解散直前の心境「これでもう話せなくなるの、イヤだな！」

－－ラストシングル『DRESS』発売時インタビューでは、まだ解散する実感が湧かないと仰っていましたが、いよいよ6月5日の【predia Final Live ～Thank you for all my dia～】まで残り僅かとなってきました。今の心境をそれぞれ伺わせてください。

湊あかね：やっと実感してきました。先日のイベントもファンの皆さんからの手紙の嵐で、みんなが私の目の前でその手紙を読み上げていくから「本当にやめて！」と思って（笑）。でも、それで「本当に終わっちゃうんだ」と実感して。例えば、中学生の頃からずっとprediaを観てきて、今はもう成人を迎えていて、そういう人が「prediaは私の人生でした」みたいなことを言ってくれたり、私たちはファンとの距離が近いから恋愛相談に乗ったりもしていたんですけど、それに対して「力になったよ。最高のお姉ちゃんでした！」と言ってくれたり……本当に有難いんですけど、そんなこと言われたら泣いちゃうじゃないですか。

まえだゆう：ファンの方と会える機会が残り僅かになってきたり、ひとりひとりと特典会で話していく中で「今日で最後なのか」と思うことが増えていって、どんどん実感していきました。「これでもう話せなくなるの、イヤだな！」って思うし、それだけすごく支えられていたんだなと思って。あとは、長いこと活動しているから「結婚したよ」とか「子供が生まれたよ」とか事あるごとに報告してくれるファンの人たちもいたんですけど、ついにその子供が私のことを「ちゃん！」と呼ぶぐらい大きくなっていて（笑）。それだけの歳月を共に過ごしてくれていたんだなと嬉しくなったりもしました。

村上瑠美奈：私もじわじわ実感しています。しばらく会っていなかったファンの人たちもリリースイベントに来てくれたりして、でも話してみたら全然久しぶりな感じがしなくて……いろんな時代を応援してくれていたファンの方々と最後に「ずっと一緒にいた」感じでおしゃべりできることが嬉しいし、その度に「もうすぐ終わりなんだな」と実感したりもして。あと、ひとつひとつのリリースイベントで「もうこの曲を歌い踊るのは最後なんだな」という機会が増えていくから「これで最後だ」と噛み締めながらパフォーマンスしていて、それがまた寂しくも楽しかったりして……なので、このモードのまま最後まで駆け抜けたいなと思っています。

水野まい：私はもうずっと実感しまくりなんですけど……

－－前回のインタビューでも泣きっぱなしでしたもんね（笑）。

水野まい：今もみんなの話を聞きながら泣けてきちゃって……（涙を溢れさせる）。今回のラストアルバム『DIAMOND』に収録されている新曲「Thank you for all my dia」のMV撮影でも、最後に「We're special friends」って歌っているんですけど、あの歌詞の意味を感じたら「あ、もうダメだ」って涙が溢れてきちゃって……。本当に……何を言おうとしたか忘れちゃった。

一同：（笑）

水野まい：あ、思い出しました。こうやってずっと泣いちゃうのはどうしてなんだろうなと思っていて……今日気付いたんですけど、私はprediaのメンバーでもあるけど、きっとprediaのファンだったんですよね。だから私もファンのみんなと同じように「解散するのがイヤだ。寂しい」みたいな感覚になっちゃったんだろうなって。昔からいつかこういうときがやってくると分かってはいたんですけど、でも「こんな日々がずっと続けばいいな」とも思っていたので、今も泣いているんだと思うんです。ここまでひとつのことをずっと続けてきたのって、部活で7年テニスをやっていたとき以来だし、prediaでの活動はそれを超えて最長記録になるので……人生の3分の1はprediaだったから、きっと心にぽっかり穴が空いた状態になっちゃうと思うんですよね。だから、解散したらファンのみんなと友達になりたいです（笑）。

桜子：最後のワンマンライブには特典会がないので、そこに至るまでのリリースイベントひとつひとつで「会えるのは、今日で最後だね」みたいな人がどんどん増えていって。そこで感謝の気持ちを伝えてくれたりとか、泣きながら「もう会えなくなっちゃうよ！」って言われたりすると……こんな風に言ってもらえるぐらいprediaを好きでいてくれたんだと嬉しく思いますし、それと同時に「本当に終わっちゃうんだ」と実感して。ファンの人と会うのもそうだし、最後にパフォーマンスする曲もそうだし、ひとつひとつの場所に対しても思い入れがいっぱいあるので、やっぱり感傷的にはなりますよね。なので、私はひとりで現地まで思い出に浸りながら向かったりしていて（笑）。本当に毎回がラストステージみたいな感覚でしたね。

