Special
Tiara×広瀬香美 大人女子2人のSP対談
計11名の女性シンガーソングライター(※1)が楽曲提供したニューアルバム『Emotion』を携えて、恋愛ソングの歌姫 Tiaraが登場。リード曲「アンブレラ」の作詞作曲を手掛けた広瀬香美との対談形式で様々なことを語ってもらった。
「自分の“生き生き”を追求していけば、生き生きしているアナタに恋してくれる男性がいつか現れると思う」――。大人の女性たちの名言が満載だ。
Tiaraは愛想が悪くてもOKなキャラ!?
--初めて広瀬さんとお会いしたとき、どのような印象を持たれました?
Tiara:広瀬さんのボイストレーニング教室(広瀬香美音楽学校)でお会いしたのが最初だったんですけど、学生の頃からテレビ越しで観ている方なので、何も覚えていないくらい緊張しましたね。まさかお会いできるなんて思ってもいなかったですし、ましてや曲を書いて下さるなんて想像もしていなかったので、今回「アンブレラ」という曲を書いて頂けて本当に嬉しかったです。
--「アンブレラ」のレコーディングには広瀬さんも参加されたそうですね。
広瀬香美:私、Tiaraさんはちゃんと練習して来ない人だと勝手に思っていたんですよ(笑)。
Tiara:えぇー!?!?!?
広瀬香美:色々なことを経験して、酸いも甘いも知っているような。そういう見せ方をしているシンガーさんだと勝手に思っていたんです。愛想が悪くても許されるキャラクターというか。だから、レコーディングの際に、あまり練習してこなくても、「私今日ちょっと低血圧だから歌えないです~」とか言われたとしても(笑)、TiaraさんはそういうキャラクターだからOKなんだと思って私もスタジオに入ったんです。そしたら、かなり練習してきてくださっていたので驚きました。音程も外さないし、2時間くらいで終わりましたよね? さすがだなぁって思いましたよ。
Tiara:そんなイメージを持たれていたなんて…(笑)。レコーディングでは実際にボーカルディレクションも担当してくださって、本当に学ぶことだらけでした。現役で活躍されているシンガーの方に直接ご指導して頂く機会は中々ないので、とても幸せでしたね。
「アンブレラ」は広瀬香美としては歌えない曲
--また、「アンブレラ」は<雨><傘><涙>をテーマにした失恋ソングとなっていますけど、アルバムの中で一番悲しい曲と言えますよね?
Tiara:ただただ悲しいですよね。以前から雨をモチーフにした曲を歌いたかったのと、広瀬さんが雨の歌を作ったらどうなるんだろう? と思ったことがきかっけで、私の方から「雨をモチーフに制作してください」とお願いしたんですけど、出来上がったデモ音源を聴いたときに“ビビビ!”ってきましたね。これはすごい曲だと思いました。
--広瀬さんの作品は失恋ソングでも“明るすぎて切ない”イメージが強いので、こういった最初から最後まで悲しい楽曲は珍しいなと感じました。
広瀬香美:楽曲提供者という立場になったときは、“その方が歌って素晴らしくなるように”ということを何よりも大切にしているので、私の元気さや前向きな部分はなるべくカットしました。Tiaraさんの切ない声質が全面に出るよう心掛けましたね。広瀬香美としては歌わない、歌えないような楽曲に仕上がったと思います。
Tiara:とんでもないです。本当にありがとうございます。
広瀬香美:私が一番Tiaraさんに惚れた部分は声なんです。私には無い切なさを秘めた魅力的な声なので。だから、せっかく歌ってもらうなら、その声が活きるような楽曲にしたいと思って、ずーっとTiaraさんのCDを聴きながら制作していましたよ。自分で歌いながら作るとイメージが崩れるから。
--この曲には、“あの子のこと 好きだなんて 突然 悲しげな顔で 本当の事言わないで”など、胸痛むフレーズがたくさんありますけど、お二人もこの曲のような悲しい恋を体験したことはありますか?
