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<インタビュー>Rainy。、ひたすら歌と向き合い完成した1stアルバム『Rainy。UNIVERSE』

インタビューバナー

 13歳でデビューを果たし、圧倒的な表現力とビジュアルで10代を中心に人気を集めるアーティスト・Rainy。デビューからの約1年間、【第35回マイナビ東京ガールズコレクション2022 AUTUMN/WINTER】や【TGC teen 2022 Tokyo supported by Up-T】などの大きな舞台を経験したり、デビューシングル「Find the truth」が『名探偵コナン ゼロの日常』のエンディング主題歌になったりと、着実に存在感を示し始めている。そして、6月28日には1stアルバム『Rainy。UNIVERSE』をリリース。彼女の魅力が存分に味わえる10曲とボーナストラックが収録された、渾身の一作となっている。そんなRainy。がBillboard JAPANに初登場。自身について、そしてアルバムについてじっくり語ってもらった。(Interview & Text: 高橋梓)

「将来グローバルなアーティストとして世界の人の役に立ちたい」

――改めて自己紹介からお願いします。

Rainy。:はい、Rainy。です! まず「Rainy。」というアーティスト名の由来なんですが、私、雨がすごく好きで。雨って五月雨、霧雨、雨嵐……といろんな種類がありますよね。それに世界中のほとんどの場所で雨は降る。なので、いろんな歌声を通して世界中の方に私を知ってほしいという思いから名付けました。というのも、将来グローバルなアーティストとして世界の人の役に立ちたいと思っていて。その思いと大好きな雨を掛け合わせて、「Rainy。」というアーティスト名に決めました。


――すでにRainy。さんのことを知っている人はたくさんいますが、まだ知らない方に自分をアピールするとしたらどんなところをアピールしますか?

Rainy。:新人なのでまだ至らないところもあるのですが、皆さんとステージでお会いした時にSNSをチェックしに行きたくなってしまうような魅力を届けられるアーティストを目指して頑張っています。そのためにも、歌だけでなくRainy。の中身まで知ってもらいたいなって思っていて。こういった取材の時も内面を知ってもらえるようにお話したいと思っています。


――内面。

Rainy。:はい。例えばマイブームを聞かれた時、ちょっとひねった答えを言いたくなっちゃうんです(笑)。グローバルなアーティストになりたいという大きな目標を掲げてはいるのですが、実際は普通の女子中学生なので。アーティストとしてというより一人の人間として、同世代のみんなと一緒に世界を知っていける存在でいたいです。


――歌に関しては、どう自己評価されていますか?

Rainy。:あえてビブラートをかけずにまっすぐ歌ってみたり、圧を強め出してみたりと、歌声を通していろんな表現ができるようになってきたかな、と。芯はありつつ、七変化していろんな人の心に刺さる歌が歌えているかなと思っています。


――おっしゃるとおりですね。というのも、年齢を聞いて驚くほどの歌唱力だなと思っていて。その歌唱力はどこで培ってきたのでしょうか。

Rainy。:デビュー後経験させてもらったことが、成長に繋がっているのかもしれないです。元々歌が好きで、5歳の時に初めてステージに立ったんですね。それは当時通っていたダンススクールのステージだったんですけど、その時見えたお客さんの笑顔やキラキラした景色に感動して。そこで初めて歌手になりたいって思ったんです。そこからオーディションを受け始めて、こうしてRainy。としてデビューさせていただくことができました。それ以降立たせていただいたステージを通して、日々成長できてると思います。


――5歳でそう思えるのが素晴らしい……! ご両親が音楽をやっていらっしゃったとか?

Rainy。:ただの音楽好きな両親です(笑)。1日のどこかで絶対音楽は聞くというルーティンがあったくらいです。ただ、よくドライブに行っていて、その時に洋楽を家族で歌ったりはしていましたね。「この歌手になりきろう」みたいな遊びもしていたので、そういうものは少し影響があるかもしれません。


――音楽に触れている時間も長かったんですね。そして、6月28日には待望の1stアルバム『Rainy。UNIVERSE』をリリースされます。今の率直な気持ちをお伺いしたいです。

Rainy。:「早く28日になれ!」ですね(笑)。『Rainy。UNIVERSE』は私の世界を知っていただけるようなアルバムになっています。アップテンポ、バラード、かわいい曲、しんみりした曲、それぞれに違ったRainy。の声の表現が届けられていると思います。しかも、リリース日は私の15歳の誕生日でもあるので、より楽しみですね。


――なおのこと待ち遠しいですね。渾身の一作だからこそ、制作期間に工夫したことも多かったのでは?