沢口けいこ：私はまだあんまり実感がないんですよ（笑）。ファンの人たちから「今日で最後だよ」とか言われるとやっぱり寂しくなっちゃうから、どうしても「明るいことを話さなきゃ！」と思っちゃって、それで自分を防御しちゃうというか……その寂しさに正面から向き合えなくて。だから「もしかしたらまた会えるかもしれないし」とか、別にそんな予定は現時点で何もないんですけど、そういう風に未来の可能性みたいなものを想像して、明るく振る舞っていないとヤバいかも！みたいな。その結果、まだイマイチ実感できていないんです。メンバーに対しては「寂しいな」と正直に言えるぐらいにはなったんですけど、ファンのみんなに対してはまだ防御してしまっている状態。でも、実感が湧かないままファイナルライブを迎えたくはないので、それまでにはなんとか……と思っています。

－－そんなpredia最終章のクライマックスにラストベストアルバム『DIAMOND』をリリース。ダイヤモンド (dia) の原石 (pre) という意味合いで名付けられたprediaですが、いよいよDIAMONDになりました。どんな作品に仕上がったなと感じていますか？

沢口けいこ：ファン投票によって収録曲が決まると知ったときは、どの曲が選ばれるんだろうと思っていて。私たちはどの曲も出来上がっていく過程からずっと一緒にいるから、すべての曲が大切なんですけど、その中でもファンのみんなにはどんな曲が特に愛されていたのか気になるし、それが目に見える形で分かったのは嬉しかったですね。例えば「You're my Hero」は私たちが作詞した曲で、ライブで披露した回数は少ないんですけど、こうして選んでもらえていたから「ちゃんと心に残ってくれていたんだ」と嬉しく思いましたし。そういう喜びが選ばれた1曲1曲に対してありましたね。

桜子：どういう結果になるんだろうと思っていたんですけど、私たちが選んでもきっとこういうセレクションになっただろうなと思うようなラインナップだったから「あ、一緒なんだな」と嬉しく思いました。

水野まい：今回、メンバーのみんなも投票していたんですけど、私は投票しなかったんですよ。それで結果を見たら「クレオパトラ」が1位に選ばれていたから驚いたんですけど（笑）、自分が「頑張ろう」と思うきっかけになった大切な曲なので、本当に嬉しかったですね。

prediaラストソング「Thank you for all my dia」裏話

－－また、本作には、最後の新曲「Thank you for all my dia」も収録されていますが、どんな印象を持たれていますか？

村上瑠美奈：インディーズ時代からお世話になっている阿久津健太郎さんが手掛けて下さったんですけど、最初に聴いた瞬間から「これぞprediaだな」って。私たちの「最後の曲だからこそ、明るく笑顔で終わりたい」「みんなに感謝の気持ちを伝えたい」という想いをしっかり汲み取って詰め込んで下さったので、すぐにライブで私たちが笑顔でパフォーマンスしている姿が浮かびましたね。

まえだゆう：私たちが「お願いしたい」と言って阿久津さんに書いて頂いた曲なんですけど、振り付けもpredia初期からお世話になっている竹中夏海先生に「絶対にお願いしたい！」と言って依頼させてもらったんですよね。このふたりのタッグは、prediaのことを知り尽くして下さっているからこそ、今の私たちにドン！としっくり来る作品に仕上げてくれていて……「prediaって本当にいろんな方に支えられていたんだな」と思いました。あと、作詞は私たち6人が書いたものを阿久津さんがまとめて下さって、それぞれいろんな想いを書いていたと思うんですけど、そこには統一感があって、しっかりと同じ方向を向いていたみたいで「みんな、伝えたいことは一緒なんだね」って言ってくれたんですよ。だから、6人全員が「これだな！」と思える曲になったんだと思います。

