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<インタビュー>SHISHAMOが自身のテーマや良さを再確認――3年ぶりとなるアルバム『SHISHAMO 8』の中身とは

インタビューバナー

Interview & Text:Takuto Ueda
Photo:大木慎太郎


 SHISHAMOが約3年ぶり、通算8作目となるオリジナル・アルバム『SHISHAMO 8』をリリースした。

 今年1月から2月にかけて東京、横浜、大阪のビルボードライブを巡ったツアーでは、自身初のアコースティック・アルバム『ACOUSTIC SHISHAMO』に準じた編成を披露し、バンドにとってもファンにとっても新鮮なステージを作り上げた3人。いつでも自分たちらしく、それでいて挑戦的な姿勢でいることも忘れないSHISHAMOの最新モードが反映された今作は、“3ピースで鳴らすバンドサウンド”をさらに突き詰めた、ある種の原点回帰的なアルバムであると同時に、CDデビュー10周年を超えた“今のSHISHAMO”の多様な側面をプレゼンする意欲作でもある。

 メンバー自身も「SHISHAMOのいろんな良さを再確認できた」と制作過程を振り返る本作について、3人に語ってもらった。

 左から:松岡彩(Ba.)、宮崎朝子(Gt./Vo.)、吉川美冴貴(Dr.)

自身初となったアコースティックツアー【ACOUSTIC SHISHAMO】

――ツアー【ACOUSTIC SHISHAMO】を振り返って、まずは率直な感想をお聞かせいただけますか?

宮崎朝子(Vo./Gt.):すごく新鮮なことだらけでしたね。アコースティックの演奏だけでワンマンをするのも初めてだったし、ビルボードライブは普段とまったく違う空気感なので。私たちも良い緊張感がずっとあったし、お客さんもああいった会場にあまり馴染みのない人が多かったと思うので緊張している感じもありつつ、その場の空気も丸ごと楽しみに来てくれていた人がすごく多かった気がします。ご飯も美味しかったし、衣装の感じも普段とちょっと変えてみたりして、すごく特別なライブになりましたね。

吉川美冴貴(Dr.):私は初日の横浜で、まず距離がこんなに近いんだということにびっくりしました。でも今回、4日間で8公演やらせていただいて、回を重ねるごとに工夫をしたりして、自分たちとしても成長できたんじゃないかと思っていて。そういう充実したツアーになりました。

松岡彩(Ba.):私も最初は、お客さんがどんな感じで見てくれるかも分からないし、ご飯を食べている皆さんの前で演奏するのも初めてだったので、すごく緊張したんですけど、ツアーを回ってみて、会場によって景色も全然違って、毎回すごく新鮮だったし、ちゃんと楽しい時間を過ごせたなと思います。






――ツアーを通して、皆さん自身も試行錯誤を重ねていたと思うのですが、主にどんな部分がアップデートできたと思いますか?

宮崎:自分たちが一番分かりやすく新鮮に感じたのは、1日に2回ライブをやること。どちらのお客さんにも楽しんでもらいたいとは思いつつ、1stステージはどうしても緊張してしまって、逆に2ndステージはちょっとリラックスしてやれるようになって、それぞれの良さがあるとは思うんですけど、そこのバランスをちょうどいい感じにできたらいいなという話はしていましたね。

松岡:最初はとにかく緊張したよね。

宮崎:うん、緊張との戦いって感じ。私はピアノの弾き語りもあったので、けっこうメンタル面の成長はあったと思います。

吉川:それはすごくあった。本当にメンタル。私は普段のライブでも緊張するタイプだけど、ビルボードライブはそれよりも緊張していたので、呑まれないようにしつつ、逆に良い緊張感に変換できるようになった実感はあって。それは今回のツアーに限らず、今後にも活きてくる成長なんじゃないかと思います。


――松岡さんはいかがですか? 今回は本業のベース以外の楽器を演奏する曲が多かったですよね。

松岡:確かに、普段やっていないことだからこそ、ちょっと自信が揺らいだときに緊張してしまうのかなと思っていて。「練習したし大丈夫」みたいな気持ちでやるのも大事で、そこに気づいてからは良い演奏ができるようになっていった感じもあったと思います。