Rainy。:工夫というよりも、とにかく歌に集中していた期間でした。例えば、改めて歌詞を1行ずつ読み上げるところから始めてみたり、1行1行歌い方を考えてみたり。でも繋げて歌った時に違和感があったらどうしてなのかを考えたり、「この部分がこういう歌い方だからこの部分は抑えめで歌った方がいいな」と歌い直してみたりと、しっかり歌に向き合えたと思います。


――その作業を特に意識した曲はありますか?

Rainy。:自分が思った通りに歌えたという点で言ったら、4曲目の「素直になれたら」。この曲は歌詞もメロディも透明感がすごくて。だからこそ、サラッと歌ってしまったら思いが届かないなと思ったんですね。なので、とにかくまっすぐ届けることを意識しました。でも、「まっすぐ」といってもいろんな「まっすぐ」がありますよね。例えば、太いまっすぐと、細いけどキレイなスッと伸びていくまっすぐ。「素直になれたら」は後者の方のイメージだったので、どうしたらそれが表現できるかディレクターの方ともたくさん話し合いをして作り上げました。具体的な例を1つ挙げるとしたら、マイクに声がまっすぐ乗るよう、フォーリンラブしちゃうくらいに近づいて歌っています。この曲は要チェックです!


――そんな裏側があってこその、あの仕上がりだったのですね。そして、リード曲「...and Rescue Me」は『名探偵コナン』(日本テレビ系)のエンディングテーマとしても放送中です。楽曲を初めて聴いた時はいかがでしたか?

Rainy。:これは最高のエンディングテーマになるなと思いました。歌詞をGARNET CROWのAZUKI七さんが約10年ぶりに作詞してくださると聞いた時から、GARNET CROWについてもっと知ろうと思って曲を聴き始めたんですね。そうしたら、止まらなくなるくらい歌詞にメッセージ性とストーリー性があって。フレーズは抽象的なのに心に刺さるんですよ。「...and Rescue Me」の歌詞を最初に見た時もそれが感じられて。<残酷なくらいに憂鬱な目覚め>というフレーズから始まっているのを見て、ワクワクしました。メロディも始めはゆったり、次にギターの音が入ってきて、落ち着いたところに<残酷なくらいに憂鬱な目覚め>と続いていて、3段階あるのがいいですよね。早く歌いたい、自分の中に落とし込みたいという思いが強かったです。


――というと、歌い方にもこだわりがありそうです。

Rainy。:そうですね。やっぱり<残酷なくらいに憂鬱な目覚め>というフレーズがインパクトがあったので、〈残酷な〉の部分だけ切り捨てるように歌ってみました。それに2コーラス目のサビにある<二人が出会ってしまった夏がまた来る>という部分は、その二人を想像しながら歌って、歌詞と同じようなニュアンスを自分の中に確立させて歌いました。ここの歌詞、切なさと名残惜しさがダイレクトに感じられてグッときたんですよね。全部好きな歌詞ですけど、特に推しポイントです。


――AZUKI七さんの思いは、どのようにご自身に落とし込んだのでしょうか。

Rainy。:この曲って疾走感がありますが、イントロとアウトロは結構ゆったりしているんです。それが夢の中の記憶のピースのように感じられて。全体を見ると夢のようにゆったりしていて、でも中身に焦点を当てると情熱が燃え盛っている、というイメージで私なりに解釈しました。それが歌い方にも表すことができたと思います。


――そのお話を踏まえて聴くと、また違った聴き方ができそうですね。そしてミュージックビデオも撮影されています。今回は韓国での撮影だったんですね。

Rainy。:はい。初めてのことがたくさんあったので、すごく緊張しました。でも現場の方が優しく現場を盛り上げつつ、「今の表情良かったです」と緊張をほぐしてくださってありがたかったです。それに、セットが豪華だったんですよ。細かな部分まで作り込まれていて、「これがミュージックビデオになるんだ」とびっくりの連続でもありました。





「…and Rescue Me」ミュージックビデオ


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  1. 「自分に当てはめながら聴いてもらえれば嬉しいです」
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「自分に当てはめながら聴いてもらえれば嬉しいです」

