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<インタビュー>EXILE、20周年のターニングポイントを迎えて――TAKAHIRO&SHOKICHIが語った彼らの「今」とは
5月26日、14人体制になって以降初となるライブツアー【EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 "RED PHOENIX"】に幕を下ろした、EXILE。勢いそのままに、7月6日からは2020年にソロ活動専念を発表したATSUSHIが限定復活を遂げるドームツアー【EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"】もスタートする。さらに、2つのツアーの架け橋ともなる楽曲「BE THE ONE」が5月27日にリリース、7月1日にはATSUSHIとTAKAHIROがツインボーカルを務める新曲「POWER OF WISH」もリリースされる。目まぐるしいほどの活躍を見せるEXILEの今を、TAKAHIROとSHOKICHIに語ってもらった。(Interview & Text: 高橋梓 / Photo: TOMOYA TANIGUCHI, MASANORI NARUSE, TERUMI FUKANO, HIROYA TAKADA, YUSUKE KITAMURA, YUJI KANEKO)
久々のアリーナツアーを完走して
――まずは、【EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 "RED PHOENIX"】を無事完走した所感からお伺いさせてください。
TAKAHIRO:久しぶりのアリーナツアーだったので、ファンの皆さんと近い距離でパフォーマンスができたと思います。これまでのドームツアーでは、様々な演出の中で、サポートダンサーもたくさんいて、ありがたいことに豪華だったんですよね。それが今回はアリーナということもあり、最初から最後までメンバーだけでエンターテインメントを見せることができました。エンターテイナーとして、メンバー一人ひとりの力が試されているようなライブだったと思います。「一丸となってライブを届けられた」という思いが、いつにも増して強いですね。
SHOKICHI:サウンド面においても挑戦しました。規模が大きいドームツアーの場合、余計なアレンジを加えないでパフォーマンスすることが多いんです。でも今回はファンの皆さんが声を出せないということもあって、なるべく耳だけで楽しんでもらえるようにいろんな仕掛けをしたり、バンドでアレンジを入れたりしました。
TAKAHIRO:楽曲のアレンジは、これまであまりやってこなかったよね。
SHOKICHI:そうですね。聴き馴染みのある曲をそのまま聴いていただくというか。聴きやすさを重視していましたが、今回はかなりアグレッシブにアレンジしたと思います。体制も変わっているので、チャレンジしてみてもいいのかなと、色々トライしました。
――アリーナでライブをされるのは、2009年の【EXILE LIVE TOUR 2009 “THE MONSTER”】以来ですね。ドームと比べて、心理的にもお客さんとの距離は近いのでしょうか。
TAKAHIRO:EXILEって、ターニングポイントと言われるところでアリーナを回ることが多いんです。僕もEXILEに加入して初めてのツアーがアリーナでしたし、メンバーが増えた【“THE MONSTER“】ツアーもアリーナでした。僕はEXILEとしてアリーナツアーもドームツアーも経験してきましたが、やっぱり物理的にも心理的にもアリーナは距離感が違いますね。今回も初日に会場入りした時、「こんなに近かったか?」とびっくりしたのを覚えています。ファンの皆さんの熱量や笑顔、声は出せない中での力いっぱいの手拍子などを近い距離で感じられて、エネルギーの交換ができて。コロナ禍でもひとつになれるという、希望を見出せたツアーでした。
SHOKICHI:お客さんの顔もよく見えますし、ドームよりも閉じた空間だから音も聞きやすいですよね。
――やはり音響の面でも違いがあるのですね。大阪公演の前に行なわれた取材会で、AKIRAさんが「進化したEXILEのエネルギーを感じていただけるのでは?」とお話しされていましたが、おふたりから見た「進化したEXILE像」とはどんなものなのでしょうか。