――宮崎さんは「夏の恋人」でピアノの弾き語りを披露。

宮崎:ピアノの弾き語りは何度かやっているんですけど、ああいう場でグランドピアノを弾くのは純粋に楽しかったですね。東京は後ろのカーテンが開く演出もあって、私はそこが一番緊張しました。しばらくピアノはもういいかなって(笑)。

吉川:私たちもリハのときに見ていて、背中から緊張している感じが伝わってきたので、本番中はとにかく「頑張れ!」って応援していました。


――それぞれハイライトがあるかと思いますが、特に印象に残っている楽曲のパフォーマンスを挙げるとしたら?

宮崎:日替わり曲じゃない?

吉川:そうだね。

宮崎:アルバムのリリースツアーではあったけど、日替わりでアルバムに入っていない曲もやっていて。

吉川:東京でやった「音楽室は秘密基地」は本当に久しぶりの曲で。あらためて聴いて良い曲だなと思ったし、アコースティックのアレンジもすごく合っていたと思います。お客さんもけっこう驚いていて、喜んでもらえて嬉しかったです。

宮崎:今までけっこうな曲数をアコースティックでやってきたけど、大阪の「君とゲレンデ」はスタイルをちょっと変えて、吉川がタンバリンでやっていたところをカホンに変えたりして。それは初披露だった?

吉川:そうだね。


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  1. 「この3人のバンド力みたいなものを知ってもらいたい」
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「この3人のバンド力みたいなものを知ってもらいたい」

――そして今回、3年ぶりのオリジナル・アルバム『SHISHAMO 8』がリリース。アルバムの制作モードはいつ頃から始まっていましたか?

宮崎:アルバムを出すこと自体は、10周年イヤーに入る前ぐらいから話していて。でも、今まではほとんど1年ごとにアルバムを出していたので、こんなに期間が空いたことはなかったし、けっこう曲が溜まっていたんですよね。だから、「こういうアルバムを作ろう」みたいな感じではなく、すごく自然な流れで“今のSHISHAMO”が詰まったアルバムにはなったのかなと思います。


――では、3人でアルバムの構想を話し合ったりなどは…?

宮崎:普段からそういう話はあまりしないんですよ。ただ、なんとなく「3ピースでできることをもっと突き詰めていきたい」みたいなモードが今のSHISHAMOにはあって、それがちゃんとできているアルバムになったと思うし、それをやってきた3年間だったんだなと思いますね。


――それは10周年という節目を迎えたことでの意識の変化?

宮崎:いや、もうちょっと前からですかね。そのときそのときで「SHISHAMOをどういうふうに見せたいか」というのはどんどん変わっていくんです。例えば、SHISHAMOは「明日も」でたくさんの人に知ってもらえたけど、それまではバンド色の強いものより、もうちょっとお茶の間というか、ギターもベースも分からないような人にも届くような、より歌が聴こえるようなサウンドを作ろうとしていた時期があったり。でも今は、シンプルに3ピースで表現できることがもっとあるんじゃないかと思うようになって、この3人のバンド力みたいなものを知ってもらいたいモードになってきているんです。またこの先、どう変わっていくかは分からないですけど。自分たち的にはSHISHAMOというバンドにはいろんな面があると思っているので。



――そういう意識も特に会話などで擦り合わせたりはせず、自然と感覚で共有されていく感じですか?

宮崎:それぞれが感じ取ってるんじゃないかな。

松岡:あっちゃん(宮崎)から送られてきた曲を聴いて、「今回はこういう音で鳴らす曲なんだな」みたいに感じ取って、こういうインタビューのような場で答え合わせしている感じがちょっとあるかもしれない。

吉川:確かに。

宮崎:初めて言葉にするのはこういうときだね。

吉川:でも、「あれ?」みたいなギャップは意外とないね。

松岡:大幅に外れることはないよね。


――『SHISHAMO 8』は結果的にどんなアルバムになったと思いますか?

