERさんがまだデビューしたばかりのときに同じフェスに出ていて、本当に移動中の一瞬だけステージを見たんですけど、多幸感がすごすぎて「なんだ、このグループは」と思ったんです。ひとつ前のグループには4年くらい所属していたんですけど、初めて「私はこれになりたかったんだ」という悔しさみたいな感覚があって。そのときはライブアイドルとしてできることは結構やり尽くしたなと思っていて、当時すごくお世話になっていた方に「実は卒業を考えていて…」みたいな話をしたら、「もったいないから、こんなグループを考えているんだけど、どう?」と誘ってもらったのが『KAWAII LAB.』で、そこで即決というか、あのFRUITS ZIPPERさんに続けるならと思って「こちらこそお願いします」って感じで加入することになりました。

――お二人ともFRUITS ZIPPERのライブを見て衝撃を受けたのがきっかけだったんですね。

:本当に。「これになりたかったんだ」という想いが一番最初にありました。だから今もめっちゃ緊張します。全然しゃべれない。

真中:確かに(南は)ライブにめっちゃ来てくれるなとは思ってた。なんでそのスケジュールで来てくれるのって(笑)。

――プロデューサー視点でFRUITS ZIPPER、CANDY TUNEのグループとしての個性はどんなところにあると思いますか?

鎮西:聞きたい。

木村:これはいろんなところで言っているんですけど、FRUITS ZIPPERは個性がすごくバラバラなんです。一番分かりやすいのが生誕祭で、メンバーそれぞれの衣装も全然違うし、やりたいことも違う。きっと聴いている音楽も違うし、育ってきた環境も違うと思うから、すごくバラバラに見えるけど、そういう子たちが一つになれるグループを作りたいから、 “みんなが主人公になれる”というコンセプトに行き着いたんだなと思っていて。




――まさしく『KAWAII LAB.』を象徴する考え方ですね。

木村:じゃあ、どうやったら一つのグループとして“FRUITS ZIPPERらしさ”を表現できるだろう、というのを考えていくなかで生まれたのが“NEW KAWAII”という言葉でした。「これだ!」と思ったし、もうそれでしか説明できないんですよ。「こういう個性のあるメンバーがいて…」といろいろ説明することはできるんですけど、一つの志に向かって、プロセスは全然違っても一緒に進んでいけるのがFRUITS ZIPPERであり、“NEW KAWAII”という概念なのかなと考えていますね。

――CANDY TUNEについてはいかがでしょう?

木村:向いている方向はFRUITS ZIPPERもCANDY TUNEも一緒なんですけど、「グループとしてこうしたい」という意識は、CANDY TUNEが全グループの中でも特に強い気がします。「私たちはこうしていこう」みたいな感じで、主語が“私たち”であることがすごく多いなって。もちろんメンバーそれぞれの個性もあるんですけど、誰かの喜びをみんなで泣きながら喜んだり、悲しかったら一緒に悲しんだり励まし合ったり、集団で動いている感じがする。なので、CANDY TUNEの場合はグループとしての団結や絆を楽曲の世界観としても見せていきたいと思っています。そのあいだにいるのがSWEET STEADYとCUTIE STREETだと思うので、もしかしたら今日の2組は両極端なのかなって。

――CANDY TUNEのお二人はどう思いますか?

:めちゃくちゃそのとおりだと思います。

福山:全国大会に出る体育会系の部活って感じ。

:それ、私もよく言う。

福山:ライブに対して試合みたいな気持ちで挑んでる。

木村:『KAWAII LAB.』は先輩後輩の上下関係が緩いほうだと思うんですけど、「FRUITS ZIPPER姉さん!」みたいに規律を守ってくれるのがCANDY TUNEで。そのあたりはたしかに体育会系だなと思うし、ありがたいなとも思います。

福山:たぶんほかのグループと比べて、みんなのバックグラウンドが似ているというか、どこかしらで挫折を経験している子が多いというのは大きいんじゃないかなと思います。

:最初の顔合わせのとき、一人ひとりがどんなアイドルになりたいかをミサさんが聞いてくれて。「この子はこういうアイドルになりたいんだ」という共通認識があるからこそ、何かを一緒に喜べるし、同じところに一緒に向かっていけるんだと思います。

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CANDY TUNEのおかげで先輩になれた気がします

――ちなみに皆さんから見た木村さんは、どんなプロデューサーですか?

