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<CASIO×Billboard Live>AAAMYYYが語る、鍵盤楽器との思い出と出産を経ての変化
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
昨年12月から産休に入り、ライブ活動を休止していたAAAMYYYのワンマンライブが7月17日、神奈川・Billboard Live YOKOHAMAにて行われる。彼女がソロ名義でワンマンを行うのは、2022年6月開催のBillboard Live YOKOHAMA公演以来およそ1年ぶり。しかも出産後初のソロライブとなる。Tempalayのメンバーであり、TENDREやRyohuのサポート/楽曲提供など様々なフィールドで活躍しているAAAMYYY。ソロでは一昨年、通算2枚目となるアルバム『Annihilation』でオーガニックなバンド・サウンドを全編にわたって展開してみせた彼女は、今回どのようなパフォーマンスを披露するのだろうか。また、音楽との向き合い方は出産後どう変化したのか。“鍵盤楽器との思い出”を紐解きつつ、彼女の“今”に迫った。(Interview: 黒田隆憲)
ピアノは「自分が思っていることをもっとも表現しやすいツール」
――AAAMYYYさんが、音楽に目覚めたきっかけは?
AAAMYYY:確か小学校1年生くらいの頃だったと思います。私は三姉妹の末っ子で、真ん中の姉が習い事としてピアノを始めて、ピアノ教室に通うようになって。それを見て「私もやりたいな」と思ってマネをしたのがきっかけですね。鍵盤を押せば誰でも音を出すことができて、それが曲になっていくのが楽しかったし、知っている曲が少しずつ弾けるようになっていくのも嬉しくて。毎週、楽しみに通っていたのを覚えています。
――当時、AAAMYYYさんはどんな音楽を聴いていたのですか?
AAAMYYY:小学生の頃は、姉が聴いていたものを一緒に聴いていました。椎名林檎さんが大好きだったので、家ではよく流れていたし、その頃に流行っていたJ-POPも友人とCDを貸し借りなどして聴いていました。両親はビートルズやカーペンターズ、ユーミンさんが好きだったので、そのあたりの洋楽にも親しんでいましたね。自分からハマったのはaikoさんやZARD。家にあったCDをひたすらリピートしていました。
――ピアノ以外の楽器を演奏するようになったのは、どんな経緯だったのでしょうか。
AAAMYYY:中学生の時、学園祭で『スウィングガールズ』(2004年公開の映画、監督は矢口史靖)のカバーをやることになって。その時にドラムを担当したのがきっかけです。しかも学校にはサックスやティンパニなど、本格的なオーケストラ楽器が結構揃っていて、自由に触ることができたんですよ。ちなみに高校の軽音楽部では、ベースやギターなども演奏していました。
――AAAMYYYさんは、楽器のどんなところに魅力を感じていましたか?
AAAMYYY:これはどの楽器にもいえることですが、やればやるほど上達したり、理解したりするのが楽しかったのだと思います。ドラムを始めた時も、上手に叩けるようになるまでには練習も必要で、やっているうちに自分に馴染んでいく感覚が面白くて。ピアノはもう小さい頃から習っているので指も鍛錬されて、自分が思っていることをもっとも表現しやすいツールになったんです。
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出産を経て、感じる変化
――昨年6月にビルボードライブ横浜にてワンマン公演を行い、7月にEP『ECHO CHAMBER』をリリースしたAAAMYYYさんは、12月にSNSで産休に入ることを報告されました。この期間はどのように過ごしていましたか?
AAAMYYY:出産の3か月前に産休に入ったのですが、それまではリハーサルやライブの時以外は家で作曲することが多くなっていましたね。生まれてからは子供が第一になるので、あまり作業に集中できなくなっています(笑)。でも、子供が生まれるということ自体が大きなイベントだと思うし成長を見逃したくない。それ自体が制作する上でのインスピレーション源に、自ずとなっていくと思っていますしね。なので、音楽だけに集中できない現状に対しての焦りはないし、成長を見守りながら音楽も続けていけたらいいなと思っています。
――お子さんも音楽に興味を示しますか?
AAAMYYY:鍵盤って白と黒で出来ているじゃないですか。この時期の子供にとっては色の違いがはっきりしている方が分かりやすいみたいで。ちょっと前までは鍵盤の前に連れて行っても「これ、なに?」みたいな表情をしていたんですけど、最近はポンポンと鍵盤を押すと音が出ることを発見して。弾きながら自分でも「アー、アー」って声を出しています。それを見るのも楽しいし、あやすときなど鍵盤を弾きながら子守唄を歌ったりすることもあって。そういう意味では以前よりも、音楽が生活の中に入り込む機会は増えましたね。
――お子さんの泣き声から新しい楽曲が生まれることも、あるかもしれないですよね?
AAAMYYY:あはは、そうですね。子供が最近ロングトーンでしゃべることが多くなってきて。その音程というか、ポルタメントの具合がよく聴いていると歌みたいで面白いんですよ。そこからメロディやリフにしてみたら面白いだろうなと思うし、泣き声に関してはもうTempalayの「Booorn!!」という曲で素材にしてスクラッチしてもらっています(笑)。私のソロでは、どうやって紹介しようかなと考えているところですね。
――子供が生まれたことで、社会への向き合い方、音楽で届けたいことなどの変化もありますか?
AAAMYYY:それは大いにあります。子供を見ていると、その純粋無垢な姿に心打たれたり、安らかな気持ちになったりするのですが、この子が大きくなっていく世界に対しては黙っていられないことも結構ある。ただ、そこで具体的に声を上げることももちろん大事なんですけど、システムだけじゃなくて周りにいる人たちの「それって当たり前だから」みたいな思考の方が、そのシステムを作り上げたり強固にしたりしている要因でもあると思う。そういうことに対する思いが音楽にも必然的に入っていくと思いますね、今までがそうだったように。
――さて、今年7月に出産後初、約1年ぶりのワンマンライブがビルボードライブ横浜にて開催されます。そこへの意気込みを最後に聞かせてもらえますか?
AAAMYYY:前回やった時はアコースティックセットだったんですけど、妊娠初期だったので、歌い方が変わったり、声の出方が変わったりするのを楽しんでいる時期でもあって。今回も場所柄アコースティックっぽい編成にはなりつつ、何か面白いアプローチができたらいいなと思っています。ビルボードライブは座ってご飯やお酒を楽しみながら、ゆっくり音楽が聴けるところが魅力だと思っていて。そんなシックな雰囲気にも合ったライブをしたいと思っていますので、ぜひ遊びにきてください。
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