Tiara:あります…(小声で)。
広瀬香美:生きていればねぇ…。ただ、音楽活動を20年続けていると、自分の恋愛体験を書くことが少なくなりますね。若い頃は自分の体験の割合がとても多かったけど、どうしてもネタが無くなってくる。最近では本を読んだり、アートに触れたり、日常の中で得たピースを集めて出すことが多いですね。妄想主義になります。
Tiara:私はまだ3年目だし、自分の過去の恋愛を振り返って書いていますね。
広瀬香美:振り返って書くの、楽しいんですよね。それで、色々と思い出して泣いちゃったりして。
広瀬香美 リリース情報
And.Love.Again.
- 2012/12/05 RELEASE
- [VICL-63951(CD)]
- 定価:¥3,150(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
仕事で得るエクスタシーと、恋愛で得るエクスタシー
--年齢や経験を重ねることで恋愛観も変わってきますか?
Tiara:変わりますね。20代の頃は恋愛が中心にあったし、時間もたくさんあったから常に好きな人のことを考えていましたね。「何で連絡くれないの?」「会いたい会いたい」っていう気持ちばかり抱いていた。それが今では少し落ち着いて、大人の考え方ができるようになった気がします。例えば、男性は一人の時間を作ってあげないと駄目な生き物なんだなって思えるようになったり。少し余裕が出来たぶん、自分に対する見え方も変わってきたのかなもしれないです。
広瀬香美:若い頃って恋愛が楽しいもんね。だけど、徐々に仕事の楽しさに気付くんだよね。仕事を乗り越えることで得るエクスタシーと、恋愛で得るエクスタシーだと、仕事の方が気持ち良かったりして。 それに、若いときは、恋愛が私を幸せにしてくれて、仕事は乗り越えていくものだと思っていたから、恋愛で許せないことが多かったの。何で私の方を向いてくれないの? もっと大事にしてくれないの?って思ったり、束縛してしまったり。
これからの時代を生きる女性にとって大事なものとは?
--今回インタビューをするうえで恋愛相談の記事などをネットで調べていたら、恋(結婚など)と仕事(夢など)の両立に悩んでいる女性が多いみたいなんです。結婚したら仕事を辞めなくてはいけないけど、本心では辞めたくない、など。こういう悩みに対して共感する部分はありますか?
Tiara:うーん…私は自分の時間というか、自分の空間を持てないと自分じゃなくなると思うので、恋も大事だけど夢を諦めることはできないですね。
広瀬香美:やっぱり自分が輝いていないと、相手からしても輝いて見えないと思うんです。相手の男性に愛されたいからといって相手色に染まると、結局は不満がたまって男性に当たり散らして、相手にも嫌な思いをさせてしまう気がするんですよね。だから、Tiaraさんが仰るように自分の空間を大事にした方がいいと思います。特にこれからを生きる女性はね。何が自分らしいのか、何をしたら自分は楽しいのか。自分の“生き生き”を追求していけば、生き生きしているアナタに恋してくれる男性がいつか現れると思うの。自分を変えてまで恋愛を選んでも続かない気がしますね。
--そういった考え方って、経験を重ねていったからこそ生まれたものなのですか?
広瀬香美:はい、成熟してからですね(笑)。20代の頃は“好きな人のためにどうしたらいいか”を常に考えていましたから。料理が得意な人が好きだと言われたら料理を頑張ってみたり、赤が好きだと言われたら赤の洋服ばかりを着てみたり。その人のために変わることが自分の幸せで、彼の幸せでもあると考えていた時期もありましたね。
Tiara:広瀬さんにもそんな時期あったんですね。常に凛としてそうなイメージだから意外だなぁ。
広瀬香美:そんなことないですよ。“自分らしくいなくちゃダメだ!”って思うけど失敗もして。そうやってトライアンドエラーを繰り返すことが大切だよね、きっと。
広瀬香美 リリース情報
And.Love.Again.
- 2012/12/05 RELEASE
- [VICL-63951(CD)]
- 定価:¥3,150(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
恋愛は水飴のよう
--また、Tiaraさん作詞作曲の収録曲「カムフラージュ」についても話を伺っていきたいのですが、この曲は歌詞が非常にリアルですよね。
Tiara:最近体験した過去の恋愛を元に書いた曲です。
広瀬香美:自分の?
