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<インタビュー>城田優、フルオーケストラで贈るスヌーピーのクリスマスコンサートへの思い



チャールズ・M・シュルツが生み出し、長年にわたって世界中で愛される『PEANUTS』。その70周年を記念して2020年に初開催されたコンサートが【SNOOPY Premium Symphonic Christmas Concert】。奏でられたのは、アメリカではクリスマスの定番となっている大ヒット・アルバム『A Charlie Brown Christmas』に収められているヴィンス・ガラルディのスコアによる名曲の数々、そしてスタンダード・ナンバー。城田優がゲストとして参加して好評を博したそのコンサートが2021年も開催されることが発表された。今回は全国での3公演の内、東京と名古屋の公演に出演が決まった城田優に、このスペシャルなステージの魅力、そしてクリスマスへのスペシャルな思いを聞いた。

Interview & Text:渡辺祐 l Photo:網中健太 l 衣装協力:JULIUS

世代を超えて世界中で愛され続ける『PEANUTS』の魅力に接して、その深みが以前にも増してわかった気がしています

――いろいろなジャンルのお仕事を重ねてきた城田さんですが、その中で昨年の【SNOOPY Premium Symphonic Christmas Concert】は、どんな体験でしたでしょうか。

城田優:まさに新しいジャンルと言うか、自分のコンサートともミュージカルとも違う新しい体験でした。スヌーピーという世界中の人たちに愛され続けるキャラクターの存在があって、そこにヴィンス・ガラルディさんの生み出した音楽があり、指揮者の栗田博文さんと東京フィルハーモニー交響楽団のサウンドがあり、ピアニストの宮本貴奈さんのプレイがある、いろいろな要素の掛け算になっているステージですよね。スヌーピーというキャラクターにジャジーな世界が重なるという、ヴィンス・ガラルディさんが作りだした世界も魅力で、自分の出番ではないところでは、その雰囲気をすごく楽しませてもらいました。しかも、客席にはもちろん城田のファンの方もいらっしゃいましたが、様々なお客様がいらっしゃっている。その中で舞台に立つことが本当にいろいろな意味で新鮮でしたね。

▲『スヌーピーのメリークリスマス(原題:A Charlie Brown Christmas)』

――ヴィンス・ガラルディのスコア、スタンダードに加えて、大ヒット・クリスマス・ナンバー(「オール・アイ・ウォント・フォー・クリスマス・イズ・ユー」「クリスマス・イヴ」「ラスト・クリスマス」)をつないだクリスマス・ナンバーのメドレーもありました。

城田:メドレーに関しては、僕も参加して客席が盛り上がりそうな曲を選ばせてもらいました。ここはコンサートの中でもいいアクセントになったんじゃないかと思っています。スタンダードとしては「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」も歌わせてもらいましたが、この曲は以前にも歌わせていただく機会があったんです。でも、昨年のステージでは宮本貴奈さんのピアノだけでうたうジャジーなバージョンで、ふたりで一緒に作り上げていったナンバーとして、とても印象に残った一曲ですね。

▲ピアノ・音楽監修、宮本貴奈と息の合ったデュエットも披露

――そのステージでは、スヌーピーもゲストとして登場しました。そんな体験も新鮮だったのではないですか。

城田:もちろんスヌーピー、そして『PEANUTS』は小さい頃から接していましたし、周りには熱烈なファンもいましたけど、僕自身はさすがにグッズを集めるとか、そこまでの体験はなかったので、思わず「僕、場違いじゃないですか」なんて言ってしまいましたが(笑)。でも、深くは知らなかったからこそ、『PEANUTS』の魅力、世代を超えて世界中で愛され続けることの素晴らしさに接してみたいというのが、このコンサートに参加させてもらう動機でもありましたね。結果的にその深みが以前にも増してわかった気がしています。

――ちなみに城田さんがグッズまで集めたようなキャラクターはいるんでしょうか。

城田:あ、それは『ドラゴンボール』ですね。子供の頃に住んでいたスペインでも放映されていて、すっかりハマってしまいました。ただスペインだと最新版じゃなかったりするので、先に日本に帰っていた父親から新しいキャラクターが登場するとファックスで送ってもらったりして(笑)。日本に来てからはグッズも買ったり、ガチャガチャもやったり、それはもう集めまくりました。今でも単行本が全巻揃っているのは、唯一『ドラゴンボール』ですね。

――このコンサートはクリスマス・シーズンに行われるのも特徴ですけれど、プライベートではどんなクリスマスを過ごすことが多いですか。

城田:それがいろいろなんですよ。どうしても誰かと過ごさなくてもいいし、みんなとワイワイしていてもいいし、僕自身はどちらでもかまわないので、まあ、周りに流されるタイプ(笑)。特に予定していなくても友だちに誘われれば盛り上がりますし、静かにしている方が気が楽かなって思うこともあるし。

