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<インタビュー>WENDY メジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”に込められた想い、ウェンブリースタジアムに立つ夢を語る



WENDY『Don't waste my YOUTH』インタビュー

 メンバー年齢18歳から20歳の若い4人組バンドでありながら、70'sや80'sのルーツロックやハードロックを基盤としたロックの今日に至るまでの歴史を純粋無垢に再構築。それを体現するに相応しいロックスター然とした風貌や佇まいも併せ持つニューカマー・WENDYが、待望のメジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』をリリースする。

 今回のインタビューでは、本作についてはもちろん、ここに至るまでのストーリーや『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”というタイトルにも込められた、4人の終わらない青春に懸ける想い。ロックの聖地であるロンドン・ウェンブリースタジアムに立つ夢についても語ってくれているので、ぜひご覧頂きたい。

WENDYメンバー
Skye(Vo.G)
Sena(Dr.)
Johnny(B.)
Paul(G.)

Interviewer:平賀哲雄

当時の俺らからしたら考えられない未来ですよ

--WENDY結成後初のインタビューから約1年3か月。あれは1stシングルリリースタイミングだったと記憶していますが、いよいよメジャーデビューすることが決定しました。

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Skye:正直、ここまで来れると思わなかったです。この4人でバンドを組む前に友達といくつかグループを組んだりしていて、そこでもメンバー同士で夢を語ったりしていたんですけど、結局はその夢を叶えることもなく終わってしまって。でも、コイツらとバンドを組んでからは「こんなことをやりたいな。こんな風になりたいな」と語り合っていたことが本当に実現していった。それは本当にコイツらのおかげだなと思うし、ただのバンドメンバーじゃない仲間たちとメジャーデビューするところまで突き進めているのは、めちゃくちゃ楽しいです。

<インタビュー>WENDY メジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”に込められた想い、ウェンブリースタジアムに立つ夢を語る

▲Skye

--感慨深いでしょうね。潰し合いのケンカをしようとして出逢った4人がこうして一緒に夢をひとつずつ叶えているわけですから。

Paul:その当時の俺らからしたら考えられない未来ですよ(笑)。

Johnny:なんやかんやで良いバンドの形になるとは思っていたんですけど、想像以上に良い調子でここまで上がってこれて嬉しいですね。

Sena:結成してからメジャーデビューするまでのスピードが速いですよね。去年の夏に初めてサマソニに出させてもらって、そのときも「憧れていたフェスにこんなに早く出られるのか」と思ったんですけど、結成から2年でメジャーデビューも凄いことだと思うんですよね。でも、ここからはプロとしてやっていくんで、どのドラマーも倒していくぐらいの気概で進んでいきたいです。

Paul:プロとして勝負していく場なので、そこでナメられるようなバンドにはなりたくない。あとは、いつまでも若いときの気持ちを忘れたくないというか、大人になっても自分が好きなものを曲げるようなことはしたくないので。この先もずっと青春しているバンドでありたいなと思っています。

<インタビュー>WENDY メジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”に込められた想い、ウェンブリースタジアムに立つ夢を語る

▲Paul

--メジャーデビューに至るまでの話も聞きたいのですが、日本の今のロックバンドとは完全に異なる音楽をやっているじゃないですか。しかも英語詞で勝負しているわけで、常にアウェイ感はあったと思うんですけど、実際どうでした?

Skye:俺らみたいに日本で誰もやっていないようなロックを英語詞でやっていると、常に不利な状態の立ち位置になるんですよ。決して流行りに乗った音楽をやっているわけじゃないから。それゆえに人を巻き込んでいく、ファンを増やしていく大変さを実感して「大丈夫かな?」と思うことも何回かありました。でも、やっぱり応援してくれている人たちもたくさんいるし、しかも世界各国に「WENDYの音楽が好きだ」と思ってくれているリスナーがいるので、今はメジャーデビューを機にその母数をどんどん増やしていってやろうと意気込んでいます。

