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ソナーポケット 『ソナポケイズム③~君との365日~』インタビュー
2010年発表の『好きだよ。~100回の後悔~』から立て続けにヒット曲を連発し、配信チャートで7曲連続1位と、記録を更新中の3人組ユニット ソナーポケット。2011年はTBS「カミスン!」やテレビ朝日系「ミュージックステーション」へも出演し、更なる人気を集めている彼らが、このアルバムを通して伝えたかったこととは?
「ミスドでラブレターを書いた」という微笑ましい体験談から、「先の見えない恋愛」という深い恋愛トークまで。彼らがラブソングを歌う理由がここに。
ナンパじゃなくて“出逢いの架け橋”
--2011年は、レコチョク年間ランキングやLISMO Awardでも首位に輝くなど、ソナポケにとって濃い1年になりましたね。
ko-dai(ヴォーカル):ツアーや文化祭ライブ、2年ぶりに「Mステ」へも出演させて頂いて、何より出逢いの多い1年でした。
eyeron(ヴォーカル):学園祭ライブにも2010年の時より多くの人が来てくれたしね。『好きだよ。~100回の後悔~』をライブで披露すると、歌が聞こえないくらいの歓声が沸き起こるんですよ。それは2010年になかったことなので、やっぱり嬉しいですね。
--ツアー【会いたかったメンバーいつでも帰る場所があるんだTOUR 2011 ~デビュー3周年SPECIAL!!!~】も、かなりパワーアップしたステージになっていました。
eyeron:キャパが広くなったことも大きいですけど、今回のツアーではmattyがギターを弾いたり、新たなソナポケのスタイルを見せることが出来たと思います。今年の3月にもワンマンライブを開催しますけど、そこへ繋がるステージになりました。
ko-dai:結果が出たことに対する喜びの反面、プレッシャーも感じたし、2011年は学びの年でもあったよね。『好きだよ。~100回の後悔~』を越す曲というか……もっともっと曲が必要だと思いました。元々曲作りを多くしているチームではありますけど、これじゃ足りないと思うくらい。個人個人のスキルアップも必要だと感じたし、今まで一歩一歩ゆっくり進んできたチームがちょっと駆け足になった感じ。喜びも多かったけど、悩みみたいなものも今までで一番感じた1年でしたね。
--やっぱり『好きだよ。~100回の後悔~』は、それだけソナポケにとって大きな存在ということですか?
matty(DJ):多くの人に知ってもらうきっかけになった曲ですからね。ただ、自分たちで作った曲はどれも同じように可愛いんです。
eyeron:でも、この曲で「ソナポケは歌詞がいい」って言われることも多くなったから、大切な曲ではあるかもしれないね。そこから他の曲を聴いてもらえる機会も増えたので。
--また、年明けにはオールナイトニッポンのパーソナリティーに初挑戦しました。自分はmattyさんの「ナンパじゃなくて出逢いの架け橋」という名言が印象的で………(笑)。
matty:よく覚えてますね(笑)。声を掛けないと繋がることは出来ないじゃないですか。人との出逢いは常に大事にしたいんですよね。
ko-dai:学生時代は、電車の中でもタイプの人が目の前にいると、mattyは声をかけていたよね? 「気になったんですけど」って。
--2人も積極的なんですか?
ko-dai:ナンパは無理だなぁ。めちゃくちゃタイプの子と道ですれ違っても「あぁ、一瞬の恋だったなぁ」って胸にしまいますね。ただ、ちゃんと好きになった時は自分から伝えますよ。
eyeron:俺もmattyみたいなのはないですけど、好きになったら自分から伝えるかな。
ko-dai:フラれたことないんだ?
eyeron:あるよ。学生の頃、俺には好きな子がいたんだけど、その子には別の好きな子がいて。俺はその女の子から恋愛相談を受けてたわけよ。で、最終的に自分の想いを伝えたんだけど、もちろんフラれた。
ko-dai:うわぁ、好きな子の恋愛相談にのるとか…………狡いわぁ~(笑)!
matty:確かに「その子の恋が失敗したらチャンスだ!」くらいのことは思ってたかも(笑)
Interviewer:武川春奈
いつ結婚してくれるの?って聞かれたことがあって…
--1月25日リリースのニューアルバム『ソナポケイズム③~君との365日~』には『ラブレター。~いつだって逢いたくて~』も収録されていますけど、実際にラブレターを書いたことはあります?
