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<インタビュー>BAND-MAID 新曲「Ready to Rock」で表現したありのままの姿と秘めたる闘志

Interview:岡本貴之
Photo:興梠真穂
BAND-MAIDが、TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』オープニング・テーマとして2025年4月4日に新曲「Ready to Rock」をリリースした。真骨頂ともいえる疾走感溢れる怒涛の演奏とエモーショナルな歌が、アニメのストーリーと登場キャラクターたちの心情と重なり合う、まさに相思相愛なコラボといえる楽曲だ。新曲の制作過程から、初めて挑んだモーションキャプチャー、ビルボードライブ東京公演を控えるお盟主様(ファンクラブ)限定ツアー、全国ツアーについて。さらに、小鳩ミクの活躍で話題となったあのTV特番出演の話まで。結成12年目で新章2年目、アグレッシブに自分たちの音楽を追求し続ける5人にたっぷりと語ってもらった。
BAND-MAIDと通ずる部分がすごく多くて、
最初の頃を思い出した
――あっという間に3月も終わりですが、バンドの調子はいかがですか?
小鳩ミク(Gt./Vo.):さっきも楽屋でメンバーと、「今年に入って一瞬で3ヶ月が過ぎたね」って話してたぐらい、本当に濃くて早い2025年を過ごせていますっぽ。年始からアニメのタイアップを発表させていただいて、お給仕(ライブ)も番外編から始まり、アコースティック・ライブをやったり、制作をしたりと、すごく充実した2025年を過ごせているなと思っておりますっぽ。
――新曲「Ready to Rock」がオープニング・テーマとなるTVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』(以下『ロックレディ』)は、女性バンドのストーリーということで、BAND-MAIDとかなり親和性の高い作品ですよね。制作はどのように始まったのでしょうか?
KANAMI(Gt.):お話をいただきまして、まずみんなで原作の漫画を読みましょうというところから始まり、私が曲づくりを始めました。でも、あんまり「こういう曲にしてほしい」ということはなかったよね?
SAIKI(Vo.):そうだね。BAND-MAIDを知った上でオファーしていただいて、「『ロックレディ』にBAND-MAIDがぴったり」という嬉しい言葉をいただいたので、結構“BAND-MAIDのまま”でしたね。
KANAMI:マニアック要素のある楽曲と、キャッチーな感じの楽曲の2つを作って提案させていただいたんです。私的にはマニアックな曲の方がBAND-MAIDらしさ全開という感じだったのでそっちだと嬉しいなと思っていたら、そちらをお選びいただいて。アニメの制作チームとも気が合うなと感じておりました。原作漫画を読んだときの私の中でのイメージは、「ドラムとギターがぶつかり合って高めあっていく作品」だったので、それをBAND-MAIDでも表現したいなと思って、曲の最初の入りをドラムとギターのバチバチな感じでスタートさせてもらいました。
――アニメのキャラクターで言うと、鈴ノ宮りりさ(Gt.)と黒鉄音羽(Dr.)ですね。
AKANE(Dr.):そうです。私は完全に音羽に影響を受けました(笑)。超絶技巧のキャラクターなので負けてらんないなっていう気持ちで、私の持っている技術を全てぶつけました。技術的に過去最大に難しい楽曲になったので、そこは強調しておきたいです。
SAIKI:最初はもう少し、ドラムが入ってくるまでの尺が短かったよね?
KANAMI:そうそう。最初に出したデモは歌も同時に入っていたんですけど、そこはSAIKIと小鳩から『ロックレディ』の良さを出すためにボーカル入りじゃなくて、ギターとドラムが目立つ感じにした方がいいんじゃないかと提案もあって、ボーカルをカットしたりしたんです。
SAIKI:イントロが倍になったから、AKANEの超絶ドラムのフレーズが増えたんです。
小鳩:その分、より長くツインペダルを踏んでなきゃいけなかったんだよね。
KANAMI:イントロが倍になったことプラス、アニメチームの方から最初に出したデモより「もっとドラムを激しくしてほしい」って言われたので。
AKANE:難しかったんですけど、期待に応えたいのでやらせていただきました。やっぱり音羽に勝ちたいというか(笑)。負けてられないなっていう気持ちが一番強かったですね。

――MISAさんは、そのギターとドラムに対してどのようにアプローチしようと考えたのでしょうか?