－－MVもありのままのprediaが表現された映像となっていますよね。

沢口けいこ：ホームパーティーのシーンは、いつ撮っていて、いつ撮られていなかったのか、私たちは分かっていなかったんですよ（笑）。

湊あかね：普通に飲み食いしてた（笑）。

沢口けいこ：準備のシーンは、るみながキッチンに立って、私がお手伝いをしていて……みたいな役割はあったんですけど、その時点でダンスシーンもすべて撮り終わっていて、ホームパーティーのシーンが最後だったから「じゃあ、もうあとはメンバーさんたちで自由に楽しんで下さい！」と言われて。だから、本当に自由なんですよ（笑）。

桜子：カメラが回っていてもいなくてもずっと食べてた（笑）。

まえだゆう：そんな雰囲気だったから、まいまいがプライベートのカメラでいろいろ撮っていたら、監督さんが「あ、それ使いたい！」と仰って。なので、いつもまいまいが撮っているような私たちの素の写真が「Thank you for all my dia」のMVに使われているんですよ！ それも嬉しかったです。

水野まい：それは嬉しかったんですけど、あのMVの撮影は泣きすぎてしんどかったです（笑）。やっぱり最後の……（涙を溢れさせる）

桜子：また泣いた！ 大丈夫？ 心配だわ（笑）！

－－涙腺、壊れっぱなし（笑）。

水野まい：すぐ決壊しちゃうんですよ！ ……「これでみんなと撮る作品も最後なんだな」と思うと、最後の作品だからこそ笑って楽しく終わりたいんですけど、「楽しいな」と思うと「寂しいな」も込み上げて来ちゃって……それがしんどかったです（笑）。なるべく泣かないように自分なりに頑張っていたんですけど、ソロのリップシーンで歌詞を意識しちゃったらもう涙が止まらなくなっちゃって。あかねんとけいたんがそばに居たんですけど、それまで楽しそうに撮影していたのに急に泣き出したからビックリしていました。

沢口けいこ：外での撮影シーンだったから開放感があって、ずっとワチャワチャしていたんですけど……

湊あかね：楽しかったんですよ！ それなのに急に泣き出したから「え、何があったの？」と思って。

沢口けいこ：曲のいちばん最後。「We're special friends」のところで急に泣き出しちゃったんで、子役の女の子をあやすように「あー、泣いちゃった、泣いちゃった」みたいな（笑）。

湊あかね：子供の泣き止み待ち（笑）。

村上瑠美奈：MVの撮影でもそうでしたし、まいまいはリリイベでも毎回泣いちゃうので、みんなから「先に泣いてくれるから、こっちも泣きやすい」と言われていて（笑）。

水野まい：私の涙が「みんな、泣いていいよ」の合図（笑）。でも、もう泣きたくないですね。

－－いや、もう無理でしょ（笑）。

桜子：ここまで来たら、むしろ泣いててよ（笑）。

村上瑠美奈：これで最後のライブだけ泣かなかったら怖いよ（笑）。

湊あかね：逆に心配になっちゃう（笑）。

－－ラストベストアルバム『DIAMOND』の完全数量生産限定BOXには、メンバーの生い立ちからpredia解散発表までのヒストリーを辿った単独インタビュー記事×6人分が付属されます。そこでは自分で自身のアイドル像を語って頂きましたが、ここでは6人それぞれどんなアイドルだったかメンバーたちに語ってもらいたいなと思っています。では、まいまいから！

まえだゆう：まいまいは新メンバーからしたら本当にかけがえのない存在で、まいまいが居なかったら何も出来てない！

桜子：新メンバーのときは、まいまいに全部教えてもらっていたので。

まえだゆう：ちゃんが入ったときは、持ち曲が30曲超えていたので、休みの日でも振り付けとか教えてくれたりしていたんですよ。スケジュールも組んでくれて「教えてあげるよ」ってこっちがイヤになるぐらい毎日（笑）！ それを自ら進んでやってもらえたことは、今振り返るとすごく有難かったなって思います。

水野まい：桜子もちゃんも途中加入だったんですけど、ダンス経験もなかったし、最初にビデオだけ渡されるんですけど、それだけで憶えるのは難しいじゃないですか。それで私から声を掛けて教えてあげることにしたんですけど、気付いたら新メンバーが入る度に教える係みたいになっていました（笑）。