ko-dai:付き合ってる子に、ミスドで書いてましたよ。
eyeron:青春だねぇ。
ko-dai:24歳の時だけどね。介護の仕事をしていた時、仕事終わりによくミスドで待ち合わせをしていたんです。その間、隣にあったダイエーで便箋を買って、1人でカフェラテを飲みながら書いてましたよ。
matty:俺もラブレターはよく書いてたよ。あとは謝罪文的なものとか。ケンカした時、直接謝っても「何が悪いか分かってる?」って言われるから文字で伝えるんです。そうすると意外と効果があって。「ごめんね」だけでも口にするのとでは全然違う。
ko-dai:ラブレターは書いちゃうよねぇ。車のダッシュボードに入れておいてみたり。
--サプライズも好きなんですね。
ko-dai:好きですね。喜ぶのが下手なので、されるのは嫌ですけど。サプライズした人が満足する程のリアクションが取れないから。
eyeron:俺も会うときに花を用意してみたり、ってことはあったなぁ。長い付き合いでも、それを続けられるようになりたいですね。
--では、収録曲についても聞いていきたいんですけど、『「でも…。でも…。でも…。」』は今までのソナポケにはない大人っぽい曲ですよね。
ko-dai:夢を追いかけていた頃、付き合っていた彼女に「いつ結婚してくれるの?」って聞かれたことがあって。だけど、収入も安定してないし、ハッキリとした答えを出せなくて。2人で会っている時は仲が良くて幸せでも、一旦ちょっと離れてみると「私大丈夫かな?」って相手を不安にさせちゃう。そういう先が見えない恋愛を描きました。
--最初に聴いた時、相手がいる人を好きになってしまった状態を思い浮かべました。
ko-dai:それもあります。相手がいる人を好きになってしまったという相談を実際に受けたので。曖昧な関係に悩んでいる人って、誰かに相談しても「そんな男やめちゃいなよ」くらいの言葉しか返してもらえない人が多い気がするんですよ。そういう人に“分かってるよ”って言えるような、支えになれるような曲にしたかった。ただ、聴く人によって捉え方は全く違う曲になったと思いますね。別の友達は、浮気や不倫じゃないけど、彼氏と先が見えなくて「この曲は私の想いを代弁してくれている」って言ってくれましたし。
--実際にこういう経験はありますか?
ko-dai:相手がいる人を好きになったことはありますね。別に何があったわけでもなく、ずっと片想いでしたけど。
eyeron:曲通りはないですけど、かする部分はあるよね。mattyは?
matty:あるかも。でも、ko-daiと同じで何かがあったわけじゃないなぁ。
--うって変わって『365日のラブストーリー。』は、ソナポケらしさ全開の曲に仕上がっています。歌詞には過去の楽曲が入っていたり、遊び心もある曲ですね。
eyeron:最近は俺らの曲を結婚式で使って下さる方も多いので、過去のハッピーなラブソングを入れてみようと思って。自分たちで「流行のラブソング」とか言っちゃって、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。
ko-dai:この曲は歌い届けてほしいです。カラオケで“歌って伝えたくなるようなラブソング”にしたかったので。あとは、常に今を大事にしてほしいという意味をタイトルに込めました。
--また、『ゴメンね…。~お前との約束~』はリアルな失恋ソングになっています。思わず「あるある」って思うような歌詞が印象的でした。
ko-dai:外に出ないで1人でひたすら落ち込んでいる状態が『好きだよ。~100回の後悔~』で、そこから一歩進んだ感情が『ゴメンね…。~お前との約束~』なんです。友達が気を遣って開いてくれた飲み会に参加しても、ふとした瞬間に別れた彼女を思い出しちゃうような。彼女と同じ香水を付けているとか、彼女だったらこうしたのにとか、何かと比較しちゃうんですよね。常に彼女を探してしまうというか。そんな気持ちを書いたんですけど……そう思うと一番女々しいのは俺だろうなぁ。mattyとか切り替え早い方だもんね。
matty:縁が無かったと思うからね。何があっても、続いていくものは続いていくし、続かないものは続かないから。
ko-dai:俺は失恋したら仕事に打ち込んだりするしかないな。あとは、他の女の子と遊ぶとか。っていうのも変な意味とかじゃなくて、恋愛で傷ついた部分は恋愛でしかカバーできないと思うんですよ。他のことで頑張って忘れようとしても、一カ所だけ穴が空いているような気がするから。
Interviewer:武川春奈
誰しも「死のうかな」って考えたことはあると思う
--アルバムに先駆けて配信シングルとしてリリースされた『世界で一番ステキな君へ。』は、初期のソナポケを思わせる温かいハートフルナンバーに仕上がっています。
ko-dai:人の悩みは聞けるけど自分の悩みを言えない人や、頑張りすぎて自分を見失っている人、悩みを吐き出せずに強がってしまう人に捧げた歌です。優しい人ほど自分を犠牲にしちゃうじゃないですか。そんな人に届いてほしい愛のある応援歌ですね。