MISA(Ba.):ギターとドラムが結構遊んでるので、ベースも遊んじゃうと成立しないなと思って、そこはどっしりと細かい動きはあまりせず、ギターとドラムが落ち着いたときにベースが少し前に出るように考えて弾いています。
――決して張り合おうっていうわけじゃなくて?
MISA:いや、一回張り合おうと思ったんですけど(笑)。
一同:(笑)。
MISA:曲を聴いてたらそれは違うなって。曲をかっこよく聴かせるために、土台をしっかり作ることを考えました。
SAIKI:そうじゃないと、スカスカになっちゃうもんね。
小鳩:全員が戦いに行っちゃうとね。
KANAMI:でも、環ちゃん(Ba.担当キャラクターの白矢環)っぽい感じはしたよね。
SAIKI:そうだね。「私の基盤で踊れ!」みたいな(笑)。

――そういうアニメの世界観とBAND-MAIDとの関係について、バンド全体でこうしよう、みたいな話もしたんですか?
小鳩:特にそういう話はしていなくって、同時にモーションキャプチャーというのも私以外のメンバーはあったので、よりキャラクターに対して意識するところがそれぞれにあったんだと思いますっぽ。
SAIKI:うん、それは全然なかったですね。原作を読んでるときから、ドラムの音羽はAKANEっぽいなとか、ベースの環ちゃんはMISAっぽいなとかありました。その中でも一番は、ギターのりりさがKANAMIでしかないなって(笑)。そういうのもあって、作品にもより入り込めましたし、これだけ見た目とのギャップがあるというのが一致してるところもそうですし、共感できるところが多かったから自然と寄ったんだと思います。
小鳩:私たちもギャップっていうのをすごく大事にしているので、そういう部分でもすごく一致する部分が多くて、結果そうなっていった感じですっぽね。
――モーションキャプチャーのお話が出ましたけど、小鳩さんは役柄としては入っていないわけですか?
小鳩:そうですっぽね。人数的に4人組インストバンドなので、今回はみんなの応援役ですっぽ。
KANAMI:でも原作漫画の先生(福田宏)が、「次回は小鳩さんに出来る何かを」って言ってくださっていて。
小鳩:「ハト役でも全然いいですっぽ!」って(笑)。ハトのモーションキャプチャーとかやりますよって言っておきましたっぽ。
――それは見てみたい(笑)。曲としてはどのように考えてレコーディングに臨みましたか?
小鳩:KANAMIからデモをもらったときに、最初私も歌詞を一緒に考えていたんですっぽ。原作を読んでの自分なりの考えもあった上でSAIKIの歌詞に決まったんですけど、テーマは一緒だったんですっぽ。すごくかっこいい歌詞にしてくれたなと思って、歌うときにもすごくSAIKIの良さが入ってる歌詞をより突き詰めたいなと、原作の雰囲気も大事にした感じですっぽ。
SAIKI:今回は、小鳩が目立つ歌詞のパートも入ってるんです。
小鳩:〈好きじゃないなら ほら滾れない〉とか、〈やめられないし やるしかないな〉とか、1人になるパートは、「ここは小鳩に歌ってほしい」ってSAIKIに言われて。その歌詞もやっぱり自分では出てこない歌詞や、普段だと絶対歌わないような言葉もあったので、すごく大切に、より気持ちを乗らせて歌いたいなっていう気持ちで取り組みましたっぽ。
――SAIKIさんはどんなイメージで歌詞を書きましたか?