湊あかね：まいまいはすごくホスピタリティに溢れているよね。

沢口けいこ：見返りを求めないんですよ。セトリを決めているときも、自ら当たり前のようにホワイトボードに曲名を書き出してくれたり、他の人がやりたがらないことを率先してやってくれる。

湊あかね：自分のことを後回しにして、他のメンバーの面倒を見てあげる人なんです。ナイチンゲールみたい。

村上瑠美奈：昔の動画とかもウチらが見やすいようにすべて整理してくれたり。本当にそういう部分でいつも助けられていました。ただ、こういうキャラクターだから「不思議な人だなぁ」と10年ぐらい思っていたんですけど、ここ1年半ぐらいで「あ、スーパーど天然なんだ」と気付いて（笑）。

桜子：捉えどころがないなと思っていたら、ただの天然だった（笑）。

predia各メンバーのアイドル像をみんなで語る

－－続いて、らちょ。

湊あかね：仁義に厚い。本当に義理人情の人なんですよ。昭和のドラマに出てくるような……もしかしたら「大正ドラマかな？」と思うぐらいの（笑）。

沢口けいこ：曲がったことが大嫌いすぎて、例えばメンバーの中に「納得いかなかった」と思うようなイヤな出来事があるとするじゃないですか。桜子はそれに対して、当の本人が「もういい、忘れよう」と切り替えていたとしても、ずっとその出来事について考え続けているんです。何だったら、そのメンバーのことを想って涙してくれる。自分のことを想って泣くなら分かるんですけど、桜子が泣くときはいつも自分じゃなく誰かを想っているんです。

まえだゆう：メンタル的にみんな助けられている。だから「迷ったら、桜子に聞け」ぐらいの存在で、相談するときは「らっちゃん、コレどうしよう？」と毎回聞いてました（笑）。

水野まい：ただ、私たちは相談に乗ってくれた時点でスッキリしているんですけど、桜子は寝るときもずっとその相談事について考えているんですよ。毎回、それで睡眠不足になっちゃったりして（笑）。

まえだゆう：何日も何日も考えてくれるんですよ！

湊あかね：で、こっちが忘れた頃に「こうしたらいいんじゃない？」って正解を送ってきてくれるんです（笑）。

まえだゆう：こっちの悩みだったのに、らっちゃんの悩みみたいになっちゃって「寝れないんだけど！」みたいな。で、こっちはケロっとしているんですよ（笑）。

村上瑠美奈：疑問を与えると悩み続けちゃうから、あんまり疑問を与えちゃいけないんです（笑）。

湊あかね：それぐらい仁義に厚いし、優しいんです。

－－続いて、けいたん。

湊あかね：けいたんはアイドル。スーパーアイドルだった。

まえだゆう：出来ないことがなさ過ぎて！ 最年少なんですけど、何でも出来るし、優秀だし、どの現場でもけいたんが居るとこちらは有難くて仕方ない。だから、けいたんに勝てることと言えば、運動神経ぐらいしかない。けいたんは自転車に乗れないんで！

沢口けいこ：ちゃんはこれ一個で戦ってくるんですよ（笑）。

桜子：しっかりしているし、何でも出来るから頼れる存在だし、そういう意味では最年少という感じがしないんですけど、でも、心の中はピュアなんですよ。すごく純粋。だから、誰もが妹的な存在として接するんだなと思います。

沢口けいこ：私、最初は本当にダメなメンバーだったので、みんながこんなに褒めてくれて「私、更生したんだなぁ」ってしみじみしています（笑）。本当にprediaに入って良かったですよ。ここに11年いたら、どんな人でも良い人になって出て来れることを証明できたので。

一同：（笑）

－－かつて、事務所近くの千年の宴で愚痴をこぼしていたメンバーとは思えないですね（笑）。

桜子：私とふたりで呑みながら「ファンが付かない」って。そりゃ、そんな奴らにファン付かないですよね（笑）。

沢口けいこ：懐かしい（笑）。

－－続いて、るみなさん。

沢口けいこ：るみなは「しっかりしてる」って感じじゃない？ prediaの初期の頃から今までずっと変わっていない。るみなはずっとるみなでいてくれるんですよ。ライブ制作の演出についても「あのアーティストさんのライブでは、こんな風にしていたから」みたいな感じですべて吸収してpredia全体に還元してくれるんです。それってすごくパワーがいることだし、グループ愛がないと出来ないことだと思うし、そういう面でも「助かる。るみなが居なかったらヤバかった」と思うことばかりで。

