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<インタビュー>YOASOBIが振り返る2021年の軌跡 武道館ワンマンを終えて



インタビュー

 小説を音楽にするユニット、YOASOBIが12月4日と5日の2日間、日本武道館にてワンマン・ライブ【NICE TO MEET YOU】を開催した。2019年12月に発表したデビュー曲「夜に駆ける」で一躍ブレイク、その後もリリースする楽曲が軒並みチャートを賑わせるヒット・ソングとなり、紛うことなき時の人となった二人が、念願の有観客ライブという夢を叶えた2日間だった。コロナ禍以降の音楽シーンを象徴する存在でもある彼らは、デビュー2年目となる2021年をどのように駆け抜け、来年以降の未来にどんなヴィジョンを見据えているのか、二人に話を訊いた。

夢の舞台・日本武道館公演を終えて

――今回はデビュー2年目のYOASOBIについて振り返っていければと思うのですが、まずは先日の日本武道館公演、いかがでしたか?

Ayase:めっちゃ楽しかったです。ステージに出る直前、SEが鳴っているときは多少緊張したものの、登壇したときにはすでに「ああ、始まってしまったから、いつか終わってしまうんだな」みたいな気持ちで。

ikura:ずっと会いたかった人たちが目の前にいて、拍手してくれて、それに360度包まれて、というあの幸福感は普段では味わえないし、まさしく非日常という感じでした。

――YOASOBIに限らずこの1~2年でデビューしたアーティストって、有観客ライブを経験しないまま、曲がヒット・チャートに入ったり、テレビの音楽番組に出たり、コロナ禍以前のエコシステムでは考えられないようなキャリアを踏んでいて。そういう意味では、有観客ライブに対する喜びや感動もひとしおだったのかなと思います。

Ayase:YOASOBI、本当にいろんな順序をすっ飛ばしまくっているなと思います。CDをリリースする前に『NHK紅白歌合戦』に出させていただいたこと、“Billboard JAPAN HOT 100”の年間1位をいただいたこと、ある意味、正当な緊張をしていないかもしれない(笑)。あれよあれよという間にって感じだし、武道館も本当にあっという間の出来事でゆめまぼろしかのように感じました。




――本来であれば夏の【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】が有観客ライブ・デビューになる予定でしたが、残念ながらフェス自体が中止になってしまった。そこから今回の武道館ワンマンが決まるまではスムーズでした?

Ayase:わりと迅速でしたね。ロッキンの中止も直前だったので、そこからすぐに「じゃあ、どうする?」って。会場は何か所か候補があったんですけど、やっぱり武道館がいいなと。それで気持ちもポジティブに変換できたと思います。

ikura:やっぱり夢の場所だったので。本当にメモリアルな日になりました。

――準備期間はいかがでしたか? 音の鳴らし方は配信ライブとまったく違うだろうし、チャレンジングな日々だったかと思うのですが。

Ayase:スタジオに入っているときは6割ぐらいピリピリしていましたね(笑)。スタジオでこのレベルじゃ絶対に上手くいくわけがないって、バンドのメンバーに活を入れたりして。でも、それぞれがめちゃくちゃ努力してくれて、なんとか形にできました。武道館でリハをやらせてもらったとき、ドラムの仄雲がスネアを一発「ターン!」って叩いた瞬間がめちゃくちゃ気持ちよかったです。

ikura:Ayaseさんがバンドの一人ひとりと向き合って、全体を統括してくれていたので、私はずっと歌に集中することができました。逆に言えば自分のことで精一杯だったので、ピリピリした雰囲気はあまり感じていなくて。

Ayase:あなたがいないときにやってたからね(笑)。ボイトレで別の部屋にいるときとか。バンドが作る音に対して、りらちゃんが不安を感じる必要はないと思っていて。ボーカルと合わさったときのことを考えられる段階にまで達していないよね、ということはけっこうシビアに話していました。

――Ayaseさんなりの哲学として、バンド内におけるボーカルのプライオリティが明確にあるんですね。

Ayase:ボーカルは最悪、何をしてもいいと思っているので。別に歌をうたっていないときがあってもいいし、喉の調子が悪い日があるのもしょうがない。逆に、ボーカリストに何かあったとしても、屈強なサウンドがあればライブは成り立つと思っているので、それをちゃんと作れるようにしようっていう。毎回の目標がすごく大きいYOASOBIだからこそ、やっぱり漠然としてしまう瞬間があるんですけど、そのまま本番を迎えて「どうしよう」となってしまうのはマズイので、すごいことをやるんだというマインドをちゃんと持って、そのうえで何をするべきなのかを逆算して考えていく。そうやって積み重ねていこうねって。