真中:グラデーションの濃淡がこれだけあっても、それを許容してくる勇気はすごいなって。私だったら怖くて、何でもかんでも規律を決めて、きちんと守らせたくなっちゃうだろうから。先輩にはこうしてとか、メンバー間ではこういうことを共有してとか、そういうルールがあまりないんです。グループごとに習慣とか、なんとなく自然と生まれた決まりごとはあるかもしれないけど、それが『KAWAII LAB.』内で統一されることはなくて、だからこそグループの色が出ているのかなと思います。

木村:でも、補足すると、社会人としての大前提みたいなルールはありますよ。ただ、私は作りこまれたアイドルも好きだけど、もっと自由なアイドルがいてもいいんじゃないかと思うんです。それが吉と出るか凶と出るかは分からないけど、突拍子もないことを言ったり、そういうワクワクも必要だなと思う。それぞれ持っているものが違うし。

――特に突拍子もないことを言ったり、型破りだなと思うメンバーを挙げるとしたら?

木村:意外と結構みんな言います。りのまる(福山)とかは言わないほうかもしれないけど、逆にそういう人が稀というか。「りのまる、本当にありがとう」って思うこともあるけど(笑)。

福山:そうなのかな?

木村:でも、個性がいっぱいあるからこそ、りのまるみたいな子も『KAWAII LAB.』の一つの個性になっている感じはある。みんながバラバラだからこそだなと思いますね。




――FRUITS ZIPPERとCANDY TUNE、お互いのことはどんなふうに見えているんでしょうか?

真中:さっきミサさんが言ったとおりで、うちらは東京ドームで集合しようとしたら、各々のやり方で向かうと思うんですけど、CANDY TUNEはみんなで揃ってから向かおう、みたいな。誰かが遅れたら手を引っ張っていくし、そういう団結力の塊だなと思います。

福山:駅前で集合して…。

:「何分の電車に乗る?」みたいな(笑)。

真中:FRUITS ZIPPERは当日、集合場所に直接行って「誰が来てない?」「よし、電話しよう」ってなるタイプ。

鎮西:「来てないならコンビニ行っていい?」って(笑)。

真中:ルールを守らないというわけではないけど、例えるならそんな感じ。

――CANDY TUNEから見たFRUITS ZIPPERは?

:最初はめっちゃ陽キャだと思っていたんです。CANDY TUNEもよく陽キャと言われるんですけど、私たちの自認では陰キャなんですよね。

福山:7人が集まって初めてちょっとうるさくなる。一人ひとりだと実は人見知りで。

:そういうところも含めて、私たちに足りないものをいっぱい持っているなと思います。みんな自分の個性を大事にしていて、得意なことをもっと伸ばそうとしている。例えば、るなちゃん(仲川)は歌がすごく上手いのにボイトレを頑張っていたり。めちゃくちゃ尊敬しています。

真中:ちょっと違う話にはなるんですけど、うちらに先輩みたいな自覚を一番させてくれるのがCANDY TUNEで。メンバーに自分たちより先にアイドルをやっていた子もいるから、最初はむしろ先輩みたいに見ていた部分もあるんですよ。でも、「FRUITS ZIPPER姉さん」みたいに言ってくれたり、すごく先輩扱いをしてくれるし、後輩の子たちが入ってきたときは話しかけに行ってあげたり、そういう姿を見て「うちら先輩なんだね」と話したりもするので、本当にCANDY TUNEのおかげで先輩になれた気がします。

福山:最初めっちゃ敬語使われていて(笑)。

真中:「りのまるさん」って。

福山:私がるなちゃんと同い年の最年長組なんですけど、アイドル歴が長いからなのか、るなちゃんにも最初は敬語を使われていて。今でもノエちゃん(早瀬ノエル)にだけはめちゃくちゃ先輩扱いされます(笑)。




――グループごとの個性や強みを尊重していくなかで、楽曲制作において大事にされていることはありますか?

