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NOVEL CORE × KAHOH  2人の出会いから新曲「Roller Coaster」の制作について

インタビュー

 R&BシンガーソングライターのKAHOHが、ラッパーのNovel Coreをフィーチャーしたシングル「Roller Coaster feat. Novel Core」をリリース。本作は、プロデューサーに「Famima Rap」が大ヒット中のMatt Cabを迎えて制作されたアップテンポなナンバー。ソウルフルかつ透明感あふれるKAHOHの歌声と、歯切れ良いNovel Coreのラップが交差しながら「恋のアップダウン」について歌う、どこかコミカルな要素も加わったリリックが印象的だ。去年、大阪で開催されたフェスで出会い意気投合したという同世代の2人。楽曲制作のプロセスはもちろん、ステイホーム中の過ごし方や、TikTokの活用法など和気藹々と語り合ってもらった。

Interview & Text:黒田隆憲 l Photo:山口諒司

KAHOHとNovel Coreの出会い

ーーお2人は昨年、大阪城音楽堂にて開催された【尼FES. Jack in the BOX 2020】で初めてお会いしたそうですね?

Novel Core:共通の知り合いが何人かいたので、その前からお互いのことを知ってはいたんですけど、そこで初めてお会いして。色々話しているうちに「よし、何か一緒にやろう」ってその時には言い合ってました(笑)。

KAHOH:あの時は、お客さんを入れてのライブも久しぶりだったのですごく楽しかったです。ライブの時ずっとコアくんが観てくれて、あとで(竹内)唯人くんと来て「“CHERRY”、ヤバかったよ!」って言ってくれたのを覚えてる。

Novel Core:そうそう。大阪城音楽堂は大阪城公園内の野外音楽堂で、僕らいちばん後ろの芝生エリアで観てたんだけど、KAHOHちゃんすぐ気づいたんでしょ?

KAHOH:うん、コアくん髪の毛赤いから目立つんだよ。

Novel Core:あははは(笑)。めっちゃノリノリで観てたのがバレてたみたいで。「見えてましたよ」ってDMが来て恥ずかしかった。

ーー(笑)。KAHOHさんのライブを観て、どう思いました?

Novel Core:とにかく歌がものすごくうまくて、パフォーマンスのバイブスも凄く良かった。すごくハピネスなステージでした。

KAHOH: ありがとうございます!(笑)

ーーKAHOHさんは、ヒップホップも好きなんですよね?

KAHOH:大好きなんです。中学生の頃からずっとヒップホップばかり聴いてきて。唾奇さんやKANDYTOWNさんとか日本語ラップは特に好きですね。中一の時に、初めて観たラッパーのライブがKOHHさんだったんですけど、それで一気にハマりました。それまではずっとダンスをやっていて、洋楽で踊っていたので日本語の良さに気づけなかったんです。でもラップを聴くようになって、「日本語ってこんなカッコいいんだ!」って。そこからMISIAさんや宇多田ヒカルさんのような、R&Bの女性シンガーさんも好きになっていきました。

Novel Core:レコーディング中とか、「どんな音楽を聴いてるの?」みたいな話をお互いしてたんですけど、僕があまり深く掘ってこなかったようなジャンルの音楽もKAHOHちゃんはものすごく聴いていて。そこはすごく新鮮だったな。

ーー親交を深めていく中で、お互いのことはどんな印象を持っていますか?

Novel Core:もう、一言で言って「ギャル」。

KAHOH:あははは!

Novel Core:というか、お互いに「ギャル」な部分を持っているなあっていつも確認してますね(笑)。僕「ギャルアンテナ」を持っているので、出会った瞬間に「この子はギャルなんだろうな」と思ってたんですけど、話せば話すほどギャルで、これでまたギャル仲間が1人増えて嬉しいなと(笑)。

KAHOH:コアくん、結構ギャルだよね。もちろん、優しいお兄ちゃんというか、男気溢れるところもあるから「男気ギャル」かな(笑)。

ーー音楽以外では、どんな話題で盛り上がるんですか?

Novel Core:どんな話をしたかな……恋バナとか?

KAHOH:恋バナした!(笑)

Novel Core:基本ギャルトークしかしてないよね。

KAHOH:恋バナでさ、コアくんにアドバイスもらったよね?

Novel Core:そうそう。カップルが拗れた時に、どう対応するのがスマートか?みたいな話になって。僕がポンと言ったことをKAHOHちゃんがすごく感心してくれて。

KAHOH:「さすが、よく分かってる!」って思った(笑)。

Novel Core:年も1つしか離れていないので、そういう意味でもフィーリングが近いというか。恋バナもそうですけど、いつも先輩アーティストの方々と話す内容とは全く違いますよね(笑)。

KAHOH:友だちみたいな感じだよね。

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2人の考えるTikTokと音楽の相性

ーーお2人とも、最近 TikTokをよく使ってらっしゃるそうですね。どんなところに魅力を感じていますか?

Novel Core:音楽との相性がメチャメチャいいですよね。日常生活への溶け込み度合いもすごく高いと思います。いわば、テレビのCMを観ているような感覚なんですよ。子供の頃、家でつけっぱなしのテレビから流れるCMを、意識的には観ていないのに無意識ではちゃんと覚えていて。あれから10年とか余裕で過ぎているのに、「当時のCMソング歌ってみて」と言われると歌えちゃったりする。それと同じような感覚が、TikTokにはある気がします。

KAHOH:確かに。ずっと観ていられるんですよね(笑)。

Novel Core:実際に海外でもTikTok経由でヒットしている曲がチャートのトップを陣取っているし。『Mステ(ミュージックステーション)』とかでもTikTok特集をやっていたし、もはやバイラルチャートがメインになってきているくらいですよね。

KAHOH:私も最近TikTokデビューしたんですよ。もちろん、お仕事などでは活用させてもらっていたのですけど、友達とTikTokで遊んでみたらめっちゃ楽しかった! 可愛いし盛れるし(笑)。

ーーTikTok経由でヒットする楽曲の特徴みたいなものはありますか?