――通常盤で見られるBehind映像の中では、韓国語を話されていました。

Rainy。:撮影に向けてちょっと勉強した程度なので、全然話せるわけではないんですけど(笑)。現地のスタッフさんが日本語を覚えてくださって「よろしくお願いします」と言っていたので、私は「잘 부탁드리겠습니다(よろしくお願いします)」と返したり、長く話しているうちに私もスタッフさんも徐々に日本語・韓国語がうまくなっていった感じです。みんなが助け合う温かい現場でした。


――その他の楽曲でいうと、9曲目の「ME」はRainy。さんが13歳の時に作詞された楽曲です。どんな思いがこもっているのでしょうか。

Rainy。:これは、ちょうどデビューしたての頃に書いたものですね。当時、ずっと悩んでいたことを書きなぐったメモをスタッフの方に見てもらったんです。そうしたら「歌詞にしよう」と言ってくださって。13歳の私が自分のこれからについて悩んでいた時に感じた葛藤が反映されています。切ないことも書いているのですが、サビには<自分は自分でいればいい>という歌詞が入っています。これは、「どれだけつらくても私が前を向いている限り、絶対に良い方向にいくんだ」という決意を込めました。その思いが伝わったら嬉しいです。


――当時、悩んでいたことがあったのですね。

Rainy。:グローバルなアーティストになりたいという思いはありましたが、やっぱりどうしていいかわからなかったですし、いざRainy。としてたくさんの経験をさせていただいている中で、「どうしたらもっと成長できるんだろう」、「どうしたら夢を叶えるための具体的なビジョンを描けるんだろう」、「どうやって才能を開花させていったらいいんだろう」と悩んでいた、その気持ちを歌詞にしました。


――等身大でありつつも、Rainy。さんの芯が感じられるこの文章を書けることが素晴らしいと感じたのですが、それまでも歌詞を書かれていたのですか?

Rainy。:文章を書くことは好きで、詩を書いたりはしていましたね。でも歌詞となると難しくて。何か月も悩んでやっと形になったものなので、聴いてくださる方なりに噛み砕きながら聴いてほしいです。自分に当てはめながら聴いてもらえれば嬉しいです。


――お話いただいた3曲以外にも本当にいろんなテイストの楽曲が収録されています。全部お気に入りだとは思いますが、あえて1曲挙げるとしたらどの曲を選びますか?

Rainy。:お話ししていない曲の中だと、「Live It Up」です。


――かっこかわいい楽曲ですよね。

Rainy。:ちょっといたずらっぽく笑うRainy。が見えますよね。この曲は作詞を担当してくださったTIGERさんと初めましての状態でレコーディングしました。スタジオもいつもと違う場所だったので、ものすごく緊張して。でもTIGERさんからアドバイスをいただいて、試行錯誤しながらできた曲です。ラストサビにはフェイクもたくさん入っていて、いろんな挑戦をした曲なのでリズムに乗りながら聴いてほしいです。


――要チェックですね。そして、ボーナストラックの「絆炎」は12歳でレコーディングしたもの、10曲目の「絆炎 -Symphonic Style-」は14歳のタイミングで今歌い直したものです。どんな部分が成長したと感じられますか?

Rainy。:12歳の時の「絆炎」はファンタジーのイメージが強くて、流れる風のようなイメージを持っていました。ですが、14歳の「絆炎」はちゃんと地に足をつけて草原の中で悠々と歌っているイメージ。この2年間で身につけてきた歌唱力と表現を絡ませて歌えるようになったと思います。「こういう表現をしたいからこのテクニックを使おう」と考えられるようになって、表現にバリエーションが増えたというか。





「絆炎」ミュージックビデオ


――新しく習得した歌のテクニックがあったりも?

Rainy。:声の厚みは成長したかもしれません。今までは細い部分が極端に細くなってしまったり、逆に低い声が出なかったりしたのですが、出せる音域が広がったことで厚みを出したり、薄くしてみたり、エッジを効かせてみたりできるようになりました。今までは、できたとしても狙っていないけど奇跡的にできるという感覚だったんです。それが今では自分でちゃんとセレクトして出せるようになりましたね。この先もまだまだ成長していけると思うので、20歳バージョンの「絆炎」とかも作ってみたいです(笑)。


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「ワールドツアーはいつかやってみたい」

――期待しています(笑)。ここまでお話を聞いてきて、感性がとても豊かだと感じたのですが、どんなことからヒントをもらっているのでしょうか?