木村:そのときに必要な曲というか、「メンバーにこういうことが伝わればいいな」とか「今こういう状況だから、それに合う曲を作りたい」みたいなことは意識しています。まさに「倍倍FIGHT!」はそうで、CANDY TUNEが1周年を迎えるタイミングで出した曲なんですけど、「今のこのグループに必要なものって何だろう?」と考えたときに、CANDY TUNEのメンバーって明るい子たちだし、私もそこに救われたことがいっぱいあるんですけど、そのポジティブの奥に隠れたネガティブもすごく感じていて。でも、それを出したくない子たちだというのも分かっているし、めっちゃ頑張っているのに「頑張れ」とは言えないじゃないですか。だから、「頑張れ」という言葉を使わないで、自分たちが応援されている気持ちになれる曲を作りたいと思って生まれたのがあの曲でした。

――楽曲提供は、FRUITS ZIPPERの「ぴゅあいんざわーるど」も手掛けた玉屋2060%さん。

木村:「ぴゅあいんざわーるど」もそうだったんですけど、玉屋さんに曲を作っていただくとき、メンバーのことをちゃんと深掘りしてもらいたかったので、全員と面談というか、「こういう想いを伝えたい」「こういうことが言いたい」というお話をする場を設けさせていただきました。

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『KAWAII LAB.』を引っ張っていく責任感

――2024年4月にリリースされた「倍倍FIGHT!」ですが、SNS上のバイラルが今年から加速。Billboard JAPANの新人アーティストチャート“Heatseekers Songs”では、これまでに通算4度の首位を獲得、総合ソングチャート“Hot 100”では、3月19日付で58位に初登場し、6月25日付で自身最高の17位にまで上昇しました。

木村:「倍倍FIGHT!」をそのタイミングで出したかった理由がもう一つあって、ちょうど私が子供を授かって、出産予定時期とCANDY TUNEの1周年が被っちゃったんです。現場にいないと不安じゃないですか。だから、ちょっと心の支えみたいな感じで、そのときに必要な楽曲をそれぞれのグループに渡したいなと思って。そんな楽曲がみんなにも元気を与えていることがすごくうれしいし、いろんなジャンルの楽曲があるなかで、CANDY TUNEらしさが一番出ている曲でヒットを出せたのもすごくうれしかったです。




【MV】CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」


――すごく素敵なエピソードですね。お守り代わりの一曲というか。

木村:今だから話せますけど、当時のCANDY TUNEはチケットも完売しなかったし、すごく紆余曲折が多かったんです。FRUITS ZIPPERの背中を見て「もっと頑張んなきゃ」みたいな焦りを感じていただろうけど、でも、そうじゃないなとは思っていて。CANDY TUNEにはCANDY TUNEの生き方がある。それは全グループに対して思っていることなので、そういう意味でも「倍倍FIGHT!」みたいな曲を作りたかったんです。

――メンバーにとっても感慨深いですよね。

福山:本当にうれしいですし、こうなるとは思っていなかったというか。自分たちが励まされていたら、みんなも励まされていた、みたいな。あらためて曲の力を感じました。

鎮西:最初に「倍倍FIGHT!」を聴いたのは、それこそ1周年のライブのときだったんですけど、本当にCANDY TUNEっぽい曲だなってすごく印象に残っていて。もし私たちがあの曲を歌ったら、ちょっと頑張っちゃうというか、たぶんギアを結構上げてやらないといけなくて。でも、CANDY TUNEが歌うと、その等身大のまま応援ソングになっているのがすごい。CANDY TUNEの持っているポジティブなマインドだったりが早く見つかってほしいと思っていたから、こういう形で1年越しに世間の皆さんに届いて、チャートでも1位になって、私たちもすごく喜んでいました。

――FRUITS ZIPPERとしては、5月14日に3rdシングル『KawaiiってMagic』をリリース。表題曲は『映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン』の主題歌で、中田ヤスタカさんによる楽曲提供です。

木村:ヤスタカさんにお願いしたいという話は、実は結成当初からずっと出ていて。アソビシステムと言えばヤスタカさんじゃないですか。いつかはご一緒したいけど、まだ夢のまた夢だなと思っていたので、その念願が叶ってうごくうれしかったです。




【MV】FRUITS ZIPPER「KawaiiってMagic」


――楽曲の第一印象はいかがでしたか?