宮崎:すごく今のSHISHAMOらしいアルバムになったと思います。中には2年ぐらい前に出したシングルもあるけど、そういう曲も『SHISHAMO 8』に入って、またちょっと違う形として耳に入ってくるなというふうに感じていて。SHISHAMOは恋愛の曲をたくさん歌ってきて、これからもそういう曲はずっと書いていきたいと思うけど、『SHISHAMO 8』では「最高速度」とか「わたしの宇宙」とか「きらきら」とか、恋愛じゃないテーマの曲もすごく良い聴こえ方をしていて、これも自分たちの一部だなと感じたし、そういうSHISHAMOのいろんな良さを再確認できたアルバムだなと思いました。

吉川:SHISHAMOをずっと好きでいてくれている方にとっては、その人たちが好きなSHISHAMOのエッセンスもちゃんとあると思うし、でも、それだけじゃなくて新しく感じてもらえる部分もあると思う。あとは、SHISHAMOをあまり知らない人、数曲しか聴いたことがないって人には、「今のSHISHAMOはこういうバンドですよ」と自己紹介するような、そういう名刺代わりになる作品になったなと思っていて。だから、とにかくたくさんの人に聴いてほしいアルバムですね。

松岡:3年ぶりのオリジナル・アルバムなので、ここ数年のSHISHAMOの集大成みたいな作品になったと思います。私もすごく満足ですね。


――そんな“今のSHISHAMO”を特に象徴する曲を挙げるとしたら?

宮崎:私は「最高速度」かな。これはボートレースのタイアップ曲なんですけど、書き下ろしって難しい部分もあって。自分たちがどういう音楽をやりたいかとは別に、タイアップ相手が求めているSHISHAMO像があって、そこのバランスを取らなきゃいけないんですけど、この曲はそれを楽しんでできた曲というか。サビはキャッチーでポップな雰囲気だけど、イントロは3ピースらしいゴリっとした感じになっていて、そういうバランスの取れた曲になっているのかなと思います。




「最高速度」ミュージック・ビデオ


――ボートレース側からはどんなリクエストがあったんですか?

宮崎:主に歌詞の世界ですかね。ありがたいことに「明日も」で知ってくれた方が多いから、ああいうイメージを持ってもらえることが多いんですけど、でも、いわゆる応援ソングと言われるような曲は、SHISHAMOの中ではけっこう珍しいタイプではあって。だから、こういうタイアップのときにリクエストいただかないと、逆に作る機会があまりないというか。


――きっかけになりますよね。

宮崎:そのおかげでバランス的にもすごく良いアルバムになったなって。ありがたいです。


――お二人はデモを聴いたとき、どんな第一印象を抱きましたか?

松岡:最初のベースでけっこう度肝を抜かれたというか。でも、サビはSHISHAMOらしい感じなので、CMでサビから入った人がフルを聴いたとき、すごくびっくりするだろうなと思うんですよ。それがまたいいなと思って。ギャップを感じてもらえるというか、SHISHAMOのいろんな面を見てもらえる曲というのが最初の印象でしたね。



――<どうして続けるのかなんて/考える暇もないくらい/私は今を走ってる/最高速度で走ってる>といったフレーズが印象的ですが、SHISHAMOとして10年間を駆け抜けてきたなかで自己投影できる部分もあるのではないですか?

宮崎:確かにこの曲は特にありましたね。普段、あまり自分のことは書かないし、むしろ「この主人公の気持ちが分からないな」とか「自分だったらこうするけどな」みたいなことも思うけど、この曲はわりと自分に近いところというか、自分がつらいときにどう踏ん張ってきたかとか、そういう気持ちが込められた曲かなと思います。

吉川:私はこの詞がすごく好きで。自分もけっこうメンタルが強いほうじゃなくて、すぐネガティブな思考になったり、心が折れそうになることもあるけど、本当に大事なのはこういう気持ちだよなと思うんですよね。特に好きなのは<自分が誇れる自分でいることを諦めないで>の部分で、めちゃくちゃ共感できるし、すごく奮い立たされます。


――宮崎さんも“自分が誇れる自分”になれている実感はありますか?