SAIKI:原作を読んで、見た目と音楽のギャップや、お嬢様だからっていうので周りの人に押さえつけられてる部分とかが、BAND-MAIDと通ずる部分がすごく多くて、私たちの最初の頃を思い出しました。まだそれぞれの衣装もこんなに個性的じゃないときに、見た目と音楽のギャップをあんまり受け入れてくれてない方とかもいて。そのときに悔しい思いもしていたので、それを結構思い出して、読みながら「負けるな!」と思って(笑)。「負けないで信じていけばいい」っていう思いで、こういう歌詞になりました。
――アニメのキャラクターでは院瀬見ティナ役として、モーションキャプチャーではキーボードを担当していましたね。
SAIKI:ティナちゃんは、全然「うぉ~!」っていうキャラじゃなくて、人見知りなところとか細かいところが、私と結構一致してる部分があるというか。
KANAMI:あるよね! 人前だと結構キリッとしているけど、プライベートのSAIKIはかわいらしい感じで。
小鳩:強いだけじゃなくてかわいらしさをすごく感じる部分もあるので、それがすごくティナちゃんと重なるっぽね。
SAIKI:私、だいぶスイッチがあるので(笑)。そこはティナちゃんと重なる部分もありました。あとなんと言っても、りりさの考え方がBAND-MAIDのバンドとしての方向性と結構同じだった部分が多いなっていうことがあって。
――それは、具体的にはどういう部分でしょうか?
SAIKI:内に秘めた情熱というか、隠してる闘志みたいなものが同じだなっていうところがあって、そこは結構共感しました。外にはそんなに出さないけど、めっちゃ燃えてるっていうのを出した感じです。

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憧れだったモーションキャプチャーにも初挑戦
――BAND-MAIDは、その内に秘めた闘志を最初からステージ上で出せていたのでしょうか?それとも何かきっかけがあって変わって行ったのでしょうか。
SAIKI:楽曲自体もよく変化しましたし、自分たちがしっくりくる方向性に定まって、楽曲も増えていって、「自分たちのスタイルをやっと見つけられた」という過程も『ロックレディ』と重なる部分があります。
小鳩:最初はやっぱり、「どうせ、メイド服の女の子たちが演奏するバンドだからあまりかっこいいとかじゃないんでしょ?」という目で見る方が多かったのを、私たちが音楽で「おっ!」って言わせてやるというか。そういう部分の闘志は一番最初からあったと思うし、今も変わらずありますっぽね。
――そういう意味では、特に今回の曲はBAND-MAIDを初めて聴く人には相当ギャップがあるのでないでしょうか。気合いがすごいですよね。
小鳩:気合いはすごいと思いますっぽ(笑)。
SAIKI:12年目でまだこれ出すかっていう(笑)。
――BAND-MAIDのこれまでと重ねながら『ロックレディ』を観るとよりエモい感じになりそうです。
AKANE:音羽が、「音楽をやる理由が好き以外にあるのか」って言うシーンがあるんです。その音楽に対する想いに私はすごく昔の自分、音楽をやり始めた頃の自分に重なりました。もう1回、自分がどういうドラマーになりたいのか、どういう音楽をやりたいのかを思い出させてくれたっていうのは感じていて。ツインペダルを入れた楽曲になってるのも、自分の武器だなと思って入れたし、自分のスタイルをこの楽曲が引き出してくれたというか。常に挑戦し続けているんですけど、今回は「これがやりたいことだ」っていうのが定まったというのは感じていて、嬉しい気持ちになりました。すごくやる気に満ち溢れた曲になっています。
MISA:私はいつからか、気づいたら自分の中でのスタイルとルールが決まっていて、ベーシストとしての立ち位置だったり、曲中でのベースラインの立ち位置はもう固まってるというのはあります。私が好きなベーシストは全然動いてるベースじゃなくて、好きで聴いてる音楽とかはすごくシンプルなんですけど、BAND-MAIDに入ってから一緒に成長して、ベースラインも成長して確立していきました。
SAIKI:最初の頃に比べると、MISAのベースラインの引き出しはすごく増えましたね。「まだ出るか!」っていうぐらい。
――お互いが引き出し合ってるみたいな感じでしょうか。
SAIKI:それもあるし、やっぱり自分たちで作って初めて認められた「alone」(2016年リリース)がきっかけになって、「これでいいんだ」という自信をもらえたし、バンドとしての方向性も「このまま進めて行っていいんだ」と思うことも多かったです。最初の2~3年ぐらいは臨機応変に流動的にっていう感じでしたね。
小鳩:いろんな曲をやってみて、「自分たちのスタイルに合うところはどこだろう?」って。そもそも誰かみたいになりたくて始めたバンドではなくて、自分たちのスタイルを確立したいってところから始まっているので、それを確立するまでは、2年ぐらいは必要な期間だったなと思いますっぽね。