--今話してくれたアウェイな状態も、ロックバンドのマインド的には大きな燃料になりますからね。流行りじゃないところからのカウンターを決めるのがロック本来の在り方だとも思いますし。

Paul:そうなんです! 間違いないです! メンバー間で孤独を感じることはないけど、音楽シーンの中におけるひとつのバンドとしては常に孤独を感じていて。でも、それはロックを表現する者たちにとって必要な要素だと思うし、そういう意味では俺たちがやっているようなロックが今流行っていなくて良かったなとすら思いますね。

--まだ日本のロックバンドシーンの中でも様子見されている感じはありますよね。

Skye:WENDYは謎の立ち位置にいるもんで。でも、そこから飛び出したときはとんでもないことになると思うんで、それまでは俺らも様子見。出方を見ている(笑)。

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サウンドプロデューサーを務めてくれたMarc Whitmorのおかげ

--ちなみに、この4人でバンドを組んで良かったなと思う瞬間ってどんなときだったりします?

Johnny:良かった瞬間か……。瞬間というよりは、何よりこのメンバーがここに居てくれることが嬉しいですね。お互いのすべてを知っている仲だから、何も隠す必要がない。なので、この4人でいるとラクなんですよ。

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--このWENDYという場所があること自体が最高であると。……なかったらどうなっていたんですかね?

Paul:いや、考えたこともないですね。

Skye:誰かしら逮捕されていたかもしれない(笑)。

Paul:バンド組むまではワルしかしてなかったんで(笑)。

Sena:(うなずく)

Skye:おまえはしてないけどな(笑)!

--WENDYのメジャーデビューは嬉しいけど、バンド結成前の4人の話をインタビューで聞いていた身からすると、この4人でのメジャーデビューは奇跡だよね!

一同:(笑)

--ゆえに痛快だなとも思います。

Paul:今は出逢うべくして出逢ったんだなと思います。この4人でいると何をしていても安心感があって、どれだけ大きな舞台に立ったとしても「心強いな」と思うんですよね。だから、バンドシーンの中で孤立していたとしても何にも怖くない。

Sena:このバンドをやるまでは、俺はあんまり楽しくない感じで生きていたんですよ。でも、この4人と会って音楽性も変わりましたし、日々の生活も楽しく変わっていった。なので、もしこのメンバーと会っていなかったら今もつまらない人生を送っていたと思うんですよね。本当に会えて良かったです。

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▲Sena

--そんなWENDYのメジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』を完成させました。仕上がりを聴いてどんな印象や感想を持たれましたか?

Sena:どの曲もドラムがすごく難しくてチャレンジだらけだったんですよ。なので、それをやり遂げた達成感もありますし、仕上がりを聴いたときは「本当に頑張ってよかったな」と思いました。

Skye:WENDYの強みなんですけど、このバンドは「これ」というひとつのジャンルに留まっていないんです。なので、このアルバムを聴いてもらえば分かると思うんですけど、1曲1曲が全然違っていて。歌い方も変えたりとか、その曲のメンタルが自分の中に入るまではレコーディングしないとか、とにかく拘っているんですよね。俺はその曲の主人公を自分の中に入れてから歌うので、それぞれ歌の声質も違って聴こえると思うし、それがこのクオリティで表現できたのは、サウンドプロデューサーを務めてくれたMarc Whitmorのおかげかな。みんなもいろんなことを学んだと思います。


▲WENDY - SCREAM (Official Music Video)

--今、名前が挙がりましたが、今作はジョン・バディステ『We Are』で2022年グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞したMarc Whitmorをサウンドプロデューサーに迎えているんですよね。

Paul:そうなんですよ。Marcは録音の仕方も俺らがいつもやっているレコーディングとは違っていて、全員いっせいに「はい、録音しましょう!」みたいな感じだったんです。そうすると、他のメンバーの顔色を見ながら演奏することができるので、個人的にはすごくやりやすかった。あと、Marcは気持ちの面でもケアしてくれるタイプのプロデューサーなので、そういう面でも気持ち良くレコーディングすることができて。