――お誕生日が12月26日というのも関係していそうですね。

城田:そうなんですよ。クリスマスに集まると、どうしても「明日、誕生日で」ってなっちゃうし、コロナ禍以前はそのままカウントダウンで「ハッピー・バースデー」ってなっていましたからね。もちろん嬉しいし楽しいんですけど、それを押しつけるようになってないかな、知らなかった人に自分から言うのもどうかなって、変な気を使ってしまうこともあります。この複雑な感じは一生つきまといそうですね(笑)。ちなみに小さい頃は母親に誕生日は12月25日だって言われていたんですよ。どうしてかは聞きだしていませんけれど、25日と26日にケーキを用意したりするのが面倒だったのかな(笑)。子供心にみんなが祝っている特別な日が誕生日だっていうことが小さな自慢だったし、誕生日の分、兄より少し多めのプレゼントがもらえたりして楽しかったから、しばらくして「実は26日」って教えられたときはショックでしたけどね。

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「大人の城田優」が目指すビジョン

――そんな少年・城田優も、現在35歳となりました。昨年、その35歳の誕生日にはおひとりでお酒を楽しんでいる様子をInstagramにアップして、ハッシュタグで「#大人になったな笑」って書かれていましたが、その「大人の城田優」が目指すビジョンを教えてもらえますでしょうか。

城田:自分のやりたいことをやっていくための企画を構想中です。今までも手がけてきた、歌、曲作り、演技や演出や脚本など、いろいろなことが含まれているんですけど、次に行くべきところは、あえてひとことにすれば「クリエイター」って言えばいいんですかね。そこでは自分がプレイヤーでなくてもいいと思っています。実は、誰かの悩みを聞いてそれを解決したり、何かを一緒に実現したりすることが好きなんですよ。そういうやり方での仕事を目指したいと思ってます。

――それを構想できるのは、やはりここまでのキャリア、体験のなせることですね。

城田:そうですね。若い頃、具体的には20代ぐらいまでは、やっぱり自分のことでいっぱいいっぱいでしたよね。でも、ふと気づいたら自分の演技や歌だけではなくて、「あ、この照明ってこういうイメージなんだな」とか、他の人の演技でも「自分だったらどうするかな」っていうように、全体を見る視点を持ち始めていたんです。当たり前のことかもしれないけど、いい意味で欲が出てきたんですね。もちろん自分のやり方が正解なのか不正解なのか、センスが合っているのかどうかはわかりませんけれど、それでも全体をクリエイトするようなことをやってみたいという気持ちに変わっていったんです。プレイヤーとして自分のキャラクターを作り上げるという作業はもちろん楽しいんですけど、それ以上に演出家としてすべてのキャラクターを見た上で作品を作る。例えば、ここはこういうシーンにしよう、ここはこういうセットを作ろうっていうことを考えることが楽しくなってきました。

――そこに向かって具体的に起こしているアクションもあるのでしょうか。

城田:いろいろな構想は進めている真っ直中ですね。ただ、逆にあまりに多くのお仕事が同時に進んでいる状況ではなくて、ひとつひとつの作品に集中できる環境を作りたいと思っています。この世界ではどうしても「映画に年間何本出演した」というようなことがステイタスになって、当然露出も多くなります。それはそれでプロとしての在り方のひとつなんですが、ひとつのエンタテインメントにどれだけ集中できたかという「プロ意識」の基準があってもいいと思うんですね。まだ35歳で言うのもおこがましいですが、そういうスタイルをひとつの選択肢として後輩にも見せられたらいいですよね。

――そんなビジョンをうかがうと、東京と名古屋の【SNOOPY Premium Symphonic Christmas Concert 2021】に参加する城田さんにあらためて興味が湧いてきますね。

城田:具体的な演出などは、(このインタビュー時には)まだこれから詰めていくことになりますが、歌うナンバーに関しては昨年と同じ曲もあります。そんなナンバーは、よりスムーズに滑らかにお届けすることができると思います。だからと言って手慣れたスタイルにならないように、フレッシュな部分をしっかり出せたらいいですね。もちろん僕のパートだけではなく栗田博文さんと宮本貴奈さんが生み出すサウンド、スヌーピーの映像も含めて、きっと今年ならではの発見があると思っています。リピーターとしてお越しいただく方もいらっしゃるでしょうし、初めていらっしゃる方も多いと思いますので、そのどちらにも楽しかったと喜んでいただけるステージにしたいですね。僕自身もこの特別なコンサートでしか体験できない新鮮な気持ちを楽しみにしています。

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