eyeron:耳にしていて気持ちいいスピード感というか、肩の力を抜いて聴けるような1曲になったよね。アルバムを出す前にこの曲を配信シングルとして発表できたことは、とても意味のあることだと思っています。
ko-dai:「頑張れ」って言われることが苦痛な人もいると思うんですよ。そういう人には『世界で一番ステキな君へ。』を、思い切り背中を押されたい人にはその後の曲『応援歌』を聴いてもらいたいです。『応援歌』は目標に向かって力強く進んでいる人へ捧げた歌なので。
--続く『MIKATA』は、サウンド面がかなり新しいですよね。
matty:1曲の中で色々な感情を表現したいと思ったので、テンポチェンジを繰り返したり、色々な挑戦をしました。音楽好きの方の耳にも止まるような曲に仕上がったんじゃないかな。
--歌詞も今までのソナポケにはない世界観ですよね。「もう死のうかな」という言葉がソナポケの曲に出てきたことに驚きました。
ko-dai:365日、どんな感情の時も寄り添えるようなアルバムにしたかったから、より人間らしい部分を赤裸々に綴りました。キレイ事だけじゃ共感を得ることは出来ないですし、聴いている人も飽きてしまうと思うので。
matty:喜怒哀楽の“怒”というか、“陰”というか、人間のダークな部分を出したんだよね。
ko-dai:誰しも1度くらい「死のうかな」って考えたことはあると思うんですよ。「もう疲れちゃったなぁ」「もう無理だなぁ」って思う時期って誰にでも来ると思うので、そこを隠さずに書きました。
--1曲目から通して聴いていると、次の『泣いてもいいんだ』で本当に涙が出てくるんですよ。今回のアルバムは流れが完璧だと思いました。
ko-dai:曲順や曲間の秒数も重要視している点なので嬉しいです。この曲は、自分がニートだった頃を思い出しながら書いたんですよ。毎日ただ寝て起きての繰り返しで、ちっとも前に進んでいかない。それは自分のせいなんですけど、「こんなはずじゃないのに」ってよく泣いてましたね。ただ、その日々があったからこそ今があると思うんです。“泣く”ってことはそれだけ生きることに対して本気ってことだし。だから、泣きたいときに泣いて、気持ちを切り替えて、前へ進んでいこうっていう想いを込めました。
--自分は一人暮らしをしているんですけど、その中で何かに向かって毎日を過ごしている者からすると、胸が熱くなるものがありました。
eyeron:俺らも夢を描いて東京に出てきたけど、壁にぶち当たったり色々な悩みもあったりして…そういうことを思い出しながらレコーディングしました。自分たちの中でも歌いながらグっとくるものがありましたね。
matty:アルバム曲として制作したけど、シングルとして出してもいいくらいだよね? 日本人って“泣く”ことに対して恥ずかしいと思いがちだけど、僕は泣いてもいいと思うんですよ。最終的に泣いてクリアにできればいいじゃないかと。
ko-dai:自分に嘘をついたり、かっこつけたり、「自分って何?」ってなることもあるだろうけど、もっと感情のままになってもいいと思うんです。なんていうか……逃げていいんだよってことですね。逃げても戻ってくればいいじゃんってことを言いたかった。頑張らないといけない時や、無理しなきゃいけない時期もあるけど、ずーっと頑張る必要はない。ある程度の息抜きみたいなものは必要だから。自分を着飾らないでもっと素直になっていいと思うんです。
--では、今回のアルバムは自分たちにとってどんな1枚になりました?
matty:前回よりも前進できた気がします。1つ1つの言葉を見ても、物事を深く見て発信できているなって。自分たちの成長の証というか、ちょっとずつ進んでいるって思えるアルバムになりましたね。
eyeron:今のソナポケだからこそ出来た作品だよね。今の3人の力をMAXに出せたと思うので。ラブソングだけじゃなくて、ライブを意識した曲も入っているので、この1枚を聴けばソナポケがどんな奴らか分かると思います。よりリスナーに近いアルバムでもありますね。
ko-dai:2011年は東日本大震災があって、笑顔の少ない1年だったけど、そんな日本を少しでも元気にできる作品になっているんじゃないかと思います。
Interviewer:武川春奈
ソナポケイズム 3 ~君との365日~
2012/01/25 RELEASE
TKCA-73726 ¥ 3,143(税込)
Disc01
- 01.365日のラブストーリー。
- 02.ラブレター。~いつだって逢いたくて~
- 03.「でも…。でも…。でも…。」
- 04.一期一会
- 05.ゴメンね…。~お前との約束~
- 06.世界で一番ステキな君へ。
- 07.応援歌
- 08.MIKATA
- 09.泣いてもいいんだ
- 10.ホントお前で良かった。
- 11.好きだよ。~100回の後悔~ (アコースティックver.)
- 12.MY SWEET HOME
- 13.ソナサポに贈る歌 ~SSCのテーマ~ [BONUS TRACK]
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