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<CASIO×Billboard Live>halcaが語る、たくさんの愛を探して受け取るために歌うこと
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
昨年、デビュー5周年を迎えたシンガー、halcaがビルボードライブ初登場する。2013年にボカロ・アニソン特化型オーディション『ウタカツ!オーディション』で準グランプリを獲得し、2018年にはTVアニメ『ヲタクに恋は難しい』エンディングテーマ「キミの隣」で<SACRA MUSIC>よりメジャーデビュー。その後も数々のアニメ主題歌を担当しながら、2023年には自身初の東名阪ツアーを完遂、さらにサウジアラビアやシンガポール、香港といった海外公演も経験し、次世代アニソンシーンを担う存在として支持を広げている彼女に、ビルボードライブに向けての意気込みや、音楽に目覚めたきっかけなどを語ってもらった。(Interview: 黒田隆憲)
「声を使った仕事に就きたい」と思うようになるまで
――halcaさんは、どのようにして音楽に目覚めたのですか?
halca:小さい頃から歌うことは大好きで、最初は「スーパー戦隊シリーズ」のテーマソングなどを、側転して部屋のあちこちにぶつかりながら大声で歌うような子供でした(笑)。父も母も音楽が好きで、車の中ではよく音楽が流れていたので、それをモノマネしながら歌ったり、お風呂の中でもずっと歌ったり……それが幼稚園の頃です。それとほぼ同じ時期に、子ども向け番組を入り口にアニメも見るようになりました。ケーブルテレビの1日中アニメ番組を流しているチャンネルがあり、気づけばそれを毎日楽しみにするようになっていきましたね。
――声優に憧れたのも、やはり「歌」の延長で?
halca:そうだと思います。私、子供の頃は「キッザニア」へ行って仕事体験をするのが大好きだったんですよ。そこでラジオパーソナリティや声優、歌手の体験をしているうちに、「声を使った仕事に就きたい」と思うようになっていったのだと思います。デビューのきっかけになったのはボーカルオーディションだったのですが、通らなかったオーディションの中には声優アーティストオーディションとかも混じっていましたし。
――そのころ、憧れていた歌手や声優はいましたか?
halca:初めて家族が私にCDをプレゼントしてくれたのが、確かYUIさんのアルバムだったと思うんです。ナチュラルな発声とか、ちょっと顔をくしゃっとさせて歌う仕草とかが「かっこいい!」と思って。アニメ系でいうと、『きらりん☆レボリューション』が大好きだったのもあり、久住小春さんの歌をたくさん聴いていました。
――メジャーデビューまでの数年間は、先の見えない日々が続いて諦めそうになった瞬間もあったとお聞きしました。それでも諦めなかったのは?
halca:たくさんオーディションを受けている中、『ウタカツ!オーディション』の準グランプリをいただくまでは、すっごく前向きでポジティブな人間だったんですけど、「もうちょっとでデビューできそう」みたいなポジションからなかなか前に進まない時期が続いて……4年目くらいからかな、「やばい、ちょっと心が折れそう」って。
そんな時でも友人や母親は元気付けてくれたし、事務所の人たちからも「絶対大丈夫」と言われたのはずいぶん励みになりましたね。逆に、クラスメートの中には「歌手?絶対になれるわけないじゃん」みたいにいう人ももちろんいて、すごく悔しかったけどバネになりました。「絶対に夢を叶えて見返したい!」って。あとは「根拠のない自信」ですかね(笑)。最終的には自分自身のそういうところに救われた感はあります。
音楽って本来、このくらい自由でいいんだ
――その後、無事にデビューを果たし、2023年には自身初の東名阪ツアーを完遂。さらにサウジアラビア、シンガポール、香港といった海外公演も経験し、次世代アニソンシーンを担う存在として支持を広げています。国内の公演と、海外のそれとはやはり違いますか?
halca:海外で歌う機会が増えてすごく面白かったのは、アップテンポの曲を歌っていても、まるでバラードを聴いているスピード感で楽しんでいる人もいれば、逆にしっとりした曲をノリノリで踊って聴いている人もいて(笑)。自分たちの「ノリかた」さえも自己表現として取り組み、「ショーの一部なのだ」という気持ちで自己表現をしてくれる人が、海外には多い気がします。
――それを見ていて思うところはありますか?
halca:音楽って本来、このくらい自由でいいんだよなとは思いましたね。もちろん、日本のファンの方は、全員でフリを合わせて一体感を味わうという彼らならではノリ方もあって。私自身は、自分の歌を聞いてくれた人の、国内外どちらのリアクションも目の当たりにすることができるわけだから、本当に幸せだなと思っていますね。
――さて、7月7日にはビルボードライブ大阪で、7月27日にはビルボードライブ横浜でライブが開催されます。ビルボードライブ初登場の心境を聞かせてもらえますか?
halca:ビルボードライブさんは、ミュージシャンなら誰でも憧れる場所と言っても過言ではないと思います。私ももっと大人になって、ようやくそのチャンスが訪れることもあるのかな、そうなったら素敵だな……なんて憧れていました。だから、こんなに早く出させていただけるなんて夢にも思っていませんでした。
でも、せっかく選んでいただいたからには「フレッシュ代表」と言いますか(笑)。私は自分のライブの中でも、アコースティックセットでやっている公演を「live playground」と呼んでいるのですが、ビルボードライブにもそのセットを持ち込もうと思っているんです。「playground」は「遊び場」の意味ですし、「ビルボードライブを、こんなふうに自分の遊び場にもできるんだよ?」というのを見せられるステージになったらいいなと思っています。まずは自分が肩の力をちゃんと抜いて、その上でお客さんにもリラックスして聴いてもらえるようにしたいですね。
――ビルボードライブはお客さんとの距離も近く、食事やお酒を楽しみながらじっくりとhalcaさんの音楽を堪能していただけるいい機会になりそうですよね。
halca:そう思います。私のおうちに皆さんをご招待して、そこで歌を披露しているようなそんな気持ちで歌えたらいいなと。聴いた話によれば、私たち出演者はお客さんのテーブルの間を縫ってステージに上がっていくんですよね? であれば客席で歌うのもディナーショーみたいで楽しいんじゃないかなって(笑)。ステージでは皆さんと乾杯しても楽しそうですよね。そんな感じで今は色々妄想が先走っている最中なので(笑)、この後スタッフさんとしっかり打ち合わせて、最高の「遊び場」を作っていくつもりです。
――今後はどんな活動をしていきたいですか?
halca:私には「愛されたい」という欲求が強くあることに近年気づいたんです(笑)。自分の人生のテーマは「愛されたい」だなと。たくさんの愛を探し、受け取るためにこの仕事をして、一生懸命頑張っている。そして自分が幸せになることが、巡り巡って誰かを幸せにすることにつながっていけば最高ですよね!
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