――対するikuraさんのストイックに歌と向き合う姿勢も、先日放送された『情熱大陸』で映されていたように思います。

ikura:ボイス・トレーナーの花れんさんと二人三脚でやっていったんですけど、歌声で武道館を一つの球体みたいに包み込むというか、声の成分がシャワーとして降り続けるような、そんなライブができたらいいなと話していました。そのために体力とか技術とか、基礎的な部分を全部押さえつつ、そのうえでお客さんを煽ったり、自分自身が楽しんだり、ライブならではの醍醐味にもちゃんとフォーカスしていく、って感じでしたね。



【番組未公開映像】初の有観客ライブ直前!ikuraのインタビュー中に…


――発声も根本的に異なる感じ?

ikura:はい。レコーディングでは原作小説の物語、世界観を伝える歌に集中しているんですけど、ライブはお客さんとのコミュニケーションでもあるから、どう受け取ってほしいか、どうやって楽しい空間を作るか、ということを一番に考えていて。

――YOASOBIにおけるikuraさんの役割って、ある種の語り部じゃないですか。だからこそ、普段は自分自身のエッセンスを注入しすぎないように気をつけていたと思うのですが、そのあたりのバランス感覚もライブだと違う?

ikura:そうですね。YOASOBIのAyaseとikuraが人としてステージに立って、そこにバンドのメンバーもいて、みんなでバンド・サウンドを作っているという、その“対面している”という事実をみんなにも実感してほしかったので、歌との向き合い方もレコーディング時とは本当に違くて。あのときの私はたぶん“ikura”としても“幾田りら”としても歌っていたと思うんですよね。


YOASOBIとしての求心力

――曲に対しても新しい発見などがあったのではないでしょうか?

Ayase:「意外と生で演奏できるんだな」とは思いましたね。例えば「もしも命が描けたら」は、バンドでやることが果たして正解なんだろうかと悩んだりもして。もともと洋楽のトラックメイクに近い作り方をしたので、僕がマニピュレーターをやって、りらちゃんと二人だけでパフォーマンスするのもアリなのかなと思っていたんです。でも、生のバンド・サウンドにはどうしたって人間味が宿るし、たまに演奏がよれたりしたとしもそれが味になるんですよね。なので、今後もいい意味でライブのことを考えすぎずに曲を作っていいなと思えました。変にライブを意識しなくても、ちゃんと頭を使って、みんなで努力すれば、いい音楽としてライブでも表現できるなって確信を得たので。



YOASOBI「もしも命が描けたら」teaser


YOASOBI「もしも命が描けたら」Official Music Video


――難易度が高そうな「大正浪漫」も見応え、聴き応えがありました。

Ayase:あの曲が一番“できんのか問題”が多かったですね(笑)。演奏したい音の数が多すぎる。本当にみんなよく練習してくれたと思います。

――序盤に演奏されたのもインパクト大でした。

Ayase:もちろん全体の流れをちゃんと考えたうえで組んだセットリストですけど、それに加えて「早めにやっちゃおう」という気持ちもあったり(笑)。

ikura:前半戦が大変でした…。「三原色」とかもあったしね。

Ayase:そうそう。「三原色」も苦労したんですよ。リズムがどうしてもバンドで合わせづらくて。正直に言うと、前回のオンライン・ライブ(7月のUT×YOASOBI【SING YOUR WORLD】)のときは反省点もすごく多かったんです。

――ラテン系のビートが特徴的ですが、ライブではお客さんも手拍子で参加できる楽しい曲でした。

ikura:見に来てくれた家族が「あれはちょっと難しいよ」って(笑)。たしかに継続して叩くのは大変だったと思います。

Ayase:そうだね(笑)。手拍子はイントロ部分だけでもよかったのかな。それ以外のところは自由に楽しんでもらえればと思います。



YOASOBI「大正浪漫」Official Music Video


YOASOBI「三原色」Official Music Video


――演出面で特筆すべきは床面のLEDビジョンですよね。武道館のアリーナ・エリアをほとんど使い尽くしたセットで、客席から見下ろしたときの迫力がすごかったです。

Ayase:360度にお客さんがいる状態で、誰も漏らすことなくステージを見られるようにしたいという思いがあって、柱を全部取っ払いたいなと。でも、柱がないとスピーカーを上に吊るせない。だったらステージ下に機材を全部詰め込めるセットにしようと思ったんです。加えて、まだ有観客ライブの収容人数に制限があるので、もうアリーナを潰して全部ステージにしてしまおう、なおかつ遠くの人も楽しめるように、そこに映像を出しちゃいましょう、みたいな。これはけっこう早い段階でパパッと決まりましたね。