Skye:すごく楽しかったです。1週間ぐらいMarcと一緒に過ごしたんですけど、朝起きてスタジオへ行って、軽くコミュニケーション取りながらゆっくりして、Marcが「じゃあ、やるか」と言ったらレコーディングして、ある程度録ったら「ごはん食べようぜ」みたいな。まるで同じ家で一緒に暮らしているかのような空気感の中で進めていったんですよ。それが毎日続いていたので、レコーディングが終わってしまったときはすごく寂しかったです。それぐらいフレンドリーに接してくれたから、今回のアルバムは4人それぞれ臆することなく自分らしい音楽表現が出来たんだろうなって。ちなみに、今もMarcとは連絡を取り合っているので、この先もずっと関係は続いていくと思います。

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ロンドンのウェンブリースタジアムに絶対に立ちたい

--そんなMarcと完成させたメジャーデビューアルバム、Johnnyはどんな作品になったと感じていますか?

Johnny:やっぱり良いですね。現代の洗練されていっている音楽のシュッとした感じの仕上がりというよりかは、昔のロックにあるような肉体的なサウンド、野生的な仕上がりになっている。それが俺らの持っている味とがっちゃんこしているので、すごく気に入ってます。その場で何が起こるか分からないような実験的なこともしたので、生々しいアルバムになったと思いますね。

<インタビュー>WENDY メジャーデビューアルバム『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”に込められた想い、ウェンブリースタジアムに立つ夢を語る

▲Johnny

--そのアルバムに『Don't waste my YOUTH』=“俺たちの青春を無駄にするな”という意味のタイトルを付けようと思ったのは?

Skye:タイトルにメッセージはあったほうが良いなと思って、Johnnyとどうするか話していたんですけど、そこで挙がったのが『Don't waste my YOUTH』。これは4人でバンドを始めた頃に「このタイトルで曲をつくろうぜ」と話していた言葉だったんです。で、俺らはコロナ禍の中で結成したんですけど、俺らの世代は卒業式とか修学旅行といったイベントが出来なかったんですよね。要するに本来そこにあったはずの青春を無駄にしてしまった。でも、俺らにはバンドがあって、その中で青春そのものと言える時間を過ごしながら、今回のアルバムの収録曲たちを制作していったので、それを聴いて青春を取り戻してほしいなと。それを学生だけじゃなく、青春は別に10代だけのものじゃないので、世界中のあらゆる世代にメッセージしたいなと思って、このタイトルにしたんです。

Paul:俺らもバンドを続けている限り、青春だしな。

Skye:30代ぐらいでドームとかアリーナとかで余裕でライブできるようになっていたとして、それもまた青春だし。

Paul:プライベートでバカやってるのも青春だし、SkyeがSenaにちょっかい出してじゃれてんのも青春(笑)。

Sena:俺はどんなに歳取っても、たぶん変わんないから。

Skye:黙れ!

--おかしいでしょ(笑)。

Johnny:いや、いつも通り(笑)。

Paul:何歳になってもこのノリは変わらない。

--これまでのインディーズ活動がプロローグだとしたら、ここから本編スタートだと思うのですが、この先はどんな音楽人生を歩んでいきたいと思っていますか?

Skye:世界を目指す。これはこのバンドを結成した当初からの目標なので、とにかくライブをもっともっと積み重ねていきながら、世界中にWENDYの音楽を届けたいですね。あと、ロックの聖地でもあるロンドンのウェンブリースタジアムに絶対に立ちたい。

Paul:その為にもここから先は失敗できないなと思っていて。まずは8月25日のメジャーデビュー後初となるワンマンライブ【Don't waste my YOUTH】は絶対に成功させたいんですよね。本当に負けられないし、今、Skyeが話していた目標に向けた大きな一歩になると思うので、ぜひ俺たちのことが気になっている人たちには観に来てほしいです。

Interviewer:平賀哲雄

WENDY - 1st Album "Don't waste my YOUTH" Teaser

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