Tiara:はい。好きになった人に彼女がいたんですよ。だから、踏み込めない自分と、それでも見るたびに惹かれていく自分がいて。毎日諦めようと努力するけど諦められない、そんな想いを歌った曲になっています。
広瀬香美:あるよね、あるよね。恋愛ってやっぱりさ、金太郎飴みたいにスパっとはいかないものよねぇ…(しみじみと)。水飴のように、ねちょーってなるのよね。その“ねちょー”感がいいんでしょうけど。
--この曲は、今までのTiaraさんの作品において一番赤裸々な曲じゃないですか?
Tiara:今までは “Tiaraはこういう曲”というイメージの中で歌っていた部分がどこかにあったけど、30歳を越えて、そのタイミングで非公開にしていた年齢も公表して…
広瀬香美:あ! だからさっきから“30歳”とか“31歳”がたくさん出てくるのね!
Tiara:押し出している最中です(笑)。そういうこともあって、自分の中で振り切れた部分がありますね。それに、今回のアルバムに楽曲提供してくださる方の名前を見たとき、これは今のままではマズイぞと思いましたし。だから、「カムフラージュ」は素の自分として書いてみた曲です。
30歳を越えてポジティブになった
--それほど年齢は大きな影響を与えていると。
Tiara:私は27歳でデビューしたんですけど、28,29歳のときが一番苦しかったんです。30歳になったらどうなるのかな? という不安ばかりで、ナーバスな時期が続いていた。だけど、いざ30歳を越えてみたら、“難しいことを考えてもしょうがないじゃん?”って肩の荷が下りたというか、ポジティブになったんですよね。周りにいる年上の女性の方たちを見ていても、皆さん仕事をバリバリこなしながら恋愛も頑張っていて、すごく楽しそうなので、私もこれでいいんだなって思えるようになりました。昔よりも今の方が楽しいです。
--じゃあ、今とても良いモチベーションで活動できているわけですね。
Tiara:はい。昨年初めてカバーアルバム『Sweet Flavor ~cover song collection~』(※2)をリリースしたことも大きかったですね。色々なヒット曲を歌わせて頂いたことによって、ソングライティングとはまた違う、声で表現することの楽しさを改めて感じることができたので。それは私の中で大事な経験でした。
--今回対談してみて、互いに第一印象と変わった部分はありましたか?
広瀬香美:うーん…やっぱりまじめですよね、Tiaraさんは。
Tiara:自分ではあまり良くないと思っているところなんですよね。
広瀬香美:はみ出したいの? こういう感じ?(足を組んで煙草を吹かすポーズを取りながら)
Tiara:そこまでは出来ないですよぉ(笑)。広瀬さんは自然体でとても素敵な方ですよね。それは第一印象から変わらないです。
広瀬香美:えー! ありがとうございます! 常に前向きなんですよね。あまり歌詞と変わらないです。
--ちなみに、もしまた広瀬さんがTiaraさんに楽曲提供する機会があったとしたら、今度はどのような曲を制作したいと思いますか?
広瀬香美:自分が歌えないような作品がいいですね。私は声の性質上、まったりした曲、例えばボサノバなどは合わないから、そういう曲を歌ってもらいたい。もう少し涼しい時期だったら、余計に気持ち良く聴こえてピッタリなんじゃないかなぁ。あと、Tiaraさんの声をコーラスで重ねて聴いてみたいです。この声が大量に出てくると、どれくらい切なくなるのかなって興味がありますね。
Tiara:うわぁ、嬉しい。ありがとうございます。またそんな機会があったら是非お願いします!
ライブ情報
◎Tiara ワンマンライブ【Tiara Special Live 2013 ~Emotion~】
4月7日(日)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE(東京都)
OPEN 16:30 / START 17:00
◎【AlpenGroup Presents 広瀬香美 Concert Tour 2013 「And.Love.Again.」】
2月3日(日)Zepp Nagoya OPEN 17:30 / START 18:00
2月9日(土)Zepp Namba OSAKA OPEN 17:30 / START 18:00
2月23日(土)Zepp DiverCity TOKYO OPEN 17:30 / START 18:00
チケット価格:8,400円(指定・税込・ドリンク代別)
プレミアムシート価格:15,750円(指定・税込・ドリンク代別)
年齢制限:6歳未満入場不可
広瀬香美 リリース情報
And.Love.Again.
- 2012/12/05 RELEASE
- [VICL-63951(CD)]
- 定価:¥3,150(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
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