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<インタビュー>JP Saxe、音楽活動のルーツや初のビルボードライブ公演について語る

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 「If the World Was Ending (feat. Julia Michaels)」が世界中で大ヒットし、第63回グラミー賞<最優秀楽曲賞>にノミネートされたトロント発のシンガーソングライター、JP Saxe。2021年には待望のデビュー・アルバムをリリースし、ジョン・メイヤーがギターで、そしてビリー・アイリッシュの兄フィニアス・オコネルがプロデュースで参加したことも大きな話題に。そんな彼が5月に初のビルボードライブ公演を開催する。ファン待望の来日公演を目前に、音楽やプライベート、そして初のビルボードライブ公演に関してたっぷりと語ってもらった。

――アーティストになろうと思ったきっかけや音楽ルーツについて教えてください。

JP Saxe:ソングライティングは、僕にとって自分が好きだと思える自分自身との関係を初めて築けた場所だったと思います。12~13歳だった僕は、ピアノの前に座って自分の歌に反映されるまでは、自分自身との健康的な関係がどんなものなのか知らなかったです。そして今日に至るまで、ピアノの前に座って自分の人生を歌にすることは、最も自分らしくいられる場所であり、自分と繋がり、自分自身への理解を深めることができる場所だと感じています。

――音楽を作り始めたのは何歳のときですか?

JP Saxe:12~13歳頃ですね。まず詩が大好きになって、それからピアノと恋に落ちたんです。そして、詩と一緒にピアノを弾くことが曲作りにつながるということを、はっきりと理解するようになりました。

――音楽活動において影響を受けたアーティスト・人や、エピソードはありますか?

JP Saxe:最初に大きな影響を受けたのは祖父ですね。祖父はクラシックのチェロ奏者で、世界中をツアーしながら、多くのレコーディングにも参加していました。祖父はいつも、世界で一番好きな場所は日本だと言っていたんですよ。だから、今回の来日公演で初めて日本へ行って、祖父のことをたくさん思い出しながら、祖父にとって特別だったことを経験するのが待ちきれないんだ。

――普段から仲の良い、または親交のあるアーティストはいますか?

JP Saxe:たくさんいるよ。カミーロやジョン・メイヤーのように、友人の多くが僕の好きなアーティストでもあるんです。音楽はチームスポーツだと思うし、仲間と一緒にやれたらもっと楽しい。深く尊敬できる仲間がたくさんいて幸運だと思います。

――好きな音楽や普段どんな音楽を聴きますか?また、好きなアルバムを3枚教えてください。

JP Saxe:難しい質問なので、直感で答えることにしますね。最初に思い浮かぶのは、キース・ジャレットの『The Köln Concert』、ローリン・ヒルの『The Miseducation of Lauryn Hill』、キャロル・キングの『Tapestry』の3枚。




――音楽以外の趣味や特技はありますか?

JP Saxe:僕はバナナグラムが得意なんだ。日本にバナナグラムがあるかどうかはわからないのですが、簡単なスクラブルのようなものです。あと、他人の気持ちを理解するのは得意だと思います。自分の感情は複雑だけど……趣味は他の人の感情を理解することかもしれませんね。

――2023年リリースの2ndアルバム『A Gray Area』の制作で思い出に残るエピソードはありますか?

JP Saxe:このアルバムの制作過程は、大好きな人たちがたくさん関わってくれたので、僕にとって特別な瞬間がたくさんあります。コロンビアのメデジンでの曲作りから、ロサンゼルスでの私の大好きなプロデューサーの一人であるマレーとの曲作りとプロデュースまで、そのプロセス全体の中で最も印象に残っているのは、プロデューサーのマレーが主催してくれたディナーです。彼はアルバムのテーマにあわせた食事を作ってくれて、僕は友人たちと一緒に、アルバムの曲と同じクリエイティブな意図で作られた料理を楽しんだんですよ。媒体間でクリエイティブな相乗効果が生まれるのは素晴らしいことですよね。ビジュアルと音楽、ビデオと音楽、アートと音楽のクリエイティブな相乗効果はよくあることだけど、食べ物と音楽は新鮮だった。だから、それは僕にとって本当に特別な思い出となっています。




――ジョン・メイヤーと共作した「I Don't Miss You」やカミーロと共作した「Moderasion」など、アルバム収録曲の制作におけるエピソードを教えてください。

JP Saxe:さっきも言ったように、音楽はチームスポーツだから、仲間と一緒にやるともっと楽しいんですよ。「I Don't Miss You」は、僕の音楽人生におけるハイライトのひとつですが、ジョン・メイヤーとトロントで一緒に演奏したことがあるので、パフォーマンス経験のハイライトでもあります。彼の北米ツアーでオープニングを務めたんだけど、僕の故郷トロントで演奏したとき、彼が僕と一緒にステージに上がってくれて、一緒に「I Don't Miss You」をパフォーマンスしたんです。あれは僕の人生で最もクールな瞬間のひとつでしたね。「Moderación」については、カミーロと彼の家族と一緒に、彼のツアーでウルグアイとパラグアイに行ったんですが、今まで行ったことのない国で、カミーロとステージに上がって一緒に「Moderación」を歌ったことが一番のハイライトでした。音楽のおかげで、大好きな人たちといろいろな場所に行けることにとても感謝しています。


▲JP Saxe - I Don't Miss You (Official Video)



▲JP Saxe, Camilo - Moderación (Con Camilo) (Official Video)


――あなたにとっての音楽はなんですか?

JP Saxe:音楽は、僕にとってコミュニケーションであり、人間であることのニュアンスを探求することのできるツールでもあります。そして音楽は常に、自分自身と他者との距離を縮めてくれるものでした。だから僕は、自分の人生において音楽があることにとても感謝しています。

――日本の印象はどうですか?

JP Saxe:さっきも言ったように、チェリストだった祖父はいつも、彼の好きなオーディエンスと国は日本だと言っていました。僕はまだ行ったことがないし、祖父を心から尊敬しているから、祖父が日本で何をそんなに愛しているのかを肌で感じて、それを理解するのがとても楽しみです。

――日本でやってみたいことや行きたい場所はありますか?

JP Saxe:私の旅程は、とにかく色んなことに興味を持ち、オープンマインドでいること。必ずしもやりたいことのリストを持っているわけではないんです。実際に行ってみたら、きっとたくさんのフレンドリーな人たちに出会って、その人たちがいろいろな提案をしてくれると信じています。ファンの皆さんにツアーガイドになってもらうのが好きなんです。

――今回初のビルボードライブでの来日公演ですが、どんなショーになりそうでしょうか?

JP Saxe:ダサいカナダ人が、自分のことを語りすぎるのを期待してほしいですね。夜中の2時に僕のリビングルームに集まって、僕らにとって一番大切なことや、夜も寝られないほど考えこんでしまうことについて話しているような感じにしたいんです。赤の他人と過ごしているようには感じてほしくない。愛、失恋、友情、つながり、不安、弱さについて、親友のひとりと話しているように感じてほしい。そんな会話を曲を通してしているようなコンサートにしたいですね。

――最後に、日本のファンへコメントをお願いします!

JP Saxe:皆さんにお会いするのが待ちきれません。そして、皆さんと同じ部屋で音楽を分かち合うことや、一緒に歌うのが待ちきれない。僕の音楽を皆さんの人生の一部にしてくれたことに感謝しています。なぜなら、ずっと行きたかった国、日本に行くことができるので。皆さんとコンサートを共にできることを楽しみにしています!インタビューしてくれてありがとう。美しい一日を!