ikura:下のほうの席のお客さんにはギリギリまで近づけたし、上のほうの人は映像が綺麗に見えたり。どの席にもメリットがあったんですよ。

――武道館2daysが埋まるのも楽曲のヒットだけに留まらない、YOASOBIとしての求心力があってこそだと思います。「夜に駆ける」が大ヒットした2020年に続く2021年は“YOASOBIそのもの”を浸透させる1年間でもあったのかなと思いますが、そのあたりを振り返ることはできますか?

Ayase:それで言うと、まだまだだなと思ってますね。

ikura:武道館が終わって、より思うところはあるよね。

――そうなんですね。

Ayase:もちろん応援してくれるファンのみんなはいるし、僕らの実態に触れてくれている人自体は増えているんだろうなという実感はなんとなくありますけど、YOASOBIがAyaseとikuraの二人であるということを知っている人って、まだまだ少ないと思っていて。





――とはいえ今年はメディア露出も増えて、昨年以上に幅広い層から知ってもらえた1年だったと思います。

ikura:今年は『YOASOBIのオールナイトニッポンX』も始まったし、音楽以外のところから知ってもらうことも増えたと思います。「ちょっと知ってるよ」「何曲か聴いたことがあるよ」ぐらいの人もラジオやテレビ番組を見て、この二人がどういう人柄で、どういう会話をするのか、そういうところまで知って、そこから「こういう人たちだから、こういう音楽が生まれて、こういう思いがあるから、こういう歌になってるんだ」って音楽にもより深く触れてもらえるようになったんじゃないかと思っていて。

――Billboard JAPANの年間総合アーティスト・チャート“Artist 100”では、BTSに続く2位でした。

Ayase:この話はしたくないぐらい悔しかったです。あまりにもショックすぎて、その日は一日へこんでました。

ikura:ずっとね、ここで1位をとることを考えてね。

Ayase:そう、頑張ってきたから…。これに関してはもう「悔しいです」以外の言葉が出てこないです。

ikura:1位をいただけたときにたくさんコメントしたいよね(笑)。

Ayase:あえてポジティブに捉えるなら、ここで悔しい思いをしたからこそ、来年1位を目指そうとより強く思えるようなった。今日のインタビューにおいて、この話が出るのが一番怖かったです(笑)。


バンド・メンバーと歩んだ1年間

――Ayaseさんは作詞家チャート“TOP Lyricists”、作曲家チャート“TOP Composers”で年間首位を獲得されました。YOASOBIのいろんな楽曲が愛され、チャートインした結果ですが、それと同時に楽曲提供などでもお名前を見る機会が増えて。

Ayase:実制作は今年より去年のほう多かったんですよ。今年は知名度の高いアーティストさんにお声がけいただくことも多くて。

――LiSAさんの「往け」は、アーティストのネーム・バリューはもちろん、タイアップ作品もビッグ・タイトル(『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』主題歌)です。

Ayase:去年のLiSA×Uru「再会 (produced by Ayase)」のときに、LiSAさんのスタッフとお話しする機会があって、「Ayaseくんってどういう音楽経歴なの?」と訊かれたので、ラウド系のバンドをやっていたことをお話ししたんですけど、その方も以前、ラウド系のバンドを担当されていたらしくて。それで「バンド・サウンドの曲を作ってみない?」という感じで今回のオファーをいただきました。

――そうだったんですね。

Ayase:なので、曲を作ったのがけっこう前で、アニメの曲って納期早いんだなと思いました(笑)。

――Ayaseさん自身もコーラスで参加されていて。

Ayase:「Ayaseくんも歌ったらよさそうじゃない?」「えー、恐れ多いですよ、アハハ」って冗談みたいな感じで話していたんですけど、いざレコーディングが始まったら本当に歌う流れになって「いいんですか!?」って(笑)。楽しかったし、いい経験になりました。