SHOKICHI:たとえば、フォーメーションも今までと違って、変幻自在にいろんなものにトライしています。昔はメンバーごとに定位置が決まっていたのですが、今回はTAKAHIROくんがセンターということだけ決まっていて、あとはみんなバラバラ。観ていて飽きないようになっているのも、進化した部分だと思います。
TAKAHIRO:そうなんです。いつもサポートダンサーがいて、ステージの寂しいところを埋めてくれているのですが、今回はそれができない。なので、動きが忙しかったです(笑)。ツインボーカルだった頃はボーカルふたりが入れ替わるか、広がるかという感じでしたが、今回は僕もかなり動きました。最初のリハーサルで、「立ち位置覚えられるかな?(笑)」みたいな。実は泣きそうになるくらい自信がありませんでしたが、結果、鍛えられました。なので、次のドームツアーのリハーサルをやっていると、すぐに立ち位置が覚えられるんです。自分的にはそこも進化しました。
新曲「BE THE ONE」に込めた思い
――8月31日には早くもこの【EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 "RED PHOENIX"】のDVD&Blu-rayが発売されますが、いつもと違うフォーメーションにも注目ですね。そして、そのアリーナツアーでは新曲「BE THE ONE」も披露されました。作詞はTAKAHIROさんが担当されていますが、どんな思いを込められたのか改めてお伺いさせてください。
TAKAHIRO:SHOKICHIが曲を作ってくれたのですが、「こういうテーマでこの楽曲をリリースするのはどうですか?」とメンバー会議で提案してくれたところから始まりました。すごく明るい、“ネアカ”な楽曲で、メンバーもみんな喜んでいましたね。その歌詞を「ぜひTAKAHIROくんに」と声をかけていただいたんですが、その分期待に応えなきゃというプレッシャーがありました。ファンの皆さんの手に届いた時には、色んな感情になってほしいなと思って作らせていただきました。
――SHOKICHIさんが、歌詞をTAKAHIROさんにと名指しされたのはなぜだったのでしょうか。
SHOKICHI:この曲は20周年のお祝いソングとして、ファンの皆さんに感謝を伝えられる曲にしたかったんです。なので、TAKAHIROくんの言葉で書くことで絶対いい曲になると思っていましたし、EXILEに込められた思いを書くにはTAKAHIROくん一択だな、と。
TAKAHIRO:普段は、ふたりでいる時に「歌詞を書いてもらえますか?」と相談してきてくれるんですけど、今回はメンバー全員いるメンバー会議の時に「歌詞はTAKAHIROくんに」と大きい声で言われたんです。逃げも隠れもできない(笑)。
SHOKICHI:(笑)。今回は、コライト(共同での曲作り)ではなくてTAKAHIROくんひとりに書いてほしかったんです。その方がメッセージとして強くなるなと思っていたので……。
TAKAHIRO:公の場で名指ししてもらえて嬉しかったです。ただ、「俺に書けるかな?」と、逃げられないぶん不安にはなりました。最初のデモの時点でクオリティがかなり高くて、仮歌が英語で入っていたんですけど、リズムが難しくて。それで、「うわ、ひとりで書けるかな?」みたいな。そこからは必死で、ずっと頭の中で曲を鳴らしながら生活していました。生きた心地がしませんでしたね(笑)。
――TAKAHIROさんはこれまでのたくさん楽曲制作をされていますが、それでもプレッシャーだったのですね。
TAKAHIRO:そうですね。普段は自分の好きなことを、好きな曲でイメージ通りに書けるんですが、今回はみんなの期待が乗りに乗った状態(笑)。しかも、第一章の頃から応援してくださっているファンの方々もいらっしゃることを考えると、プレッシャーでした。でも、感謝の思いを込めて、頑張って書くぞ、と。いつもは割とフラットな状態で書くのですが、今回は結構意気込んで書きましたね。
――SHOKICHIさんは、どんなイメージでメロディを作られたのでしょうか。
SHOKICHI:お祝いの曲だったので、「パレード」というテーマを決めて制作していきました。20周年ソングはどんな感じがいいのかなと考えて、「マーチング系の音が入っていて、いろんな弦楽器が入っていて……」というイメージがすぐ出てきて。割とスムーズにできあがっていきましたね。
――TAKAHIROさんの歌詞をご覧になられて、どう思われましたか?