KANAMI:目的というか、目標とする私たちが好きな曲っていうのがみんな同じだったのが良かったよね。
SAIKI:たしかに、かっこいいって思う楽曲は一緒だったからね。
小鳩:BAND-MAIDとしての楽曲に対する共通意識が一緒だったのは大きいですっぽね。
――そういう共通意識があるとはいえ「Ready to Rock」にはさすがに驚かされたというか、イントロが始まったときに「ここから歌になるのか?」って思いましたけれども。
SAIKI:私も思いましたよ(笑)。イントロが変わったときに、「あのメロこのままくるの!?」って思ってたんですけど、ぴったりハマったので。さすがKANAMIだなって思いました。

――先ほどから話に出ているモーションキャプチャーについて改めて伺いたいんですけど、これは今回初めての試みなんですよね。
小鳩:全員初めてです。AKANEは夢だったんだっぽね。
AKANE:私はアニメオタクなので、ずっとやりたかったんです。最近はアニメにモーションキャプチャーが結構使われているので、音楽アニメとかでドラムを叩いてみたいというのがずっと憧れであって、それがメンバーと一緒にできるのがすごく嬉しかったです。でも、やってみたらめちゃくちゃ難しくて。細かく動きを撮るために機材にセンサーがつくんですけど、スティックからグローブ、シンバルとかにもつけないといけないので、センサーに当たらないように叩くのが難しかったんですけど、「叩いちゃっていいよ」って言われたので、いつも通り全力でやらせてもらえて、無事に撮れました。
――演奏してる曲は、インストバンド、mudy on the 昨晩の「YOUTH」ですよね。
KANAMI:そうです。アレンジされた音源をアニメチームの方からいただいて、私たちはそれをさらにコピーしました。久しぶりに他のアーティストの曲をコピーしたんですけど、難しかったです。最初は忠実にコピーしようと思っていたんですけど、だんだん自我が出てきて(笑)。自分のフレーズを弾かせていただいたりしていたので、すごく新鮮でした。キーボードも、MIDIで打ってるものを私が弾き直してSAIKIがさらに練習するっていう流れでした。
SAIKI:モーキャプ用に練習しました。レコーディングはさすがにKANAMIに任せましたけど。
KANAMI:でも、実際にキーボードとかピアノを弾いてる人じゃないと、動きの良し悪しは分からないところもあったと思うので、その辺はピアノで弾きやすいようにアレンジさせてもらいました。
――SAIKIさんは2023年に横浜アリーナのライブで「Choose me」をピアノ弾き語りで披露しましたよね。もともと、鍵盤楽器の経験はあったんですか?
SAIKI:コロナ禍でバンドの将来を考えたときに、弾き語りをできた方がバンドの今後のためにもいいかなと考えて始めたんです。でもまさかキーボーディスト役をやるとは思ってなかった(笑)。今まで歌ありきの練習しかしていなかったので、キーボーディストってすごいなって。ティナちゃんも初心者の役柄なので、「バンド初心者の役ならできるかも」と挑戦させていただきました。
KANAMI:ソロパートとかも練習してくれたんですけど、まだピアノ4年目(当時)なのにちゃんとキーボーディストになっていて、素晴らしかったです。SAIKIはモーションキャプチャーを撮ってからめちゃくちゃピアノが上手くなってるんですよ。
小鳩:ビルボードライブ大阪でやったアコースティックお給仕でも、SAIKIがキーボードで参加する曲がすごく増えたんですっぽ。
SAIKI:新しくライブアレンジをした曲があるんですけど、ティナちゃん役でソロを弾いたので、その曲でソロを弾いちゃいました。
――モーションキャプチャーを経験したことでそれぞれ刺激も受けているんですね。
MISA:私は普段5弦ベースでピック弾きなんですけど、環ちゃんは4弦の指弾きなんですよ。最近4弦も弾いてないし指弾きもそんなにメインではやってなかったし、曲も難しかったので、猛練習しました。レコーディングでも苦戦したんですけど、それを乗り越えることでだんだん自分も成長していって、前よりも指弾きできるようになりました。アコースティックお給仕でも、前より指が動くようになったので反映されているとは思います。
KANAMI:ずっと指弾きして、指にすごくタコができてたもんね。
SAIKI:もうびっくりした。指がでっかくなってたもんね。
MISA:モーションキャプチャーでは、指がちょっとしか出ないグローブをはめて、センサーも重いので最初は難しかったんですけど、だんだん慣れてきたので苦ではなかったですね。
KANAMI:そうなんですよ。私たち、最終的にモーションキャプチャーにめっちゃ慣れたんです。最初はスーツを着るときも、「えっこれどっちが表~?」とかやってたんですけど、回数を重ねてたら、スッて着られるようになってきて(笑)。
AKANE:演奏もだんだんモーションキャプチャー用のパフォーマンスになってきて、面白かったよね。
――収録は何回ぐらいあったんですか?