宮崎:どうだろう。こうでありたいという願望でもあると思うし。でも、10年やってこなきゃ作れなかった曲ではあるかなと思っていて。歌詞の最後も<君だってそうだよ>と言ってますけど、今まではお客さんに対してそんなことを考えたことがなかったんですよ。でも、10年やってきて、お客さんとの絆もどんどん強くなってきて、自然と曲を作るときにみんなの顔が浮かぶようになってきて。そういう変化がすごく反映された曲だと思いますね。


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  1. “今のSHISHAMOが詰まったアルバム”を語る
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“今のSHISHAMOが詰まったアルバム”を語る

――曲順もすごく良いなと思っていて。けっこうブロックごとに曲のタイプがまとまっていますよね。

宮崎:そうですね。曲順はめちゃくちゃ気に入っています。最後を「恋じゃなかったら」で終わるところとか、最初はちょっとドキドキで提案したんですけど。サウンド的にけっこう地味というか、シンプルな曲ではあるので、「ハッピーエンド」で終わったほうがいいじゃないかとも思ったりして。でも、最後は最新のSHISHAMOで終わりたいという気持ちがあって、この曲は最近作った曲だったので。後半の3人で歌うところとか、あまりそういうことってしたことないんですけど、いい感じにラスト感があるなと思ったんですよね。たぶん「ハッピーエンド」で終わると切なすぎちゃう。





SHISHAMO「SHISHAMO 8」ダイジェスト


――確かに。

宮崎:「恋じゃなかったら」で終われば、頭からもう一度聴こうって気持ちにもなれそうだなって。


――この曲の作詞作曲はどんなところからスタートしましたか?

宮崎:恋愛の曲はたくさん書いてきたけど、どれもちゃんと「こういう恋をしていて…」みたいなシチュエーションがあって、ちょっと引き目線の曲を書いてみたいなと思っていたんです。「そもそも恋って何だろう」みたいなところから書いていった気がしますね。


――あらためて問いかけるような感じというか。

宮崎:そこまでにつらい恋愛の曲がけっこう並んでいるけど、それでもやっぱり恋っていいよねって気持ちになれるような最後の曲になっていたら良いなと思います。


――そんななかで2曲目「夏恋注意報」は明るいサマーソング。

宮崎:2014年からほぼ毎年、夏はシングルを出していて、いつも「今年の夏の曲はどんなふうにしよう」みたいな戦いというか、常に新しいものにしたいと思って奮闘しているんですけど、こういうフェスでやるのが楽しいアッパー系のタイプは、2014年の「君と夏フェス」以来やっていなかったなと思い出して。あの頃、自分たちは頑なに四つ打ちをやらないようにしていたんです。シーンに捕らわれたくなかったというか。だから、これも今だからこそできた曲ですね。

吉川:楽しかったのもあるし、ずっと封印してきたからこそ、今やることでの説得力がちゃんとある曲になったのかなって。それこそ2014年ぐらいの頃にやっていたら、同じ曲でも聴こえ方が全然違っただろうなと思いますね。このタイミングでやる意味があるなと思います。

宮崎:それは10年、ちゃんと“自分たちの音楽”を大事にやってきたからこそなのかなと思いますね。





「夏恋注意報」ミュージック・ビデオ


――そういう意味でも“今のSHISHAMOが詰まったアルバム”という手応えに説得力が生まれますね。

宮崎:どんどん曲作りは自由になってきて、すごく楽しいです。「なんとなく。」は、SHISHAMOの恋愛ソングの中ではけっこう大人っぽい曲で。自分たちもお客さんもちょっとずつ年を重ねてきて、恋愛相談の質とかも変わってきたんです。学生のかわいい恋愛だったのが、「あんた大丈夫か?」みたいな危険な恋愛を経験している人も出てきたりして、そういう変化につれて自分が書く恋愛の曲もちょっとずつ大人になってきたのかなというふうに感じたり。

松岡:最初にデモを聴いたときは、確かに歌詞が大人で「おぉ」と思ったんですけど、曲としてはアルバム全体のバランスを取ってくれている存在でもあって、私はこの曲が収録されているのはすごく良いなと思っているんです。



――全体の中で良いスパイスになっている曲ですよね。

宮崎:ボーカルもしっとりしているし。


――その一方で「犬ころ」のような緩い曲もあって、本当に今のSHISHAMOならではのいろんな面が見られるアルバムだと思いました。松岡さんがお気に入りの曲を一つ選ぶとしたら?

