Special
<メールインタビュー>日仏を結ぶシンガー=クレモンティーヌ 来日公演の意気込みや日本への思い、そして映画エンディング主題歌について語る
フレンチ・ポップスの代表格=クレモンティーヌが、2024年1月に横浜・大阪のビルボードライブで来日公演を行う。1988年のデビュー以来、ジャズ、ポップス、ボサノヴァなど様々なジャンルで数々の作品を発表し、世代を超えた幅広いリスナーからの支持を集める彼女。ここ日本でも、アニメや童謡、さらにはバラエティ番組のカバー・アルバムをリリースするなど、一躍その名を轟かせてきた。さらには1月12日に公開される映画『傷物語 -こよみヴァンプ-』のエンディング主題歌を担当することも決定し、久しぶりの来日公演への期待は高まるばかり。今回、公演の開催を記念してクレモンティーヌご本人に、来日公演への意気込みや思い、日本の楽曲についての印象、最近の活動に至るまで、様々な質問に答えてもらった。
――いよいよ今月、横浜・大阪のビルボードライブで来日公演が開催されます。思いや意気込みをお伺いできますか。
クレモンティーヌ:まず年明けから地震や事故などで被害を受けた方々にお悔やみ申し上げます。2019年以来の日本での単独コンサートでもあり、特にビルボードライブ横浜で歌わせていただくのは初めてなので、「ワクワク」と「ドキドキ」です。コロナ禍ではフランスで何度かコンサートを行いましたが、やっぱり私にとって日本のお客様は特別な存在なんです。
――久しぶりの来日公演ですが、どのようなステージになりますか? また、今回の公演で注目してほしいポイントがあったらぜひ教えてください。
クレモンティーヌ:とにかくみなさんに「穏やかな時間」を過ごしていただけるといいな、と思っています。今回はDEPAPEPEの三浦くんをはじめとする4人の素晴らしい日本人ミュージシャンと、スペシャルゲストとのコラボもあります!
――今回、アニメ『傷物語』のエンディング主題歌を担当されますが、どのような楽曲に仕上がりましたか。
クレモンティーヌ:フランスはもとより他のヨーロッパの国でも高評価を受けている「大人が楽しめる」作品です。神前さんの少しノスタルジックな楽曲に、高田さんが壮大なアレンジを施し、そこに meg rockさんの往年のフレンチポップに通じるシンプルかつ美しい詞が加わり、今まで歌ってきた楽曲とは異なる唯一無二の世界観を持つこの楽曲を歌わせていただけことを誇りに思っています。私にとっての新たな可能性を引き出していただけたと思っています。
――楽曲の中で特にお気に入りの箇所や、印象に残っている部分はありますか。
クレモンティーヌ:日本からみなさんがパリに来ていただき、レコーディングしたのですが、この壮大なアレンジの世界になかなか入ることができなくて、みなさんをヤキモキさせてしまいました。「この曲、私のヴォーカルがない方がいいんじゃない?」と思ってしまったほど、素晴らしい曲なんですよ! なんとか歌い、完成した音源を聴かせていただいたとき、涙が出そうなほど、どこか危うく切なくて美しい楽曲に仕上げていただき、改めて日本人アーティストのクオリティーの高い仕事に感動しました。
――レコーディング時のエピソードがあれば教えてください。
クレモンティーヌ:実は、この曲には息子のディエゴもゲストヴォーカルとして参加してるんですよ。彼はまだ大学生なのですが、普段は友達とヒップホップ・ユニットを組んでパリ市内でライブを行なっています。もちろん今時の子なので楽曲はSNSのみで配信。今では200人くらい集客できるようになったみたいです(笑)。レコーディングの思い出は、母親として、息子がみなさんにご迷惑をお掛けしないよう緊張の連続だったということですね。
――これまでにアニメや童謡、ポップスといった様々な日本の楽曲をカバーされてきましたが、お気に入りの曲はありますか?
クレモンティーヌ:どの楽曲も好きですが、特にメロディーが秀逸な「卒業写真」「バカボン」がお気に入りですね。もちろんこの2曲今回も歌わせていただきます!
――日本で注目しているアーティストはいますか? また、日本の楽曲に対する印象について聞かせてください。
クレモンティーヌ:今では欧米では少なくなってしまった、素晴らしいメロディストである松任谷由実さんや槇原敬之なんのようなアーティストは「日本の宝」だと思います。一方でヨーロッパの若者にも人気のあるYOASOBIさんのような、K-POPとは異なる、新しい日本のアーティストにも注目しています。
――日本でお気に入りの場所、ものなどはありますか? 日本での印象的なエピソードがあれば教えてください。
クレモンティーヌ:私と日本とのお付き合いは30年以上になります。47都道府県すべてでコンサートを行わせていただいたんですよ! 本当にありがとうございます。秋田の日本酒、北海道のジンギスカン、金沢や京都の繊細なお料理、四国の美味しい柑橘、いつも楽しい大阪に福岡、どこの街でも暖かく出迎えていただきました。一つ選ぶことはできません、日本は私にとってまさに第二の故郷なんです。
――2023年9月にリリースしたシングル「Personnages」についても伺いたいです。どのような楽曲になっていますか。
クレモンティーヌ:20年来の友人のブラジリアン・アーティストのロブソンと私が一緒に書いた曲です。作詞はピエール・ファ。彼はフランスのジャーナリストで、ピアニストでありソングライターでもあるんですよ。彼は私のことをよく知っていて、私に合った歌詞を書いてくれるんです。歌詞の内容は、人生は全て自分で作り上げるもの、楽しんでいきましょう!
――人生で一番影響を受けたアーティストを教えてください。
クレモンティーヌ:父がジャズばかり聴いていたので、私は幼い頃からジャズの影響を受けていました。憧れのアーティストが何人かいましたね。特にチェット・ベイカー、マリリン・モンロー(彼女はとても歌がうまい)に2人から受けた影響は大きいです。
――最近注目しているアーティストを一組ずつ教えてください。
クレモンティーヌ:今私が聴いているアーティストで、近々コラボレーションを予定しているのはアルバン・ドゥ・ラ・シモーヌです。フランス音楽界で独自の活動を続けている素晴らしいアーティストです。
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします!
クレモンティーヌ:久しぶりに日本の皆さまにお会いできることを楽しみにしてます!
関連商品