まえだゆう：振り付けも何曲も担当していてくれて、曲間の振り付けなんてフォーメーションも含めてほぼほぼ一人で請け負ってくれていたので、毎回「すごいなぁ」と思っていました。この頭の中だけですべてを形にしていってしまうから、頭の中を覗いてみたいぐらいなんですけど、なかなか覗かせてくれなくて……

－－そりゃそうでしょ（笑）。

湊あかね：たぶん、目がふたつじゃないんですよ（笑）。

－－どういうこと（笑）？

湊あかね：たぶん、4つぐらい付いてる。ふたつだけだったらあんなに全体を見渡せないですもん。だって、後ろにいる人も見えるんですよ？

まえだゆう：いちばん前に立ってるのに！

湊あかね：「あかねん、あそこ間違ってたよ」「え、どういうこと？ なんでバレてるの！？」って。

一同：（爆笑）

沢口けいこ：「え、前向いてたよね？」ってなるよね（笑）。

水野まい：視野が広すぎる（笑）。

湊あかね：完全に超人！

桜子：ただ、るみなは努力家でマジメで何に対しても一生懸命なんですけど、たまに可愛い一面を出してきて、楽屋とかで甘えてくるんですよ。それをやられると「これか！ このギャップにファンはやられているのか！」みたいな（笑）。ストイックなのに実は甘えん坊だから、本当に可愛い人だなと思います。

村上瑠美奈：なんか嬉しいですね。こういう会、解散後も定期的にやりたいです（笑）。

－－続いて、ちゃんころぴー。

湊あかね：見たまんまです。

一同：（笑）

まえだゆう：あれ、終わり？ ヤダ！ もっと話してよ！

predia最後のステージ「とにかく楽しんで……散っ！」

－－たしかに、見たまんまがすべての人なんですけど、言語化するのは難しいんですよね（笑）。

湊あかね：そうなんですよ。なんて言えばいいのか分からない（笑）。でも、本当に入ってきてくれて良かったなって。あのとき、ちゃんが入ってきてくれなかったら、多分このグループは終わっていたと思うし。

沢口けいこ：あの時期、ちゃんが入ってくるまで暗かったしね。

村上瑠美奈：当時のprediaは「個性がない、個性がない」と言われ続けていて、今になってみれば「みんな、こんなに個性があるのに」と思うんですけど（笑）、それをおそらく出しちゃっていいのか分からなかったんですよ。でも、ちゃんが個性大爆発で入ってきてくれて「出していいんだよ」ってスウィッチを押してくれたんですよね。

沢口けいこ：そうなると、ファンも自分を出してくるんですよ（笑）。

湊あかね：今までハジけられていなかったファンが、ちゃんのおかげで自由になっちゃって「え、そんな感じの人だったんだ？」みたいな（笑）。

村上瑠美奈：魔法道具みたいな存在だよね。

水野まい：何かの番組で「一家に一台、ちゃんころぴー」って言われていたよね（笑）。ちゃんが入れば、どんなアイドルグループでもしあわせになれるんじゃないかと思うぐらいのムードメーカー。

桜子：ちょっと殺伐としちゃっているグループがいたら、ちゃんが入ってあげればいい（笑）。

まえだゆう：もらってもらえるかしら（笑）？

－－続いて、あかねん。

沢口けいこ：あかねんがいちばん変わってると思いますよ。ちゃんのことを「ちゃんはおかしい」って笑っているけど、そう言ってるあかねんが実はいちばんヘンな人で（笑）。

まえだゆう：いちばん子供！

沢口けいこ：無邪気だよね。

水野まい：かわいい。

まえだゆう：それでいて、女子力が高いんですよ。

沢口けいこ：料理も上手いし、一緒にいて面白いし、めちゃめちゃ良い奥さんになれると思う。ただ、面倒くさいんですよ（笑）。

湊あかね：おーい！

沢口けいこ：少女の面をずっと持っているから大変なんです（笑）。

村上瑠美奈：すごくかまちょだよね。楽屋とかでもずっとかまってほしくて独り言を言ってるんですよ（笑）。イベント終わりでみんな疲れて静かにしているのに、あかねんだけずーっとしゃべってて。