Rainy。:写真をよく撮ります。フィーリングだけで「かっこいい」、「イケてる」って思った写真を撮って、後から見返したその時の感情を文章にしてみたり。


――そんなクリエイティブなことを……!?

Rainy。:でも日常のふとしたものばかりなんですよ。この間は、ちょっと変わった形のティッシュボックスを撮りました(笑)。本当になんでもよくて、空のコントラストがキレイだと思ったらとりあえず3枚撮る。連続で撮ったのに、2枚目には小鳥が入ってきたとか、3枚目は人の影がブレていい感じになっているとか面白いんです。だから今、スマホのストレージがパンパン(笑)。あとは電車広告で良いフレーズを見かけたら、別の電車にあった広告の言葉と組み合わせて韻を踏んでみる、とか。日常生活でできることをやっている感じですね。


――そうやって感性を磨いているんですね。音楽に関してはどうでしょうか。以前レディ・ガガが好きと拝見しましたが、最近チェックしているアーティストはいますか?

Rainy。:最近はミュージックアプリで適当に曲を流して、その中で気になった曲をダウンロードするという聴き方をしています。一番最近ダウンロードしたのはポスト・マローンの「Chemical」。ちょっとインディーズの雰囲気がありつつも、スーッと流れるようなメロディが特徴的で、そこにポスト・マローンのクリアな歌声がマッチしているんです。それが気に入って、即ダウンロードしました。


――Rainy。さんの歌のスタイルに通づるところがありますね。こうしてお話を聞いていると、Rainy。さんにすごく真面目な印象を抱いたのですが、プライベートでも変わらないですか?

Rainy。:どうだろう。でもうるさいと思いますよ(笑)。人と話すことがすごく好きなんです。友だちからも「よく喋るね」と言われますし、自分でもそう思います。なので、1人でいるよりも友だちといることの方が多いです。しかも、とりあえず自分の意見をバーッと言った後に人の意見を聞いて修正作業をするのも好きで。よく友だちに「これどう思う?」って聞いたり、先生にも「どう思いますか?」って聞いています。自分の意見が確立したら、「あの人はどう思うんだろう」って考えちゃうんですよ。「生徒と先生の視点はどう違うんだろう」みたいなことにも興味があって、休み時間のたびに先生に質問しに行っている学生です(笑)。勉強もそういうスタイルでやっていることが多いかもしれないですね。一旦自分で解いてみるんですけど、わからなかったら「先生!」って。それで成績が上がってくれたらいいんですけど、そこは……。頑張らないといけないですね(笑)。


――応援しています(笑)。そんなRainy。さんはグローバルなアーティストを目指していますが、具体的にやってみたい活動はあるのでしょうか。

Rainy。:ワールドツアーはいつかやってみたいです。各地でライブをやりつつ、ちょっと長めに滞在して現地の方と触れ合うこともやっていきたいですね。そのためには2つやらなきゃいけないことがあると思っていて。1つ目は、勉強。学校の授業の延長のような形で、自分で調べ学習をして世界で起こっていることを深掘りしたり、なるべく色んな方の意見を聴きながら自分の考え意見を確立させたりしなきゃなと考えています。もう1つは、自分磨き。まずは国内で大きくなるためにも練習を欠かさず行なって、どんなことでも吸収して自分のものにしていこうと思っています。


――では最後に、アルバムを手に取るファンの方にメッセージをお願いします。

Rainy。:普段の明るいRainy。だけではなく、それぞれの楽曲を通していろんなRainy。の表現が見えるアルバムになっていると思います。皆さんなりに曲を解釈しつつ、私の思いも届けられたらいいなと思っているので、ぜひたくさん聴いてください!


Rainy。「Rainy。UNIVERSE」

Rainy。UNIVERSE

2023/06/28 RELEASE
JBCZ-9147 ¥ 2,750(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01....and Rescue Me
  2. 02.Rain your World
  3. 03.Teenager
  4. 04.素直になれたら
  5. 05.Find the truth
  6. 06.Freeze
  7. 07.All or Nothing
  8. 08.Live it Up
  9. 09.ME
  10. 10.絆炎 -Symphonic Style-
  11. 11.絆炎 [Bonus Track]

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