――コーラスと言えば、TOMORROW X TOGETHER「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. 幾田りら [Japanese Ver.]」も話題になりましたよね。

ikura:実際にお会いしたわけではないので、そこまで実感がなくて。レコーディングもいつものスタジオでしたし。ただ、海外のアーティストさんとご一緒することは今までなかったし、YOASOBIとしても幾田りらとしても今後に生かせる経験にできたらなと。

――幾田りら名義の楽曲「Answer」がバイラル・ヒットしたり、『THE FIRST TAKE』から生まれたmilet×Aimer×幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」に参加したり、YOASOBI以外の経路から歌を届ける機会も増えたかと思います。

ikura:特に「Answer」に関しては、YOASOBIのikuraとしての顔を持っているからこそ聴いてくれる方も増えたと思うし、いろんなことがかみ合って育ってくれたんだなと思いつつ、自分で書いた詞、自分で書いたメロディーに歌を乗せて、それが多くの人に聴いてもらえたことは、原点の気持ちを再確認させてくれたなって。YOASOBIの活動が忙しいと自分のことに割く時間も減って、なかなかバランスをとれなくなりがちで。歌詞にもあるように、そうやって悩みもがきながら、心情をそのままさらけ出して書いた「Answer」が、みなさんの内側の部分とリンクして届いてくれたのかなと思うと、これからも曲を書き続けたいなと思えるんですよね。



LiSA 『往け』 -MUSiC CLiP- (『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』主題歌)


CMメイキングムービー「Answer/幾田りら」【公式/東京海上日動あんしん生命保険】


――そしてYOASOBIの2021年は、やはりバンドのメンバーを除いては語れないですよね。昨年末の『HNK紅白歌合戦』以降、お二人がパフォーマンスする場には必ずいて、YOASOBIファンからもだいぶ認知されている。Ayaseさんの人脈に近いところから集められた4人だそうですが、改めて人選の意図を伺ってもよろしいでしょうか?

Ayase:プロの方にサポートしてもらって、ライブによってメンバーが変わったりするのではなく、固定のメンバーで組んだほうが楽しくやれるし、そのメンバーたちも含めたバンド・YOASOBIを応援してもらえたらいいよねって、最初にスタッフとも話していたんです。そのうえで僕の今までの繋がりから引っ張ってきていいよと言われたので、まずバンド時代の先輩だったドラムの仄雲、ギターのAssHに連絡して。ベースのやまもとひかるはTwitterで発見して声をかけました。キーボードのミソハギザクロは、仄雲先輩に「いいキーボーディストいないですか?」と訊いたら「一人思い当たる子がいるわ」と紹介してもらって。仄雲とザクちゃんに関しては福岡から上京してこなきゃいけないっていう、まあハードルが高いですよね。でも、たまたま二人ともタイミングを窺っているような状態だったようで、8月に初めて顔合わせしら「9~10月からいけます」みたいな。それで一発目のステージとして紅白に臨んだっていう。

――ikuraさんから見た印象はどうでした?

ikura:最初はみんな初めましてだったし、ひかるは年齢が近いけどほかの3人はちょっと年上なので、どういうふうにコミュニケーションをとっていこうかと思っていたんですけど、Ayaseさんの繋がりということもあって、仲良くなるのはすごく早かったです。

Ayase:これ、本当に天才的な采配を行ったなと思ってる。

ikura:バランスがね。男女の配分も。

Ayase:そう。女の子を二人入れることは決めていたんですよ。なおかつ、できればりらちゃんと歳が近い子。でも、いいお姉さんになってくれる人もいてほしいなと思っていたので、ザクちゃんはばっちりハマりましたね。仄雲は僕がバンド時代にお世話になっていたときから面白くて、いつもムードメーカーだったので、こういう人が一人いると楽しい空気になると思っていたし、AssHくんがちょっとポンコツな感じで柔らかい人なのも知っていたので、全部が本当に理想通りにハマっていきました。

ikura:綺麗な六角形がね。

Ayase:全員がYOASOBIに思いやりと愛を持ってやってくれているし、友達としても最高なメンバーです。

――武道館ライブ1日目の終演後に「ザクロさん」がトレンド入りしていましたよね。

Ayase:素晴らしいですよ。そういうことなんです。6人のYOASOBIを応援してもらいたいという。「YOASOBIの推しメンは誰ですか?」と訊かれても、べつに二択じゃないよという状態にしたかったし、実際そうなってきているなって。仄雲が大好きなんですっていう、ちょっと頭がおかしいファンがいてもいい(笑)。

ikura:(笑)。


2022年以降に向けて

――音楽リスナーとしての2021年についても聞かせてください。素敵なアーティストや楽曲との出会いはありましたか?

