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<インタビュー>メジャーデビューから1年――「花占い」で見せたLEEVELLESの進化と挑戦

インタビューバナー

Interview & Text:上野三樹
Photo:筒浦奨太


 4人組ロックバンド、LEEVELLESが5thデジタルシングル「花占い」をリリースした。昨年8月のメジャーデビューから1年、ギターロックをベースに繊細な表現力とダンサブルかつポップなアレンジで1曲1曲、進化を遂げてきた彼ら。「花占い」は夏らしい爽やかな情景のなかに、揺れる切ない恋心を描いた軽快なポップナンバーに仕上がった。今回のインタビューでは精力的に活動をしてきたこの1年を振り返ってもらいつつ、「花占い」にまつわる制作エピソードを語ってもらった。4人のチームワークと、彼らが音楽に向き合うときの高いモチベーションが伝わってくる内容だ。

 左から:川﨑純(Gt.)、宮地正明(Ba.)、小川紘輔(Vo./Gt.)、髙木皓平(Dr.)

LEEVELLESらしさみたいなものが
ちょっとずつ固まってきている気がします

――昨年8月に1st Digital Single「ヨルヲカケル」をリリースし、メジャーデビューして1年。メジャーデビュー後の活動を振り返ってみて、いかがですか。


小川紘輔:この1年、楽曲制作やライブなどをたくさんやらせていただいてきたなかで、だんだんこのスピード感に慣れてきたなという実感があります。ありがたいことにリリースが急に決まることもあるんですが、短い期間でも制作に取り組むことができるようになってきたし、自分で言うのもあれですが(笑)、よりクオリティの高いものが生み出せるようになってきたかなと思います。いつもメンバーと色んな要素を取り入れながら楽しみながら制作ができています。


川﨑純:確かにひとつの楽曲制作に着手し始めてから完成までのスピード感ってインディーズの頃とは全然違っていたので、最初の頃は戸惑ったというか「こんなスピード感なんだ」というのは正直思ったんですけど(笑)。すごくありがたい環境でレコーディングをさせていただいているので、得るものも多いです。メジャーデビュー以前は、僕の家でレコーディングをしたりしていましたから、より良い環境になりました。最初の頃は新しい環境に緊張したりしましたけど、何度も経験を重ねていくうちに、「次はもっとこうしよう」と、貪欲にさらなるクオリティを目指せるようになって。そうした制作面での変化がライブでの変化にも繋がってお客さんの反応もどんどん良い方向に変わっていっている気がして、すごく充実しています。


宮地正明:メジャーデビューからのこの1年、本当にあっという間でしたね。それだけスピード感を持って活動しているぶん、普段の生活においても時間をどう使うのかを考えなきゃいけないことも増えてきて。最近はプライベートでも優先順位を決めながら上手く時間を使えるようになってきました。


髙木皓平:バンド全体としては「もっとこうしたい」とか「あれもやりたい」ということが見えた1年でもあったので、いろんな課題が新たに追加された感じもしています。インディーズの頃よりも、メンバー内で意見を言い合うことが増えたことで、どんどん自分が脱皮していく新しい自分を発見しているような感覚もあります。それによってバンド自体も成長していっているので、まだまだこれからが楽しみですね。


――昨年10月には2ndデジタルシングル「地獄の沙汰も愛次第」、今年1月には「明日は明日の風が吹く」、6月には「Walk」と精力的にリリースしてきました。曲作りにおける面白さはどんなところにありますか。

小川:ありがたいことにアレンジャーさんにもついていただいているので学ぶものが多くて制作がすごく楽しいです。第一線で活躍されている方々と一緒にひとつのものを作るというのはすごい経験値になります。自分たちでは思いつかなかった音やフレーズが入っていたりして、ステムデータを毎回、研究させてもらってます(笑)。



川﨑:アレンジャーさんの「なんでこの音を入れたんだろう?」っていう、その意図を感じることができたりすると楽しいよね。「なるほどな!」って思うし。


――かなり研究熱心なんですね。

小川:勉強になりますね。ちなみに曲作りのときって、うちはメンバー全員でデモを提出するんですよ。結果的に採用されるのは1曲ですけど、その他のデモもまた次の機会で採用されるかもしれないし、そこからヒントを得て新しい曲が生まれるかもしれないので。ちゃんと経験値にはなっていて。


宮地:そういうときにみんなが作ってくる曲やデモがどんどん良くなってるから嬉しいんですよね。最初はそれぞれの音楽的な好みが色濃く反映されたものが多かったですけど、最近ではLEEVELLESらしさみたいなものがちょっとずつ固まってきている気がします。



――それぞれの楽曲で割と派手にギターソロが入っているのもLEEVELLESらしさのひとつかもしれないですね。

川﨑:そうですね。この間、「レコーディングで毎回ギターソロを録ってるな」って僕も気づいたんですけど、メジャーデビュー以降の曲には毎回入っています。一時期、最近の曲にはギターソロが減ってるみたいな話題もありましたけど(笑)、弾きたいから弾く! でいいのかなと思って。