小鳩:5、6回やってたっぽね。私は現場にはいけなくて、「観たかったぽ!」って。
KANAMI:小鳩はリハで会ったときとかに「みんな偉いよ!」って褒めてくれて、北海道にお給仕で行ったときに「ここは私に任せな!」ってご馳走してくれたんです。
小鳩:「みんな疲れてるっぽ!? せめてご馳走させて」って(笑)。インストですごく難しい構成の楽曲のモーションキャプチャーやレコーディングをやっていると聞いていたので、私にできることは労わることだなと思ってましたっぽ(笑)。
KANAMI:おかげで乗り越えられました。

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こだわりが見えたビルボード公演&見事チャンピオン獲得も

――4月13日に東京・ビルボードライブ東京でお盟主様限定アコースティックライブツアーの東京公演が控えていますが、3月の大阪公演はいかがでしたか?
小鳩:ビルボードでのお給仕はいつかやりたいと言っていたことの1つでしたし、アコースティックの公演自体、バンドを始めた頃の私たちには考えられなかったことなので。12年やってきたからこそアコースティックのお給仕ができるし、それも普通のお給仕ではなくてお盟主様限定でビルボードを埋められるっていうのがとても嬉しくて。演奏する私たちもすごく緊張と感動がありましたっぽ。
SAIKI:全然ライブハウスと違ったよね? 本当に距離が近くて目の前にお盟主様がいるので、逆に目がなかなか合わないっていうか(笑)。お盟主様も緊張してる感じでした。
小鳩:襟付きのドレスコードがあったので、お盟主様のみなさんも服装がいつもと違っていたっぽね。
SAIKI:いつもと違う姿を見たというか、「あら、みなさん大人ですね」みたいな(笑)。紳士・淑女の方が多くて、こちらも気持ちが引き締まりました。
小鳩:新鮮で楽しかったですっぽね。飲食しながら観ていただけたんですけど、ご主人様・お嬢様も緊張していらっしゃるので、いつ食べたらいいのかをちょっと悩みながら食べていらっしゃる方もいましたっぽ(笑)。
SAIKI:それに、アコースティックにアレンジされてるから、曲の構成は変わらないですけど、「いつブレイクになるんだろう?」とか、曲の終わりもわからない緊張感もあったりして。
小鳩:1回フォークとナイフを持ったけど置く、みたいな(笑)。
SAIKI:音立ててもいいんですよって(笑)。そういう、私たちも盟主様もどっちも慣れてない感じはありました。演奏でいうと、今回一番スタイルが違ったのはMISAじゃない?
