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Da-iCE、アルバム『SiX』リリースインタビュー
5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEが、2020年8月からスタートした「6ヶ月連続作品リリース」。その第6弾となる通算6枚目のオリジナルアルバム『SiX』が、2021年1月20日にリリースされた。
本作には、「五感」をテーマに連続リリースしてきたシングル5曲に加え、andropやBLUE ENCOUNTとのコラボ曲を含む書き下ろしの新曲を収録。これまでのDa-iCEの音楽的路線を引き継ぎつつ、新機軸にも果敢に挑戦したアルバムになっている。
そこで今回、Billboard JAPANではメンバー全員へのインタビューを敢行。「6ヶ月連続作品リリース」の制作エピソードをはじめ、来るべきニュー・アルバムのこと、ステイホーム期間中のこと、さらには各メンバーのソロ活動についてなど、様々なトピックについて語ってもらった。
Interview & Text:黒田隆憲 l Photo:成瀬 正規
工藤「今までやったことない表現にチャレンジしていました」
ーー2020年のDa-iCEは、8月から6ヶ月連続作品リリースがスタートしました。まずは「五感」をテーマに5曲のシングルを発表。そのうち、視覚をテーマにした「DREAMIN’ ON」と、触覚をテーマにした「image」は花村さんが作詞を手がけています。この2曲はどのように作っていったのでしょうか。
花村想太:まず「DREAMIN’ ON」は、TVアニメ『ONE PIECE』の主題歌として書き下ろしたものなのですが、僕らDa-iCEと『ONE PIECE』の共通点といえば「絆」かなと。そこから仲間との絆をテーマに歌詞を書き上げました。
「image」はラブソングで、“このまま このまま 抱き寄せて 触れていたい ずっとこのまま”という歌い出しなのですが、実はそれが、“描いた僕のイメージで”と続くように自分の想像であって。触れなくても相手に気持ちを伝えさせることができることをテーマにしました。
▲ Da-iCE 「DREAMIN’ ON」
ーーそれはやはり、コロナ禍で人々がなかなか触れ合うことの出来ない今の状況から生まれた歌詞なのでしょうか。
花村:そうですね。そういうことも含めて書きました。「触覚」と「想像」って真逆だと思うので、それを繋ぐような曲が書きたかった。今回、連続リリースする5曲は頭文字を合わせると「Da-iCE」になるんですけど、「i」の付く単語を適当に選んだわけではないですよ?
▲ Da-iCE「image」
ーー(笑)。ちなみに自粛期間中、みなさんは何をしていましたか?
工藤大輝:メンバーとも会えなかったので、例えばリモートで打ち合わせをしたり、映像作品でいうとそれぞれ自宅で撮影したものをコラージュするという、今までやったことない表現にチャレンジしたりしていました。楽曲制作など進行中のプロジェクトも結構あったので、できる範囲でできる限りのことをするよう心がけましたね。
大野雄大:とはいえ時間はあり余っていたので、どう使おうか考えましたね。久しぶりにギターを触ってみたり、弾き語りをインスタに上げてみたり、普段は観ないようなジャンルの映画を観てみたり。料理も凝ったものを作ってみるなど、とにかく新しいことに挑戦しやすい環境にありましたよね。
もちろんツアーファイナルがコロナの影響で中止になり、ファンのみんなに会えなくなったことは寂しかったし悔しかったのですが、それはきっと他のアーティストさんたちも同じ状況。なるべくネガティブにならず、有意義な時間を過ごすよう心がけていました。
岩岡徹:僕も同じく、自分自身と向き合う時間が増えたことを前向きに捉えていましたね。プライベートでいえば料理を始めたり、部屋の片付けを本格的にしたり、普段しないようなことに取り組んでいました。
和田颯:僕は普段から休日に外を出歩く方ではなかったので、できる限りいつも通りに過ごそうと思っていました。
大野:颯は「巣ごもり」のプロだもんね?(笑)
和田:そうですね、家にいること自体は何も苦じゃなかったです(笑)。僕は猫を飼っているんですけど、猫とこんなに一緒に過ごす期間がなかったので、猫もびっくりしていたと思います。何なら邪魔くさいと思ってたんじゃないかな、「コイツ、俺たちのスペースにいつまでいるんだ?」って。
(一同笑) :
ーーファンとの関係性に変化はありましたか?
工藤:作品を出す時に、リアクションを直でもらえるのはSNS時代のメリットなのかもしれないですね。医療従事者の方たちも含め、いろんな現場で働いている方々が僕らの曲を聴いて「元気になりました!」とか、声をかけていただけるのはありがたかったし、Da-iCEをやっていて良かったなと思いましたね。
リリース情報
『SiX』
- 2021/1/20 RELEASE
<CD+3DVD+スマプラ・ムービー>
AVCD-96653/B~D / 12,800円(tax out)
<CD+2Blu-ray>
AVCD-96654/B~C / 2,800円(tax out)
<CD+DVD+スマプラミュージック&ムービー>
AVCD-96655/B / 3,800円(tax out)
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花村「ずっと同じグループで活動してきたからこそ出来るやり方」
ーー話をシングルに戻しますが、聴覚をテーマにした「amp」は工藤さんが作詞を担当していますよね?