松岡:私は「ハッピーエンド」ですね。歌詞も良いんですけど、イントロのギターの感じとか、後半の<うるさいうるさいうるさい>のところのガーっと弾いている感じとか、夏の情景をすごく表しているし、音と歌詞にグッときちゃって、すごく好きな曲です。

宮崎:もう暑くてしょうがないって感じが音でもちゃんと表現できたので、自分でもすごく達成感がある曲ですね。





「ハッピーエンド」ミュージック・ビデオ


――「溺れてく」から「ハッピーエンド」に至る流れも含めて、終盤はアルバムの中でも特にディープな世界観を描き出しているブロックですよね。

宮崎:「溺れてく」は最後のほうにできあがった曲で、それこそアルバムのバランスを考えながら作った曲ですね。全体的にシチュエーションがある曲だったり、主人公とそのストーリーがある曲が多いなかで、もっと気持ちの部分を丁寧に描いた曲があったらいいなと思ったところが始まりでした。

吉川:デモをもらったとき、「これはすごい曲がきたな」と思いました。生半可な気持ちの演奏だと負けちゃうような感じがして。レコーディングは、この曲に込められている激情をドラムでもちゃんと表現することを念頭に置いて臨みましたね。結果として、すごく没入できたし、良い仕上がりになってよかったなと思います。


――逆に6曲目の「ハリボテ」などは、主人公の恋心がポップに描かれている曲で、そこに寄り添うような抒情的な演奏も素晴らしいです。

吉川:最初に歌詞を読んだとき、これはすごく壮大な比喩表現だと感じて、面白い曲だなと思ったんですよ。<世界は全部ハリボテ>というのは、主人公の女の子が相手のことを好きすぎることの比喩なのかなって。でも、そのことをスタジオで話したら、これは歌詞の通りの世界で、日常から切り離されたSFのストーリーなんだと朝子に言われて。そういう歌詞って今までなかったから、本当に新しいタイプの恋愛の曲になっているんじゃないかなと思います。


――面白いアプローチですね。

宮崎:でも、すごく自然に出てきた歌詞でしたね。全部が“私”と“君”のためのハリボテで、最初はそれで終わる予定だったんですけど、書いていくうちに“私”もハリボテなんじゃないかって、途中からストーリーが変わっていったんです。私はこの曲がアルバムで一番好きな曲なんですけど、歌詞の世界もそうだし、その世界観をサウンドでも表現できた達成感がすごくあって。ちょっと不穏な感じというか。それでいて、すごく純粋で可愛らしい気持ちも描けていて。3人の楽器だけでここまでストーリー性のある音を作れたのは大きいなと思います。





「ハリボテ」


――アルバムを引っ提げたツアーも決まっています。どんなライブをしたいですか?

宮崎:とにかくアルバムがめちゃくちゃ良い出来なので、良いツアーになることは決まっているかなって感じです。あと、バンドのワンマンライブはちょっと久しぶりなので、そこがシンプルに楽しみでもありますね。

吉川:私もすごく楽しみですね。本当に『SHISHAMO 8』が良い作品になっている分、音源で聴くのとは違った魅力を感じてもらえるように、ライブでもちゃんと自分たちの演奏で曲を届けたいなと思います。

松岡:このアルバムの世界観にどっぷりはまってもらえるようなツアーにしたいし、よっちゃん(吉川)が言ったように3人の生演奏も含めて楽しんでもらえたらいいなと思います。



SHISHAMO「SHISHAMO 8」

SHISHAMO 8

2024/04/10 RELEASE
UPCM-1411 ¥ 3,300(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.最高速度
  2. 02.夏恋注意報
  3. 03.私のままで
  4. 04.会えないのに
  5. 05.犬ころ
  6. 06.ハリボテ
  7. 07.わたしの宇宙
  8. 08.きらきら
  9. 09.なんとなく。
  10. 10.春に迷い込んで
  11. 11.溺れてく
  12. 12.ハッピーエンド
  13. 13.恋じゃなかったら

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