KAHOH:やっぱり、あの15秒でどれだけキャッチーさを詰め込むことができるか? みたいな(笑)。

Novel Core:決して狙って作ればいいというわけじゃないですけど、結果的に分かりやすいものが流行っている気がしますね。僕らと同世代か下の世代がメインだと思うので、それこそメロディがめちゃくちゃキャッチーであったり、歌詞がちゃんと聞き取れる楽曲が多い印象です。

KAHOH:例えば私の「GIRLS TALK」という曲は、電話口で「もしもし」っていうところが「可愛いし(TikTokでも)流行りそうだよね?」と話していました。あと、サビも15秒に収まるよう研究しましたね。

ーーTikTok発で最近気になるアーティストはいますか?

Novel Core:BLOOM VASEっていう3MCのグループは、まさに「TikTokの申し子」というか。

KAHOH:分かる! もう全曲TikTokでバズっているよね。

Novel Core:「#ハッシュタグ」という曲も流行っていたけど、「CHILDAYS」という曲で火がついたんだよね。YouTubeの再生回数が2万回くらいの時に、たまたま見つけて「超流行りそう!」と思って母親に「これバズると思う」ってLINEしたら(笑)、1週間くらい経ったら60万再生とかになってて。

KAHOH:すごーい!(笑)

Novel Core:実際口ずさみたくなるし、MVもアニメーション仕立てで。15秒間隔のショートストーリーを作る上での親和性が高かったんだろうなって思う。何より楽しそうに活動しているのが、ファンにもちゃんと伝わっていて。作り物っぽくないというか。セールス!プロモーション戦略!とかじゃなく、仲間とやりたいことを楽しくやっていたら結果的にバズってしまった!という感じなのがいいなと。地方でやったライブの映像とか観てもお客さん大盛り上がりなんですよ。

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新曲「Roller Coaster feat. Novel Core」の制作過程

ーーさて、今回はそんなお2人のコラボレーションが実現したわけですね。楽曲「Roller Coaster feat. Novel Core」はどのように作っていったのですか?

Novel Core:プロデューサーのMatt Cabさんが、アイデアをいくつか持ってきてくださって。実は、最初は別のトラックで制作していたんですけど、セッションを重ねていくうちに「違うトラックでやってみたいね」という話になって。MattさんとKAHOHちゃんと僕の3人で結構アイデアを出し合って、今回のトラックになりました。



ーー現在、鋭意制作中とのことですが、どのくらい進みましたか?

Novel Core:もう、ほぼ終わっていて、あとは僕のバースを入れるくらいですね。

KAHOH:コアくんのバース待ち(笑)。

ーー楽曲のテーマは?

KAHOH:前のトラックでセッションしている時から「ローラーコースター」をキーワードに挙げていました。その時は「人生のアップダウン」みたいな大きいテーマだったのですが、「やっぱりラブソングにしたいよね?」という話になって、「恋のアップダウン」がテーマになりましたね。

Novel Core:Mattさんと、どういうテーマにするか話し合っていて。「ローラーコースター」というワードが出てきたときに「恋愛も人生も、急停止することもあれば急発進することもあるし、上昇したり下降したりするのとかローラーコースターに似ているよね?」って話になって。そういう、ちょっとポップな内容なので、自分がこれから書くバースの部分もあまりシリアスな内容ではなく、ちょっとコメディっぽいトーンでもいいのかなと思っています。

KAHOH:ミュージックビデオも、コメディっぽくて可愛い感じにしたいって話しているんですよね。

ーーちなみに、お2人はコロナ禍のステイホーム 期間はどんなふうに過ごしましたか?

KAHOH:2020年の緊急事態宣言の時は、毎日カバー動画をInstagramにアップしていたので、個人的には楽しい毎日を過ごしていました。今年に入ってのステイホーム期間は、前よりも出来ることが増えてきたから、そんなに苦ではないし制作に集中できるので、KAHOH的にはあまりネガティブにならずに過ごせています。

Novel Core:僕も去年の自粛期間中は特に、延々と曲作りをしていました。オンラインライブにも挑戦しましたね。「あれをやってみたい」「こういうことにチャレンジしてみたい」といったアイデアは頭の中でどんどん閃くんですけど、出てき過ぎてちょっと困った時期が実はあったんですよね。どれをどのタイミングでどうやって実現していったらいいんだろう?みたいなことで、頭がいっぱいになっちゃって。

KAHOH:そういう時は、どうやって頭をリセットしているの?

Novel Core:バスケしたり(笑)。中学の頃にやっていたんですけど、今回コロナ期間で久しぶりに一式揃えたので、ずっとバスケの練習に勤しんでいます(笑)。

KAHOH:すごいストイック(笑)。私は友達と話してストレスを発散していますね。恋バナしたり、自宅でクレープ作りにチャレンジしたり、チョコフォンデュを作ったりもしました(笑)。

ーーでは最後に、今年の抱負をお聞かせください。

KAHOH:もっと頑張って、いっぱい曲をリリースして、コロナが落ち着いた時には、KAHOHのことを知っている人が増えるよう、ライブとかめっちゃ盛り上がれるように、いい準備期間にしたいなと思っています。

Novel Core:ライブとかやりたいことが頭の中にたくさんあるので、どこまで実現できるか分からないですけど、チームの皆さんと一緒に今後も試行錯誤をしまくって、トライアンドエラーを繰り返す1年にしたいなと思っています。

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