Ayase:改めてOfficial髭男dismさんは最高だなって。不意にヒゲダンを聴こうと思って適当にランキングから流しても、全部がいい曲なので。

ikura:わかる。私も今年はヒゲダンさんとかKing Gnuさんとか、いまの日本の音楽シーンを引っ張っているアーティストさんからすごく刺激をもらいました。毎回新曲を聴いて「こうきたか」みたいな。

Ayase:やっぱりチャートの上位に入ってくるアーティストさんって、それだけの理由がちゃんとあるんだなということがわかりますよね。僕も最近、King Gnuさんの「Boy」をめちゃくちゃ聴いていて。

ikura:私もめちゃくちゃ聴いてる! あと、今年はVaundyくんの曲もよく聴きました。ラジオで対談させてもらったのが出会いだったんですけど、曲のレパートリーというか、引き出しがすごすぎてどの曲にもハマっちゃう。同い年ということもあって刺激を受けます。



Official髭男dism - Cry Baby[Official Video]


King Gnu - BOY


――では最後に、2022年に向けた展望、野望や目標などお聞かせください。

Ayase:旅行に行きたいですね。余裕を持ったスケジュールで制作すれば、絶対に行けるはずなので。ゆとりを持って生活していきたいです。

――プライベートな目標! ちなみにどこに行きたいですか?

Ayase:ご時勢的に難しいかもしれないですけど、韓国には行きたいですね。あと、屋久杉を見に行きたい。なので、九州巡りとかいいなあ。準備とか面倒くさいけど、行けば楽しいのは確定しているので、とにかく予定を組んで、旅館を予約しちゃいたい。

ikura:私も緊急事態宣言が解除されたとき、ここで息抜きしておかないとと思って、高校の頃の友達と箱根に行って、温泉で癒されてきました。そういう時間をちゃんと持つのも大事だなって。

Ayase:というプライベートの目標もありつつ、YOASOBIとしてはフェスに出たいです。先日の有観客ライブを経て目標も反省点も見えて、まだまだ伸びしろがあると思えたし、ほかのアーティストさんがいるなかでも勝てるバンドになりたいというか。ライブ・バンドとしてのYOASOBIを屈強なものにしていくという目標がひとつありますね。フェスで勝つバンド。

――ヒゲダンもKing Gnuもそうやって勝ってきたバンドですしね。

Ayase:そこはもう場数を踏んで勉強していくしかないと思うので。たくさんライブをやって、経験値を積んで、そういうバンドに少しでも近づけたらいいなと思っています。例えばテイラー・スウィフトと同じステージを経験したりとか。

ikura:来てくれるかなあ?

Ayase:なんならオープニング・アクトをやらせてもらったり。

ikura:ええええ!? どうしよう、人生の目標が叶っちゃったら私、次は何を目標にすればいいの(笑)。

Ayase:おれはブリング・ミー・ザ・ホライズンと対バンしたいよ。

ikura:お互い夢を叶えていこう(笑)。

Ayase:YOASOBIとしてのライブがようやく叶ったので、そこをもっと強化していく。たぶん今後2~3年ぐらいはそれがずっと念頭にあるだろうなと思います。それで例えば3年後、武道館の初ライブを見に来てくれていたお客さんにフェスで勝ちまくっているYOASOBIを見て「ライブ力が上がったな」と思ってもらいたい。「ikuraちゃんがまさかシャウトするとは…」とか(笑)。

ikura:「みんな歌えぇぇ!!」って(笑)。

Ayase:「夜に駆ける」を一生歌わない(笑)。

――フィールドを埋め尽くすオーディエンスが大合唱する「夜に駆ける」、いつか聴けるといいですね。楽しみです。





Interview by Takuto Ueda
Photo by Yuma Totsuka

YOASOBI「THE BOOK 2」

THE BOOK 2

2021/12/01 RELEASE
XSCL-56/7 ¥ 4,950(税込)

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Disc01
  1. 01.ツバメ
  2. 02.三原色
  3. 03.大正浪漫
  4. 04.もう少しだけ
  5. 05.優しい彗星
  6. 06.怪物
  7. 07.もしも命が描けたら
  8. 08.ラブレター

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