SHOKICHI:心が高鳴りましたし、「(自分で)こんないいメロディ書いたっけ?」と思わせてくれるくらい、歌詞が素晴らしい。メロディの効果を3倍くらい上げていただいた印象です。
リリース情報
Digital Single「BE THE ONE」
2022/5/27 DIGITAL RELEASE
詳細・購入はこちらから>>
Digital Single「POWER OF WISH」
2022/7/1 DIGITAL RELEASE
詳細・購入はこちらから>>
公演情報
【EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"】
2022年7月6日(水) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年7月13日(水) 東京・東京ドーム
2022年7月14日(木) 東京・東京ドーム
2022年7月29日(金) 大阪・京セラドーム大阪
2022年7月30日(土) 大阪・京セラドーム大阪
2022年7月31日(日) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月11日(木・祝) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月13日(土) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月14日(日) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月19日(金) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月20日(土) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月21日(日) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月27日(土) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年8月28日(日) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年9月3日(土) 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ(旧:ナゴヤドーム)
2022年9月4日(日) 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ(旧:ナゴヤドーム)
ツアー公式サイト>>
関連リンク
「《Your eyes only》というフレーズで始めたかった」
――特にこだわったり、ポイントとなる歌詞やメロディラインはありますか?
TAKAHIRO:僕は全てのフレーズに魂を込めたのですが、《Your eyes only》というフレーズで始めようというのはSHOKICHIから名指しされた瞬間から決めていました。元々僕はEXILEのファンだったので、聴いてくださるファンの方と同じ気持ちでEXILEの歴史とエモさを共感したかったんです。そう考えた時に、単なる歌詞ではなくて「Your eyes only」からスタートするメッセージにしようと思って書きました。それと、2サビに《重なる手と熱い情熱が》という部分があるのですが、そこは僕らの伝統的なライブ前の気合い入れを指しています。今はコロナ禍なのでガッツリ気合い入れができなくなっていますが、「そう言えば20年間メンバー同士で奮い立たせながらやってきたな」と思い返してほしかったんですよね。そういったものを入れることで、ファンの皆さんにもメンバーにも「おぉ!」と思ってもらえるようにしています。
――先ほど、「曲自体はネアカ」とおっしゃっていた通り、明るい曲調と少し切なさを感じる歌詞のギャップもいいですね。
TAKAHIRO:アリーナツアーで初お披露目をした時、「今アップテンポの曲やってるよね?」という気分になるくらい、皆さん聴き入ってくださっていて。アップテンポなのにバラードを聴いているような顔をしてくださるのは初めての経験だったので、「あれ、盛り上がってない?」と不安になるくらいでした(笑)。後々スタッフさんが、「あの歌詞をステージ上のビジョンで見ながら、皆さんジーンとしていました」って教えてくださって、ひと安心。僕の言葉を通して思いが届いたんだと嬉しくなって、それ以降自信を持って歌えました。
SHOKICHI:こんないい曲になるとは思わなかったって、ふたりで話しました。メロディに関して言うと、TAKAHIROくんのアイデアでオーケストラの弦を足しているんです。すごく豪華になっているし、弦の音がより一層感動を誘うので耳を傾けていただけたら嬉しいです。
お互いのクリエイティブへの印象
――それは必聴ですね! 今回お二人で制作をされて、お互いのクリエイティブにどんな印象を持たれましたか?
TAKAHIRO:SHOKICHIは、とにかくいつも何か作っているんですよ。ワインを飲んでいるか、曲を作っているか、歌うか、みたいな(笑)。
SHOKICHI:あはは!
TAKAHIRO:好奇心がとにかく旺盛で、楽器があれば触るし、ブツブツ何か言いながら詞を書いていることも多いです。常に音楽と向き合っているし、音楽が好きなんでしょうね。どれだけ引き出しあるんだろう?っていうくらいずっと作っているので、単純にすごいと思います。アリーナツアーのリハーサルでも、SHOKICHIがバンドメンバーにアレンジの指示出しをしていて。「こうやるのはどう?」って口で説明するんですが、その再現力がすごく高い。だからバンドメンバーもわかりやすくて、すぐ伝わるんです。そういうのを見ていても、音楽を愛しすぎているし、愛されているんだなと思います。しかも、誰かのためにではなくて、本当に好きでやっているんですよね。もう、変態に近いです(笑)。
SHOKICHI:めちゃくちゃ持ち上げるじゃないですか(笑)。
――(笑)。そういう感覚はご自身の中にあるのでしょうか。
SHOKICHI:そうですね、ずっと作っていますけど、飽きっぽいので次々に新しいものを作っているだけかもしれません。なるべく引き出しを空にしないように、情報収集が大変です。
――情報収集はどんな風にされるのですか?