MISA:5弦のアコベに挑戦して、曲によってエレベと使い分けました。
KANAMI:「これはアコベ用の曲、これはエレベ用の曲」って、MISAの中でフレーズが変わるのが、私的にはびっくりして。一見同じように弾きそうなイメージがあったんですけど、違うんだって勉強になりました。
MISA:聴こえ方が全然違ってくるし、自然とアコベっぽいフレーズになったりとか、そういうアレンジをして行ったので。お給仕でアコベとエレベを使い分けるので、ゲネプロのときに外音をどうしようかっていう話になったときに、「この曲はエレベにした方がいいんじゃないか」みたいな提案があったんですけど、どうしてもベースラインをアコベ用に作っちゃったっていう強い気持ちがあって……ただ、ゲネ2日目にEQを導入してもらって、ハイを抑えたら使えるっていうことで、アコベで弾くことができました。
KANAMI:でも本当、こだわりってすごく大事ですよね。
小鳩:素敵なこだわりだったっぽ。
SAIKI:みんなコーラスもがんばったしね。
小鳩:そうそう。前回のアコースティックのお給仕でも一緒にみんなで歌ったりっていう場面はあったんですけど、より曲数も増えましたし(音の)高いところ低いところの棲み分けもあって、みんなのコーラス参加率が上がりましたっぽ。
KANAMI:たぶん海外のご主人様・お嬢様は特に反応すると思うんですけど、MISAがコーラスしてるのがレアだと思います。海外だと、「MISA!MISA!」ってコールがあるぐらい大人気なんですよ。
SAIKI:普段MISAはステージ上で喋らないから、マイクに近づくだけでお客さんが「ああっ!」ってなるんです(笑)。
小鳩:「何を発するんだ!?」って(笑)。
KANAMI:そのMISAさまが歌ってくださるっていう(笑)。そういう意味でもこのアコースティックお給仕はレアです。
SAIKI:AKANEのコーラスもレアだけど、“声デカい”で通ってるから。
AKANE:私はマイク無くても大丈夫なので(笑)。

――AKANEさんは大阪公演を振り返っていかがですか?
AKANE:昼と夜の公演をやるのってほぼ初めてなので、昼と夜で良い意味でテンションも違っていて。アコースティックなので音の聴こえ方も違うし、お客さんとの距離の近さもあって1公演目はこちらもお客さんもお互い緊張感が見えたり、今回いつもと立ち位置が違うので、メンバー全員とアイコンタクトできたりするのも新鮮だったりします。
小鳩:初めての場所で初めての感覚を経験して、「ビルボードLv.1」に上がったので、東京公演ではさらに良いお給仕ができるようにしたいですっぽね。
――ツアー第1弾が5月10日の東京・LINE CUBE SHIBUYAからスタートします。2025年ツアーで掲げているテーマは何でしょう?
SAIKI:去年はBAND-MAID新章として活動していたので、その新章2年目ということにもなりますし、去年9月に3年半ぶりのアルバム『Epic Narratives』を出したので、それを育てていくツアーになると思います。新章ってこれだけ言って全国ツアーをやるので、「今までと同じと思うなよ?」っていうのはみなさんの頭に入れておいてほしいですね。それと今回は、小鳩とMISAの地元(熊本と岡山)にも久々に行きます。
小鳩:3年ぶりの地元でのお給仕なので、久々に会えるご主人様お嬢様も多いでしょうし、もちろん海外の方もいらっしゃると思うので、数年の間にまた成長したことをすごく感じていただけるツアーにできるかなと思いますっぽ。
――最後に直近のトピックとしてお伺いします。3月29日のTBS『オールスター感謝祭'25春』に小鳩さんが単独出演するそうですね。この記事が出る頃には放送は終わっていますが、意気込みを訊かせてください。
小鳩:そうなんですっぽ! 『ロックは淑女の嗜みでして』の番宣チームとして出演させていただきますっぽ。マラソンを期待していらっしゃる方がとても多いんですけどっぽ(笑)、マラソンは予定にございませんっぽ。クイズはそんなに得意ではないんですけどっぽ。
SAIKI:でも、地頭はいいじゃん?
小鳩:いやいや(笑)。過去の『オールスター感謝祭』を見ると、たぶん頭の良さじゃなくて反射神経と雑学みたいな感じなので、過去問を見ても「これは対策ができないっぽ!」と思ってますっぽ。
――是非、ピリオドチャンピオンになってほしいです。
一同:なってほしい!! がんばって!
小鳩:そうですね、運の良さを強めて行かないとって思ってますっぽ。
――粗品さんに勝ってください。
小鳩:いやあ~、粗品さんはレベルが高いですからっぽね(笑)。ただ、「1秒でも長く映り込んでやろう」という気持ちはありますっぽ。『ロックは淑女の嗜みでして』とBAND-MAIDをよりお茶の間に広められるように、がんばってこようと思ってますっぽ。
※その後、放送本番では早押しクイズ第5ピリオドで見事にチャンピオンを獲得(なんと2位は粗品)。総合順位では24位となる大活躍で、しっかりインパクトを残した。

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