Billboard JAPAN


Special

<コラム>YouTuber初の快挙!コムドット「拝啓、俺たちへ」“JAPAN Hot 100”トップ3入りでアーティストとしても開花

インタビューバナー

Text: 森朋之

 5人組YouTubeクリエイター・コムドットのメジャーデビューシングル「拝啓、俺たちへ」がBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”(6月5日公開)で初登場3位を獲得した。“JAPAN Hot 100”はCDセールス、ダウンロード数、ストリーミング再生数、動画再生回数、ラジオオンエア回数、カラオケの6つの指標からなる総合チャートで、シングル初週売上枚数は136,964枚と好調なスタートを切った。ラジオ6位、ストリーミング16位、動画再生23位、ダウンロード27位とバランスよくポイントを稼ぎ、JO1、Number_iという人気アーティストに次いで3位デビュー。YouTubeクリエイターの楽曲において、同チャートのトップ3に初めて入った楽曲として、輝かしい記録も樹立した。

 本人たちに会える貴重なイベントへの参加応募券が封入されていることやメンバー別のジャケット盤が出ていることなど、ファンのCD購買意欲をそそる施策が用意されてはいるものの、初週のポイント比率を見てみるとCDセールス6割、ストリーミング2.5割、ラジオオンエア1割、そのほかが残りと、サブスクユーザー層からの支持も高いことがわかる。

 本曲は、5月29日に配信された直後から各種音楽ストリーミング/ダウンロードチャートで計8冠を達成。さらにApple Musicでは配信初日からメインチャート“TOP 100”に、Spotifyでは“急上昇チャート”に進出した。また、メンバーの地元(メンバーが通っていた西東京市立柳沢中学校をはじめ、西武新宿線・西武柳沢駅の周辺)で撮影されたミュージック・ビデオの再生回数は760万回を超えるなど、大きな反響を集めている(6月20日現在)。YouTubeクリエイターとして積み重ねてきた人気、影響力、そして、ファンに寄り添うアクションの数々は、音楽業界でも完全に通用していると言っていいだろう。

 コムドットは、2018年10月から活動をスタート。幼なじみ5人による“地元のノリ”を活かした動画によって瞬く間に人気を獲得し、何度も炎上を繰り返しながらも、チャンネル登録者数379万人のトップYouTubeクリエイターとして強い影響力を誇ってきた。

 そんな彼らがアーティストとしてメジャーデビューすることを発表したのは、今年の4月。コムドットにはいわゆる“アンチ”も多く、SNSやニュースサイトのコメント欄には数多くの批判や揶揄が寄せられたが、リーダーの“やまと”はすぐに「あんたらがヤフコメに嫌味とか悪口を書き込んでる間に、コムドットは次の時代を創る」と反応。波乱含みのスタートとなったが、デビュー後のリアクションの良さは前述の通りだ。

 1stシングル「拝啓、俺たちへ」は作詞をゆうた(コムドット)、作曲をRyota Saito、遠藤ナオキ、ゆうま(コムドット)が担当。〈背中押し合って 進めこの道〉というフレーズを軸にした青春ソングだ。この曲の背景にあるのは、コムドットのメンバーのこれまでの軌跡。中学のバスケ部で一緒だった5人は、高校卒業後にYouTubeクリエイターとしての活動を開始。その後、様々な出来事を経験し、数多くの批判を浴びながらも、自分たちの意思を貫き、エンタメの新たな形を生み出してきた。そのことを踏まえて〈何でもない日常を変えたのは 昔から隣にいた 見慣れ飽きてる顔〉〈誰よりも高く飛びたくて これでもかと背伸びをした〉という歌詞を聴けば、この曲がコムドットの在り方やスタンスと直結していることがわかるはず。そう、「拝啓、俺たちへ」は“これを聴けば、コムドットがわかる”という自己紹介ソングでもあるのだ。


 YouTubeのコメント欄には「コムドット好きじゃないけどこの曲はいいと思う」「正直舐めてた、最高すぎた」といった声が。また「「今日の1歩が大事だろう」と背中を押されて 今朝、、、息子が学校へ向かう後ろ姿に涙が止まりませんでした」「登下校でいつも聴いてます!!」「最近、勉強のやる気が全くでなくて、拝啓俺たちへで背中押してもらってます」(原文ママ)などリスナー自身をエンパワメントする効果もあるようだ。

 エモさ、いなたさに溢れたメロディ、生楽器を主体としたバンドサウンドから伝わる懐かしさ(平成のJ-POPを想起させる)も彼らのキャラクターにぴったり。以前から音楽活動を行っていた“ゆうま”と“あむぎり”以外のメンバーのボーカルは正直に言ってまだまだ稚拙だが、生々しい感情を込めたボーカル(おそらく、ほとんど修正していない)には彼らにしかない良さがある。まったく飾ることなく、自分たちのありのままを伝えようとするスタンスは、YouTubeでの活動にも共通するコムドットの基本姿勢だ。

 CD盤は通常盤のほか、「やまと盤」「ゆうた盤」「ひゅうが盤」「ゆうま盤」「あむぎり盤」を販売。各形態に封入されたシリアルナンバーで好みの特典(5都市イベント、オンライントークイベント、チェキなど)に応募できる企画も行われた。特に話題を集めたのは、前代未聞の“交通費全額支給”をうたったシリアルS賞(プレミアムイベント)。この施策に対しても賛否両論が集まったが、やまとは5月13日、5月20日に行ったインスタライブで、CD特典の詳細、応募方法について改めて説明。特に20日の配信では、「『拝啓、俺たちへ』は自己紹介として完璧。自分たちの生き様が凝縮されている」とコメントしたうえで、「コムドットにいいイメージを持っていない人にも伝わる曲だからこそ、CDの売上が大事。お金のためと言われるけど、より多くの人に届けるための話題作り、記憶作り」とCDリリースの戦略の意図を明らかにした。また「無理してまで買わないでほしい」「いろんな要望があるが、すべてに応えられるわけではない」という趣旨の言葉も。この言動にも賛否があるようだが、その根底にあるのは“自分たちの思いを直接伝えたい”という愚直なまでの思い、そして、とにかく自分たちのことを応援してくれる人たちを楽しませたいというモチベーションだろう。


 「拝啓、俺たちへ」のカラオケ映像にメンバー自身が出演していることも話題だ。映像のテーマは“5人の友情”。公園や神社などで撮影され、“ザ・カラオケの映像”に仕上がっている。この企画もまた「自分たちの大切なデビュー曲をカラオケでも楽しく歌ってもらえるように」という思いから始まったものだという。

 自分たちの思いや半生を色濃く取り入れながら、誰もが楽しめる“青春パワーソング”として成立させ、CDリリースの形態や特典、カラオケ映像など、ファンを楽しませるという施策もたっぷり。コムドットの魅力が凝縮された「拝啓、俺たちへ」によって、彼らのエンターテインメントはさらに幅広い層に届くことになりそうだ。

関連キーワード

TAG

関連商品

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)

拝啓、俺たちへ
コムドット「拝啓、俺たちへ」

2024/05/29

[CD]

¥1,000(税込)