沢口けいこ：思っていることがぜんぶ口に出ちゃうタイプ。

村上瑠美奈：ステージ上では「ザ・ボーカリスト」って感じで格好良い姿を見せているのに、楽屋だとかまってちゃんだからギャップがすごい（笑）。

桜子：だから長年愛されてきたのかなって。クールで強いイメージのメインボーカルで威張ったりしていたら、女の子同士のグループだから上手くいかなかったかもしれないけど、あかねんは本当にかわいいから。たまに会っていないときでも「あかねん、かまってもらえなくてイジけてて可愛かったなぁ」って思ったりしちゃうんですよ（笑）。

－－では、prediaはどんなグループだったと思いますか？

まえだゆう：ずっと浸かっていられる温泉！ 居心地が良いです！

桜子：クールでセクシーで格好良い大人アイドル。それがprediaのコンセプトなので、端から見ていたらキツく見られたりすることもあると思うんですけど、実際は本当にみんな可愛らしい人たちなんですよ。

村上瑠美奈：あと、マジメだし、すごく不器用な人たちの集まりだと思う。なのに、どんなに大変でしんどい状況になったりしても「がんばろうね！」というテンションで11年間活動してきていて。決して世渡りも上手い人たちじゃないんですけど、それでも一生懸命コツコツやってきて、そういう面でも愛おしいグループだなと思いますね。

湊あかね：ある意味、頑固なグループでもあると思います。曲げたくないことは絶対に曲げないし。でも、型にはハマらないグループなんですよ。「あっちもやりたいけど、こっちもやりたいし、そっちもやりたい」みたいな感じで、やりたいことは何でもやっていく。なので、いろんな良いとこ取りみたいなグループ。福袋みたいな（笑）。

水野まい：11年活動してきただけあって、個々に性格は違うんだけど、すごくまとまったグループだなって思います。それぞれの得意な部分と苦手な部分を全員が把握しているからフォローし合えたり、助け合えたりしてきたので、だからこそ11年もやってこれたのかなって。みんなで足りない部分を埋め合って活動してきたグループ。

沢口けいこ：メンバー全員が大切にしてきた居場所なんだと思います。

－－では、最後に、そんな大切な居場所であったpredia最後のライブ【predia Final Live ～Thank you for all my dia～】への意気込みをお願いします。

沢口けいこ：prediaの集大成を見せるライブだと思うので、今まででいちばんprediaらしくありたいなと思うし、嘘を付くのがキライなグループなので、自分の感情にも正直にいられたらなって。もちろん「笑って終わりたい」という気持ちはあるんですけど、そのときそのときに生まれた感情をなるべくみんなに伝えていきたいし、素直な自分で感謝を届けられたらなと思っています。

桜子：本当に最後なので、自分たちもそうだし、ファンのみんなもそうだし、とにかく楽しんで……散っ！

沢口けいこ：私たち、なかなか楽屋から帰らないんで、よく「散っ！」て言って解散するんです（笑）。

水野まい：最後は全力で泣きたいと思います。

村上瑠美奈：さっき、みんなに許可もらったからね（笑）。

桜子：泣いていいよ！

水野まい：でも、格好良いprediaの私たちを観てほしいので、全力で頑張って、泣きながらも楽しそうに「散っ！」したいです（笑）。

村上瑠美奈：応援してくれた皆さんに感謝の気持ちをいっぱい伝えるライブにしたいなと思いますし、ファイナルライブのステージ上から私たちの想いをすべて伝え切りたいですね。

湊あかね：自分たちの想いを歌に乗せて、感謝の気持ちを花束にして、みんなに届けたいと思っています！

まえだゆう：悔いが残らないように、predia史上最高のパフォーマンスを届けられたらなと思っているし、みんなが「prediaのこと応援してきてよかったな」と思ってくれる1日にしたいです！ がんばります！

－－prediaラストインタビュー、以上になります。長年にわたり取材させて頂き、ありがとうございました！

一同：ありがとうございました！

－－ちゃんさん、最後に面白いこと言ってください。

まえだゆう：散っ！

一同：（笑）

Interviewer：平賀哲雄｜Photo：白井絢香