木村:やっぱり原宿という場所を大事にされているんだろうなと感じました。原宿発の雑誌『Zipper』では、私も務めていたんですけど、読者モデルのことを“パチパチズ”と呼んでいて。FRUITS ZIPPERの“ZIPPER”つながりもあって、そこから〈パチパチ光る星で〉という歌詞があったり。ヤスタカさんなりにFRUITS ZIPPERのことをすごく考えて作ってくださった楽曲なのかなと感じました。FRUITS ZIPPERもいろんなジャンルの楽曲を歌ってきたけど、また新たな魅力を伝えていける楽曲になったんじゃないかなと思います。メンバーはレコーディングのときに全員で初めて聴いたんですよ。

――そうだったんですね。

真中:普通は事前に聴いて、練習してからレコーディングすることが多いと思うんですけど、「KawaiiってMagic」はその場で曲をもらって、そのまま歌うっていう。「覚えた?」みたいな感じで。

木村:しかも全員いる状態で。

真中:そんなことは初めてだったから、ドキドキのワクワク状態でした。でも、ようやくヤスタカさんの曲が歌えるんだって喜びはずっとあったし、いろんなことを考えてくださっているんだろうなということが、言葉の一つひとつから伝わってきて、音に乗せて聴くと染みるものがありましたね。

――対して、CANDY TUNEの最新シングル「推し♡好き♡しんどい」を手掛けたのはヒャダインさん。こちらも強力なタッグだなと思いました。

木村:これは番組の企画から生まれた曲なんですけど、CANDY TUNEのメンバーは推し活している子が多くて。例えば、りのまるはバスケ好きで、現場の合間に試合を見に行ったりしている。そういうところにフォーカスした曲を作りたいなと思ったのが始まりでした。




【MV】CANDY TUNE 「推し♡好き♡しんどい」


福山:ほぼ全員、何かをめちゃくちゃ好きだったり、応援する気持ちが強かったりして。歌詞の中に出てくる“キュートアグレッション”という言葉も、もともと日常会話の中でめちゃくちゃ使っていたし、私たちだからこそ歌える曲なんじゃないかなと思います。

――そして今後の活動についてですが、FRUITS ZIPPERは6月3日に開催した【FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超めでたいライブ -さん- @ さいたまスーパーアリーナ】の追加公演として、8月2日と3日の二日間にわたる【FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-】が決定。こちらは会場がスタジアムモードになる予定なので、6月のライブよりも多くのお客さんが一堂に会します。

真中:これまでも常に挑戦をさせてもらってきたけど、最近は後輩グループも研究生の子たちも増えてきて、『KAWAII LAB.』を引っ張っていくぞっていう責任感もあるし、今までで一番いいライブをしなきゃいけないって心構えでいるので、そこに向かって今、メンバーでいろいろと話し合っている最中です。

――どんなライブにしたいですか?

真中:私たちらしさを絶対に失わないようにしたいのと、これから先が見えるライブにしたいです。FRUITS ZIPPER、まだまだ可能性があるな、もっと見ていたいなと思ってもらえるような。ミサさんが言ったように、ずっと生歌とダンスは大切にしてきたグループなので、どんな規模になってもそのライブ感をちゃんと届けられたらと思っています。

――ネタバレはできないと思いますが、6月のライブに来てくれた人も…?

真中:絶対に来たほうがいいです!

鎮西:3周年のライブにはなるんですけど、今回は“超超超”なので、掛ける3以上です。

真中:そもそも違うものを届けたいとは思っているので。前回はファンの皆さんに「出会ってくれてありがとう」が伝わったらいいなという気持ちで臨んだライブだったけど、次は「新しいステージに行くから、これからもついてきて」という気持ちです。

――そして、CANDY TUNEは10月から全国ツアー。バンド編成で8都市を巡りますね。

福山:北海道、宮城、神奈川、広島は初めて単独公演をやらせていただくんですけど、いつも私たちに会いに来てくださる方々のところに私たちが行かせてもらえるのがすごくうれしくて。それに加えて、2周年のツアーをやらせていただいてから、「CANDY TUNEらしさが一番出るのって生バンドじゃない?」みたいな話をメンバー同士でもしていたんです。今までもライブ感を褒めていただくことが多かったけど、それが生バンドが加わったことによって、さらに確立することができたなって実感があるので、さらにさらにパワーアップしていきたいです。ありがたいことにたくさんの方が応募してくださったので、皆さんの期待を超えられるようなライブにしたいなと思っています。




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