工藤:「amp」は、聴覚をテーマにしつつ、「a」から始まるタイトルという縛りもあったので、そこからタイトルと歌詞の内容を考えていきました。ひとつ前の曲「DREAMIN’ ON」が、歌詞もメロディもフレッシュな印象だったので、逆に「amp」は大人な雰囲気の曲調がいいのかなと。なるべく抽象的な表現を多くして、子供っぽくならないようバランスを取っていきましたね。
▲ Da-iCE「amp」
ーーそして、嗅覚をテーマにしたエモーショナルなロックバラード「CITRUS」と、味覚をテーマにしたシティポップナンバー「EASY TASTY」の歌詞は、花村さんと工藤さんの共作です。実際にはどんなふうに作り上げていったのでしょうか。
花村:ざっくりとテーマだけ決めて、珍しく1行ずつリレー形式で仕上げていきました。
工藤:最初に30分くらい、テーマ決めの打ち合わせをして、そこから先はLINEのやり取りだけで完成させたんだよね。「EASY TASTY」のときは、一度も会ってなかった気がする。
花村:それって、ずっと同じグループで活動してきたからこそ出来るやり方だと思いますね。テーマさえ決まっていれば、相手がどんな球を投げてくるかがある程度予測できる。大きく脱線したり、事故ったりすることなく一発で完成させられたのはさすがだなと。
▲ Da-iCE「CITRUS」
工藤:しかも、2曲ともそれで仕上げてしまうのはDa-iCEならではという感じがする(笑)。
花村:僕ら、歌詞を書く時もずーっと集中して取り組むタイプではなくて。ニュアンスとか語感、音の響きを重要視しているので、二人で1行ずつやりとりしていれば30分くらいで出来上がっちゃうんです。
ーーそうやってリレー形式で歌詞を作ると、自分でも思いもよらなかった言葉が引き出されることもありますか?
花村:もちろんそれも共作のメリットとしてあるけど、何より背負っている荷物が少し軽くなるんですよね。作詞ってある意味、自分自身を丸裸にされることだと思うんですよ。「こいつ、こんなこと思ってんのか」って分かっちゃうじゃないですか(笑)。僕はそういうの気にしてしまうマイナス思考な面があるんですけど、大輝くんがいると心強いというか。
▲ Da-iCE「EASY TASTY」
ーーなるほど。歌詞を書くときは、ライブでのステージングなども想像しながら仕上げていくのですか?
花村:それはありますね。例えば「image」を書いている時は、落ちサビのメロディが今とは全然違っていて、何度歌詞を練り直しても全然納得がいかなかったんですけど、(大野)雄大くんがステージ中央で歌っている姿を思い浮かべてみたら「これや!」となって、そこから歌詞もメロディもすごく腑に落ちる形に落ち着きました。これ、ライブでやったらすごく盛り上がると思いますね。今から楽しみです。
ーーさて、連続リリースの第6弾は、今回のシングル5枚に新曲を加えたアルバム『SixX』です。1月にリリースされた本作は、andropやBLUE ENCOUNT(以下、ブルエン)とのコラボ曲も収録されていますね。
工藤:andropの内澤さんに提供していただいた曲は、andropさんのエッセンスがすごく入っていて。それをうちのボーカル2人が思いっきり歌い上げるという、今までにないくらい振り切った楽曲になりそうです。
大野:なんていうか、コットン100パーセントみたいな、暖かくて優しい楽曲ですね(笑)。
花村:そうそう。ちょっとでも力を入れてしまうとミスマッチになってしまうんですよ。歌い方のいいニュアンスを見つけるのに時間がかかりましたね。
工藤:ブルエンさんとのコラボは、今までの僕らにはなかったタイプの曲になりました。アレンジや楽器演奏までブルエンさんが担当してくださったので、バンドが好きな方達にも刺さる曲になりそうです。特にブルエンさんのファンは必聴の内容だと思いますね。
リリース情報
『SiX』
- 2021/1/20 RELEASE
<CD+3DVD+スマプラ・ムービー>
AVCD-96653/B~D / 12,800円(tax out)
<CD+2Blu-ray>
AVCD-96654/B~C / 2,800円(tax out)
<CD+DVD+スマプラミュージック&ムービー>
AVCD-96655/B / 3,800円(tax out)
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大野「Da-iCEにとってのターニングポイントはAAAさんのオープニングアクトの時」
ーーDa-iCEは2021年1月17日に活動10周年を迎えました。
花村:10周年かあ、すごいですね。
大野:歳取ったなあって思うよね(笑)。
花村:20歳になった時も「今日から俺は大人なんだな」と思っていたんですけどね。
工藤:もう、「大人」じゃなくて「おっさん」だよね(笑)。先日、ファンの方から「3人目の子供が産まれました」みたいなメッセージをもらったんですよ。結成したばかりの頃、ライブハウスに来ていた子たちが結婚して子どもを産んで、「子どもたちが大きくなったのでまたライブに行きます」みたいなことが書かれていると、歴史を感じますよね。
ーーこの10年で特に印象に残っていること、グループにとってのターニングポイントというと?