小川:やっぱり僕らがやっているのはギターロックですから、ギターは目立って欲しい。一時期は僕らの中で“ギターロックを抜け出したいブーム”もあったんですけど、ただ抜け出したいんじゃなくて、ギターロックに何かを足すことで新しいものができるといいなと思っていて。なのでちょっとEDMの要素が入っていたり、ピアノを入れたりして間口を広げていますし、いろんなジャンルを融合して新しいものができればと思いながら1曲1曲、作ってきました。


髙木:既存のギターロックを脱却する新しい感覚をアレンジャーさんから提示してもらうこともありますし、そこはビートが担っている部分も大きいと思います。ドラマーとしてもその都度、勉強しながら制作することを楽しんできました。



――8月21日にリリースされる5thデジタルシングル「花占い」は、夏の情景と花占いというモチーフが印象的な1曲に仕上がりましたね。

小川:はい。今回はコーセーさんのTVCMのお話をいただいて書き下ろしさせていただいたんですけど。ビオリスというヘアケア商品なので清潔感を大事にしつつ、「盛り上がりすぎない曲調で」「朝日が差し込むイメージで」といったいくつかのオーダーをいただいていました。なのでサラサラの髪を風になびかせている君というところからイメージを膨らませて、爽やかで夏っぽい曲にしようと。ちょうど僕は歌詞のモチーフとして花が気になっていたところだったので、恋の行方を占う、花占いって素敵だなと思って恋愛ソングにしました。告白するときは緊張するし臆病になってしまうけど、結果はどうあれ想いを伝えた先にちょっとだけ自分の世界が広がって人生の中にひとつの色が足されるような、そんなメッセージが伝えられたらいいなと思いながら歌詞を書きました。





花占い [OFFICIAL MUSIC VIDEO]


――「花占い」はかなりハイトーンなボーカルも聴きどころですね。

小川:そうですね。ラスサビの<綺麗だ>のフレーズで、これまで歌ってきた中で最も高い音を出しています。だから最初から全力で歌いつつも、最後にこの高音が待ってることを考えながら歌わなきゃいけないなって。


川﨑:デモの段階から「これ大丈夫かな!?」って心配してたんですけど、なんだかんだ今までもチャレンジして歌えるようになっていたので大丈夫だろうと。今回もかなり練習して歌えるようになっていました。


小川:低い音は練習してもなかなか出ないと言われていますが、高音は練習次第で出るらしいので。高音に限らずボーカルに関してもどんどんチャレンジし続けて幅を広げて行きたいです。



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誰か1人だけが強いバンドじゃなく、
4人でどんどん強くなっていけるようなバンドでありたい


――今回も「花占い」のジャケットを小川さんが手掛けられたそうですがアートワークに関してもお聞きしたいです。

小川:ジャケットに描く花はどれがいいかな?って調べていたときに、マーガレットがもともと花占いで使われていて、しかも「恋の行方」という花言葉もあるそうなので、マーガレットにしました。毎回、ジャケットの絵を描くタイミングってレコーディングが全部終わったあとなので、絵でも情景が浮かびやすいんですけど、これも何パターンか提案するので、メンバーやチームに共有して意見をもらってからまた別パターンを描いたりブラッシュアップしたりして仕上げていくことが多いです。


川﨑:紘輔くんの絵に関してもクオリティがどんどん上がってきてるんで、以前は「絶対こっちがいいよ!」とか自分なりの感覚で意見を言えていたんですけど、最近は出してくれるものが全部良いので「ごめんなさい、選べません!」っていう状況になります(笑)。



――1作ごとにバラエティ豊かなアプローチで進化を見せてくれているLEEVELLESですが、活動を重ねていく中で感じているバンド内での変化やメンバーに対する想いはありますか。


宮地:僕がみんなに対して思うことなんですけど、ちゃんと成長し続けるってすごく大変なことだと思うんですよ。「今のままでいい」と思わずに、もっと良くしていこうと思い続けられるメンバーに対してすごくリスペクトしています。最近ではボーカルの紘輔が人としてすごくカッコよくなった気がするんですよね。僕にも自分ではなかなか気付けないようなアドバイスをくれたりするので、すごくありがたいし、これからもお互いに切磋琢磨しながら高め合っていきたいなと思います。



髙木:メンバー内でちょっと互いをライバル視しているようなところもある、良い関係だと思うんですよね。今この部分が成長してるなっていうのが他のメンバーを見ていてわかるし、悔しくなることもある。多分その感じがバンドならではだなと思うし、その面白さをあらためて実感しているところです。



――人としてカッコよくなったと言われて小川さんご自身ではどうですか。


小川:成長しているのは僕だけではないと思うんですけど、確かに僕自身が考え方を変えたタイミングがあったんです。ただ、どんなに強い人でも波ってあると思うし、もちろん僕にもあると思うので。この4人でやっていくうえで、互いの弱っている部分や迷っている部分を補い合っていければいいんじゃないかなと。そこは全体を見渡しながら臨機応変に、これからも誰か1人だけが強いバンドじゃなく、4人でどんどん強くなっていけるようなバンドでありたいなと思っています。


――今後の活動で楽しみにしていること、近々やってみたいことは何かありますか。


小川:8月29日に主催ライブ【CROWN Fes. #2】があるので、そこではアートな空間を作り出したいなと思って準備しています。それと9月21日には【イナズマロック フェス2024】に出演します。僕らにとって初めのフェスなので、1人でも多くの人達に僕たちの音を届けられたらいいなと思っています!



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