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<インタビュー>TWICEや著名DJを手がけるプロデューサーが語る、楽曲制作の裏側



GoToGuyインタビュー

 2021年7月28日にJAPAN 3rdアルバム『Perfect World』のリリースを控えるTWICEは、今年6月に韓国ミニ・アルバム『Taste of Love』をリリースした。夏先取りのトロピカル・ラテンソング「Alcohol-Free」をリード曲にした本アルバムは、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”に初登場6位にチャートイン。TWICEにとって初の“Billboard 200”トップ10入りとなる快挙だ。

 『Taste of Love』には、恋する気持ちや高揚感をTWICE流に表現した楽曲6曲が収録。日本人メンバーのサナを含むメンバー自ら書き上げた楽曲もあり、これまでよりも一層洗練されたサウンド、ボーカル、そしてクリエイターとしての成長を感じさせる作品だ。収録曲のなかでも、ダヒョンが作詞した「Scandal」は序盤のささやきとリズムカルなメロディーが耳に残る。作曲と編曲を担当したのは、これまでにアラン・ウォーカーやR3HAB、マシュメロ、ロビン・シュルツといった人気DJの楽曲を手がけてきたノルウェー出身のソングライター/プロデューサーのErik SmaalandとKristoffer Tømmerbakke。様々なアーティストとコラボレートしてきた2人にメール・インタビューで、楽曲制作の裏側やプロデューサーの視点から見る、今の音楽シーンについて話をきいた。
(左から:Kristoffer Tømmerbakke、Erik Smaaland)

――TWICEの「Scandal」の制作についてお聞きします。まず、この曲を手がけることになった経緯を教えてください。JYP Entertainmentからのオファーだったんでしょうか?

もともとデモがあって、それをJYPE側に送ったんだ。この曲が持つヴィジョンをしっかり理解してくれて、TWICEと一緒に、デモからマスタリングへと仕上げていく過程はとても楽しかった。

――『Taste of Love』は、TWICEの成長が確かめられる作品です。TWICEはこの近年、これまでの可愛らしくポップなイメージから、大人のクールなグループ像へとシフトしていることに確実に成功しています。「Scandal」はまさにその象徴とも言える曲ですが、この曲を作る際、サウンド、アレンジ、歌詞とのバランスで、どのようなことを考えて作られましたか? また曲を作る時に、ダヒョンの歌詞はありましたか?

そう言ってくれてありがとう! 最初からデモがあったわけなんだけど、歌詞を進める段階でデヒョンが加わってくれて、彼女がコンセプトにしっくりくるベスト・アイデアを引き出してくれたよ。遊び心と少しいたずらっぽいところもありつつ、ダンスしたくなるような曲にしたかったのと同時に、TWICEの音楽的才能とボーカルの力強さ、そして歌詞のセンスも映えるようしたかったんだ。


――この数年の間で、ビート、曲の長さ、テンポなど、K-POPの中で何か変わってきていると感じますか?

今感じているのは、K-POPがグローバル・ポップ・ミュージックの限界や壁を取り壊しているということ。ジャンルやスタイルで言えば、オリジナル性に長けていて、クリエイティブで自由度も高いようにも感じているよ。そういったことがK-POPが今、世界中のリスナ-を夢中にさせているポイントかもね!

――おふたりが関わったことのあるアラン・ウォーカーやロビン・シュルツといったダンス・クラブ・ミュージックでは、ビートやノリやすさが大切なポイントですよね。この数年、TikTokが音楽ヒットに与える影響が大きいですが、今の音楽シーンでは、一般的に何が重視されていると思いますか? また、音楽を作る時に、どういったアイデアが出てくることが多いですか?

ミュージック・シーンは常に進化しているし、新しいプラットフォームも次々と出てくる。僕たちはこれまで音楽の面でもボーカルの面でもメロディーに注力してきたけど、今はそれよりも歌詞にフォーカスしていて、それもコンセプトの強いものを目指している。もしかしたら、それはTikTokやバズに影響されているからなのかもしれないけど、どんな時代も、流行りのプラットフォームは関係なく、いい曲はずっと愛されるよね。



――日本ではV6の「明日は来るから」(2014)を作曲されていましたね。あの時からJ-POPの特徴も変わってきて、歌詞の共感はもちろんのこと、今はカバーやTikTokで歌ってみた・踊ってみたといったUGCがポイントでもあります。また一方、ひとつのシングルCDが何万枚、何十万枚も売れていることは世界から見ても珍しいことだと思います。こういった日本の音楽マーケットをどう思いますか?

V6の曲を手がけることになって、当時の制作過程にはいい思い出があるんだ。「明日は来るから」は僕たちが初めてJ-POPアーティストを手がけた曲でもある。今回こうしてまた皆さんにご挨拶できて光栄だよ――今度はK-POPアーティストの曲だけどね。日本では、まだまだフィジカルCDを手に取ることに興味を持っている方が多いようで、それは素晴らしいことだと思う。ハイクオリティで音楽を聞くこともそうだけど、写真や歌詞、特典を実際に手に取って、そして見て楽しんでいるのかもしれないね。音楽が常に進化していることもそうだけど、TikTokやYouTubeといった新しいプラットフォームを通じて、人々の生活に音楽を届ける道が常にあることも、素晴らしいことだと思っているよ。

――グローバル展開を目指すアーティストは日本だけでなく世界中にいます。そういったアーティストが世界で活躍するために必要な要素は何だと思いますか? 英語で歌う必要性はあると思いますか?

もしグローバルな成功を掴みたいのであれば、英語で歌うことを勧めるけど、異言語や異文化を取り込むことで、一番大事な要素と言えるユニーク性や強調されたアイデンティティー、斬新さ、そして伝えたいメッセージを音楽にもたらすことができると思っているよ。

――おふたりがノルウェー以外の国の音楽を知るために使っているプラットフォームは何ですか? YouTubeやSpotifyなどの人気プレイリストでしょうか?

新しい音楽を探しにSpotifyを頻繁に使ってるよ。それだけじゃなくてラジオやInstagram、YouTube、人から聞く情報も、新しい音楽を知るためのツールだね。

――日本、韓国、他国にかかわらず、将来的にコラボレーションしたい人、もしくはすでにコラボレーションが決まっているアーティストはいますか? JYPEからは、ソニーと日韓プロジェクトで誕生したNiziUが日本で人気です。そういった日本人アーティストとのコラボの可能性も今後ありますか?

実はまだ言えないんだけど、エキサイティングなプロジェクトがたくさん決まっているんだ。NiziUとコラボレーションできたら最高だろうね。ほかにも嵐、BTS、BLACKPINK、デュア・リパ、エド・シーラン、ジャスティン・ビーバー、カイゴとはいつか一緒に仕事をしてみたいって思ってる。

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