大野:Da-iCEにとってのターニングポイントは、2012年にAAAさんのツアー『AAA TOUR 2012-777- TRIPLE SEVEN』でオープニングアクトをやらせてもらった時だったなと、メンバーといつも話していますね。
その頃の僕らは年間100本くらいライブをやっていたんですけど、そこで初めてステージを観て気に入ってもらえても、その後もずっと応援してもらえるところまではなかなかいかなくて。でもAAAさんのオープニングアクトの時は、「弟分」として出させてもらったので、AAAのファンの方たちもみんなすごく暖かく迎え入れてくれて。そこで「応援してあげたい」と思ってくださった方がたくさんいらっしゃったんです。
花村:そこで一気にファン層が広がった感はあります。それ以外でも、AAAのみなさんがDa-iCEのことをしょっちゅう話題にしてくださったり、メンバーの誕生日を一緒に祝ってくださったり。AAAさんのサポートがなかったから、今頃はもう解散していたかもしれない。
工藤:あとは、ターニングポイントといえば2017年の武道館公演じゃないかな。そこを達成した時に「いつかホールツアー、アリーナツアーまで到達できるんじゃないか?」という希望が見えた気がします。
ーーグループ以外のソロ活動も積極的に行ってきたDa-iCEですが、ここ最近はどのような活動がありましたか?
花村:2019年はNatural Lagというバンドを結成して、ミニアルバム『ナチュラルストーリー』でデビューさせてもらいました。2020年はYouTuberのヒカルくんとユニットを組んで、こちらもavexからメジャーデビューする予定です。Da-iCE、Natural Lagそして今回と、一生のうちに3回もメジャーデビューさせてもらえる人なんてなかなかいないと思うので、本当にありがたいことだなと思っています。
和田:僕は2019年から『Wagic Hour Works』と題したダンスムービーをYouTubeで配信させてもらったり、地元のラジオ局FM GUNMAで『Da-iCE和田颯のハヤラジ』という番組を、かれこれ3年くらいやらせてもらっていたり、ドラマにも出させてもらったり、本当にいろいろなことに挑戦させてもらっています。今後も自分のペースで色々と出来たらいいなと思っていますね。
岩岡:僕の場合は特に「これ!」というより、何か需要があればやらせていただけているという感じですかね。多岐にわたっていろいろやれたらいいなと思っています。
大野:僕は2019年、「大野雄大」名義のソロアルバム『この道の先に』でデビューさせてもらい、今年はデジタルEPをリリースしました。他にもTV番組で人生初のドッキリにかかったり(笑)、新国立競技場にて国歌独唱させていただく機会をもらったりしました。今後も歌を軸に、Da-iCEとはまた違う角度から音楽を届けられたらと思っています。慣れない場所にもどんどん顔を出していくことが、最終的により多くの人にDa-iCEを見てもらえることに繋がると思うので。
工藤:他のアーティストさんから、楽曲提供のオファーを色々と受けるようになってきたのはありがたいことだと思っています。自分がどんなことを求められているのかも客観的にわかるし、逆にDa-iCEではやらなかったような実験的なことにチャレンジしてみて、それをまたDa-iCEにフィードバックできたらいいなと思っていますね。
TBSラジオの番組『TALK ABOUT』では、個人的に好きなアーティストと話せるのも嬉しいですし、そこからブルエンさんとコラボをする話も盛り上がったりして。そういう出会いの場を作ってもらえていることに感謝しています。
ーーでは最後に、Da-iCEとしてアフターコロナ、withコロナの世界でどのような活動をしていきたいと思っているのか、お聞かせください。
大野:延期にはなりましたが、今年のアリーナツアーを成功させたいですし、やりたいです。正直、この先何が起きるか分からないし、ライブそのものが出来なくなる可能性もありますが、とにかくそこを目標に頑張っていきたいというのが今の僕らの気持ちです。
リリース情報
『SiX』
- 2021/1/20 RELEASE
<CD+3DVD+スマプラ・ムービー>
AVCD-96653/B~D / 12,800円(tax out)
<CD+2Blu-ray>
AVCD-96654/B~C / 2,800円(tax out)
<CD+DVD+スマプラミュージック&ムービー>
AVCD-96655/B / 3,800円(tax out)
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