SHOKICHI:それこそワインのヒストリーとかからも収集しますよ。あとは美術館に行ったり、本を読んだり。とにかく情報を拾い集めてアップデートするようにしています。
――そんなSHOKICHIさんから見て、TAKAHIROさんのクリエイティブはどんな印象でしょうか。
SHOKICHI:TAKAHIROくんが書く歌詞は、オリジナルフローなんですよね。歌声を聴いただけでTAKAHIROくんとわかるように、オリジナリティあるフローを持っている。「BE THE ONE」でも「こんな(言葉の)ハメ方するんだ」というような部分があって、それによってメロディの印象が変わった部分も多かったです。しかも、僕が作ったよりも体に入ってくるメロディになるんですよね。
TAKAHIRO:という話を、昨日赤ワインを飲みながら語ってくれました(笑)。
今回のツアーの見どころ
――良い時間です(笑)。そして、7月6日からはドームツアー【EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"】がスタートします。このツアーのキャッチコピーが「今しか見られない――EXILE」。今しか見られない見どころを教えてください。
TAKAHIRO:20周年でありながら「WISHシリーズ」でもありますし、ATSUSHIさんも限定復活されて、EXILEの“全部入り”をお見せできると思います。歴史をたどって懐かしむだけでなく、「POWER OF WISH」というツアーテーマに沿った、自分たちなりのパワーを届けられるライブにしたいですね。それに、アリーナツアーを完走したことで一人ひとりがパワーアップしている部分もお見せできると思います。アリーナツアーでファンの皆さんにもらったパワーを何倍にもしてお返ししたいです。具体的な見どころをネタバレにならない程度で言うなら、懐かしい曲もありつつ、バラードもふんだんに聞けると思いますよ。
SHOKICHI:僕ら自身も楽しみです。ATSUSHIさんが限定復活されて、(黒木)啓司さんもラストステージになるので、この15人でライブをできるのは本当にラスト。1回1回を大切に噛み締めながらやりたいです。もちろんATSUSHIさんもですが、啓司さんがいなくなるのは本当に寂しいので……。
TAKAHIRO:「あと1年ぐらい頑張れ」って言っているんですけどね~(笑)。
SHOKICHI:全てが見どころのライブになると思います。お客さんも全力で楽しんでほしいです。
リリース情報
Digital Single「BE THE ONE」
2022/5/27 DIGITAL RELEASE
詳細・購入はこちらから>>
Digital Single「POWER OF WISH」
2022/7/1 DIGITAL RELEASE
詳細・購入はこちらから>>
公演情報
【EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"】
2022年7月6日(水) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年7月13日(水) 東京・東京ドーム
2022年7月14日(木) 東京・東京ドーム
2022年7月29日(金) 大阪・京セラドーム大阪
2022年7月30日(土) 大阪・京セラドーム大阪
2022年7月31日(日) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月11日(木・祝) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月13日(土) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月14日(日) 埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2022年8月19日(金) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月20日(土) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月21日(日) 大阪・京セラドーム大阪
2022年8月27日(土) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年8月28日(日) 福岡・福岡PayPayドーム
2022年9月3日(土) 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ(旧:ナゴヤドーム)
2022年9月4日(日) 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ(旧:ナゴヤドーム)
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関連リンク
EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 “RED PHOENIX”
2022/08/31 RELEASE
RZXD-77598/9 ¥ 8,800(税込)
Disc01
- 01.RED PHOENIX
- 02.NEO UNIVERSE
- 03.24WORLD
- 04.Someday
- 05.Choo Choo TRAIN
- 06.DOWN TOWN TOKYO
- 07.WON’T BE LONG
- 08.HAVANA LOVE
- 09.SUMMER TIME LOVE
- 10.アガパンサス
- 11.HEMERA
- 12.もっと強く
- 13.Performer’s Showcase
- 14.PARADOX
- 15.DANCE INTO FANTASY
- 16.YELLOW HAPPINESS
- 17.RED PHOENIX Special Medley
- 18.VICTORY
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